甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 387
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163826103

作品紹介・あらすじ

大江戸スイーツ切り貼り屏風小さな菓子所藍千堂を切り回す兄弟に訪れる様々な難問奇問。季節季節の菓子に見立てて見事解決。時代人情話のお披露目でござい!

感想・レビュー・書評

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  • ふふふ、和菓子屋さんが舞台の物語。
    それだけでわくわくします。

    菓子作りにひたむきな、おっとりした兄、晴太郎。
    商売上手で、しっかり者の弟、幸次郎。

    父が晴太郎と幸次郎の誕生祝いにこしらえた吉野饅頭。
    「晴太郎饅頭」はふんわり柔らかく。
    「幸次郎饅頭」はしっかりした餡。
    父の願いの通りに立派に育った兄弟。

    もともと両親と暮していた「百瀬屋」を
    両親亡き後、店を継いだ叔父から追い出され和菓子屋「藍千堂」を開く。
    そして、その二人を温かく見守る職人の茂一。
    叔父からの理不尽な嫌がらせにも負けずに、
    お互いを補い支え合いながら生きている。

    そしておしまいは、めでたしめでたし。

    登場する季節感あふれる美味しそうな和菓子はもちろんですが、
    カバーと章ごとの扉絵がとっても素敵です。
    榮太樓さんのお菓子と、伊勢辰さんの千代紙なんですね~。

    どんなにイライラしている人でも、
    「まあ、甘いもんでもおひとつ」
    な~んて言われて差し出されたら、頬を緩ませてしまうのでは?

    少なくとも私には、これ以上ない魔法の言葉です♪

  • おもしろそうだな、と思ってたところに、書評で紹介されたのを見て。

    舞台は江戸の和菓子屋「藍千堂」。
    お菓子作りが大好きでおっとりした和菓子職人の兄・晴太郎と店を一手に切り盛りする勝ち気でしっかり者の弟・幸次郎。
    父の代からの付き合いである職人・茂市。
    藍千堂は三人で営む小さな菓子屋だ。
    元々は二人は江戸でも指折りの和菓子屋・百瀬屋の跡取り息子だったのだが、両親が相次いで亡くなり、叔父が跡を継いでから、追い出された。
    それ以来、何かと争うことが多い。
    しかし、叔父にも何か訳があるようで…。

    出てくるお菓子の美味しそうな描写、晴太郎・幸次郎兄弟の掛け合い、叔父の嫌がらせやピンチを切り抜ける痛快さが楽しい。
    そして、はからずも百瀬屋の跡取り娘になってしまった従姉妹・お糸。
    何かと兄弟を気にかけてくれる彼女が、今後どうなるのかも楽しみの一つ。
    読むと和菓子が食べたくなってしかたない。

    装丁に関して一つ。
    各短編の表題紙(?)に話や季節に合わせたカラー絵があるのがまたステキ。
    文庫化の際にはなくなってしまうのかな。もったいない。


    収録作品:四文の柏餅 氷柱姫 弥生のかの女 父の名と祝い菓子 迷子騒動 百代桜

  • 舞台は江戸時代なのだけれど、なんとなく現代っぽく感じるのはなんでだろう。
    でもその分、今まで時代小説を読んだことがないひとや学生さんにもオススメしやすい本です。

    キレッキレな幸次郎が、脳内でどうしても、青の祓魔師の奥村幸男クンとして動くからなのかな。あの時代に黒ぶちメガネなんてないと思うのに。(あっても丸メガネでそれは幸次郎のキャラとしてはナイ)
    なんなんだろうね、長男や長女はしっかり者といわれる半面、おっとりしていると言われるならまだしも、ぼんやりしてるだの天然でぼけ~っとしていて危なっかしいだのと……(身に覚えがありすぎる)

    閑話休題。

    晴太郎のおっとりした立ち居振る舞いは、読んでいて癒されます。

    実家「百瀬屋」を(叔父夫婦に)追い出された兄弟が、亡き父の味を守り小さな和菓子屋「藍千堂」を営む物語。ケチくさい嫌がらせにも、正々堂々と和菓子で勝負しはねのける様は胸がすく想い。最終話「百代桜」では、なぜ叔父がそんな嫌がらせをするようになったのかの経緯も明らかに。

    寝る前に1話ずつ読んでいました。
    どれも心がほかっとして、いい感じ。和菓子が美味しそうで、ちょっと飯テロな気もしますがキニシナイ!
    各話の扉の装丁も和柄でいい雰囲気。ちょっとこの辺は手元に置いておきたくなるポイントです。(今回は図書館で借りました)
    いつかきっと、藍千堂は大店に成長することでしょう。そんな未来を予感させる明るい仕舞い方もまた、よかった。

    続編も出ている模様。さっそく図書館で予約しました!

  • 藍千堂」の主で和菓子職人の兄と、その商売を担う弟を中心にした人間模様が描かれた時代小説。
    それぞれのキャラクターが明確で魅力的なので、話に引き込まれていく。
    話の中に織り込まれている和菓子を話は、季節感いっぱいで、その形や色、匂いまでもが文章を通して伝わってくるような気がした。
    短編集になっているので、とても読みやすい。
    それぞれのお話の題名が書かれているページの装丁が洒落ていて、女子心を掴まれた。

  • 洋菓子もおいしいですが、
    和菓子の繊細さにはやっぱり格別ですよね。
    そんな素敵なお菓子を作り出す天才の兄。
    そんな兄を叱咤激励する商才豊かな弟。
    この二人がタッグを組めば、売れないはずないですよね。
    従妹との関係も含め、まだまだ気になる要素たっぷり。
    続編が出ることを期待します。

  • 季節折々の和菓子が物語を彩る。
    江戸で小さな菓子屋を営む兄弟とそれを巡る人々のお話。

    結末がちょっとすっきりしなかったのが残念だけれども
    和菓子にはひとつひとつに物語があっていいね。
    特に百代桜は食べてみたい。

  • 藍千堂菓子噺シリーズの1作目。
    文字が小さい。
    何度読んでも心温まるものがある。
    これで読むのは2回目になる。
    第3話の「あなたのためなら」を読んで、第1話からもう一度読み直す気になった。

  • 実家の和菓子屋から独り立ちした兄弟が、力を合わせて和菓子屋としてやっていくお話。兄弟!兄弟!こんなに兄弟ものだとは予想していなかったので、うれしい驚きでした。(BLってタグがあった(笑))しかも面白い。おっとりとした職人の兄と、しっかりものの営業担当の弟の組み合わせがたまりません。それを見守る職人さんとか、旦那とか。いいキャラクターがそろっているし、和菓子もおいしそう。これはよいシリーズになりそうです。期待!

  • 微妙に入り込めなかったけれど、和菓子が美味しそうだった。

  • 人の気持ちを和ませる、季節感を程よく感じさせるそんな和菓子が想像できた。私は口下手だけど真摯に和菓子に向き合う晴太郎が好き。でも、幸次郎、茂市さんはじめ、登場する人物がみんなそれぞれ味があって素敵。まだまだ、晴太郎さんの考えるお菓子を感じてみたい。次の話が出ないかな・・・

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著者プロフィール

田牧 大和(たまき やまと)
1966年、東京都生まれの小説家。明星大学人文学部英語英文学科卒業。市場調査会社に勤務しながら、ウェブ上で時代小説を発表していた。2007年『色には出でじ、風に牽牛』(『花合せ』)で第2回小説現代長編新人賞を受賞。
代表作に、『花合せ 濱次お役者双六』などの「濱次シリーズ」、『鯖猫長屋ふしぎ草紙』の「鯖猫長屋シリーズ」などがある。

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