髪結い伊三次捕物余話 名もなき日々を

  • 文藝春秋 (2013年11月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163828008

作品紹介・あらすじ

絵師を目指す、伊与太が迎える転機とは?



伊三次の息子、伊与太は有名な絵師のもとに弟子入りが叶い、ますます修業に力が入る。一方、伊与太が秘かに想う幼馴染みの茜は、奉公先の松前藩の若君に好意を持たれており……。登場人物の運命が大きく展開する、人気シリーズ12巻。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

登場人物たちの成長と心の揺れが描かれた作品で、特に主人公の子供たちが中心となり、彼らの人生が少しずつ動き出す様子が印象的です。伊与太や茜、龍之進など、若い世代がそれぞれの苦労を重ねながら幸せを目指す姿...

感想・レビュー・書評

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  • 髪結い伊三次捕物余話、これが出てると知らなかったので
    読むのに間が開きましたが、自家薬籠中の、という言葉が
    しっくり来る良い作品でした。
    皆様は伊三次さんより子供達が中心になっていくのが
    ちょっと気になられるようですが、私はいいと思います。

    シリーズが進み、主人公の子供といえど彼らも成長すれば
    大人になりますから。

    若いなりに、世に立つためには伊三次さんやお文さんとは
    また違った苦労や経験を重ねて幸せになっていくのでしょう。
    それを読むのもまた一興。

    茜さんのご奉公を巡っての彼女の心の揺れや龍之進が
    父親になる場面、お吉が情愛の深い娘に育っていること。
    伊与太が必死にいっぱしの男としてやっていくために努力
    していること。

    どれも大切に読みつぎたいものです。

    その一方で、『手妻師』で見せた伊三次さんの情のこもった
    鋭い仕事ぶりや、花形手妻師から罪人に転落してしまった
    男の、最後の美しい置き土産。

    茜を預かった三省院の年輪を含んだ温かい人柄など
    やはり時間を長く大事に生きた人々でないと出せない
    馥郁としたやさしさは、染み渡るように全編に効いている
    と思うのです。

    主人公は、やはり伊三次さん。
    ビシッと筋を通す一本の芯は、やはり彼です。
    派手さが大事なんじゃない。

    出てきて、男として場が締まる。
    それが主人公というものですから。

  • 心がホッとし、安心して読め、読後に暖かな余韻が残る伊三次シリーズ。今作も快調。
    最初は、お文伊三次の夫婦の話題が主であったが、やがて、子の世代の活躍となり、次々と登場人物が増え、今作では、葛飾北斎や、松前藩の三省院までが!
    伊三次ファミリー(同心不破家もふくめ)のますますの広がりに、作者の筆は冴えまくり。
    宇江佐真理は、生涯このシリーズは書き続けると話していた。今後の期待いや増すばかり。

  • 今回は登場する人々(特に子供達)の人生が
    じわりじわりと動き出した感じでしたね。
    大きな変化はないものの安定した面白さ。
    こうして何年も読み続け、物語中の人々の人生を眺めていると
    みんな幸せでいて欲しいな…と願わずにはいられません。

  •  宇江佐真理「名もなき日々を」、髪結い伊三次捕物余話シリーズ№12、2013.11発行、6話。伊与太17歳は、歌川豊光の死で、歌川国直23歳の元に。茜は病弱の松前良昌15歳に慕われるも、局藤崎の陰謀にかかり、三省院、鶴子の隠居屋敷に。鶴子護衛の道中で伊与太と偶然出会う。伊与太の「お嬢」の掛け声が茜の胸を熱くする。不破龍之進の妻きいは難産の末に男児を。

  • 名もなき日々を生きる。
    その多様さ、深さ、広さが歳をとって感じられるようになった気がする。
    それぞれ、置かれた環境で、精一杯生きる。
    意地悪で姑息な誰かも、その人なりのベストを尽くそうとしている。
    人は生まれ、死ぬ。
    その間をどう過ごすか。
    宇江佐真理さんの本をゆったり読む選択は、自分にとってよりよい人生にするための効果的な選択の一つ。
    伊佐次シリーズの登場人物が、しあわせであってほしいと思う。

  • 不破茜と伊与太の話はもはや捕り物に何の関係もないが、
    その後が気になっているので、
    偶然町で会えたのは良かった。
    話もできなかったが。

    伊与太は良い絵の師匠に恵まれたし、
    不破龍之進の妻には無事子どもが生まれたし、良かった。

    伊三次の弟子、九兵衛と魚佐の娘の恋話はどうなることやら。

  • 題名に伊三次とあるのに、最近は息子世代がメインのお話となって来ていて少し寂しくもあるが、そこに人生の縮図を見えるような気もする。年を重ねると主役から脇役に回って人を支えるという視線が必要になっていくものだと、実生活でも実感中なので、小説もまたしかりかと思えば感慨深い。

  • 伊三次シリーズというよりはその子供たちシリーズという体をなしてきた。伊代太にお吉に不破さんとこの龍之進や茜が、親たちを差し置いて主人公となる物語。

    このシリーズの登場人物たちは決して順風満帆な生き方をしている人々ではないのに、読んでいると、なにやらほっとするとともに、「まぁ明日も1日がんばってみようか」と思えてくる。今まではそれが伊三次やお文や友之進の生き方だったんだけど、ここに来て子供らの頑張りように励まされるようになってきた。例えば龍之進が居酒屋で酒を飲むシーンがあるんだけど、そこの描写なんかはもう一丁前の大人である。その成長ぶりで、俺なんかは心くすぐられるんよなぁ。

    美魔女なお文の登場シーンをもうちょっと増やして欲しいという欲望がありやなきやはともかくとして、偉大なるマンネリもん好きとして、はこのシリーズも宇江佐真理さんもまだまだ頑張って欲しいと思うのだ

  • 【絵師を目指す、伊与太が迎える転機とは?】伊三次の息子、伊与太が秘かに想う幼馴染みの茜。だが彼女の奉公先、松前藩の若君も茜に好意を持ち始めていた。人気シリーズ12巻。

  • 茜さんも難題が持ちあがり、どうなるの?

  • 2014.4.6
    ようやく借りれた一冊。
    いいなぁ、相変わらず。

    伊与太と茜はどうなってゆくのか、気になるところ。
    代わり映えなくても日々過ごしてゆくしかないんですね。
    生きていけば道が開けると信じて。

  • ブログに掲載しました。
    http://boketen.seesaa.net/
    直木賞をとれなかった名手の、心地よい語り芸

    19年前に、髪結い伊三次捕物余話の第1作「幻の声」で、オール読物新人賞を受賞した宇江佐真理。
    5回も直木賞候補になりながら、受賞できなかったのだから、不運の作家というべきなのだろう。
    しかし、直木賞・芥川賞を受賞しても消えてしまった作家あまたある中で、新作が出版されれば読みたくなる作品を書き続けているのだから、むしろ幸せなのか。

  • 【収録作品】俯かず/あの子、捜して/手妻師/名もなき日々を/三省院様御手留/以津真天

  • 初めて読んだときは、まだ伊佐次も独身でした。あれからいろいろあってもう娘が将来の夢を語ってると思うと、随分長く付き合ってきた気がします。
    今回も温かく切なく、読後に余韻に浸れる作品でした

  • おだやかな展開でした。次はいよいよ茜と伊予太の物語となりそう。

  • L 髪結い伊三次捕物余話12

    やっぱり伊三次シリーズ、最初から一段低いところからしんなりスタート。靄がかかっているかのような話の流れなのに清々しい…がこのシリーズ。皆悩んでそれでも頑張ってる。
    お吉は髪結い修行を始め、伊予太は新しい師匠の元に弟子入り。伊三次の弟子にも将来への布石が。不破様にも新たな命誕生。そんでもって茜!すっかり奉公にあがったことを忘れてたわ。茜はこれからが正念場、続きが楽しみ。
    この雰囲気、独特。たまらん。
    伊三次がお吉を想ってしみじみするシーン、月日を感じるなぁ。伊三次とお文の若かりし時代が懐かしい。

  • まだまだ続きそうなので嬉しいです。

  • ベテランらしい読みごこちが良い
    五時間もかかっている妻のきいの出産に奮闘する龍之介がいいなあ
    江戸時代はお産で命を落とす女が多かったようだ
    今は サーツと帝王切開で楽なようだ

    芝居小屋の悪徳座主の権九郎をみんなの代表として殺した罪で首を切られる前 手品を使って雲隠れしたた手妻師鶴之助が痛快だな 捕まるな ははは 

  • 久々の「髪結い伊三次」シリーズ。
    登場人物は次世代に移り、人間関係は過去の記憶を必死にたぐり寄せ思い出すのに苦労した。
    安心の宇江佐ワールドで、最後の以津真天では涙がこぼれた。

  • 髪結い伊三次シリーズ。
    宇江佐さんにどっぷりはまりこんだシリーズも、いよいよ子供世代たちメインの話になってきた。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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