- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163900056
作品紹介・あらすじ
戦後の日本人を鼓舞したスター。”世界のミフネ”の栄光と晩年の孤独を描く。『羅生門』『七人の侍』『用心棒』など日本映画界が誇る名作の数々に主演し、スティーブン・スピルバーグらハリウッドの巨匠も憧れた“世界のミフネ”。一方、私生活では酒乱や不倫騒動でスキャンダルにまみれ、自ら経営する三船プロダクションは、腹心の裏切りによって窮地に立たされた。盟友・黒澤明監督との不仲の真相、そして、初めて明かされる最晩年の出来事まで。不器用にしか生きられなかった昭和のサムライの波乱万丈の人生に迫る。
感想・レビュー・書評
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三船敏郎が映画デビューして70周年.記念に「世界のミフネと呼ばれた男」という展覧会が東急本店で開かれた.それが面白かったので,この評伝を手に取る.
評伝というにはちょっと踏み込んだ批評,評価がなく一面的な気がするが,三船敏郎のエピソード集としてはなかなか興味深い.
酒に酔ったときのこと,黒澤明とのこと,晩年のこといろいろよく取材して書いてある.現実はどうであったかはわからないが,これを読んで北川美佳,三船美佳親子に良い感情を持つ人はいないだろうな.
何度か前を通ったことのある三船プロの入っているマンション.そこに大きな撮影所があったことは今は全くうかがい知れない.ビジネスの世界は厳しいとはいえ,なんだか寂しいものだね.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この著者にはあまりいい印象がなかったのだが、これは良かった。三船だけについて書かれた本って意外となく、黒澤がらみで書かれることが多いので、三船プロの顛末や、晩年のスキャンダルなど、きちんと書いてあるのがとてもよかった。愛人の北川美佳が熱心な創価学会信者であったことなど、噂で聞いたことはあっても、ちゃんと文章で発表されたのを見るのは初めてだ。
三船が几帳面で細やかで潔癖症だったことは読んだことがあって知っていたが、これほど証言が集まるとショックを受ける。スクリーンの彼は豪放磊落な役が多かったから。
黒澤との余人には理解し難い愛憎関係も、よく調べている。単に仲たがいしたとか、利害が一致しなくなったとかいう単純な問題ではないのだろうと思ってはいたが、この本の書き方はとても納得できた。
それにしても、三船のような輝く「スター」っていなくなったなあ。圧倒的な存在感があったなあ。
また三船の出た映画が見たくなった。 -
平成末期、取材結果を中心に筆を進めれば、こうなってしまうのだろう。新たな視点や解釈、そしてそれらへの深掘りなどは一切ない。また個人的に知りたいと思っていた監督やスターとの激突、晩年の心情なども語られず。
ただ、老いた三船を捨てた北川美佳、という定説は事実ではないらしい、という記述があり、それはちょっとした驚きであった。またそれを受けた長男の「最後に戻ってきてよかった」、次男の「最期まで一緒にいてくれていたら」、というそれぞれのコメントも深くて良かった。それだけで読む価値があったと思えた。 -
三船敏郎、やっぱり好きだ!彼の身体能力はそんなに凄かったのかと知らされた。筆者や黒沢久雄氏も言っているが、東宝にはぜひ黒沢作品のリマスター版を出して欲しい。
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魔境~殺生谷の秘密
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この本を読むことによって、三船敏郎氏のイメージが大きく変わることはなかった。しかし、プライベートのエピソードに関する証言などに接することで、人間的な厚みが増し、よりその魅力が増えている。読み終わった後、主演映画を片っ端から観たくなっている。
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【“世界のミフネ”の知られざる実像に迫る】世界が尊敬する日本人、三船敏郎。スターの華麗な人生と離婚騒動や会社の内紛などの波乱、知られざる晩年の様子がいま明らかに。
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これも昭和史の一冊として読んだ。
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三船・黒澤の出会いに高峰さんが絡んでたのかあ!
67年三船プロオープンセットの「上意討ち」は成城で撮影してたのか!
68年五社協定破棄の「黒部の太陽」。
初めて知る晩年のミフネ。 -
その時代を映す 人物 って いますよね
たしかに 三船敏郎さん は そのお一人ですね
三船さんの「映画」を観てきた人は
いうまでもなく かなり楽しめるでしょう
三船さんの「名前はなんとなく」の人も
戦中から戦後すぐの「日本」を考える1冊
として 楽しめるのではないかな…
たぶん
その時代 それぞれに
その人だからこそ
そういう生き方をした
という「人」がいますよね
じゃあ
あの国の
あの人が 生きていた時代は
どんなのだったろう
と 思いを馳せることのできる
1冊でした