ミッドナイト・バス

著者 :
  • 文藝春秋
3.75
  • (64)
  • (151)
  • (120)
  • (15)
  • (1)
本棚登録 : 763
レビュー : 145
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900063

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 離婚した家族の物語。
    それぞれが口にできない想いを抱えて生きている。
    父、母、息子、娘だけじゃなく、その周りにいる人々もたくさんの想いを抱えている。
    結局、皆が身勝手で、傷付くのが怖いから壊れた理由に向き合おうとしないんだと思うと、その弱さに腹が立つけれど、自分も同じじゃないかとハッとしたり…
    唯一、逃げようとしなかった志穂の強さが心に残る。
    壊れた家族は元には戻れないけれど、なんとなくスッキリと再出発できるような終わりでよかった。

  • 東京での仕事に挫折し、故郷で深夜バスの
    運転手として働く利一。そんなある日、
    16年前に分かれた妻が乗車してきて…。
    おだやかな筆到で描く家族の再生、
    そして再出発の物語。

  • 何かにつまづいた人ばかりの家族小説でした。この方は少ない文で人の感情変化を表すのがうまいので、登場人物の心情変化を楽しみました。

  • 根は優しいけれど優柔不断で不器用な40代後半のバツイチ男(利一)の物語。父親同様東京の仕事を辞めて故郷に帰ってきた息子(怜司)の人生。夢に向かって歩む娘(彩菜)の人生。別れた元妻(美雪)との再会。そして徐々に心を通い始める二人。付き合っている歳下の女性(志穂)との別れ。メインのストーリーに並行して長距離バスの乗客たちの人生が優しいタッチで描かれる。最後にようやく自分の人生を歩き始めようと決意する。「走り続けたこの先にはいつだって、きれいな朝が待っている。」

  • 一度バラバラになった家族の話。

    どうして妻は子どもをおいて行ったのだろうと思っていたが、
    読み進めるとそれなりの理由があった。

    出ていく母を見送ったことは、
    子ども達が寂しかったろうと思うとたまりません。

    でも、どうしても、
    この物語に出てくる主人公と元妻は好きになれなかったなぁ。

    責任を取ることを恐れている男は
    決定的なことをしないで、
    責任を回避しているようにしか思えなかった。

    16年前も今も。

    今の恋人にさえ、
    自分から別れておいて、
    今更、追いすがるような生き方が腹立たしい。

    でも、こういう人、モテるんだよなぁ、
    あー、ムカつく。

    「愛情ではなく愛惜」という言葉は、
    さすがくぐさりと刺さった。

    それは私も中年だから。
    そして、そんな私も責任回避が上手なのかも。
    モテないけどね。

  • もう一度。願いをこめて、利一はバスを走らせる。
    もう一度、人生を前に進ませよう。
    ー高宮利一


    最期はそれぞれが再スタート出来て良かった。

  •  離婚によってそれぞれが心に傷を負って、なんとなく幸せになれないままに生きてきました。それぞれに何かしらの負い目を感じ、自分を罰しながら生きている。
     それでも陰鬱な感じにならないで、寧ろ爽やかな感じがします。
     抱えていた問題を、家族がやり直す事で解決する。皆が幸せに向かって行く最後がよかった。
     

  • 様々な登場人物に感情移入して涙してしまった。
    物語が淡々と進むので、続きが読みたいという気になりにくいが、その世界に入ってしまったら登場人物がすぐ近くにいるように感じる。
    一番堪えたのは、主要人物ではなく序盤に出てきた東京の大学に通う息子を送ったお母さんのパート。「あと4年、あと4年」と口ずさむも帰ってくる保障はない。
    自分の母もこのように自分を見送ったのかと思うと涙が止まらなかった。
    レイジと同年代の自分も、もっと親孝行しないといけないと思った。

  • 白鳥は家族で飛ぶ
    大きな群れではなく小さな家族が
    心を合わせて海を渡ってくる
    どうして人は、うまくやれないのだろう

    どんな大きな橋もビルも
    1人では作れない。
    ましてや生きている人間の人生
    ツライ時に時に助けを求めるのは
    きっと恥ずかしいことじゃない
    (本文より)

  • 【あらすじ】
    男が運転する深夜バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。
    壊れた「家族」という時計は再び動き出すのか――
    家族の再出発を描く感動長篇。

    【感想】
    すごく切ない物語だった。でも、家族のあり方、絆、すれ違い、愛情…いろんな家族を知ることができた。胸があたたかくなったと思えば、なんでそんなことを!と、もどかしく思ったり…まるで自分が物語の中に入り込んで、その様子をこっそり眺めているような感じがした。何度も読み直したい。そう思わせてくれた一冊だった。

全145件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

ミッドナイト・バスのその他の作品

伊吹有喜の作品

ツイートする