辞書になった男 ケンボー先生と山田先生

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 551
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900155

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすく、ぐいぐい引き込まれる。「○○の謎」でひっぱるのはいかにもテレビ的な手法で品はよくないが、それが一役買っているのは否めない。
    ケンボー先生も山田先生も、一緒に仕事はしたくないタイプだなあ、と思いながら読む。そのくらいでないと一人で辞書を作るという仕事はできないのだろうけれど。
    二人は人前で和解することはなかったから、「本当は許し合っていたのだ」と考えたい気持ちはわからないでもない。でもぼくは、和解しないままであったとしても別に構わないではないかと思う。みんながみんな仲良しばっかりだったら気持ち悪い。自分の世界をしっかり持っている人同士は、相容れないことがあるものだ。それを向こうに置いといて、とりあえず握手しとこうぜ、というのはむしろ相手に失礼なんじゃないかと思う。

  • NHKで放映されたノンフィクションの書籍版。残念ながらNHKの番組は見ていませんが、この本はすごく魅力的な本でした。歴史をひもとくというのはミステリーに通じるのではないかと感じましたし、その謎のヒントが実際の辞書の中にあるという視点でわくわくしながら読んでしまいました。「新明解」も持っていますし、「新解さんの謎」もかつて読んでいて、その時には辞書に架空の人格を持たせる茶目っ気ぶりかと思いましたが、まったく違っていました。これは「辞書はかがみである」と言う主張と「辞書は文明批判である」と言う主張の違いのケンボー先生と山田先生の「いきざま」なんだなあ。

  • 2014年9月28日に行われた、第19回ビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「友」。チャンプ本!

  • 【辞書は小説よりも奇なり】一冊の辞書をともに作っていた二人の男はやがて決別し、二冊の国民的辞書を作った。ことばに人生を捧げた見坊豪紀と山田忠雄の物語。

  • どの辞書も同じ言葉が書いてあって、堂々めぐりや他の辞書の引用・盗用は当たり前だと思っていた。しかし、ことばは変化し、辞書も時代とともにかわっていくもので、どの辞書を選んでも同じではない。正しい日本語というものも存在しない。
    きちんと用例採取を行い責任をもって語釈をつけることにより、それぞれの辞書の特色「個性」が出る。ある意味、個性を持つとうことは編集方針がしっかりとしているということで、もっとも大事な点かもしれない。個性があるのが本来は当然なはず。(どの辞書をひいても内容が同じという状況があるとしたら、そうした状況の方が問題だ。)「新明解」は山田先生の個性が極端に反映されすぎているかもしれないが、それでよいという潔さがあった。
    一方で、そもそも語釈の客観性が強く、用例採取を広くきちんと行っている「三国」はとてもよい辞書であるといえる。
    ともかく、辞書の性格を知りながら、色々な辞書を使うべし。これら2つ以外の辞書として、やはり「日国」もまた信頼すべき辞書である。
    この本に書いているような内容は、辞書の編集方針や誰が編集したかという内容に踏み込んでおり、本来は、オーサーシップやまえがきなどに書かれるべき内容も含んでいるのでは?とも思ったりする。

  • 人生を読み解かれる方もたまらんなあ。

  • 何か遠慮がちの印象。

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著者プロフィール

佐々木健一

1943年,東京都生まれ.東京大学文学部卒業.同大学院人文科学研究科修了.東京大学文学部助手,埼玉大学助教授,東京大学文学部助教授,同大学大学院人文社会系研究科教授,日本大学文理学部教授を経て,現在,東京大学名誉教授.美学会会長,国際美学連盟会長,日本18世紀学会代表幹事を歴任.専攻,美学,フランス思想史.

「2019年 『美学への招待 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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