ありふれた愛じゃない

著者 :
  • 文藝春秋
3.74
  • (58)
  • (112)
  • (99)
  • (16)
  • (0)
本棚登録 : 777
レビュー : 123
  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900360

作品紹介・あらすじ

藤沢真奈は32歳、銀座の老舗真珠店でチーフマネージャーを務める。お局の部長に目の敵にされながらもやりがいをもって接客に励んでおり、顧客の信頼も厚い。私生活では6歳下の大野貴史と半同棲状態にあり、結婚も遠くなさそうだ。夢ばかり見るかつての恋人との苦い生活を経て、真奈は安心と穏やかな日常を望んでいた。ある日、真珠店の高橋社長に呼び出された真奈は、タヒチ出張への同行を命じられる。真珠を買い付けに行くのだ。抜擢を喜ぶ貴史にも背を押され、真珠の猛勉強を始める真奈。「気の早い新婚旅行」で自分も後から向かうという貴史のプロポーズに泣きたいほどの幸せを感じた真奈は、しかしどこか心細さを感じていた。 タヒチで真奈は意外な人物と再会する。かつて熱烈に愛した男、朝倉竜介だ。大学時代からつき合っていた竜介は、まるで生活能力のない男だった。卒業後もろくに働かず、口癖のように「南の島でヤシの実でも採って適当に暮らしたい」と言うばかりの竜介に真奈は疲れ果て、生皮を剥ぐ思いで別れたのだ。そんな中、トラブルで貴史の到着が3日も遅れることに。心細さを抱えたまま、タヒチの開放的な風土と本能のままに生きる人々に囲まれた真奈は、一層増した竜介の逞しさと官能性に胸をざわめかせる自分に気づき、貴史への罪悪感に心悩ませる―— 同性上司との対立と和解、自分らしく働きたいという思い、年下の恋人への遠慮、人生で最も愛した男の記憶……恋愛と仕事に心揺れる大人の女性であれば誰もが胸に覚えのある切実なテーマを描き、読む者のこころを強く捕える、激しいラブストーリーが完成した。 著者は2度のタヒチ取材を敢行。美しい海や島々の豊かな自然、世界一のリゾートホテル「セント・レジス」の豪奢な空間、人々で賑わう朝市や屋台村「ルロット」の猥雑な魅力、出産のために訪れるクジラ……精緻な描写で楽園の島の風物もリアルに伝える。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 地上最後の楽園と呼ばれるタヒチ。
    私がボラボラ島を訪れたのはかれこれ15年以上も前のこと。
    そこはその名の通りまさに天国だった。
    この世のものとは思えない息をのむような美しさ。
    そびえたつオテマヌ山を取り囲む青のグラデーションが織りなすラグーン。
    これほどの感動も徐々に薄れほとんど忘れかけていた。

    でもこの本を読んだらぶわっと一瞬にしてよみがえってきた。
    ボラボラ島の景色が波の音が空気が。
    もう余すところなくボラボラ島の魅力がつまってる。
    巻末の協力の欄に「タヒチ観光局」の文字が!
    そうかー、なるほどね。
    定番の足元の熱帯魚が泳ぐ水上コテージはもちろん、ビーチでの情熱的なタヒチアンダンス、色とりどりのパレオ、モツピクニックと言われる無人島ツアーなどなど盛りだくさん。
    おまけに何と舞台になった「セント・レジス」は実在するホテルだ。
    ボラボラ島に行った事がある人や行きたい人はもちろん、興味のなかった人もボラボラの魅力にやられちゃうんじゃないかな~。

    で、肝心のストーリー。
    「ありふれた愛じゃない」ってタイトルの割にはありふれたストーリーだった(^_^;)
    主人公は老舗宝石店に勤務する32歳の女性。
    仕事は充実し、プライベートにも可愛い年下の彼が。
    結婚を目の前にして幸せだと思いつつもどこかに物足りなさが。
    そこへ真珠の買い付けにタヒチへ出張を命じられることになった。
    なんと現地には10年前に別れた元彼が。
    年下の彼とは正反対の野性味あふれる魅力を前に揺れる心。
    ああ、危険なにおいが!!
    もうありきたりすぎるー(笑)
    他にも意地悪なお局やらセクハラまがいの社長やらテンコ盛り。
    ここにお得意の(?)官能シーンを差し込めば、村山ワールド出来あがり~♪

    もう一ひねりあったら良かったのかもとも思うけれど、これはこれで良いのかも。
    設定ありきだとしたらこれ以外に落とし所はないか。
    ああ、とっても面白かったですよ。
    宝飾店での接客から始まる冒頭シーンから引き込まれて、舞台がボラボラに移ってからは読むテンポも速くなって。
    南の島が好きな人、ベタな恋愛が好きな人には間違いないです!

  • いったいどうすれば、あの男にこれ以上惹かれずにいられるのだろう。未熟だがまっすぐな年下彼氏との婚約に満足していたはずの真奈が偶然再会したのは、社会不適合だが危険なほど官能的な元カレだった。揺れる心と躯。楽園の島タヒチで真奈が選んだ愛とは? (「BOOK」データベースより)

    そうそう!これこれ!こういう村山由佳さんが読みたかったの!っていう作風で小躍りしそうに嬉しかったです。「翼」とか「星々の~」とか、こういうのが好き。久しぶりに1日で一気読みしました。面白かった!!!

  • 真奈は、銀座の老舗真珠店でチーフマネージャとして働く32歳。6歳年下の彼とは結婚も間近だ。
    それなのに。
    まさか、地球の裏側で10年前に好きなまま別れた、かつて愛した人に再会するなんて。

    本書を読み終えたらどうか、カバーを外してみてほしい。
    読み進めていく中でタヒチの美しさに心を溶かされていたのに、ふとカバーを外したら、こんなにくい演出まで。心はすっかり楽園タヒチに飛んでいってしまったかのようでした。

    さらに、作中に出てくるSadeの「No Ordlinary Love」は海の中で人魚が唄うPVで、あわせて聴くのもいい。

    登場人物では、ジョジョが特に好き。辛辣だけど、まっすぐで素敵な人。でも、その他の登場人物もみな魅力的で、頭の中で動き回っています。

    大人になればなるほど、こんな身を焦がすような、一生を賭けるような大恋愛をすることを避けてしまうからこそ、物語の中で追随できたらもう十分。
    恋愛小説といえば、村山さん。
    頭の中に次々に浮かぶ映像があまりにも美しくて、心が解き放たれたような清々しい読了感でした。

  • 読書自体が久しぶり。
    やっぱ本はいいね。

    すごく素敵な女性の話。
    最後に選んだ決断も、思い切ったけど、自然だったと思う。そんな人生があっても全然不思議じゃない。応援したくなる。

    タヒチに行ってみたいなぁ。

  • ストーリーだけだとまるで昼メロにありそうな話という印象。
    ただ、それがこの人が書くと昼メロから文学に押しあがっていてそれは文章力だな~と単純に感じました。

    主人公は真珠を主に扱う宝飾店に勤める女性。
    彼女は現在、優しい年下の恋人がいて結婚は間近。
    意地悪な先輩の嫌がらせに耐えながらの彼女の仕事ぶりは社長に認められて、社長がタヒチに真珠の買い付けに行く際に同行することに。
    そして、彼女はそこで過去に別れた恋人との再会を果たす。
    その後、彼の存在が元で現在の恋人との仲に亀裂が入り-。

    主人公の女性だけでなく、時折現在、過去の二人の恋人の視点からも描かれた文章があります。
    それが自然で登場人物の気持ちにスッと入る事ができました。
    真珠の素晴らしさを表現された文章も素晴らしいし、それと南の島という設定に、過去の恋によろめいてしまう・・・ちょっと危ないアバンチュールな雰囲気もきれいに描かれていると感じました。

    強引な社長にくどかれたり、先輩にいじめられたり、生活力がない理想ばかり追う過去の恋人が異国では魅力的に見えたり、反対に現在の恋人が色あせて見えたり・・・その設定のどれをとっても昼メロやら何かで見たような手垢のついたもの。
    タイトルと違いありふれてると感じましたが、それをありふれたものじゃないように描いてるのがすごい。
    ここにひとつのきちんとした世界が広がっていると感じられる本でした。

  • 久しぶりに村山由佳の「おいしいコーヒー」シリーズじゃない本を読んだ。内容はよくある昔の恋人に再会して、気持ちが揺れて、いろんな人を巻き込んで、結局はハッピーエンドって話。純粋に恋愛小説を読みたかったので、それなりに満足だけど、もう少し、ハードな方が良かったかな。

  • 主人公の真奈という名前 偶然にも直前に読んだ
    辻仁成さんの「日付け変更線」の主人公も真奈で私のなかではこの本に縁を感じてしまった。
    南国のタヒチの暑さや海 風がすごく心地良く
    そこに居るかのような気分にさせてくれました。
    次の旅行先にしたくなったくらい!
    物語は面白かったけど、恋愛ものってやっぱり箸休めくらいな感じかな?

  • 日本とタヒチを行ったり来たりする、その旅行記的な雰囲気は良かった。
    南国の熱気漂う現地の風景、美しい真珠に纏わる知識、高級リゾートホテルの豪華な雰囲気。
    それらは存分に味わえたが、ストーリーは読んでいてきっとこうなるんだろうな、というそのまんまの展開で進んでいったのが少々残念。
    2015/10

  • ジョジョみたいな友達がほしい
    まなみたいな忘れられない恋がしたい
    タヒチにいってみたい

  • 村山由佳作品にしてはインパクトが薄かった。

全123件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

ありふれた愛じゃないのその他の作品

村山由佳の作品

ありふれた愛じゃないを本棚に登録しているひと

ツイートする