バベル

  • 文藝春秋 (2014年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784163900407

作品紹介・あらすじ

201×年――新型ウイルス『バベル』が蔓延する近未来の日本。そのウイルスに感染して発症した人間の大半は言語に障害を来たし、場合によっては意思の疎通まで不可能になる。感染拡大を恐れた諸外国は日本との貿易・渡航を制限、日本経済は大打撃を受けた――。その後日本政府は巨大な壁「長城」を建設、「長城」の内と外で感染者と非感染者を隔離する政策を推進する。日本は一種の鎖国状態に入る。

その後感染者の中には隔離政策に抵抗、破壊活動や「長城」に侵入しようとする集団が発生する。その一方で「言語を伴わないコミュニケ―ションの可能性」をさぐる新しい動きも胎動してきて――。しかし日本政府はその可能性を否定するように、非感染者だけを収容する「タワー」を建設、一層の隔離政策をとるように。さらには「バベル」感染者がインフルエンザに感染すると死に至るケースがあることから、インフルエンザウイルスを使った悪魔的な計画を実行しようとするが……。

ウイルスとは何か? 新しいコミュニケーションの可能性とは? 福田和代にしか描きえないバイオクライシスノベル。

みんなの感想まとめ

ウイルス感染によって言語障害が引き起こされる近未来の日本を舞台に、隔離と共存の選択が問われる物語が展開します。新型ウイルス「バベル」の影響で、感染者と非感染者を隔てる巨大な壁「長城」が築かれ、経済や社...

感想・レビュー・書評

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  • ウイルス感染で言語障害が起きるお話。
    長城の発想が面白かった。
    これが数百年とか経ったら、『シャングリ・ラ』とか『ブルータワー』みたいな感じになるのかなと思ったのですが、最後を見る限りそうじゃないみたい。
    感応力でコミュニケーションできても、識字はどうなんだろ?
    本読むの好きだから、読めなくなるのは嫌だー

    ムーンレディ、同時進行で虚構推理(コミック)読んでたからか六花さんのイメージでした。

  • 感染力が強く、発症率が高く、後遺症も強い。
    各種ウイルスの最悪部分を集めたような新型ウイルスが、日本で爆発的に流行していく。
    デングウイルスもちらりと登場するなど、タイムリーな内容。
    隔離か、共存か。
    ワクチンも存在しない状況で、どうするのが一番なのか。
    難しい。

  • ふむ

  • 未知の感染症が広がるのはよくある話だけど、後遺症で重度の言語障害が残るって設定に面白さを感じた。あと感染者と非感染者を隔てる長城と子供たちが集められたタワー。

    売れない小説家だった女性がどう頑張ったら数年で凄腕の情報屋になれるんだろう。
    途中で先生の長い仮説タイムが入ったのが辛かった。ただそこを丸ごと読み飛ばすと結末の意味が分からなくなるので、流し読みでもいいから目を通しておくべき。

    夫だけが感染したら別居でもいいけど、飼い猫を殺すなんて考えられないから外のエリアを選ぶかもなぁ。

  • 福田和代 『バベル』

    新型ウィルス「バベル」が流行し
    感染すると言語障害に陥る。

    その感染を避けようと完全閉鎖の長城と言う名のタワーを建設し、その中に優秀な子供達を入れ込み人類存続計画をするが…。

    兎に角長かった…。

    読み疲れが出て最後はどうなったか憶えてないw

    2014年読破

  • コロナ禍の今読むと、なかなか恐ろしい話。
    現代のワクチン陰謀説なども彷彿とさせられる

  • 昔読んだことがあって、そしてコロナ渦の今読み直した本です。
    いろいろなところが、現代とマッチしてなんかこわいような。
    (お店に入るときは消毒したり、とか)

    話の結びとか、少し安易で残念なところはありますが、この小説のような世の中にならないよう、今一度気を引き締めないといけないな、と思いました。

  • 強い感染力を持つ新型脳炎の市中感染が始まった頃から話が始まる。コロナ禍で読んでもリアルで嘘臭くないのがお見事。もう少しSFになると、発症後は言葉がわからなくなる替わりに超能力的なものが備わって新人類登場、みたいになるのかなと思いながら読んだ。

  • 未知のウイルスを題材にした作品なので、コロナで大騒ぎの今とつながるものがありますね。
    色んな人の考え方を知るだけでなく、1人の人物の考え方が時間を経て状況が変わるにつれ、どう変化していくのかを追っていくのも興味深い。
    身の危険を感じると他人を切り捨てても生きたいと願うのは本能だし、自分を捨てても大事な人を守りたいと思うのもまた人らしい。

  • SF小説でもあり、冒険小説だ。しかも作者のおそらく膨大な取材に基づく、ち密なストリー展開で面白かった。言葉を失うウィルスと言うアイディアその物は面白い。がその可能性は???と少しおかしい所はあるが、でもストリーはやはり面白いと思った。

  • 神は二物は与えんのかもね。

  • 重篤な言語障害を引き起こす新種のウィルスに襲われ、感染者を「長城」で隔離した日本の物語。長城を破ろうとするテロリスト風な人たちが出てきたりして、ちょっと「AKIRA」っぽい世界観を感じる。巨大な壁というと某漫画をイメージしてしまうが、壁外でも秩序が保たれていて無法地帯ではない。ウィルスが蔓延する前と蔓延後のストーリーが交互に進行するスタイルは好みが分かれると思う。

  • スピード感に欠ける展開のせいか10日程かかって読了。
    新型ウイルスとタワーの話が前後しつつ延々と続いて辟易気味。
    パニックになる心理描写はなかなかのものだったが最後はお粗末かな。
    登場人物だれもにちっとも肩入れできなかったのがとても残念。

  • パンデミックのお話。言語を破壊するウイルス。恐ろしい

  • この本を読み終わった時、自分の危機感の無さを思い知らされた感じだった。多分私ならすぐ感染してしまう。感染者と非感染者。どちらの立場でも辛い。

  • 2015.4.5

  • 内容紹介
    201×年――新型ウイルス『バベル』が蔓延する近未来の日本。そのウイルスに感染して発症した人間の大半は言語に障害を来たし、場合によっては意思の疎通まで不可能になる。感染拡大を恐れた諸外国は日本との貿易・渡航を制限、日本経済は大打撃を受けた――。その後日本政府は巨大な壁「長城」を建設、「長城」の内と外で感染者と非感染者を隔離する政策を推進する。日本は一種の鎖国状態に入る。
    その後感染者の中には隔離政策に抵抗、破壊活動や「長城」に侵入しようとする集団が発生する。その一方で「言語を伴わないコミュニケ―ションの可能性」をさぐる新しい動きも胎動してきて――。しかし日本政府はその可能性を否定するように、非感染者だけを収容する「タワー」を建設、一層の隔離政策をとるように。
    ウイルスとは何か? 新しいコミュニケーションの可能性とは? 福田和代にしか描きえないバイオクライシスノベル。
    内容(「BOOK」データベースより)
    201×年、ごく近い未来の日本―。突然感染爆発が始まった新型ウイルス『バベル』。猛威に対抗すべく日本政府は「長城」を建設、感染者と非感染者を隔離する政策をとったが―。福田和代が放つ、本格バイオクライシスノベル。

  • 近未来の日本において広まった新型ウイルス『バベル』
    高い致死率をもたらす感染で、生きながらえても失語症を発症する。

    医療における深い問題、人道的と考えられていた隔離政策が及ぼす矛盾、言語に対する洞察など、読んで楽しめた。

    言語に関する考察はかなり勉強になった。


    ----------------
    【内容(「BOOK」データベースより)
    201×年、ごく近い未来の日本―。突然感染爆発が始まった新型ウイルス『バベル』。猛威に対抗すべく日本政府は「長城」を建設、感染者と非感染者を隔離する政策をとったが―。福田和代が放つ、本格バイオクライシスノベル。
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    【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
    福田/和代
    1967年兵庫県生まれ。神戸大学工学部卒。システムエンジニアを経て2007年航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。その後大都市停電を描いた『TOKYO BLACKOUT』で注目を浴びる
    ———————

    (以下、本文よりメモ)

    太初(はじめ)に言あり、言は神とともにあり、神は言なりき。
    この言は太初に神とともに在り、萬(よろづ)の物これに由(よ)りて成り、成りたる物に一つとして之によらで成りたるものなし。
    『ヨハネ伝福音書』冒頭
    (新約聖書・文語訳・日本聖書協会)

    物体や事象に名前をつけて初めて、その対象を認識する。

    ジル・ボルト・テイラー『奇跡の脳』
    リハビリの一環としてジグソー・パズルを与えられた時、ピースの色を手掛かりにすればいいと母親に助言されるまで、ピースの色が見えていなかった。
    色彩という観念を認識して初めて、色が見えるようになった。

    『人間の経験や思考の様式は、その言語習慣によって実は規定され、異なる言語を用いる人たちの間では経験や思考の様式も異なる。』
    1920年代から1930年代に活躍したエドワード・サピアとベンジャミン・ウォーフというふたりの言語学者が唱えた言語決定論、『サピア・ウォーフの仮説』

    言語を持たないのに思考する人々がいる。
    移民などの中に言語を持たずに生活してきた成人がおり、彼らは言葉を持たないけれども、道具を使って人並みの生活を営み、物事を考え、彼らの間ではお金を賭けてゲームを行っていた。
    →言語がなくとも思考は可能。
    スティーブン・ピンカー『言語を生み出す本能』(1994年の著書)


    しかし、もし言葉が存在しなければ認識もできないのであれば、言葉とはどのように作られたのかという疑問が湧きます。

    1866年には、パリ言語学協会が言語の起源を主題に研究することを禁じたこともあり、長らく研究が進まなかったという事情もあります。当時は、人間が猿から進化したとダーウィンが仄めかしただけでも、大変な騒ぎになったのです。

    言語が歌から生まれたという『歌起源説』
    →鳥のさえずりを分析し、たとえばジュウシマツの求愛の歌には文法が認められる。
    ジエスチュアから生まれたという『身振り起源説』→霊長類の身ぶりに進化の過程が認められる。

    『ピジン英語』
    主に、ハワイなど太平洋の島々で、タバコや綿花、コーヒー、サトウキビなどの農園で働く中国、日本、韓国、フィリピンなどの奴隷や労働者たちの間で広まった言葉。
    彼らはもちろん母国語を持っていましたが、互いに通じる言葉がありませんでした。英語を話す農園主や、他の言葉を話す仲間と共同で作業するために、様々な言語から言葉を借用し、彼らだけに通じる言語を作ってしまったんです。単語を並べただけに等しく、文法規制はほとんどありません。それでも、前後の文脈から考えれば意味が通じるので、問題ないのです。
    ところが、このピジン英語が突然飛躍的に複雑な言語に変身を遂げることがあります。臨界期と呼ばれる年齢を過ぎると、言語の獲得が困難になるという仮説があるのですが、臨界期にある子どもたちが、両親の母国語ではなくピジンに接して育った場合に、この子どもたちは、ピジンの断片的な言葉に満足せず、複雑な文法規則を持つ新たな言語を作り上げてしまう。これを『クレオール』と呼びます。

    なぜ、ピジンで育った子どもたちが、ピジンをそのまま受け入れるのではなく、文法を複雑化し、洗練させてクレオールを作り上げるのか。
    →人は生まれながらにして言語を「本能」として持っているから。ノーム・チョムスキー『人間は文法を持っている生まれてくる』
    生成文法
    言語の初期状態である普遍文法を備えている。

    『メラビアンの法則』アメリカの心理学者 アルバート、メラビアン
    ■言語情報7%
    話の内容そのもの
    ■視覚情報55%
    身ぶり、手振り、話しての外見、表情
    ■聴覚情報38%
    声の大きさ、声質、スピード、口調
    →ただし、メラビアン研究の数値のみが一人歩きしたもので、メラビアンはそんな指摘はしていない。

    レイ・L・バードウィステル(非言語コミニュケーション研究のリーダーのひとり)
    ■二者間の対話では、言葉によって伝えられるメッセージは全体の35%

    言語技術を教授する専門家 マジョリー・F・ヴァーカス『非言語コミニュケーション』
    9種類の『ことばならざることば』
    ・人体があらわすメッセージ(性別、年齢、肌の色)
    ・動作
    ・アイコンタクトや目つきを含む目
    ・周辺言語(パラランゲージ)(言語に付随するもので、声の質や音程なども含まれる)
    ・沈黙
    ・身体接触
    ・対人的空間
    ・時間
    ・色彩

    (本文よりメモ、終わり)

  • この夏、デング熱が都内各地で発生した。世界中で、エボラ出血熱が猛威を揮うのに怯え、冬真っ只中になれば、毎年、インフルエンザに備えなければいけない。本書が連載されていたのは、デング熱が日本で広がる前で、エボラが世界中に行き渡る前だから、筆者の先見には頭が下がる。
    バベルと名付けられた物語の伝染病は、病気に罹ると、最悪は死亡、死亡しなくても言語中枢に変調を来し、言葉を失う症状が出るという。ネットやツィッター、ラインと口述で話す言葉以外の言葉に溢れている現代で話し言葉を失うことは、案外、慣れてしまえば不便を感じないのでは、とも思いつつ、物語を読み進めた。後半部分の展開が急すぎて、☆ひとつマイナスにしたが、読み応えはあり、知り合いにも勧めた。

  • パンデミック
    ウィルス

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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