バベル

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 244
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900407

作品紹介・あらすじ

201×年――新型ウイルス『バベル』が蔓延する近未来の日本。そのウイルスに感染して発症した人間の大半は言語に障害を来たし、場合によっては意思の疎通まで不可能になる。感染拡大を恐れた諸外国は日本との貿易・渡航を制限、日本経済は大打撃を受けた――。その後日本政府は巨大な壁「長城」を建設、「長城」の内と外で感染者と非感染者を隔離する政策を推進する。日本は一種の鎖国状態に入る。 その後感染者の中には隔離政策に抵抗、破壊活動や「長城」に侵入しようとする集団が発生する。その一方で「言語を伴わないコミュニケ―ションの可能性」をさぐる新しい動きも胎動してきて――。しかし日本政府はその可能性を否定するように、非感染者だけを収容する「タワー」を建設、一層の隔離政策をとるように。さらには「バベル」感染者がインフルエンザに感染すると死に至るケースがあることから、インフルエンザウイルスを使った悪魔的な計画を実行しようとするが……。 ウイルスとは何か? 新しいコミュニケーションの可能性とは? 福田和代にしか描きえないバイオクライシスノベル。

感想・レビュー・書評

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  • ウイルス感染で言語障害が起きるお話。
    長城の発想が面白かった。
    これが数百年とか経ったら、『シャングリ・ラ』とか『ブルータワー』みたいな感じになるのかなと思ったのですが、最後を見る限りそうじゃないみたい。
    感応力でコミュニケーションできても、識字はどうなんだろ?
    本読むの好きだから、読めなくなるのは嫌だー

    ムーンレディ、同時進行で虚構推理(コミック)読んでたからか六花さんのイメージでした。

  • 感染力が強く、発症率が高く、後遺症も強い。
    各種ウイルスの最悪部分を集めたような新型ウイルスが、日本で爆発的に流行していく。
    デングウイルスもちらりと登場するなど、タイムリーな内容。
    隔離か、共存か。
    ワクチンも存在しない状況で、どうするのが一番なのか。
    難しい。

  • 福田和代 『バベル』

    新型ウィルス「バベル」が流行し
    感染すると言語障害に陥る。

    その感染を避けようと完全閉鎖の長城と言う名のタワーを建設し、その中に優秀な子供達を入れ込み人類存続計画をするが…。

    兎に角長かった…。

    読み疲れが出て最後はどうなったか憶えてないw

    2014年読破

  • コロナ禍の今読むと、なかなか恐ろしい話。
    現代のワクチン陰謀説なども彷彿とさせられる

  • 昔読んだことがあって、そしてコロナ渦の今読み直した本です。
    いろいろなところが、現代とマッチしてなんかこわいような。
    (お店に入るときは消毒したり、とか)

    話の結びとか、少し安易で残念なところはありますが、この小説のような世の中にならないよう、今一度気を引き締めないといけないな、と思いました。

  • 強い感染力を持つ新型脳炎の市中感染が始まった頃から話が始まる。コロナ禍で読んでもリアルで嘘臭くないのがお見事。もう少しSFになると、発症後は言葉がわからなくなる替わりに超能力的なものが備わって新人類登場、みたいになるのかなと思いながら読んだ。

  • 未知のウイルスを題材にした作品なので、コロナで大騒ぎの今とつながるものがありますね。
    色んな人の考え方を知るだけでなく、1人の人物の考え方が時間を経て状況が変わるにつれ、どう変化していくのかを追っていくのも興味深い。
    身の危険を感じると他人を切り捨てても生きたいと願うのは本能だし、自分を捨てても大事な人を守りたいと思うのもまた人らしい。

  • SF小説でもあり、冒険小説だ。しかも作者のおそらく膨大な取材に基づく、ち密なストリー展開で面白かった。言葉を失うウィルスと言うアイディアその物は面白い。がその可能性は???と少しおかしい所はあるが、でもストリーはやはり面白いと思った。

  • 神は二物は与えんのかもね。

  • 重篤な言語障害を引き起こす新種のウィルスに襲われ、感染者を「長城」で隔離した日本の物語。長城を破ろうとするテロリスト風な人たちが出てきたりして、ちょっと「AKIRA」っぽい世界観を感じる。巨大な壁というと某漫画をイメージしてしまうが、壁外でも秩序が保たれていて無法地帯ではない。ウィルスが蔓延する前と蔓延後のストーリーが交互に進行するスタイルは好みが分かれると思う。

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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