あぽわずらい

  • 文藝春秋 (2014年5月14日発売)
3.35
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784163900599

作品紹介・あらすじ

なんだって、あの遠藤が出社拒否!?――航空業界の低迷に親会社の危機。人員削減の重圧とエリート出向社員の思惑に翻弄され、人のいい遠藤が遂に、折れた。感動の空港物語。



航空業界に吹き荒れる逆風のなか、遠藤たち空港で働く大航ツーリストの現場にも人員削減の圧力がかかってきた。あと三か月後には成田空港所が閉まり、グランドホステス業務は大航エアポートサービスに委託される。その時点で半数がリストラされてしまうのだ。本社出向組のカスタマー事業部部長の星名は、感じよく丁寧に理詰めで苦境を乗り切ろうと何かと遠藤にも声を掛けるのだが――。OGの復帰とセンディング業務で立て続くミス、これはいったい何が原因なのか。「常にお客様のため」にトラブルを奇跡的に解決させてきたスタッフたちの奮闘に胸が熱くなる連作短編。

感想・レビュー・書評

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  • 20251004読了
    あぽやんにハマり、前作まで愛読してきたが、悲しいことにこれでシリーズとしてはファイナルみたい(u_u)(本作はスピンオフ的な感じ)

    ◆あらすじ
    成田空港所の閉鎖危機や人員削減などの問題に頭を悩ませ、心を病んでしまった遠藤。本作はそんな遠藤の回復と復帰を祈りながら、不安な状況下で働き続ける周囲の人々の心境をオムニバス形式で描いた作品。
    感想書く前に返却してしまったので、以外、思い出しながらの感想。

    ◆感想
    会社の経営危機に直面した際に、自分の食い扶持を心配するもの、会社の立て直しに奔走するもの、とにかく目の前の業務だけに心を砕くもの…いろんな思惑が錯綜し、ワンチームに綻びが生じる様子は、まさに大企業ならではだなと感じた。
    作中では遠藤の敵役として描かれていた星名だが、経費削減を考えてのサービス&人員削減は、会社側の立場に立っての行為であり、傍若無人ぶりも感じるが、致し方ないだろうな…とも思う。何の改善努力もせず、きっと誰かが何とかしてくれるだろう、と他人事でいる人間より、よほど会社のためを思っている熱い人間だよなぁと思う。
    最後森尾さんといい感じで終わって、できれば続きが読みたいところだ。続編求む…!

  • あやぽんシリーズ第三弾

    親会社の危機
    遠藤達、空港で働く大航ツーリストも人員削減され半数がリストラ
    あと、三か月後には成田航空事務所の閉鎖が決まり
    業務は大航エアポートサービスに委託される。
    担当となる本社出向組のカスタマー事業部部長の星名はとても感じが良く
    遠藤にとって久し振りに出会った尊敬出来る先輩という位置づけだったのだが…。
    心が折れた遠藤は空港に行けなくなる…。

    6編の話からなる連作短編
    妹キャラのセンダー篠田の視点
    体育会系で自分に甘く他人に厳しい営業の須永の視点
    等、空港に関わる様々な人々の視点から描かれている。
    そして、トラブルを抱えそれを解決し皆成長してる

    遠藤やスタッフ達空港に関わる様々な人の『お客様のために』奮闘する姿に
    胸が熱くなり、あったかい気持ちになりました。
    誰かの為に一生懸命になりたくなった。

    ドラマを見たので、遠藤=伊藤君の顔が浮かんで仕方なかった…( *´艸`)

  • シリーズ3作目。JALの会社更生法の後に書かれており、今作でも親会社の経営破綻に翻弄されるあぽやん達の姿が描かれている。
    センダー経験者として、今も旅行関係の仕事に携わるものとして、会社がどんな状態であっても、何を一番大切にしなければならないのか?改めて考えさせられる内容だった。
    人員整理で、これまで通りのサービス継続が困難になったことに悩み、精神を病んでしまった遠藤。休職した遠藤の復帰を待ち望む仲間達や、空港で働く人達の様子が描かれる。
    お客様を無事に出発させることが、どんなに大変なことなのか?多くの人に知ってもらいたいけど、このシリーズはもう終わりなのかなぁ。
    遠藤も1作目からは信じられないくらいのあぽやんに成長してしまったし…終わるとしたら、少し残念…

  • んー、よかった〜って終わりだったけどこんなものなのかしら?こんなに打ち込める仕事があるのは羨ましい。そして森尾さんが遠藤のことちゃんと好きでいてくれて嬉しくなった。

  • 重たく感じるのは、やたらとはなしに現実味を感じてしまうからなのか。
    とある航空会社の倒産からスタートする話は、途中幾度もシリーズのノリに戻ろうとするのだが、どうにも戻れない。それでも、足掻いて足掻いて、現実を見つめ続けるから、少しだけ未来や他人が見えてくる。

  • 好きで読んでいるシリーズ最終巻。
    親会社の経営不振、破綻に端を発した空港の混乱を描いたストーリー。現実的だけど、少し落とし所の座りが悪かったかな。

  • 遠藤と森尾さん いいね

  • あぽやん第3弾にして最終巻(でしょうね)。
    前作を読んで随分経ってます。果たしてついて行けるかと思いましたが、読んでるうちに少しずつ記憶が戻ってきました。
    「今回は話が重いな」などと考えながら読んでました。何せ現実同様の舞台の航空会社が更生法を申請し、さらにあの元気者の主人公・遠藤が鬱で出社拒否になってしまうのですから。
    もっとも昔の1,2作目の自分のレビューを見たら「奇抜なタイトルから軽いものという印象があるのだが、読んだら意外に軽くなかった」と書いているので、これで「重い」と書くのも3回目になってしまうのですが。

    如何に行き届いたサービスをするか。それが主要なテーマになって居ますが、個人的には「う~~ん」。
    過去3度海外ツアーに参加したのですが、そのたびに「手のかからない夫婦」と添乗員さんに言われました。時間やルールは守る、自由時間は勝手に遊んでる。ホテルなどでの少々のトラブルも楽しんで、添乗員さんにクレームや要求を挙げない。
    そういう私からすれば、新野さんの描くサービスは過剰に思え、むしろ重苦しく感じるものも多いのですが。

  • シリーズ3作目。親会社の大航の業績不振にともなうリストラの一環で、大航ツーリストの成田空港所の閉鎖が決まった。それまでの3ヶ月間の話。
    今回はそんなピンチに立ち向かう遠藤が、精神的ストレスにより、ついにダウンしてしまう。

    今までの2作と違うところは、遠藤の視点だけでなく、章ごとに主人公が変わり、物語が進んでいくというところ。部下の妹的存在の篠田や、意外といいヤツだった同期の須永、物語のキーパーソン今泉、そして空港内に務めるマッサージ師・赤坂光春氏のアシスタントの四十路の女性・陶子、など。
    語り手が変わることで、物語が俯瞰で見れて、厚みが増す。
    面白いのがそのマッサージ師兼占い師も務める光春氏がどの物語にも登場し、重要なエッセンスとなっているところだ。

    職場の皆と、そしてお客様の笑顔を守ろうと奮起する遠藤と、彼を支える仲間達。嫌な奴だな、と思った人も、それぞれ抱える過去や事情があったり、一筋縄では行かない生の人間が描かれているところが魅力。本当に設定も緻密だし、人間模様が実にリアル。思わず彼らに会いに空港に行きたくなる。
    個人的には、遠藤と森尾、もう少し発展しても良かったのにな、と思う。
    これは続編に期待。出るといいな。

  • 160213 中央図書館
    ココロの病というのは、やっかいなもの。これくらい簡単に処理できるのなら、いいのだけど。

  • 前索とは打って変わって重苦しい雰囲気が漂います。
    でも、登場人物に救われるかな。
    連作の短編で物語は進んでいくのは変わらないですが、新たに登場した人が、別の物語ではこんなところで登場と、世間は狭いという感じですね。
    新たに登場したマッサージ師兼占い師の光春が重要な役割をはたしています。
    もう少しこの後が気になります。

  •  6人の視点で描かれる空港にまつわるお仕事小説。削れる仕事を探すよう言われる遠藤だが、お客様に楽しく旅にでかけてもらうため、サービスの提供の仕方に悩む。そして遂に会社に出勤することを体が拒むように。

     「そんなくだらないサービスをするんじゃない。他にやることあるだろ」というお客様の言葉にそう言う人もいそうだなと納得してしまいました。こういった言葉を浴びせられ心の病になり、仕事以外のことはふつうにできるけど、仕事はできないという人と仕事をした経験があるので読んでいて遠藤にいらついてしまいました。こんな短期間に復帰とか難しいんじゃないかなと思いました。
     気の流れがみえるマッサージ師(時々代打占い師)の光春がいい味を出していた気がしました。

  • 親会社の破綻により、営業所が廃止されることに…そして、ハリキリ遠藤君が、まさかの出社拒否になるとは‧˚₊*̥(* ⁰̷̴͈꒨⁰̷̴͈)‧˚₊*̥あぽやんも、この第3弾で完結なみたいです。

  • なんだって、あの遠藤が出社拒否!?
    航空業界の低迷に親会社の危機。
    人員削減の重圧とエリート出向社員の思惑に翻弄され、人のいい遠藤が遂に、折れた。
    航空業界に吹き荒れる逆風のなか、遠藤たち空港で働く大航ツーリストの現場にも人員削減の圧力がかかってきた。
    あと三か月後には成田空港所が閉まり、グランドホステス業務は大航エアポートサービスに委託される。
    その時点で半数がリストラされてしまうのだ。
    本社出向組のカスタマー事業部部長の星名は、感じよく丁寧に理詰めで苦境を乗り切ろうと何かと遠藤にも声を掛けるのだが――。
    OGの復帰とセンディング業務で立て続くミス、これはいったい何が原因なのか。
    「常にお客様のため」にトラブルを奇跡的に解決させてきたスタッフたちの奮闘に胸が熱くなる連作短編。

  • あぽやんの続編。親会社の大日本航空の経営破綻や空港所の閉鎖などの諸問題の中で遠藤が心のバランスを崩し、出社できなくなってしまう。遠藤の不在の中、奮闘する空港所のセンダーたちの様子が生き生きと描かれていてよかった。

  • 成田空港に営業所を持ち、自社のツアー旅行に参加するお客様を無事に旅立たせる役目の「あぽやん」の毎日を描いたお仕事小説、三作目だ。
    親会社の航空会社が経営危機に立たされ、サービスを優先させるべきから利益を優先させるべきかの板ばさみにあう遠藤の苦悩が描かれている。
    一作目、二作目は「全力でお客様のために尽くす」ことが最善の回答であったけれど、本当にそれが正しいのか?サービスマンとしてはよくても、企業人としてはどうなのか?そもそも、サービスとはなんなのか?
    「最善の回答」は簡単には見つからない。そもそもこの回答は個人によって異なって誰もに通用する「絶対」の答えはない。
    働いていれば誰もがある程度は遭遇する問題に、あたって砕けろとばかりに挑む遠藤の姿は善人過ぎるけれど応援したくなるなぁ。

  • 割と軽く読めるので「あぽやん」は好き。
    でも内容は軽くはないんだよね。
    会社の更生法適用による経費節減・リストラ。
    そして仕事上の悩みからうつ状態になる社員。
    考えさせられる内容だけど、それでも軽く読めるというのは登場人物の性格設定かな。

  • 初めて遠藤以外の視点で語られるお話。須永が遠藤のことを気にかけてたのが意外だった。森尾さんの視点の話も見たかったな。話は一区切りついたけど、続編はあるのかな?

  • 久しぶりにこのシリーズを読んだので登場人物を把握するのに時間がかかってしまいました。古賀さんとかいたなぁ。
    前の2作に比べると重苦しい雰囲気ですがやっぱり面白かったです。
    でも須永は嫌い。

  • あぽやんシリーズ第3弾。今までと違って表紙がなんだか物悲しい雰囲気だなと思っていたら、まさかこんな内容だったなんて。遠藤くんが病んでしまうなんて、予想もしなかった。
    そのせいで今までの2作とはまるで違った雰囲気で、読んでいてつらかったなぁ。遠藤くんって本当に大事な存在だったんだなぁとしみじみ。
    今回の作品で、同僚たちから見た遠藤くんというのがよく分かって、特に須永の回ではグッと来るものがあった。仲間に愛されているのは彼ならでは。
    ラストは未来を感じさせるいい終わりで良かった。
    これで、あぽやんシリーズも堂々完結、なのかな。またなんらかの形でお目にかかれるといいな。

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著者プロフィール

しんの・たけし。1965年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。旅行会社勤務を経て、99年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞。直木賞候補となった『あぽやん』は、その続編『恋する空港 あぽやん2』とともに、テレビドラマ化され話題に。同シリーズは『あぽわずらい あぽやん3』で完結。著書は他に、『中野トリップスター』『カクメイ』など。

「2022年 『明日はきっと お仕事小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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