男ともだち

  • 文藝春秋 (2014年5月26日発売)
3.67
  • (147)
  • (280)
  • (262)
  • (48)
  • (11)
本棚登録 : 2197
感想 : 312
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784163900667

作品紹介・あらすじ

関係のさめてきた恋人と同棲しながら、遊び人の医者と時々逢いびき。仕事は順調、でも何かが足りない――29歳、京都在住のイラストレーター神名葵。



彼女の日常に七年ぶりに舞い戻ってきた、大学時代の先輩ハセオ。互いに恋人がいても、なぜかいつも一緒にいた相手。理解しあう必要もないほどしっくりくる、男ともだち。



男ともだちは恋人じゃない。彼らには親密に付きあっている女たちがいるだろう。でもひょっとすると、男ともだちは女にとって、恋人よりずっとずっと大切な相手なのではないか。いつまでも変わらずに、ふとした拍子に現れては予想もつかない形で助けてくれる――。

29歳、そして30歳。

仕事と男と友情の、熱くてほろ苦い日常を描いた傑作長編小説。

みんなの感想まとめ

日常の中での友情と恋愛の複雑さを描いた作品で、主人公の神名葵は、恋人との関係が冷めつつある中で、大学時代の男ともだちハセオとの再会を果たします。彼との関係は恋愛に発展することなく、互いに支え合う特別な...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最近気になっている千早さん
    図書館で順番を並んでいたら
    目に入ってきて思わず借りてました



    男ともだち。
    レビューがなかなか難しい。


    ハマる人にハマりそうな作品。


    私は共感はできず
    俯瞰して見ている感じで読みました


    あんな都合のいい男います??笑


    ハセオが近くにいたら
    ガッツリ頼ってしまいそう。


    でもそうしてしまったら
    もうハセオはハセオじゃなくなってしまうのか。

    私はクロエをもらう方の人間なのかな。。


    というか彰人側に立って考えてみると
    ちょっと辛すぎる。。


    ハセオ脅威すぎる。。



    でも共感できた人は
    めっちゃハマりそうー!!



    面白い!!!って感じじゃないけど
    なんかずっと浸っていたいような空気感というか。
    ハセオと神名のやりとりを見ていたいというか。

    不思議な作品でした。




  • 最近、皆様のレビューで見かけることが多いと感ずる、千早茜さん。
    昨年、「しろがねの葉」で第168回直木三十五賞を受賞したこともあり、著書を1冊手に取ってみました。


    著者、千早茜さん、ウィキペディアによると、次のような方です。

    ---引用開始

    千早 茜(ちはや あかね、1979年8月2日 ‐ )は、日本の小説家。北海道江別市出身。立命館大学文学部人文総合インスティテュート卒業。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。

    ---引用開始

    関係のさめた恋人と同棲しながら、遊び人の医者と時々逢いびき。仕事は順調なのに、本当に描きたかったことを見失っているー京都在住イラストレーター神名葵29歳の熱くてダークな疾走する日常。千早茜、待望の長編小説。

    ---引用終了

  • 主人公は神名葵、29歳…恋人と同棲中の身でありながら、妻子持ちの医師の愛人、仕事はイラストレーターである意味順調ではある…。そんな神名のもとに大学時代の男ともだち、ハセオから突然連絡が入る…。大学時代から、ふたりとも恋人は切れることなくいたが、男女の仲には決してならなかったふたり…。そんなふたりが8年ぶりに再会する…。

    男ともだちっていいなぁ~特にこの作品に出てくるハセオ…!神名がさみしい時、困ったときにには颯爽と現れ、元気づけてくれる…!でもでも、こんな関係が実際に成立するのか?そう考えると難しいのではないかと思ってしまいます。性別関係なく、友達は大事だけれどそれより家族やら恋人を優先するんじゃないかと…そんな風にも思えてきて(汗)。今後もこのふたりの関係が続くものなのか、興味があります。

  • 千早茜最っっ高です…良い読書時間でした…
    こうなりたい、こうありたいが詰まった本だった…!

    私、千早茜が描く強い主人公が大好きです
    『マリエ』や『さんかく』で主人公だった女性たちもそうだけど、みんな日常の中で傷ついたり沈んだりしながら自分の足でちゃんと立ってる
    しやなかだったり掴みどころがなかったり性に奔放だったりそれぞれ個性があるけど、みんな意思と芯が強い女性だった
    この本の主人公 神名はその逞しさが特に強い人だったと思う
    イラストレーターという不安定かつ自分との闘いのような仕事の中で、苦しんでもがきながらも前進しててかっこいい
    体調管理は社会人の務め、なら同居人の調教もその範疇なのか?と考えてしまう気の強さも私は好きだよ
    全部を糧に変える人と称されていてその通りだと思ったし、そんなふうに言われたい

    この本では他に美穂という『男性からしたらたまらないだろう』と言われるぐらい魅力的な女子も登場するけど、私が素敵だな、憧れるなと思うのは主人公 神名だった
    そう思うと、私が欲しいのは同性異性かまわず惹きつける可愛さ可憐さよりも、1人でも生きていける強さなんだと思う
    つくづく、読書は本を通じて自分と向き合うことだな

    「男ともだち」という言葉、確かにずるい響き
    ずるいというか、魅惑的?
    学生の頃はそう思わなかったかも。年齢のせいかな?
    『誤解されてなんぼ』、『五年経ったらいろんなもんが変わる』、『捨てた分そのうち返ってくる』、ハセオの台詞、心を打たれるものが多くてたくさん付箋貼った
    「愛情とは見ててあげること」
    そんなふうに言ってくれて、無防備に頼って甘えることができる男ともだちが私も欲しかったな

    自身がなくなった時にまた読み返したい!!

  •  恋人である彰人は、大事にしたい人。愛人である真司は奪う人。そして、男ともだちのハセオは与える人。新進イラストレーターである主人公の神名葵は、3人の男性の間を渡り歩くことで精神のバランスをとりながら、また貪欲までにそれを糧にして、自身の孤独や苦しみを、彼女が信じてしがみつくことのできる唯一のものである「仕事」にぶつける。
     また、主人公の「神名葵」は、恐らく作家「千早茜」の分身。主人公神名葵の、「たとえ、どんな姿になったとしても、焼け野が原にたったひとりになってしまっても、光る星影や登る太陽に美しさを見つけて立っていられる自分」であろうとし、「何を感じようと私にとっては正解だ」とする姿からは、「自分の脳内の景色を物語にして、全部誰かの脳に入れたいという欲がある。わかってもらうことや伝えることをあきらめきれないから、小説を書いている。」と語る作家千早茜自身の、作品作りに対する強い信念や覚悟が感じられた。

  •  ハセオ、いいなぁ。
     イラストレーターの神名葵は同棲している彼氏の他に、医者の真司と不倫関係を続けている。今まで何度もその場限りの恋愛を繰り返してきた神名だったが、大学のサークルの先輩のハセオだけは別だった。
     それはハセオも一緒で、誰とでも寝るパセオは、神名だけには手を出さずにいた。

     ハセオを語る時、神名は男ともだちという表現をする。男ともだちって言葉はズルいと何度も出てくるが、私はそうは思わない。私には女ともだちがいるし、彼女たちにとっても私は男ともだちだ。

     私は真司がどうにも嫌いで、関係を続けていく神名も嫌だったが、ハセオがぶっ潰してくれた時は胸がスカッとした。

     ハセオは『秘花』に出てくる『秘すれば花、秘せずは花なるべからず』という言葉が好きだ。きっとハセオにとったら神名がそういう存在なんだろうなぁ。
     その会話の後の2人の行動にドキドキしたが、何も変わらずホッとした。

     男ともだち。いいじゃないか。これからもこの2人には男ともだち、女ともだちでいて欲しい。

  • 男女間の友情
    桜と雪
    京都
    ロイヤルミルクティ
    クロエの香水
    眠る

    ハセオのような存在‥ありだと思う
    寝不足の気だるさとか変な高揚感を感じる作品
    図書館本

  • 男女比8:2の大学時代を過ごした私にとっては大共感の作品だった。
    いつも手を伸ばせる距離にいて、そばにいて安心できる存在。この関係性は恋愛というのか、友情というのか。兄妹という家族愛に近いかなとも思う。
    ひょんな弾み、きっかけで、いつでも一線を越えてしまうことができるこのギリギリの二人の関係が、読んでいてドキドキ、ゾクゾクして、一気読み。
    千早さんの作品の中でもお気に入りの1冊になった。

  • 彼氏、愛人、夫、知り合い、女友達、
    そして男ともだち。そういった様々な人間関係と、女性が仕事へ向き合う姿勢が詰まった一冊だったと思う。

    ●どんなに信頼が築けていると信じていようと、人間関係は不確実な気持ちの上に成り立っている。

    ホストのローランドさんが、男女の関係はグラスのようだと表現していた。最初はみんな楽しみたいと思っていて、グラスを割るつもりで乾杯する人はいない。しかし、乾杯してグラスが割れてしまうことがある。

    人間関係はいつ何が原因でヒビが入るかなんて分からない。ちょっとしたことで割れてしまうかもしれない危ういもの。

    大切な人をうっかり失ってしまわないように、神名とハセオみたいにどういう関係性でありたいかをしっかり自分の中で考えられるようになれたらいいなと思った。

    でも、美穂さんや露月さんは大切なものを失ってしまったからこそ、余裕のある美しい女性になったんだと思う。

    人間は、たぶん何かを手に入れて失って、それを繰り返しながら、その時々に自分に必要なものを理解できるようになるのかなと思った。

  • 151回(2014年上半期)直木賞候補作。
    前に「あとかた」という短編集を読んでいます。

    神名(かんな)葵は、29歳のイラストレーター。
    絵本作家を目指し、絵本で賞をとったこともあるので、仕事はまあ順調になってきた。
    だが本当に描きたいのは何だったか、やや見失いかけている。

    おだやかな性格の恋人の彰人とは同棲して5年。
    平等な関係を築いていると思っている。
    ただし、医師の真司とは不倫関係にあった。もともと奔放なカンナは、身体だけの関係も多かった。同棲相手には気づかれないように気をつかっているつもり。
    性格に問題ありの傲慢な医師とは、冷めかけてはいるが、強引な相手との方が合うのかもとふと思ったりもする。

    そんなとき、大学時代の2年先輩だったハセオとの間に、7年ぶりに連絡が復活。
    互いにいつも恋人は別にいたが、信頼できる男ともだちで、部屋に転がり込んで腕枕で眠ったことも何度もあるという間柄だったのだ。

    ‥おいおい?
    何を読まされているんだろうと、途中で一度やめました(笑)
    いやでもまあ~と読み進めると、やはり同棲相手とは破綻。向こうの気持ちも離れているのに気づかず、バッサリ切られるので、ああそういうことかと。
    カンナが自分のおろかさに気づかされる面もあります。

    カンナが困っているときに登場して助けてくれるハセオ。
    ハセオがやはり都合がよすぎるキャラですが、まあこういう人がもしいたら‥と、読んでいられないことはない。
    互いにモテまくりで、どっちも恋人にしたいタイプと違っていたら、肉体関係に及ばないということはあり得るでしょう。好意を抱いた相手全員と関係持つわけじゃないから。
    ただ、友達というよりも、この繋がりは兄妹的かな。
    心の奥に抱えた空洞(異性不信?)が、同類という意識を持たせていたという話のよう。

    30の女が一番悪いというのをいぜん持論にしていたことを思い出しました。
    大人しくしていてもダメだと考え始める年頃。
    恋愛も仕事もむちゃくちゃになっちゃうこと、あり得るんですよ‥
    タイプは違うけど、そりゃ若い頃はばかだったなーというか、予想と違うふうに転がっちゃうことってあります(苦笑)
    そういう意味では、読んであれこれ考えるのも、面白い作品かもしれません。

    このヒロイン、イラストレーターとしては、学生時代から作品が溜まると何かと展示をしていたというのだから、かなり真面目で果敢なところもあるじゃないですか。
    やむにやまれぬものが内面にあるのなら、男はこやし?的なところも‥
    成長過程の、けっこう華やかな時期だったということかも。

  • 女性だったらハセオのような男性がいてくれるのがとっても理想なのでは。
    人によってやっぱり違うかもしれないけど、私はそうだな。
    神名が羨ましい。
    いつも見守ってくれてる。何かあったら何も言わずに支えてくれる。
    くぅ~羨まし過ぎる~~

  • 千早茜の男ともだちを読みました。
    主人公の神名はイラストレーターで、籍を入れないで彰人と暮らしています。
    家庭がある真司とは愛人関係があり、ハセオという大学からの飯とセックス目的の嫁と呼ぶ女が多数いる男ともだちがいます。
    読んでいて、つまらなくはありませんが、さほど面白いとも思えず途中で挫折。
    主人公の神名の生き方には共感できず、世界観も合わないので無理。汗
    その時間があったら他の本を読みたいと思いました。

  • 今の気分にぴったりな本でした。

    ハセオみたいな人を嫌いな女の人いないでしょう。
    気怠げで悪い雰囲気を纏っていて、ダメだと思いながら何処か引かれてしまう。
    そんな人に女心はくすぐられるものです。


    男ともだちって非常に難しい。

    大学2年生の時、ずっと一緒にいた女の子と関係が崩れて居場所をなくした私を救ってくれた男の子がいました。
    本当に苦しい時に出会って、たくさん支えてもらいました。
    きっと彼なしでは大学を卒業できなかった、そう思うくらいです。

    授業を受けるのも、お昼を食べるのも、勉強をするのもずっと一緒でした。
    よく電話もしました。
    彼には彼女がいたので安心して甘えていました。
    私にとっては友だちで、それ以上の気持ちはなく予防線も張っていました。
    それでも近づきすぎてしまったようで、彼の気持ちは私の知らないところで揺らいでしまいました。
    ずっとあの頃の気の置けない関係ではいることはできず、勉強は一緒にしていたけど私から距離を取るようになりました。

    いまでもたまに彼の気まぐれで電話がなります。
    先日は久しぶりにご飯に行きました。

    彼は日本を飛び出していく人だと思います。
    私なんて目もくれなくなるかもしれません。
    彼が私を気にかけてくれる限りは、こんな関係もありなのかな。

  • 二十九歳、神名葵は器用だ。
    何年も同棲している彼には内緒で、妻子持ちの医者と浮気をして股を開いている。さらに大学時代のサークルの男ともだち、ハセオには彼以上に心を開いている(股は開いていない)。
    三人の男を使い分ける神名は、イラストを描く仕事も器用にこなす。相手のニーズを読み、自分が描きたいイラストではなく、相手が必要としているイラストを納品する。

    給料をもらうために毎日同じ職場に出社して、同じような毎日を過ごす会社員からすれば、クリエイティブで刺激的で羨ましがられることも多いが、神名は暴力的な焦燥感に襲われることもある。
    何もしていない、何もできていない、何も遺せていない。こなすだけの仕事もいつまでくるのか、保証はない。

    同棲していた彼とは衝突して別れ、不倫を楽しむ医者と過ごそうとしたら、偶然居合わせたハセオが神名を連れ出した。ハセオは都合のいい奴で、身体を求めてくることもない。同じ部屋に泊まっても、神名とハセオは男女の関係にはならない。

    好きなことを好きにできるようになるために生きている、自分の武器は自分だけ、と思い出した神名は新たな環境で自分のやりたい表現を続ける。
    大学時代の友人、美穂は神名のことを不器用だと言った。神名も美穂も口に出して言わないことはある。
    ハセオと神名もわかり合ってるからお互い言わない。秘すれば花、だ。

    ---------------------------------------

    同棲していた彰人も、浮気相手の真司さんも、都合のいい男ともだちのハセオも、みんな言ってしまえば神名のための存在で、必要がなくなればいなくなっても構わないのだ。
    好きなことを好きようにやりたい。
    浮気相手とのどうでもいいようなセックス、衣食住を保証してくれる保険としての同棲相手、話を聞いてくれる男ともだち。
    彼らだって同意しているようなものだし、許しているし、許容している。神名が自分勝手なわけじゃない。
    そうやって彼らの犠牲の上で、神名の表現活動が充実するのだ。
    倫理的には問題アリでも、バランスが取れている関係性で同意の上なら問題ナシ、ということかな。

    言いたいことは山ほどある。神名の行動にもハセオの態度にも、それちょっとおかしくないか、と言いたい。
    でも、ここには書かないで心のなかに留めておく。だって、秘すれば花だから。

  • 登場人物ハセオさん。こんな風に女友達に接してみたいし、そもそも女友達なんていない…

  • 作者は「男女間に性的な関係がないけどお互い特別な存在」という形に憧れてるのだろうか
    以前読んだ 透明な夜の香り も本作もそう感じる
    女側が男性側の守備範囲から大きく外れているか、男性がとんでもなくできた人か、もしくは、私の世代くらい歳を老いてきたら男女間の友情は可能かもしれない

    世阿弥の「秘する花を知ること」を初めて知った。興味深い言葉だ

  • 「あのな、全部変わるんだよ」
    「え」
    「別に悪いことじゃねえ。前も言ったように、変わるのは嫌なら先に捨てて行ったらいいんだ。その分、新しいものが入ってくる。お前には必ず入ってくる。心配するな。お前はこれから、いらんなもんも、得にならんもんも、情も、どんどん捨てろ。でも、体だけは大事にしろ。わかったな」

    • かなさん
      1Q84O1さん、はじめまして!
      この度はこちらへのフォローをありがとうござます(^-^)
      よくチーニャさんやなおなおさん、
      あゆみり...
      1Q84O1さん、はじめまして!
      この度はこちらへのフォローをありがとうござます(^-^)
      よくチーニャさんやなおなおさん、
      あゆみりんさんが絡んでますよねぇ~
      そんな時、ちょっとレビューやコメント欄をみて
      ひそかに楽しんでおりました!
      こちらからもフォローさせて頂きますので
      よろしくお願いします。

      こちらの「千早茜」さんの作品、
      私も読みました♪
      男女間の友情…興味深く読みました!
      2023/06/22
    • 1Q84O1さん
      かなさん
      ご丁寧にコメントありがとうございます!
      ブク友のみなさんにはいろいろ絡んで頂いて楽しませてもらってます!w
      かなさんも今後ぜひよろ...
      かなさん
      ご丁寧にコメントありがとうございます!
      ブク友のみなさんにはいろいろ絡んで頂いて楽しませてもらってます!w
      かなさんも今後ぜひよろしくお願いしますm(_ _)m

      ちなみに『男ともだち』は千早作品で一番お気に入りです(≧∇≦)b
      2023/06/22
  • 私も学生時代に「男ともだち」がいた。
    話も合って気のおけない友人でたまたま性別が「男」だっただけ、という感覚で付き合ってきた。

    本作品の主人公・神名葵の言う「男ともだち」はちょっと違う。
    自らを縛られることを嫌い執着もしない、と言う神名は、同棲相手と愛人(妻子持ち)の間を器用に渡り歩き、その上恋愛感情が一切ないと言いきる「男ともだち」ハセオもいる。
    ハセオも女癖が悪く二股三股も当たり前、なのに神名だけには手を出さない。
    添い寝して腕枕されても平気で寝ていられる関係で、唯一素の自分をさらけ出し甘えさせてくれるハセオ。
    それは一見羨ましい理想的な関係に思えるけれど、私にとっては面倒くさい関係に思えてならない。
    二人の曖昧な関係が受け入れがたいのは年齢的なものもあるのかもしれないけれど…。
    神名もハセオとの距離感に悩んだ時期もあったけれど、やっぱり二人には「ともだち」としての距離感が一番しっくりするようだ。

    男と女の間には友情が成立するのか?…昔から映画や歌にもよく出てくるこの問いに対する答えは、永遠に解けない謎なのかもしれない。

  • 感想
    率直な感想は、しんどい。

    この作者はさんかくとこれしか読んでないが、舞台が京都、男女の恋愛、主人公は学生時代から京都におり、その世界から出られない、自営業、最後は東京に出るという共通点があるように思った。自分がよく知る場所で展開していく、人間模様、特に男女の関係について焦点をあてているのか?作者がヒトにとても興味があるのかもしれない。と勝手に想像したりしながら読んだ。

    印象的だった神名のセリフが、「人は分かり合えないと知っている人といる方が気持ちが楽なのだ。」少し分かる気がする。

    自分は周りから浮いていることがしんどい、このまま突き進んでいいのか?など悩みながら、模索する。どんなに順調そうな人でも、悩みはある。誰もが他人の芝生は青く見える。かな?

    あらすじ
    独立したイラストレーターの神名葵は、彰人という勤め人と同居しているが、一方で妻子のある勤務医の真司さんとも関係を持っていた。神名は恋愛感情や浮気などには無頓着で、誰か一人とずっと一緒にいる関係には行き詰まるため、愛人として真司さんと付き合っていた。

    そんなちょっとイビツだが、神名としては安定した状態のところに、7年ぶりに大学時代の男ともだちのハセオから連絡がくる。考え方が似ていた二人は恋人ではないが、いつも一緒にいた存在だ。

    恋人との破局、不倫の終焉、自分が進む方向への迷い。そんな時にいつも支えてくれたハセオ。男女の友情は続くのか!?

  • 千早茜本、二冊目。
    男と女の間で友情は成立するのか?
    29歳のイラストレーター神名葵の前にかつての男ともだちハセオが現れる。
    舞台は京都。
    「絵だけで食べていけるようになれなかった時、自分の人生に何も残らないことが恐ろしかった。そう、彰人は私にとって保険だった」主導権は常に自分にあると思っていたからだろう。同棲相手の彰人が逃げたことが許せない。女の持っている狡さや強かさ、プロとして1人で生きていくことの難しさを著者は上手く表現していると思う。
    愛人の医師真司や専業主婦の美穂を絡ませながら話が展開するので読みやすい。
    神名にとってハセオは男ともだちというよりも兄妹に近い存在だと思う。
    5章の映画「CODE46」を無性に観たくなった。世阿弥の生涯を書いた『秘花』も気になってしまう。
    主人公の神名の生き方に共感はしづらいが、強い女性だと思った。

全272件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

千早茜の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×