きみは赤ちゃん

  • 文藝春秋 (2014年7月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784163900704

作品紹介・あらすじ

35歳ではじめての出産。それは試練の始まりだった!

芥川賞作家の川上未映子さんは、2011年にやはり芥川賞作家の阿部和重さんと結婚、翌年、男児を出産しました。つわり、マタニティー・ブルー、出生前検査を受けるべきかどうか、心とからだに訪れる激しい変化、そして分娩の壮絶な苦しみ……妊婦が経験する出産という大事業の一部始終が、作家ならではの観察眼で克明に描かれます。

さらに出産後の、ホルモンバランスの崩れによる産後クライシス、仕事と育児の両立、夫婦間の考えの違いからくる衝突、たえまない病気との闘い、卒乳の時期などなど、子育てをする家族なら誰もが見舞われるトラブルにどう対処したかも、読みどころです。

これから生む人、すでに生んだ人、そして生もうかどうか迷っている人とその家族に贈る、号泣と爆笑の出産・育児エッセイ!

〈目次〉

出産編 できたら、こうなった!



陽性反応

つわり

出生前検査を受ける

心はまんま思春期へ

そして回復期

恐怖のエアロビ

かかりすぎるお金と痛みについて

生みたい気持ちは誰のもの?

夫婦の危機とか、冬

そして去ってゆく、生む生むブルー

いま、できることのすべて

乳首、体毛、おっぱい、そばかす、その他の報告

破水

帝王切開

なんとか誕生



産後編 生んだら、こうなった!



乳として

かわいい♡拷問

思わず、「わたし赤ちゃんに会うために生まれてきたわ」と言ってしまいそう

頭のかたちは遺伝なのか

3ヶ月めを号泣でむかえる

ひきつづき、かかりすぎるお金のことなど

髪の毛、お肌、奥歯に骨盤、その他の報告

父とはなにか、男とはなにか

夫婦の危機とか、夏

いざ、離乳食

はじめての病気

仕事か育児か、あらゆるところに罪悪感が

グッバイおっぱい

夢のようにしあわせな朝、それから、夜

ありがとう1歳

あとがき

みんなの感想まとめ

妊娠から出産、そして子育てに至るまでの壮絶な体験が、リアルかつユーモラスに描かれています。著者は、妊娠中のつわりやマタニティ・ブルー、出産時の痛み、そして産後の育児に伴うさまざまな試練を、鋭い観察眼で...

感想・レビュー・書評

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  • こちらもひろさんのレビューから気になった一冊。ありがとうございます♪


    川上未映子さんの作品は二つしか読んだことがないんですが、どちらも合わなくてもう読まないかな、、、って思ってたんですが、なんかこちらは気になってしまって。
    ちなみにエッセイもあんまり得意じゃないので良く手にしたな!ともいえる一冊です笑


    でも結果から言うと読んでよかったです。
    もう共感!いや共感を通り越して感激というか、納得というか、、、
    素晴らしい本でした!


    こちらは川上未映子さんが妊娠から出産、お子さんが1歳になるまでのエッセイなんですが
    もうね、なんというか、作家ってすごいなって思いました。


    自分でもよくわからなかった感情を、明確に言葉にしてくれて、そうなんだよ、そういうことだったんだよなーと納得の連続。あの日々を思い出して涙が出ました。



    それは
    妊娠がわかった瞬間に感じた感情であったり、
    出産への不安であったり、
    出産の壮絶さであったり
    産後の孤独であったり
    産んだ後のプレッシャーであったり
    仕事復帰する時の罪悪感であったり。


    ただ日々を過ごしてきたけど
    言葉にするとそういうことだったのか!と
    心に渦巻いていた感情を解き明かしてもらった感じです!!



    いや、本当にすごいな。


    そして『打ちひしがれたナン』は笑えました。
    笑えて泣ける一冊です




    この作品を男の人が読んだらどう感じるか気になります!!


    親になることに対してあまりにも女の負担が大きく、男性と対立してしまいがちですよね

    何も変わらず親になれる夫が羨ましく、憎らしい。自分は死ぬ思いで産んだのに、労りが足りない。

    『すべてなにもかもすべてを男にむこう2年間やってもらってもまだ足りないくらい』

    その通り!!と思いました笑
    それくらい壮絶なんです


    でもこの本を読んで
    『こういうことを、おそらくは自分とおなじ気持ちでおなじ熱意とよろこびをもって思いだすことができてそれを共有してくれる人って、世界中であべちゃんひとりなのだな、と思うと、いま一緒にベッドにならんで座っていることが、ほんのり奇跡っぽく感じられもするのだった。
    わかりあえないこともあるけれど、でも、オニと過ごしてきた時間をわかりあえるのは世界中であべちゃん、たったひとりなのだ。』

    ということに改めて気づけました

    本当に読んでよかったです╰(*´︶`*)╯♡
    夫はかけがえのない同士なんだよな(*'ω'*)


    あー長くなってしまいましたが
    いろいろ思い出し、感情の揺れた一冊でした♪

    • どんぐりさん
      そうなんですよね!

      愛おしくて幸せなのに
      辛くて泣ける日々、、、
      すごい体験ですよね!

      夫をちょっと大事にしなきゃ!と思いました笑

      そうなんですよね!

      愛おしくて幸せなのに
      辛くて泣ける日々、、、
      すごい体験ですよね!

      夫をちょっと大事にしなきゃ!と思いました笑

      2024/06/21
    • かなさん
      こんばんは〜!
      どんぐりさんのレビューを読んで
      これ読まないとイケないやつ…だと思いました(о´∀`о)
      ひろさんのレビューも再読して...
      こんばんは〜!
      どんぐりさんのレビューを読んで
      これ読まないとイケないやつ…だと思いました(о´∀`о)
      ひろさんのレビューも再読して
      読みたい気持ちが、増しました♪
      ちょっと先になるかもだけれど、読んでみますね!
      ありがとうございます。
      2024/06/23
    • どんぐりさん
      かなさん おはようございます♪

      ありがとうございます!
      嬉しい╰(*´︶`*)╯♡

      当時を思い出して
      感情が揺れました。

      ぜひ読んでく...
      かなさん おはようございます♪

      ありがとうございます!
      嬉しい╰(*´︶`*)╯♡

      当時を思い出して
      感情が揺れました。

      ぜひ読んでください(*^^*)
      2024/06/24
  • 子育てに限らず川上未映子さんの考え方に共感するところがたくさんあってこの本を読んで良かったと思いました。
    ところどころにある痛みの描写がリアルで震えました。笑

  • も〜すごい!すごすぎる!!面白くて声出して笑ったり、そうそう!って共感して頷いたり、涙したり…妊娠、出産経験のある人は、何十年経ってもそれにまつわる壮絶体験をはっきりと思い出し共感できることと思う。

    私ももう30年も前のことなのに、妊娠できた喜び、壮絶な出産と産後のマタニティブラック、人間が壊れる瀬戸際まで行った夜泣きによる寝不足…そして義母や夫の心無い一言に傷つき怒りまくったトゲトゲ夫婦の危機。(30年経ってもまだ根に持ってる)そしてその思い出をはるかに上回る赤ちゃんの可愛さ。そんなこんなを全部言語化するだけでなく、関西弁で笑かしてきたり、哲学的な考察があったりとさすが芥川賞作家さん。
    もう息子さんは中学生くらいなのかな?きっとこの本を渡したら反抗期も収まりそう。

    「黄色い家」で初めて川上さんの作品を読んでこれが2冊目。文体も何もかも違ってほんまにおんなじ人が書いたん?ってびっくりしてまうけども、検索したら最近の川上さんはおしゃれで海外でも活躍してて、CMにも出てる人気美人作家さん。
    勝手に親近感を持った私が恥ずかしくなりました笑

  • 川上未映子さんの、妊娠から子供が1歳になるまでのエッセイ。
    出産編については、無痛分娩が普通分娩+50万かかったという記述に驚き。今はもうちょい安いと聞くので、この10年ちょいで少しは日本の出産事情もよくなっているんだなあと…。「ふつうに考えて、痛みって、あるよりないほうがいいと思うんだけど」、激しく同感。人間の最大の痛みと言われている指の切断よりかなり痛いなんて、恐ろしすぎる。
    結局無痛はできず帝王切開になり、産後ものすごく痛くなるという展開は戦慄だった。そういうこともあるとは…。そして帝王切開も痛いのね…。
    つわりや出産自体のきつさはよく聞くけど、マタニティ・ブルーも大変そうだなあ…と思う。体毛濃くなったり、肌にシミが浮き始めたり、乳首が黒くなるのもひえーという感じだよう。

    でも本当に恐怖だったのは産後編。
    授乳、乳首も痛いのかい…。そりゃそうか赤ん坊に噛まれるんだから…。数ヶ月の24時間ぶつ切り睡眠で、4日間一睡もできないこともあるっていうのも、想像を絶する。
    夫の生活が変わらないことに「男というものが本当にいやに」なるというのもさもありなん。これは夫の意識がもう少し令和的であれば緩和されるのか、もうホルモンの影響でどうしたって腹が立ってしまうのか、どうなんだろう。

    赤ちゃんはきっと可愛くて、幸せなことがいっぱいあるのだろうけど、とにかく痛いことやしんどいことの描写が怖くて、子を産んでない身としてはそっちへの衝撃が勝った。
    どうしようもないこともあるとは思うが、いろんな痛みを軽減したりする技術や、子育てに苦しまなくていい社会のシステムが、もっと進んでいくといいなあと思った。



  • ものすごく面白かった。
    エッセイ読みながら声を出して笑っちゃったのって久しぶり。
    「帝王切開 まじやばい」
    とか、今時の話し言葉全開でぐいぐい読めちゃう。
    おまけに友人との会話が関西弁ていうのがまた良いんだよね。
    妊娠から育児までここまで赤裸々にエッセイで語るって難しいような気もするのだけれど、そんなこと微塵も感じさせないスピード感だった。

    出産経験の有無にかかわらずどんな人が読んでもこの面白さは伝わるんじゃないかなとは思うけれど、特に読んでほしいのはやはり世の中の男性達!
    これだけあなたの妻は、もしくはあなたの母は大変な思いをして子育てをしている(してきた)んですよ。
    へろへろになりながら眠る暇も歯も磨く暇もない過酷な状況下で赤ちゃんの面倒をみつつ家事をし夫の相手をし。
    是非読んでもらいたいな~。

    川上未映子は言う。
    「社会で働き続けなければならないのはいまや女性もおなじであって、産んで、授乳してすぐ復帰せねば、もうもどれなくなるんである。出産のダメージはいったいどれほどのものなんだろう」

    夫であるあべちゃんは一般的な男性陣に比べて家事には非常に協力的だし、妻の泣き言もちゃーんと受け止めてくれる。
    でもそもそも「協力的」と言うのが間違っているのだ。
    だって二人の子供なのだから。
    対等な関係を築いている作者でさえ妊娠を機にいままで潜んでいた性差にたじろいでいるのだ。
    その辺の気持ち、分かってほしいのよね妻は。

    妊娠出産にまつわるエッセイとしては素晴らしい本だとは思うけれど一点だけ。
    川上さんはまだほんの小さな胎児ともよべない頃から自分の子供に対して深い愛情を持っている。
    それは絶対にゆるぎないものだ。
    母性神話を否定している川上さんですら一気に母になっていくのが良く分かる。
    でも、全ての母親となる女性がこうはいかないと思うのよ。
    妊娠も出産も子育ても非常に個人的な出来事でその人の抱える事情も体調も感情も人それぞれ。
    自分に照らし合わせて読むと、全力で子供を愛していたとは自信をもって言えないだけにちょっと凹んだ。
    まあそれも過ぎ去ったことなのだけれど。
    と言うわけで☆4つです。

  • 笑っちゃうしするする読めるし、面白かった
    もうすぐ臨月なので、妊娠期の話に共感しつつ、出産後の話読んで怖くなったり、楽しみになったり。グッズや本など参考になった!
    あべちゃんかわいそう笑
    相当な心配症だしよく泣く人だなぁと思いつつ、自分もそうなりそうな予感しかしない
    ハッピーエンドでよかった、泣けた。子育て、大変かもしれないけど、大切な日々を噛み締めていきたいな

  • 著者の妊娠からお子さんが一才になるまでの記録。
    目に見えないモヤモヤした気持ちの言語化がなんと巧みであることか…!さすがです。

    現在妊娠8ヶ月なので、私と同じ年齢での出産や産後の壮絶な記録に予習する気持ちもありつつも、とても恐ろしかった。特に産後クライシスの場面…私も夫に対してそうなりそうで…「人はみんな他人である」という端的な一文がとても印象に残った。誰のことも理解できないし、誰もわたしを理解などしてくれない、という。。出産や育児など超個人的・責任重大なことかつ人によってもう千差万別なことを乗り越えていくのは、本当に言葉では表せない大変さがあるのだと思った。

    私も読みながらうるうるしてしまったけど、この本を将来お子さんが読んだら間違いなく大感動するだろうな。

  • 妊娠〜出産を終え絶賛子育て中の私には、かなり共感できることが多かった!
    友達のプレママにもおすすめしたほど、妊婦さんは読んでこれからに備えるのも良いし、ママさんは懐かしみながら読んでも良いと思った。

  • 妊娠、出産の経験もなければ予定もないけれど、でも読んで良かったなぁと思う。
    このエッセイは全力で受けとめなくてはならない類の文章で、何と言ったらいいのか、とにかくすごい。
    つわり→食欲爆発→マタニティブルー→エアロビ→陣痛→出産→授乳→ぜっぺき対策→産後クライシス→離乳食→発熱→保育園→1歳の誕生日
    こうしてキーワード(と勝手に思うこと)を書き出すだけでくらくらしてしまう。
    私が出産や育児の本当の苦しさ、つらさを全く理解出来ていないだろうことは確実だけども、それでもこの本を読んでその恐ろしさの一端に触れた(はず)。
    お母さんが流す涙にはたくさんの言葉に出来ない感情が込められていることも知った(はず)。
    悲しくても泣き、悔しくても泣き、嬉しくても泣き…
    その感情の振れ幅にただただ圧倒される。
    どうにも精神的に弱っている時に同じように泣くしかなくなる時があるけど、それの延長線上に(もしかしたら)ありながらもそんなのとは次元の違う涙なんだろうな。

    自分の問題として読むことが出来ない現状ではこの本に書かれていることの80%くらいが「怖いこと」なのだけど、一度妊娠したら(又は出産したら)、この本を読んで涙を流すようになるんだろう。
    不思議とそんな確信がある。
    確かめる機会があるかどうかはあやしいけれど、もしも我が身に降りかかることがあれば(この表現が不適切なのは解っているのですがつい…)絶対にもう一度この本を読んでみようと思う。

    そして悩んでいるのは出産間近な友人にこの本を薦めるかどうかということ。
    エッセイを読む限り予定日まであと1月以上ある今ならまだ本も読めるのかな?
    これから起こるかもしれないあんなことやこんなことが、彼女を絶望させることはないだろうか?
    それとも赤ちゃんへの愛が溢れる文章が彼女の希望になってくるるだろうか?
    とてもとても悩んでいるのだった。

    • vilureefさん
      こんにちは。

      読みましたー!(*^_^*)
      面白かったですね。

      そうか、出産未経験だと「怖いこと」だと受け止めるんですね、ふむ...
      こんにちは。

      読みましたー!(*^_^*)
      面白かったですね。

      そうか、出産未経験だと「怖いこと」だと受け止めるんですね、ふむふむ。
      あの怒涛の時期を乗り越えてしまった今となっては地獄の寝不足も懐かしい思い出です(笑)
      だから、なんというか川上さんにも同士みたいな感覚がありますね。

      お友達の方にもお勧めして大丈夫なんじゃないかな。
      産まれてから大変だよー、とアドバイスを受けてもイマイチ実感も持てないし、事細かに教えてくれるわけではないのでね。
      ある意味覚悟できるんじゃないかな。
      で、臨月を満喫する!
      私なんて、ぼーっとしたままの怠惰な妊婦でした・・・。
      2014/09/29
    • takanatsuさん
      vilureefさん、コメントありがとうございます!
      そしてアドバイスもありがとうございます!!
      「ある意味覚悟できるんじゃないかな。
      ...
      vilureefさん、コメントありがとうございます!
      そしてアドバイスもありがとうございます!!
      「ある意味覚悟できるんじゃないかな。
      で、臨月を満喫する!」
      なるほど。
      自分が経験してないといろいろと心配し過ぎてしまうのですが、出来るだけ明るくいつも通りに薦めてみます!
      ありがとうございます♪
      「私なんて、ぼーっとしたままの怠惰な妊婦でした・・・。」
      そんなことないですよ!
      友人の話を聞いたり、この本を読んだり、他の本も読んだりして想像するにお母さんは産む前も産んだ後も本当に大変で頭が下がります。
      お腹の中で赤ちゃんを育てていた妊婦さんが怠惰だなんてことは絶対ないと思います。
      「あの怒涛の時期を乗り越えてしまった今となっては地獄の寝不足も懐かしい思い出です(笑)
      だから、なんというか川上さんにも同士みたいな感覚がありますね。」
      お母さんの強さここにあり!ですね。
      同士みたいな感覚というもの何やら格好いいです♪
      それにしても「地獄の寝不足」とは…。
      その辺もっとどうにかならないものなのでしょうか?
      2014/09/30
  • 笑って、ホロッときて、うーむと考えさせられて、要するに面白くて一気読み。川上未映子さんが、初めての妊娠から出産、子育てをセキララに語っている。

    川上さんの文章が好きだ。関西弁を交えた、独特のリズム感というか疾走感があって、読んでいて本当に気持ちいい。こんな風に言葉が紡げたらどんなにいいだろうなあといつも思う。

    その文章の勢いで笑わせながら、しばしば非常に重い問いも投げかける。子供を産むって至極普通のことだけど、同時に、すごい一大事でもある。そこらへんの感覚がとてもよくわかる。

    そして、小説家というのは本当にたいしたものだなあと思わずにはいられない。凡人は「あれ?これってどうなの?なんか引っかかるなあ」と思っても、多くの場合あまり突き詰めて考えないが、川上さんは、そこでのたうち回り、違和感を言葉にして、全身全霊で苦しんだり、喜んだりするのである。その振幅の大きさに恐れすら感じてしまう。

    ここには嘘がない。そのように生きていくのはとてもキツイだろうけど、夫のあべちゃん、息子のオニ君と三人でいることの幸福感もまた、とてつもなく大きいのだろう。

    小説や詩を書く人というのは、何かが過剰で、どこかが足りないのだとよく思う。普通に丸くはならない、そここそが値打ちなんだから、芸能人みたいに扱って、当たり障りのないことを言わせたりしたらアカンよなあ。

  • 出産、育児って、人生における一大事だから、周囲のいう正解から逸れることは怖い。それなのに、赤ちゃんやその家庭による個別性はとても大きいから、そのギャップが母親の心を揺さぶり、苦しめるのだなと思った。

    作家さんって、視野が広くて、自己の思い込みに惑わされないイメージが勝手にあったのだけど、一般論や子育てに対する男女の考えの差に、ぐずぐずと思い悩む姿を赤裸々に語っていて、どうしようもない人間らしさに好感が持てた。

    子育てが大変だというエピソードはもう数え切れないくらい見て、正直産む前からしんどくなる。でもそれ以上に子供の存在、成長を見守ることの尊さ、それを夫婦で分かち合う幸せも待っているならば、夫と一緒に乗り越えていきたいなと思う。

  • 今は1歳の1児の父です。
    妊娠中のお話は、妊娠中の妻への感謝と自分の子どもも頑張って出てきてくれたなぁ、と改めて感じました。妻から妊娠の愚痴みたいなものを当時言われていますが、きっと言い表せないものが他にもあったんだよなぁと思い知らされます。


    出産後のお話で、ブツぎり睡眠、授乳の大変さなどがあり懐かしいと思いながら読みました。もちろん男なので授乳はしていませんし、母親の立場からしたら苦労はものすごく少ないと思いますが、それでも「うんうん」と思いました。
    なるほど!と納得したのは、生まれたばかりの赤ちゃんは自我もないし、そこにいるだけで、赤ちゃん側の情報がゼロ。なので、赤ちゃんの話になると習い事や誰似といった「こちら側」の文脈でもって話でもしないと場が持たないという話。誰似なんて、興味ないよねと…でも、夫婦間だと、赤ちゃんのちょっとした仕草などを興奮して話せる唯一といってもいい関係。素晴らしいことだよねと感じました。

    そして、良いなぁと思った一言。
    「いまはそんな心境にはなれないかもしれませんが、夜明け前に赤ちゃんにおっぱいを飲ませた日々が、いつか、人生の最も幸せなひとこまとして心に残る思い出になるかもしれません」(赤ちゃんがピタリ泣きやむ魔法のスイッチ)

    「目のまえの、まだ記憶も言葉ももたない、目さえみえない生まれたばかりの息子。
    誰がしんどいって、この子がいちばんしんどいのだ。
    おなかのなかからまったく違う環境に連れてこられて、頼るもの、ほしいものはわたしのおっぱいしかないのだ。
    こんなふうに両手にすっぽりとそのからだのぜんぶを抱っこできる時間なんて、この子の一生からみてみればあっというまに違いない。
    深呼吸して、顔をみよう。生まれてきた赤ちゃん。手足。
    たしかに眠ってなくてほぼ限界だし気絶するほど眠いけど、でもこの時間、この子のこの顔をみつめているのはたったいまここにいるわたしだけで、世界中に、いまここしかない時間なのだ。」

  • ●読前#きみは赤ちゃん
    川上未映子さん、読んでいない本はまだ結構あるけどとても好きな作家さん。そういいながらも恥ずかしいことに、この出産本を出されていたことを今さらながら知った。出産に対してどのようなことを考え、どのような表現で書かれているのか読みたくなった
    https://amzn.to/48D7Nhn

    ●読後#きみは赤ちゃん
    川上未映子さんの作品を、声を出して笑いながら読むことがあるなんて思ってもいなかった。いたるところで「さすがの表現力だなぁ」と感じるのは変わらなかったが、それが笑えるおもしろさというまた違った魅力に出会え、未読の作品を早く読みたくなった
    https://amzn.to/48D7Nhn

    ●心に響いたフレーズ&目次
    #きみは赤ちゃん
    https://mnkt.jp/blogm/b140709a/

  • 出産前から育児中の今まで、何回も読み返しました。

    どの章も共感ばかりで、気がついたら涙がでたりクスッと笑ったり。
    読み終わった後はなんだか今までのモヤモヤなんだったんだろうと、暗い気持ちが吹き飛びました。

    この本を読んだことで、モヤモヤした気持ちの正体が、命を預かることへの不安や重さを感じていたんだなと気づきました。そしてそれは特別な気持ちではないとも教えてもらえた気がします。

    どの章も好きですが、私はあとがきが1番好きです。毎日、子どもが健やかに過ごせることを祈ります。

  • 現在妊娠中なので読んでみました。
    ちょうど10年前(2012年)に出産された時のお話。

    無痛分娩に関しては、10年経った今(2022年)でも状況があまり変わってないなと思った。
    私は現在、地方に住んでいるので、家から車で1時間以内で行ける病院に無痛分娩が可能な病院が一つもなくて衝撃だった。
    私は旦那の実家に里帰りすることにして、無痛分娩できる病院を予約できたけど、指を切断するよりもはるかに痛い自然分娩って描写で、自然分娩だったらこんなの読んだら恐怖で出産したくないって思うし鬱になるかもしれないと思った。

    帝王切開や授乳の経験談が読んでて怖かった…。
    私にも出産、子育てできるんだろうか、読んでて不安しかない。

    まだ私は妊娠初期なので、これから経験することばかりなのだけれど、妊娠初期の記述でも、共感できるところは意外と少なかった。つわりの症状も精神状態も、本当に人それぞれなんだろうなと思った。

    つわり中に、つわりの箇所を読んでしまい、吐いたりしている描写で私もさらに気持ち悪くなってしまった。
    つわり中は読むの注意した方が良いと思う…。

    妊娠初期の今ですら、情緒不安定になりがちなのに、産後はもっと泣いたりするんだろうか…。
    今ゆっくり寝たり本読んだり好きなことをしておこうと思った。

  • 妊娠5ヶ月の時に読みました。
    赤ちゃんを妊娠出産して、「嬉しい、かわいい、幸せ」といった気持ちだけでなく、たくさん泣いて孤独を感じたことも真っ直ぐに書かれていて、これから自分にもこういった感情の起伏が訪れるんだ、と心の準備をすることができました。
    赤ちゃんの時間はとても短くて、何にも代え難いかけがえのない時間であることを頭の片隅に置いて、辛いことがあっても乗り越えていきたいと思いました。

  • 電車で読みながら涙ぐんでしまった。

    作家さんってすごいなあ、
    私が妊娠・育児してるなかでモヤモヤと概念的に考えてたことを「そう、その感じ!」というドンピシャな言葉で表してくれるのだから・・
    としみじみ。

    心に残ったフレーズは、
    「おなかの赤ん坊は100%こちらの都合でつくられた命で、100%こちらの都合で生まれてくるのだから、それならば我々はその『生』を100%の無条件で全力で受け止めるのが当然じゃないだろうか。それが筋、ってもんじゃないのだろうか」

    この本を読んで、子どもたちがよりいとおしく感じられるようになりました。

  • 新聞の書評欄で知り、読んでみた。嫁が最初に読みスルスルと読めてしまったというので、読んでみた。
    川上未映子さんは、モヤモヤした気持ちを言語化するのが得意な作家である。この本はその得意技で妊娠から出産、子育ての1年間に感じたことを時系列で紹介してくれた。ツワリの大変さや出産の苦労など嫁さんが経験して大変だったんだろうなということに気付かされた。ちなみにどうだったか聞いてみるとかっこ大変だった」そうで、全く無理解かつ惻隠の情のない自分であったことに気づく。ツワリ、無痛分娩、帝王切開、授乳、発熱、新生児用品の買い揃えと妊娠から出産、そして一才になるまでの生活が絵巻のように繰り広げられる。費用、パートナーのと関係、不安な気持ち、そして赤ちゃんの可愛さといった妊娠出産者の定番のストーリーの中も未映子節で語られると、出産した女性の感情に半歩ほど近づけた気がするしたのであった。
     まぁ、子育てとは誰も皆初めてなのであたふたしながらやるので、ウチもそうだったなぁという感じで懐かしく読んだ。オニ君は今はどんなお子さんに育っているのだろう。

  • 妊娠、出産は未経験で、ぼんやりとしか想像できなかったが、これからはもっと思いやりたい。全てを理解することはできないだろうが、何事も歩み寄らなければ進むことはできないのだから出来る限り相手を理解し、尊重したい。確かに子供が欲しいというのは親の都合だが、いざ迎えるにあたって何もかもが未知なのに失敗は許されない出来事の連続で、身体的にも精神的にも極限状態で過ごす日々は暗すぎないように書かれているものの、綺麗事だけではないし、読んでいるだけでも過酷なことが伝わるのに、振り返ると愛おしくも感じられるから不思議。

  • とても楽しく読めました。
    わたしは産前に読んだので、ぶつぎり睡眠とか、マタニティブルーとか、産後の身体の変化とかもう色々恐ろしくもなりましたが、
    著者の方の心の声の叫び的な表現方法が読んでて面白く、身近に感じるような気持ちにさせてくれ、なんだかポジティブにもさせてくれるような口調だったりが和みました。

    赤ちゃんに対する想いも、とても心温まる一冊でした。この本に出会えて良かったです。

    これから出産を控えている方だけではなく、旦那さんにも読んでみて欲しい一冊ですね。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上未映子の作品

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