相互確証破壊

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 201
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900964

作品紹介・あらすじ

エロスと論理の融合! ストレンジ風味炸裂情事を映像に残す江見の真の意図は? 深夜のヒッチハイクの真の行く先は? 6人のヒロインと恋人たちの熱いセックスと怜悧な推理。

感想・レビュー・書評

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  • 読むとき、背後注意だった。
    情事の描写が多く、しかも濃厚。
    声の書き方がスポーツっぽくって、笑えてしまった。「おうっ」って何だよ。
    全体的にしたたかな女性の話が多く、女性の被害者が少ない。

    1 待っている間に
     会社で、違法で明らかになると不都合な業務を担当している男女6人。
    そのうちの一人の男が殺された。殺されたことを警察に通報する前に本社に連絡。本社から人が来るまで、そのまま待っているように命令される。待っている間にまた事件が発生する。

    ★クローズドサークルもの?なんとなく落ちは読めた。女性の方が精神的にしたたかなのか。

    2 相互確証破壊
     取引先の相手と不倫関係にある女性。お互いに家庭がある。男性側の要望で情事の間にカメラを回し、お互いに映像を持っておくことで、お互いの身の破滅の防御にしようと言う。そのことに違和感を感じた女性は…

    ★ちょっと予想がつかなかった。女性の夫 徹、君はそれでいいのか。

    3 三百メートル先から
     優秀な兄が引きこもりになり、家の中で殺された。兄の友人と付き合っている大学生の妹は兄の死に疑問を持つ。何故、兄は狙撃という手段で殺されたのか。兄の友人である恋人と事件の真相を推理する。

    ★直前まで、情事って、どうなのよ…危ないよ。盾にしているのが分かった時点で縁を切ろうよ。

    4 見下ろす部屋
     不倫関係にある男女がいつも使うホテルの部屋からは駅のホームが見える。女性は会社での保険関係における不祥事から男性の行動に違和感を覚える。

    ★これは女性が見事なまでにしたたか。ただ、ばれてない、と思っているのは本人たちばかり、という事例の方が多いので、実際にあったら、不倫関係にある女性がいて、その相手は誰か、ということは分かってしまうと思う。

    5 カントリー・ロード
     女性がヒッチハイクで車に乗せてもらう。車の中でも奉仕する女性。ラブホテルに泊まり、情事にふける。女性の目的地に向かう途中に男性は彼女が人を殺したことを指摘する。そして男性側の事情をも説明し始める。

    ★女性の恋人?がクズ過ぎて、もう…これはこれでハッピーエンド、なのかもしれないな、と思う。

    6 男の子みたいに
     デートの時に男の子と見まごうばかりの服装をする女性。男性はデートの時に一度は男性の扮装をする女性を抱く。そこからは裸で抱く。その行為は何故なのか。ルームシェアしている女性の友達と男性側の意図を推理する。

    ★これは純然たるハッピーエンド。うん、よかった。相思相愛で。

  • えろ部分は必要だったのか・・・

  • まさかの官能小説。石持浅海さんてこんな小説も書くんだ、という驚きでイッパイ(笑)。ただ短編が並ぶと、官能表現が同じになってくるので、だんだん笑えてきちゃう。
    「ひゃう」はウケました。推理と官能は両立するもんなんですかね。とにかくがっつりエロスでした。

  • 2017/10/28
    どこか陰のある官能小説の様なミステリの様な……
    6短編
    「おう、いいよ」

  • なんでこの人、突然官能小説書き出したの?
    せっかくの持ち味が、ほとんどいかされてない。

  • 面白絶頂推理短編w

  • 石持浅海による女性を主人公とした短編集。
    ・・・なんというか、ことさらにはめ込まれた情事描写。ていうかもうそういう短編集。
    こういうのって長編とかの中に差し込まれるならともかく短編でひたすらそういうシーンが続くと正直食傷気味です。ぶっちゃけ、そのシーンはもう完全に飛ばし読みでした。結局やってることは大体同じようなことだしなあ。そのセックスシーンに実は重要な伏線が・・ということもほとんどなかったし。
    かといって、そこの部分を完全に端折っちゃうとショートショートみたいな感じになるしなあ。普通に「あんまりおもしろくないな」と思ってしまった。

  • エロを題材にしたミステリ短編集

    『待っている間に』
    クローズドサークル➕エロ

    『相互確証破壊』
    お互いが核を持っているとわかったらそれが抑止力になり保たれるというが私達が保っているのは何??

    『三百メートル先から』
    大学院の研究に疲れてひきこもりになった兄が
    ゴルゴ13ばりに脳天をつき抜かれて自室で殺害された。
    ひきこもりのはずの兄がなぜ?

    『見下ろす部屋』
    トレインビューがある部屋で情事をする不倫カップルの話

    『カントリーロード』
    ヒッチハイクで拾った人と拾われた人の緊張感

    『男の子みたいに』
    女性と男装する女性とその彼氏

  • 論理的エロミス短篇集。
    石持氏のエロという誰得感はあるが,どれもそこそこには面白かった。
    「三百メートル先から」「カントリー・ロード」は後味悪い系ミステリでよかった。
    絡みのシーンがどの話もだいたい同じ。「ひゃう」ってなんだ「ひゃう」って…!?

  • 石持作品は、最近つい買ってしまう。
    タイトルは思わせぶりだったが、期待に対してはイマイチ。
    エロチックをテーマにした、短編集。
    著者特有のロジカルで机上主義な謎解きは相変わらずだが、あえてこのテーマに寄せる必要を全く感じなかった。
    二つくらいは必然性があったが、逆に言えば二編だけ。
    そして、sex描写がくどい。というかワンパターン。これは、結構冷めてしまった。
    ミステリとしてはそこそこ面白かっただけに、残念さが際立つ。
    2+

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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