ゴーストマン 時限紙幣

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901077

作品紹介・あらすじ

英米ミステリ賞総嘗め、24歳の天才新人登場!クアラルンプールの摩天楼内の銀行襲撃計画。爆薬の仕掛けられた金の奪還。裏社会のディテール満載で描く21世紀最高の犯罪小説。

感想・レビュー・書評

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    このミス2015の海外編第3位、大学在学中に描いた作品とのこと。
    大好物のジャンルでした、強盗団がカジノで奪った紙幣は48時間後に爆発!その金を追うのはゴーストマン。ゴーストマンとは、犯罪者の痕跡を消す後始末の専門家。
    スピーディに進行する物語、スマートなキャラクター、良い作品に出逢えました。
    が、この作家さん28歳の若さで早逝。遺作が他に一作のみ。必ず読まねば。

  • ゴーストマンと呼ばれる名称不明の人物が犯罪を「消す」ことに焦点を当てた物語。構成としては「私」という人物が過去の失敗と現在の仕事を交互に描いている。犯罪小説でありながら現在視点では消えたお金と人物を探すミステリ調になっているのが面白い。逆に過去パートでは強盗事件の失敗が先に提示されており、何故そうなったのか?がラストに分かる仕組みとなっている。この構成の妙でも読ませる。また独特な呼び名がB級映画っぽく、運転手を「ホイールマン」などの相性で呼ぶ。イメージしたのでは「キアヌ・リーヴス」の「ジョンウィック」のよう。

    クールな語り口とテンポのよいストーリーなど犯罪小説の基本形ながら他とはちょっと違う空気感を出している新しい小説な気がする。

  • 現金輸送車が襲われる。奪われたのはカジノに運ばれた金だが、ただの銀行の金ではない、連邦政府の爆弾付きの金。これほど危険なキャッシュは誰も近寄らないはずが、リミットの48時間以内に奪おうと闇で熾烈な争奪戦が始まる。そこに派遣された私。指紋を消し自分も殺す変装の名人。鏡を見て「プロがそこにいる」とひとりごち、「警察など脅威ではない」とうそぶくが、不釣り合いな腕時計は手持ちがないからと袖に隠し、携帯は壊し損ねて窓から放る。本当に一流なのかとやきもきさせられるが、最後にはすべてをきれいに片付け行方をくらます。

    吐息と共に自由に年齢を変え、声音を使い分ける様は小説ではなかなか伝わりにくい。姿を消すのが得意科目のゴーストマンにしては、現場にジェットで乗りつけ早々にFBIに目をつけらるってどうよと不信が芽生えたが、自分の存在をわからせるためにわざとやったのね。ただ、ウルフが噛んでることを知ったのは到着したあとだったような...。

  • 一気読み。犯罪の痕跡を消す、ゴーストマンの仕事ぶりが面白い。
    犯罪の薀蓄や、細かい描写は、ややもすると冗長になりがちだが、テンポもよく、物語の奥行きを増している。
    スピーディーに進むハードボイルド。
    これがデビュー作とは驚き。
    映画化されそう。

  • 「大げさな表現だな」、「結構グロい描写だな」、と思いながら半分読んだところで気がついた。
    某映画監督の作風だと。後書きにも触れられていたので間違いなさそう。

    好みの問題だけれどなかなか読み進めず難航。

    銀行襲撃の部分は文句なしにかっこいい。

  • 盗まれた「決して盗んではいけない金」を取り戻す期限は48時間。
    犯罪の始末人ゴーストマンの追跡が始まる。

    使用後の携帯電話を潔く捨てる捨てるw
    雑魚キャラも同じレベルで捨てる捨てるw
    そこにドラマが乗っていないので勿体無い感が皆無。
    こういう乾いた感じが好きな人にはいいだろうけど、ドラマが読みたい身には合わなかった。
    話はスピーディーだし、訳文は読みやすいし、面白いんだけどね。
    これじゃないw
    あとあちこちで「ナツメグ!」と耳にしていたので気になっていたんだけど、それだけかい!

    • niwatokoさん
      これ、やたらツイッターでめぐってくる(RTがマメってことかしら)ので、そーんなにおもしろいの??と気になっていたんですが。ヴァクスとかも引き...
      これ、やたらツイッターでめぐってくる(RTがマメってことかしら)ので、そーんなにおもしろいの??と気になっていたんですが。ヴァクスとかも引き合いに出されているし。ドン・ウィンズロウとかみたいかと期待しちゃだめですかね? 
      2014/09/01
    • kumanecoさん
      ウィンズロウのようなドラマはないです。設定と疾走感で読ませるタイプ。田口さんなので訳文はものすごく読みやすいです。 好きな人は大好き!なんだ...
      ウィンズロウのようなドラマはないです。設定と疾走感で読ませるタイプ。田口さんなので訳文はものすごく読みやすいです。 好きな人は大好き!なんだろうけど、ウィンズロウ大好きな私には普通…でした。
      2014/09/02
  • 平気で人が死んでいく犯罪小説。

    主人公の常に冷静で軽妙な語り口がとてもスタイリッシュに決まっていて、映画を観ているようで面白かった。

    ただ、ストーリーは普通

  • 章の終わりにきっちり引きがあって、次章を読まずにいられない。
    ものすごい疾走感にあふれた、悪い人のお話です。

    誰でもない「ゴースト」としての人生。
    退屈と怠惰を最も忌避し、世間一般の安寧とか幸福とかは完全度外視です。
    話としてはたいへん、面白いですが共感度ゼロ。

    そもそもニコは運転できないし。
    これ、映画になってそう。

  • 読み応えがあったためか、読後にまず浮かんだのはごちそうさまだった。
    大満足。
    クールだなぁ。

  • 面白かったわ^_^

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