虹の向こうの未希へ

  • 文藝春秋 (2014年8月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784163901145

作品紹介・あらすじ

「急いで高台へ避難してください」

東日本大震災の時、遠藤未希さん(南三陸町職員)は

最後まで放送で呼びかけ続け、津波にのまれてしまいました。

本書は、彼女の母・美恵子さんの手記です。



未希さんの勇気ある行動は「命の呼びかけ」と称賛されました。

しかし、その一方で美恵子さんは喪失感に苛まれ続けます。



ある日、未希さんの遺品を整理していると、一通の手紙をみつけました。

そこに書かれていた一文に勇気づけられ、美恵子さんは決心したのです。

娘の遺志を語り継ぐために、民宿「未希の家」を作ろうと――。



最愛の娘を失った絶望感にたびたび襲われながらも、

母親として魂を再生させていく物語です。



[目次]

序 章 命の呼びかけ

第1章 手がかりを探して

第2章 見られなかった花嫁姿

第3章 「最期の声」を聞きたい

第4章 防災対策庁舎の解体

第5章 未希からの手紙

第6章 あなたの名前を叫びたい

終 章 亡き娘と共に生きる

みんなの感想まとめ

命の呼びかけと母の深い喪失感を描いた本書は、東日本大震災で自らの命を犠牲にして避難を呼びかけた遠藤未希さんの母、美恵子さんの心情を明かす手記です。未希さんの勇気ある行動は多くの人々に称賛されましたが、...

感想・レビュー・書評

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  • 本書で記載のある民宿にも泊ったことのある母親の勧めで読んだ。
    やはり子に先立たれた親は辛い。
    想像するだけでも恐ろしい。

    時間が経ってから見つけた娘の手紙によって著者の心がとても変化したことが印象的。
    生者の心は長期に死者の心と対話するけど、その関係性がとても良化するきっかけがあったことは今後の人生に向けて非常に大きい。
    小説じゃないから読んでいる自分も心の荷が降りる気がした。

    南三陸町防災対策庁舎の解体か遺構かに関して二転三転あったことや、地元の人達にも様々な意見があること、「特殊公務災害」認定についてなどは本書で勉強になった。

  • 【民宿「未希の家」を開くまで】3・11直後、自らの命を犠牲にして防災無線で避難を呼びかけ続けた南三陸町の遠藤未希さん。その母が初めて心情を明かした手記。

  • 東日本大震災の時,南三陸町防災庁舎で最後まで放送で避難を呼びかけ続けた遠藤さん。本書は,彼女の母親の手記である。

  • 南三陸の震災遺構、防災庁舎は色も相まって脳裏に焼き付く。まさか防災庁舎が波にのまれるなんて誰が予想していただろうか。本には記載されていないが、未希さんだけではなく翼(たすく)さんなど20代の若い命が失われ、写真にも残っているが、住民を守るように円陣を組んで最後まで使命を全うしようとした職員の皆様。あと1階分庁舎が高かったら。そう思わずにはいられません。
    若くて結婚を間近に控えていた未希さんが注目されますが、もう1人の男性も懸命に呼びかけてくれていたのを忘れないでほしいと語り部の方が仰っていました。その事もきちんと記載されていてなんだかホッとしました。
    男児が産まれなかったし長女だったので婿入りしてもらったのくだりはやや古い考えだなぁと思ったが、南三陸を離れなかったのは未希さんの優しさでもあるし家族への愛と地元愛が強かったのだろう。
    生きていてくれた方が良かったのに。ご両親、旦那さんの胸の痛みはいかほどだったでしょう。ストレスで倒れるほど、でも生きていかないといけない進まないといけない。葛藤や絶望、後悔が渦巻く中、希望を与えてくれたのはやはり未希さんだったと。
    でもただいえるのは、やはり生きていてほしかった。

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