哲学散歩

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 132
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901510

作品紹介・あらすじ

古代ギリシャから20世紀まで…哲学者たちの横顔衣装に凝りすぎてプラトンの顰蹙をかったアリストテレス、性格は悪かったハイデガー…現代日本を代表する哲学者によるエッセイ。第一回 エジプトを旅するプラトン第二回 エンペドクレスのサンダル第三回 ソクラテスの皮肉第四回 忘恩の徒? アリストテレス第五回 書物の運命 これもまた?第六回 哲学史のなかのアレクサンドロス大王第七回 アウグスティヌスをめぐる謎第八回 プラトニズムとユダヤ思想第九回 『薔薇の名前』遺聞間奏 悠久の旅(一)間奏 悠久の旅(二)間奏 悠久の旅(三 補遺)第十回 火焙りにされた最後の哲学者ジョルダノ・ブルーノ第十一回 デカルトをめぐる女性たち第十二回 私のカント体験記第十三回 ライヴァルたち――シェリングとヘーゲル第十四回 ある師弟――ショーペンハウアーとニーチェ第十五回 哲学者と女性第十六回 哲学者と心理学の縄張り争い第十七回 ある交友――ハイデガーとヤスパース第十八回 マッハを想う第十九回 哲学の青春――ニザンとサルトル第二十回 ダヴォスの対決――カッシーラーとハイデガー第二十一回 ある訣別――ハイデガーとレーヴィット

感想・レビュー・書評

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  •  哲学者木田元の最後の本でした。散歩する老哲学者に誘われてソクラテス、デカルト、ハイデガー・・・、の素顔を垣間見る、そんな本でした。あれこれは「ゴジラ老人シマクマ君の日々」に書きました。覗いていただければ嬉しい(笑)
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202302200000/

  •  プラトンからデカルト、カント、ハイデガーそしてレーヴィットまで、名だたる哲学者たちにまつわるエピソードをエッセイ形式でまとめた短編集。著者の木田元さん自身がハイデガーを専門にされていたこともあり、ハイデガーと他の哲学者の交流や関係性を記した章が多数あって、とても興味深かった。

     木田元さんは、ハイデガー『存在と時間』を読むために哲学を学ぶことを決めたという。東北大学大学院の哲学科に入学し、半年間でドイツ語を詰め込み、そこから『存在と時間』原典を読み始めて半年で読破したそう。しかし読み終わって、あまりの難しさに「これで論文は書けない」と判断。理解を深めるためにヘーゲル、カント、フッサール、メルロ・ポンティなど数々の哲学者の本を読み、研究したという。ハイデガーを読むそのためだけに、実に凄まじいエネルギーである。

     わたしも大学で卒論を『存在と時間』について書いた。わからないわからないと喚き嘆きながらひたすら『存在と時間』とそれにまつわる本を読むので精一杯で、他の哲学者に手を出そうとはしなかった。そんな勇気も余裕もなかった。だから、あのまま大学院に行きたかったと10年以上経った今になってときどき思うけれど、わたし程度の熱意で大学院に行っていたら、それはそれは辛く厳しい院生活になっていたに違いないと、木田元さんは哲学に向けた圧倒的な熱意を知って思った。恐れ入りました。

     大学の頃に買った『反哲学入門』も、これを機に久しぶりにまた読んでみようと思う。

  • 哲学

  • 名だたる哲学者の人間関係を著者の思いでと共に書いているエッセイ。
    気楽に読めた。
    特に途中に書いてある紀元前から伝わる本の件はおもしろかった。
    プラトン、アリストテレス、聖書に至るまで耐久性のない紙、また、多言語のため幾度となく書き写された物が今に残っているという不思議。

  • かの有名な哲学者の人間臭さは分かった。

  • 哲学者による哲学史のエッセイ。
    「哲学散歩」という表題がとてもぴったりで良いです。

  • 昨今亡くなった有名な哲学研究者による、哲人たちの評伝のようなもの。もっと思考に回転を与えてくれるような思索を期待したのだが…。

    古い思想の中身を知るのではなく、もっと現実に生きるために考え方というのを、大学の教養では教わらなかった、ということを再認識した。

  • 【古代ギリシャから20世紀まで…哲学者たちの横顔】衣装に凝りすぎてプラトンの顰蹙をかったアリストテレス、性格は悪かったハイデガー…現代日本を代表する哲学者によるエッセイ。

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著者プロフィール

中央大学文学部教授

「1993年 『哲学の探求』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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