陰陽師 螢火ノ巻

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  • 文藝春秋 (2014年11月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784163901596

作品紹介・あらすじ

稀代の陰陽師・安倍晴明と心優しき笛の名手・源博雅が活躍する600万部超の人気時代小説の第14巻。今回は、晴明の好敵手にして、酒をこよなく愛する法師陰陽師・蘆屋道満の、人間味あふれる意外な活躍にも注目のシリーズ最新作。

大地震の後に、主上の御加減がすぐれぬという。博雅は晴明に内裏に上がるように呼びに来たものの、晴明は主上を見ると、すぐに外へと出かけてゆく(「双子針」)

星を仰ぎ見るのが好きな中納言は、口にしたものがすべて現(うつつ)となるという。ある日、戯れに不幸を予言したところ、予言が当たりよからぬ噂となり。(『仰ぎ中納言』)

常陸の山中で、道満は山賊に囲まれた女を助けるが、女は余計なことと口にする。聞けば、去年の今、女の夫がここで命を落としたという。(「山神の贄」)

摂津は箕面の滝で、酒を前に泣く男を見つけた道満。哀しくて泣いているのかと聞けば、えらい上人と御仏の使いの邂逅を見て、うれし泣きをしていたという。(「筏往生」)

五日前に、突然亡くなった膳広国を、焼かず、埋めず、寝かせておけと命じた晴明の真意を知りたく、博雅は晴明に訊ねるが、そこへ広国が蘇生したと知らせが。(「度南国往来」)

六年前、右目が痛むという柏木季正の元に播磨の法師陰陽師が訪れ治癒したが、今度は、別のところの痛みがやまなくなり……。(「むばら目中納言」)

六条河原院の美しい桜の下で、物言わず悲しげな美しい姫を見たという博雅。その話を聞いた晴明は、桜を見に行くと言うが。(「花の下に立つ女」)

一双の屏風を手に入れた摂政・兼家は、表具を代えようと唐の国より来た単先生に修理を頼むが、単先生は、絵を見ると落涙して絵のなかへと入ってしまった。(「屏風同時」)

諏訪から京へと向かう女は山道を迷い、大磐にあった供え物と竹筒の酒を口にするが、里の者に知られ、代わりに山神の贄として供えられそうになり……(「産養の磐」)

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語は、陰陽師たちの人間ドラマと和製ファンタジーが織り交ぜられた魅力的な世界を描いています。特に蘆屋道満のキャラクターが際立っており、彼の優しさや人間味が次第に明らかになっていく様子に心惹かれます。短...

感想・レビュー・書評

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  • やっぱりこのシリーズ好きなんだよなぁ。

    今回は蘆屋道満のお話多めですが、だんだん道満の優しさが滲み出る作品が増えてきて、すっかりいい人キャラになってきましたね。

    今回のベストは「花の下に立つ女」。
    めちゃ短い物語なのに、沁みる作品です。

    毎度ながら風景描写に風情があり、「度南国往来」の冒頭で.
    すでに秋は終わっていた。かといって、まだ、冬が始まっているわけでもない。秋と冬との間に、ほんの三日か、四日ほどある、透明な一日。
    っていうところが、あぁ、素敵な表現だなぁと思ってしまいました。

    どの作品も優しさに満ち溢れた和製ファンタジーです。オススメ!

    • 土瓶さん
      ほんとうに「花の下に立つ女」は沁みましたね。
      このシリーズの獏さんは和風の食事のように味わい深いです。
      ほんとうに「花の下に立つ女」は沁みましたね。
      このシリーズの獏さんは和風の食事のように味わい深いです。
      2024/12/21
    • hibuさん
      土瓶さん
      ホントですね、まさに和食。目で楽しんで、かつ優しく味わい深い作品ですね。初期の恐ろしい話よりも個人的には好きです^_^
      土瓶さん
      ホントですね、まさに和食。目で楽しんで、かつ優しく味わい深い作品ですね。初期の恐ろしい話よりも個人的には好きです^_^
      2024/12/22
  • 短編集のシリーズ第十二弾。
    長編もいれると十四タイトル目。

    ・双子針
    ・仰ぎ中納言
    ・山神の贄
    ・筏往生
    ・度南国往来
    ・むばら目中納言
    ・花の下に立つ女
    ・屏風道士
    ・産養の磐

    蘆屋道満の存在感が強い巻。

    「闇は我が褥(しとね)、地獄の獄卒は我が同胞(はらから)よ」

    カッコイイな~。言ってみたいわ。

    「花の下に立つ女」もいい。
    わずか10ページのなんてことのない話なんだが、最近こういう話の方が心に沁みる。

    話はこう。完全ネタバレですよ。

    あるとき、博雅が笛を吹いていると一本の桜の樹の下に女が現れるようになった。
    次の日も、その次の日も博雅が笛を吹くとその桜の樹の下に女は現れる。
    声を掛けようとするといつの間にか消えてしまう。
    ある晩、現れた女は悲しそうに泣いていた。博雅は問いかけるが、女は桜の花びらが舞う中で消えてしまう。
    博雅は気になって晴明に相談するも、その桜の樹は切られてしまっていた。
    落胆する博雅に、晴明は切られた桜の樹の枝を一本差し出し、庭に植えるように勧める。
    やがて博雅の庭に桜の樹が根付き、花を咲かせた。
    喜んだ博雅が木を愛でて笛を吹くとそこに女童(めのわらわ)が立った。博雅を見つめ、小さく頭を下げて微笑したのであった。

    ああ、いいなぁ。
    こんなふうに命は、命のようなものは続いていくんだな、という気持ちになる。
    妖も呪術も闇もない優しい世界。
    こんな話もたまにはいい。
    さあ、次も読もう。

    • ultraman719さん
      ドーマン・セーマン!
      ドーマン・セーマン!
      ドーマン・セーマン!
      ドーマン・セーマン!
      2024/09/29
    • hibuさん
      私も「花の下に立つ女」めっちゃ好きでしたー!
      私も「花の下に立つ女」めっちゃ好きでしたー!
      2024/12/21
    • 土瓶さん
      ですよね~。hibuさん。
      ちょうど読まれたんですね^^
      ですよね~。hibuさん。
      ちょうど読まれたんですね^^
      2024/12/21
  • 蘆屋道満が大活躍ですよ
    ただの小汚いやっかいな爺ちゃんではなかったんですねぇ(失礼)
    だって最初の頃は安倍晴明にちょっかいかけてくる面倒臭いジジイて感じだったやないですか
    それが最近、誰かのピンチに通りがかってスパッと解決、ええとこ攫っていく爽やか爺ちゃんですよ、どーなってんですか(笑)
    まぁ、道満先生活躍の事情は巻末のあとがきにありました。ええように使われてますなぁ
    今後のご活躍も期待しております、先生。

  • 道満って怪しいし一見ヤバそうだけど意外にちゃんと人間らしいとこもあってかわいいし、そういう書き方してる夢枕獏がかわいい

  • 面白い
    スルスルと読める
    伊那谷にたどり着いた
    都の男に騙された 
    妊娠している女の話が面白い

    懐かしい伊那谷
    山深い風景が思い出させる

    いつの時代も男女の恋愛は
    同じ
    本当にいい人に出会うのは
    難しい
    都に行った男の忘れない
    いつでも頼ってほしいに惹かされ
    妊娠した女は
    父親の助言を聞かす
    都を目指す
    しかし途中で道に迷い蘆屋道満に
    助けられ
    父親のもとに帰ることにする

    今の時代にも当てはまる
    ストーリー

  • 安倍清明と源博雅、蘆屋道満の物語が詰まった短編集。 今回は蘆屋道満の物語が多い。 お気に入りは「屏風道士」と蘆屋道満が主役の「産養の磐」。 絵の中に入ってしまうなんてありえない!と思いながらも、この科学が呪として名を受け、生きている世界ならあり得るかも。と思ってしまう。 後者は鍛冶ヶ婆をモチーフにしている所が面白く、蘆屋道満の好感度上がること間違いない一話である。

  • 道満のいいやつ感がすごいでておる
    卷属になるならそれでもいいかも、とちょっと思っちゃう
    永遠に離ればなれにならないなら、それでいいや

  • 陰陽師シリーズ。

    長寿シリーズだけど、最初から全然雰囲気が変わらないのってすごい。晴明と博雅のやり取りから始まるのもいつものことだけど、マンネリで飽きたと思わず、むしろ冒頭のその場面を期待を込めて待ち構えているほど。そんな中、今作は道満が主役の話も目立った。後で作者のあとがきを読むと、なるほどなぁって感じ。晴明、博雅が大好きなのはもちろんだけど、このシリーズの道満の立ち位置、本当に大好き。完全なる正義ではないけど、悪でもない。単なる酒好き?このシリーズを読むまでの道満のイメージを良い意味で見事に覆してくれた。
    お話としては「仰ぎ中納言」が一番好み。素敵過ぎな展開だった。

  • 晴明と博雅に絡むとトリックスター的ポジションの道満さんは実は人間味溢れる人なんだなとわかる話が多かった。道満と晴明に共に優れていて、違いがあるとしたら博雅という友がいるかいないかで、道満さんにとって晴明は自分のifな存在なのかな、と。例の地獄の話も読もうかな。
    それにしても、博雅さんの笛はモテモテですね。皆好きだというから凄い。
    ☆筏往生
    後味悪いというか、欲出ちゃった人の末路というのがなんとも。それがお坊様なのがまた人間の難しさ?なんだろうな。

  • 晴明と博雅が、いつものお互いのペースで、話が進んでいく様子が読んでいてとても心地よかった。
    晴明の家の庭の四季の移り変わりも読んでいて面白い。季節の移り変わりは切ないながらも美しい。
    道満は、今回はいい人なのかもと思える話が多くて、ちょっと思いなおしました。あとがきより、道満の登場には成程と納得。

  • 今回は、蘆屋道満が晴明たちとかかわらず、ひとり主役をはる話が多い。
    舞台も京の都以外で、新鮮な面白味がある。
    今回は、わりといい人な蘆屋道満。
    晴明と博雅について語るところが、心に残る。
    晴明と博雅の日々は、変わらず、安定した陰陽師ワールドで楽しかった。

  • いつ読んでも博雅と清明のやり取りは良いですねぇ。
    そして今回は道満の活躍がいい味出してました。

  • 陰陽師シリーズ。道満の話が面白かった。晴明の話は都から出ず、またからむ相手のほとんどが貴族階級なので同じように感じてしまう。 相手も博雅だし。 それにしても筏往生の阿弥陀如来ともあろうお方が、なぜ救おうとしないのだろうか。(夢枕さんの思想といえばそうなのかもしれませんが)

  • 今回は蘆屋道満の話が多かったけれど、相変わらず博雅と晴明はらぶらぶなのね、という短編集。博雅が「季節の移ろいを愛でつつ晴明と酒を酌み交わせるなら、年を重ねるのもいいことだ」と口説けば、晴明も「博雅の笛の音を愛でて?」と口説き返すのがもう、獏さん分かってるなあと。そして、割と悪役ポジで書かれやすい道満が、このシリーズでは憎めない人になってるのもお気に入りです。

  • 芦屋道満ものが多めで楽しめた,桜の木に現れる女性の話が良かったなあ。

  • 今回は、京を離れた地が舞台となって、道満が登場するお話がいくつかありました。
    山神の贄となるお話が一番印象的でした。
    命がなくなってでも、一緒にいたいと思える夫婦はある意味狂気的ですが、それでもそこまで思える相手がいることが羨ましく思いました。

  • いつ読んでも日本語の美しさに、人の悲しさにしみじみとしてしまう。今回は道満さんの話が多いが、道満さんに酒の相手は本当におらんのでしょうか…

  • シリーズを重ね、すっかり洗練されたスタイルと、水戸黄門的な安定感とを楽しめる娯楽作品となっています。

    四季のうつろいの美しさを描写し、晴明と博雅とのこそばゆいようなやりとりがあってから、事件の様子が明らかになって、「ゆこう」と出かけて解決する、という一つの完成された様式美。
    ワンパターンでありながら、無駄がそぎ落とされ、一つ一つのエピソードに違いがあって、きちんと楽しめる。

    そして、アクセントになっているのが道満のエピソード。
    さらさらと進んでいく晴明の話と対照的に、道満のアクの強さと人間の体温を感じるような話。
    道満の話がなければこの本の魅力は半減すると言ってもいい。

    このシリーズは一体どんなふうに着地するのだろう?

  • 2013〜14年に「オール讀物」に掲載された7話の単行本化で、シリーズ13作目。

    珍しく清明も雅博もも登場せず、都以外で蘆屋道満が人を助ける話が多い。

    「山上の贄」常陸と陸奥の境の焼山の関で命を落とした夫に会うため都から一人で来た女の危機を救い、夫に会わせるために山の神である大青猪子の青物主を呼び出して眷属となっている夫の霊に会わせるが、夜が明けて夫が去ると女は命を絶ち、青物主は女も眷属に加える。不思議と心に残る話。

    「花の下に立つ女」雅博が六条河原院の桜の前で笛を吹いていると毎夜女が悲しそうにただ立っていた。その桜が切られることになったと雅博が晴明のもとを訪れると、晴明は桜の枝を庭に挿しており、根がついて雅博の屋敷に移して花をつけて、笛を吹くと童女が現れて頭を下げて微笑した。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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