- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163901657
作品紹介・あらすじ
本書はモンゴル人とチベット人の歴史だけでなく、日本人の歴史でもある。しかし、本書はモンゴル人の軍功史ではない。二十世紀を駆け抜けたモンゴル人と日本人の近代化の歴史である。近代化への脱皮の形はいろいろあるが、モンゴルと日本の場合は、それが「日本刀」と「騎兵」だったのである。本書は、モンゴルとチベットの悲劇にまつわるさまざまな側面を「日本刀」と「騎兵」を歴史のキーワードとして取り上げている。本来騎兵といえばルーツはモンゴルであり、チンギス・ハーンを想起する日本人も多いだろう。その騎兵戦術をモンゴルの侵略を受けたヨーロッパが改良。それを、元寇も体験した日本が明治維新以降学び、日清日露戦争を勝利に導いていった。その日本の進んだ騎兵術や馬術や軍事戦略を、今度はモンゴルの青年が日本から学んだというのも、歴史の不可思議であるといえよう。 そうした「日本刀」と「騎兵」が、織りなすチベットとモンゴルの悲劇の歴史、現代史の空白を本書によって、少しでも埋めることができれば、著者として望外の喜びである(著者「はじめに」より要約)
感想・レビュー・書評
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もう少し読みやすい長さだといいのだが。
今ではモンゴルは二つに分かれているが実は日本が先の大戦に負けたことで中国に二つの祖国とされてしまった血塗られた歴史があった。モンゴル人教授の丹念に取材を重ねた歴史書。賞も受賞。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【日本の陸軍士官学校で学んだ最強の騎兵軍団、その興亡】「日本刀」を手にしたモンゴル騎兵がチベットを弾圧し、後に粛清された現代史の知られざる悲劇に司馬遼太郎賞を受賞した著者が挑む。