晩鐘

著者 :
  • 文藝春秋
3.29
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本棚登録 : 123
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901787

感想・レビュー・書評

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  • ひとが怒るポイント、笑うポイントはほんとにそれぞれなんだな。同じひとでも、時間が経つと変わるし。

    怒ることで相手がなにかをするのをヤメさせよう……とすることもあるけど、だからって相手は変わらないんだね。

  • とても90歳で書いたとは思えない作品

  • ☆5つ以外の評価は私としては考えられない銘著です。文章の重みに生きた人生の経験や苦労が読み取れ、私なぞまだまだ若造だと改めて思いいたるばかりです。

  • 今までさんざん持っていかれ、またネタにもしてきた元夫についての最後の本。
    ここまで書かれるというのは、ある意味名誉であり、書かれ続けても、それを楽しんでいたという意味では、立派な男であったのかもしれない。
    資産家の息子ゆえの上品さ、頭の良さに、小児麻痺からくる激しいコンプレックス。まさに選ばれてあることの恍惚と不安に翻弄された一生。この人と太宰治の何が違っているかと言えば、文才の一言に尽きるかもしれない。また、妻が、後輩が、自分より才能があると認めざるを得ない苦しさが、親兄弟を見返したいという思いが、ベンチャー企業の成功者という妄想になったのではないか。才能のない小説を書いている時が、人に迷惑をかけないだけ一番良かったというのは、本当に皮肉だ。
    最後の「かく生きた」には、涙が流れた。
    人間の人生は、結局、そうとしか言えないのかもしれない。
    しかし、畑中は幸せだったのではないか?したいことはした。成功しなかったが。
    伴侶に恵まれた。二人の妻が、生活を支えてくれた。娘に嫌われなかった。妻が自分の名を残してくれた。これだけのことができた男がどれだけいるだろうか。
    佐藤愛子の潔さ、(本人は否定しているが)優しさが、わかった気がした。
    90で筆力が衰えないだけでなく、90たからこそ書ける域に達していることに感銘を受けた。
    自分が老人となった時に、また読み返したい。

著者プロフィール

佐藤愛子

1923年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。69年『戦いすんで日が暮れて』で第61回直木賞、79年『幸福の絵』で第18回女流文学賞、2000年『血脈』の完成により第48回菊池寛賞、15年『晩鐘』で第25回紫式部文学賞を受賞。17年旭日小綬章を受章。エッセイの名手としても知られ、近著に『九十歳。何がめでたい』『冥界からの電話』など。

「2019年 『気がつけば、終着駅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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