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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784163901916
作品紹介・あらすじ
◆第46回大宅壮一ノンフィクション賞受賞◆
このままの幕引きは科学ジャーナリズムの敗北だ
「須田さんの場合は絶対に来るべきです」
はじまりは、生命科学の権威、笹井氏からの一通のメールだった。
ノーベル賞を受賞したiPS細胞を超える発見と喧伝する
理研の記者会見に登壇したのは、若き女性科学者、小保方晴子。
発見の興奮とフィーバーに酔っていた取材班に、
疑問がひとつまたひとつ増えていく。
「科学史に残るスキャンダルになる」
STAP細胞報道をリードし続けた毎日新聞科学環境部。
その中心となった女性科学記者が、書き下ろす。
誰が、何を、いつ、なぜ、どのように捏造したのか?
「科学史に残るスキャンダル」の深層
【目次】
■第一章 異例づくしの記者会見
内容がまったく書かれていない奇妙な記者会見の案内が理研から届いた。笹井氏に問い合わせをすると「須田さんの場合は『絶対に来るべき』」とのメールが。山中教授のiPS細胞を超える発見と強調する異例の会見。
■第二章 疑義浮上
発表から二週間でネット上には、論文へのさまざまな指摘がアップされた。理研幹部は楽観的だったが、私は、以前森口尚史氏の嘘を見破った科学者の一言にドキリとする。「小保方さんは相当、何でもやってしまう人ですよ」
■第三章 衝撃の撤回呼びかけ
万能性の証明のかなめである「テラトーマ画像」と「TCR再構成」。このふたつが崩れた。共著者たちは、次々と論文撤回やむなしの判断に傾き、笹井氏も同意。しかしメールの取材には小保方氏をあくまで庇う発言を。
■第四章 STAP研究の原点
植物のカルス細胞と同じように動物も体細胞から初期化できるはずと肉をバラバラにして放置するなど奇妙な実験を繰り返していたハーバードの麻酔医バカンティ氏。STAP細胞の原点は、彼が〇一年に発表した論文にあった。
■第五章 不正認定
「科学史に残るスキャンダルになる」。デスクの言葉を裏付けるように、若山研の解析結果は、他細胞の混入・すり替えの可能性を示唆するものだった。一方、調査委員会は、論文の「改ざん」と「捏造」を認定する。
■第六章 小保方氏の反撃
「STAP細胞はあります」。小保方、笹井両氏が相次いで記者会見をした。こうした中、私は理研が公開しない残存試料についての取材を進めていた。テラトーマの切片などの試料が残っていることが分かったが。
■第七章 不正確定
理研CDBの自己点検検証の報告書案を、毎日新聞は入手する。そこには小保方氏採用の際、審査を一部省略するなどの例外措置を容認していたことが書かれていた。そうした中「キメラマウス」の画像にも致命的な疑惑が。
■第八章 存在を揺るがす解析
公開されているSTAP細胞の遺伝子データを解析すると、八番染
みんなの感想まとめ
科学界の一大スキャンダルを描いた本書は、STAP細胞事件の真相に迫ります。著者は科学ジャーナリストとして、事件に関わる様々な人々の思惑や利害関係を丁寧に掘り下げ、無責任な体制が引き起こした問題を浮き彫...
感想・レビュー・書評
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STAP細胞の事件について、ずっと疑問におもっていたことがあります。
なぜ、誤謬ではなく、不正であったのか。不正とは故意ということでデータの捏造や改ざんがあったとされています。
でも、なんで、笹井チームのスクリーニングをすり抜けて、STAP細胞は発表されてしまったのか。
再現することのない研究成果は早晩、謝りであることもわかっていたはずなのに。
仮説・実験のプロセスや、報告の正確性、部内審査や、中間成果物の管理など、理研の管理にも大きな問題があったとおもいます。
笹井氏はなぜ死ななければならなかったのか。
目次
第1章 異例づくしの記者会見
第2章 疑義浮上
第3章 衝撃の撤回呼びかけ
第4章 STAP研究の原点
第5章 不正認定
第6章 小保方氏の反撃
第7章 不正確定
第8章 存在を揺るがす解析
第9章 ついに論文撤回
第10章 軽視された過去の指摘
第11章 笹井氏の死とCDB「解体」
第12章 STAP細胞事件が残したもの
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ノンフィクションというには予断が多い。
読み手である私は「STAP細胞は無かった」という理研の報告を聞いているんだけれども、「最初からおかしいと思っていた」的な記述が多く、違和感がある。あのときの小保方さんフィーバーを盛り上げたマスコミとして、それはどうなんだろう?
なぜ盛り上げてしまったのか、情報を発信する報道機関が自らを省みないのは、はたしてノンフィクションと呼んでいいものなのか。マスコミとして都合が良すぎやしないか。書き手は一方的な正義を振りかざしているように見える。
私はSTAP細胞が存在するとは言わないし、いまだに判断がつかないが、論文には誤りがあるんだろうなと思う。ただ、この書き手の誠実さには疑問を感じる。
笠井氏や若山氏には問い合わせをしているが、渦中の小保方氏には問い合わせをした様子がない(後半で問い合わせを行い弁護士に断られたという一文があるが、最後だ)。問い合わせをしているのか、したけれども書いていないのか。しようとすらしていなかったのか。このあたりの記述の省略について、書き手が、メディアが、小保方氏が説明できない人間だと恣意的に書いているようにも見える。
タイトルをセンセーショナルに「ねつ造の科学者」とするならば、小保方氏を指すように思う。では、なぜ彼女に焦点を当てていないのか。
そもそも理研とはどういう組織なのか、構造的に防ぐことができなかったのか、そういった掘り下げもなく、ただつらつらと時系列に書かれている。これはいったい誰向けの本なのか。
笠井氏が自死した件についても、理研はもっとできたはずと書かれているが、マスコミ報道が過熱したからという観点はないのだろうか。どこまでも他人事なのだろうか。読んでいて非常に不思議である。
記事として書かれたものをまとめた本である。それが間違ってるとは言わないけれども、これを出版する意味とはなんなんだろうか。STAPブームのうちに売っておこうという出版根性だろうか。
報道機関がこんな浮足立った本を出してたら、信用下がる……というほどの信用が元からないのか。まさかそんな。
小保方さんが、基本的に未来のある存命の科学者が相手だから書きにくいのかもしれないが、だとしたら、そもそもこの扇情的なタイトルって何なんだろうか。 -
2014年1月29日、小保方氏、笹井氏、若山氏の衝撃的な記者会見から始まったSTAP細胞事件。
著者の須田氏は、それまでの取材過程から、笹井氏と近い関係にあり、当初からやや特別扱いの状態で詳細な取材ができていた様子。会見前日に笹井氏から、あなたなら絶対来るべきとのコメントを貰い、それに値する(と考えた)内容にすっかり心躍って勇んで記事を書いた当日。そこから徐々に疑義が出始めて、もしや捏造かもと思い始め、そしてそれを確信する過程が、当の笹井氏や若山氏とのメールのやり取りを通じて再現されて読みながら胸が痛くなった。
結局STAPはどう考えても小保方氏の捏造なのだが、さすがに本書でそれは断定されない。ただ状況証拠から読者は容易に想像できる。
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ところで、私は某大学で研究者をしていることもあり、今回のSTAP論文(Nature誌に載った2報)は直ぐにダウンロードして読み、院生たちに紹介した。
門外漢からすると、凄い、としか思えなかったが、早くも2月中旬から世界各国で追試が成功しないこと。論文の画像に加工の跡があることなどが海外で話題になっていることも比較的早期に把握していた。
当時の院生とのやりとりをみると、2/21時点でそのことを院生に知らせ、2/25の時点ではまだ全体が捏造とは考えていなかったこともわかる。3/9には捏造の可能性が高いと考え院生に残念とのメールを書いていた。
そう、外部の人間からすると、科学者であれば門外漢でも既に2月にはもう、これ怪しいぞ、と考える程度の内容だったのだ。
それなのにそれなのに、理研の中枢は、本当かもと一縷の望みをいつまでもいつまでも捨てず、果ては世界的頭脳である笹井氏の自殺まで招いてしまった。
あぁなんて勿体無い、と思うのは私だけではないはず。STAP細胞というのがとにかく現象としては魅力的なだけに、強烈なアンカリングバイアスが、一線級の科学者にすら働いた。げに恐ろしきは魅力的な仮説であることよ。
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本書は、「日経サイエンス」2015年3月号の「STAP細胞の全貌」特集と併せて読むことで価値が倍増する。
本書が、著者と関係者とのメールのやり取りを中心として、新聞記者の著書なだけに社会的側面が強く描かれているのに対して、日経サイエンス特集は、遺伝子データ解析を通じての科学的推論によって『捏造』という真実に至る過程が描かれていて、好対照である。
STAP細胞事件がこの日本で起きたことは残念ではあるが、安易な博士号取得過程や、研究費獲得のための業績追求なども含めた、日本の科学者の持つ様々な問題点が炙りだされたことを考えると、今後の日本の科学界が正しく発展していくための警告にはなったと信じたい。 -
STAP細胞を巡る一連の騒動。
実は最近読んだある本で、STAP細胞を潰したのは裏に陰謀がある、ほれ見たことか、後日ドイツが特許を取ったと書いてあったので気になった。
新聞社の科学担当記者が相当丁寧に著述しているのだが、正直、専門用語とか散りばめられてて、多分噛み砕いてくれてはいるんだろうが、よく頭に入らなかった。図説も素人向けには分かりやすいとも思わない。
が、それを除いても、この事件を取り巻くいろんな人の想いとか利害関係、利権とか無責任さが伝わってくる。
小保方さん以外は。
この人、事件の発端ではあるが、完全に当事者能力を失っている感じだった。
事件としては「全員が腐った丸太を渡ったら、偶然渡れてしまった」という表現がぴったりな、みんなが少しずつ前のめりになってしまった無責任体制が原因なのだろう。
小保方さんが、善意だったのか悪意だったのかは判らない。
ES細胞がどこで混入したのかも解らない。
STAP現象が、本当あるのかどうかも分からないが、少なくとも今回の論文に関わる事象では、発言しなかったのは間違いないようだった。
二重に面白かった。 -
博士の学位を取得するにあたり、もう一度読み直した。
実験ノートの重要性を再認識するとともに、科学者として実験結果に真摯に向き合い、科学的真実を追求していく姿勢をいつまでも忘れないようにしたいと心から思った。 -
理化学研究所と言う日本最高峰の研究機関で起きたSTAP細胞事件を科学記者の視点から多角的に分析.分野に問わず仕事で科学技術に関わる(論文作成等)人は読んでおいて損はない.様々な意味での「過信」「盲目的な信頼」のリスクを強く感じる.
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かなりの力作だと思う。リアルタイムでニュースを目にしていた事件。なぜ疑惑をもたれるような発表をしたのか?なぜできないスタップ細胞をできたと彼女は言ったのか。構造を解明した取材力は素晴らしいと思う。彼女はどんな人だったのかも知りたかった。
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世界を沸かせた記者会見から急転直下の勢いで世界三大研究不正の1つと数えられた事件となるまでの過程が、最初から追っていた記者によってダイナミックに書かれていた。それとは別に、尊敬する科学者たちに疑惑を持ち、時には追及しなければならないというのは、とても辛いことだと感じる。記者視点なので特ダネとかスクープとかあったが、正直そこにこだわるよりもっとじっくり取材して欲しい、なんて思った。
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面白い、というのは不謹慎なのかもしれませんが、読み始めたら止まらず一気読みでした。
熱心かつ丁寧な取材で筆者がここまで調べ上げたのにもかかわらず、笹井氏が亡くなり小保方氏が口を閉ざし、理研の調査も疑義を払拭できていない現状で、次の研究不正が出てこないとはどうしても思えない。
読み終えてがっかりというかもやもやというか。。 -
メールのやり取りや他人の話等の要約がほとんどといった印象。知りたいなと思ったことはこの本には書かれていませんでした。
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私には難しすぎた。
内容的には、発表直後から論文撤回、笹井氏の自殺までで、科学的な説明も含めてかなり詳しく書いています。
逆に詳しすぎて、意味がわからず。
結局、小保方氏はどんな人なのか、理研の体質は?という所に今ひとつ踏み込めてなかった感じです。
私の知識不足のせいですが、一般人にはあまり面白い本では無いです。
ゴシップ好きの人は止めたほうがいいですよ。 -
笹井氏の自殺という衝撃的な出来事があり謎が謎のままの事件であったなと思いました。科学者の成果はひとりひとりの誠実な実験とそれを克明に記載した記録ノートにより誰かが再現できることで裏付けされていく。であるがゆえに、実験中に素材を取り違えることは御法度ですし、こまめに実験室の中で手順や日々の成果について意見交換を行うことを、学生時代から熟練に至るまで、上長から訓練を受けていくことが欠かせないようでした。ただ、そういう訓練のルートから外れ、未熟な人材であっても発想豊かな論文を書けるという能力があることで、有名教授らが興味を持ち、取巻きとなってしまったことで、充分な訓練の機会と共同作業を行う熟練の仲間を与えられず、ひとり個室でiPS細胞以上の発見をという期待の中、科学の世界より魔法の世界に染まってしまったかのような経緯を読むにつれ、なかなか構造的に難しい問題があったのだろうなと、すっきりしない気分のままに読み終わりました。
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科学の分野が丁寧に書かれているものの追いかけきれずに最後は斜め読み。記録としては大切な本だと思う。
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詳細な記事と分析。東京神戸を往復し日夜問わずの取材活動。これだけの仕事をした筆者が幼子をかかえたワーキングマザーであるということが一番の驚き。
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STAP細胞事件を時系列に著したノンフィクション。
なんだかよく解らなかったSTAP細胞事件、文中の「くさった丸太をたまたま渡り切れてしまった」の一文が記憶に残る。
この本に沢山の人がレビューを寄せているのに驚いた。 -
全然伝わってこなかった
新聞記事なのか、ドキュメンタリーなのか、うーん
会話文が多いが誰が何言ってるのかわからない、
どうせなら事実の振り返りにもう少しフォーカスしてもらえばスッキリ読めた気がする -
(15-27) 私はこの話題にとても関心があったし家は毎日新聞をとってるので、著者がかかわった記事は全部読んでる。事件についてどういう取材をして、内部でどう判断して記事にしたか、記事にするのを見送ったか、紙面の大きさ・見出しなど丁寧に書かれていて大変興味深かった。私は論文不正にこだわるより、何より実物があったのかなかったのかの方が重要だと思っていたが著者の考えは全く逆だった。説得力がある説明だったのでその考えに納得できた。
私はこの事件の元凶は小保方氏だが、事がこうなってしまった責任の半分以上は笹井氏にあると考えていた。その考えは本書を読んでも変わらなかった。
笹井氏が小保方氏に残した遺書は私には理解し難かった。著者も疑問を持ったようで他の人に意見を求めている。ある研究者の答えにあった「赤い靴」にどっきりした。もしかしてそうだったのかも。
須田桃子の作品
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