キャプテンサンダーボルト

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901947

感想・レビュー・書評

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  • 超人か

  • 2016.12.相葉時之は,ホテルのドアマンをしている同級生の徹から取り違えたメモを渡されたために銀髪の怪人に追われることになる.野球部で一緒だった井ノ原を巻き込み逃げることになるが警察に村上病感染患者として捕まってしまう.井ノ原は,村上病について調べている桃沢とともに移送されている途中の相葉を助け出す.しかし,銀髪の怪人に桃沢を人質に捕られたため,蔵王のお釜の水を取りに行く.お釜の水は,あるウィルスを入れると毒性を持ち異常繁殖するために旧日本軍が生物兵器として開発していた.それを銀髪の怪人は求めていたのだ.二人は,無事にお釜の水を持ち帰って桃沢を取り戻し,怪人を倒す.ところが,怪人は事前に村上病のボンベにタイマーをかけていた.二人は,仙台中央銀行地下の完全に密閉された金庫にボンベを入れることに成功.それが大物金融王の筒井を助けることにもなり,井ノ原の借金は帳消しになり,相葉の母のお店もヤクザものに盗られることなくすむ.スリリングで読みやすく,ハッピーエンド.とっても楽しかった!

  • 合作って珍しいです。伊坂さんは好きでよく読んでました。阿部さんのも読んでみたくなりますよね。楽しい時間を過ごせました。ありがとう。

  • (2016.9.28)
    (528P)

  • 伊坂幸太郎と阿部和重合作のヒーローもの?最初は誰が主人公なのかわかりずらかったけど、読み進めると分かってくる。正義感が強いがいつも周りに迷惑ばかりかけて巻き込んでしまう相葉時之と病気の息子を抱え借金の多さに悩んでいるコピー機の営業マンの井ノ原悠の二人組が主人公。
    第二次大戦時に消えたB29、村上病、閉鎖された御釜地区、鳴神戦隊サンダーボルト映画版の公開中止などなどの好奇心をそそるキーワードがすべて繋がってくる。すごく小気味いい感じで物語が進むので読んでいて飽きない。
    いろんな問題がすっきり片付くところも心地がよくてさっぱりした読後感がある。良作。

  • 風邪をこじらせたので、本日は最高な天気だったにもかかわらず一日読書の日。そんな日に選んだのが伊坂幸太郎氏と阿部和重氏の合作小説「キャプテンサンダーボルト」。タイトルから一緒に考え始めて、筋を二人で作ったあと一応章ごとの担当は分けて執筆し、書き進む中でお互いが著者の立場を離れ編集者の立場で書かれた物を読み直し、そこでアイデアを出しあって修正して行くという合作の方法だったらしく、本人達曰く「松坂牛の霜降り状態ぐらい僕らの文章は混じり合っています」とのことで実際読んたときはには事件の展開は阿部和重氏が構成し、執筆は伊坂幸太郎氏中心ですすんだのかなあと思ったのだが、事実はまったく違ったらしい。阿部和重氏の作品「ピストル」の帯の言葉を伊坂氏が書いたのをきっかけに親しくなったとの事で、あるとき冗談で一人じゃ対抗村上春樹には対抗できないから二人で一緒に力を合わせて対抗しよう!とのことで合作を決めたというほぼ冗談みたいなエピソードが本の話Webのインタビューで語られていた。まあ小説家の合作自体珍しいし、あったとしても「冷静と情熱の間」の江國香織氏と辻仁成氏の様に一つのテーマについて二人がそれぞれの視点で書き進めるという形が普通だと思われるがこの二人はアイデアの構築から著作を書き進める段階での協力もおこなうという完全合作という形を録ったチャレンジ作品だ。だからといって中身は全然固い物ではなくマンガの原作のような軽快に読み進められるバディ物語で、軽い出張のお供の作品を探している男性には格好の読み物ではないかと。そんな遊び心満載の冒険小説を読むBGM
    に選んだのが

  • 2015.1 読了

  • 学生時代友達だった男性たちが、ホテルで従業員、客という間柄で再会。客であった男はその後ホテルの室内で事件に巻き込まれ、命からがら逃げ出す。金に困っていた男は、偶然再会した他の友達を巻き込んで事件を解決し、お宝を探す話。

    女性の意見として、男性が夢を見て宝探しをする話に思えて仕方なかった。国際問題にまで発展する大事件の数々はなんとなく現実味がなくてしっくりこなかった…男性が読んだら共感して違う視点で見れるのだろうか…もちろん楽しんで読んだ。ただどうしても引っかかるものがあった。

  • 男スィ心をクスぐる要素全部盛り。
    戦隊ヒーロー、旧友との再会、友情、そして、悔恨。
    青春ものとしては北野武の映画『キッズ・リターン』、逃亡劇としては『ゴールデンスランバー』を思い出す。
    世知辛い平成の空っ風が吹き荒ぶままならない現実を生きる20世紀少年としては、相葉と井ノ原の活躍が嬉しい。ポンセと桃子ちゃん、ケンタ支配人のキャラもイイ。
    現実とフィクションを巧みに合成した舞台設定は脳内にARのような効果を生み出す。
    前半と比べて、クライマックスからの急展開の波状攻撃はTOKYO DOME CITYのサンダードルフィン。手に汗握るものの都合が良過ぎる感もなきにしもあらずで尻すぼみな印象がしてしまうのはやや残念。
    読後感は爽やか。
    今日はスッキリした気分で眠りに就けそうだ。

  • お決まりの仙台。エンターテイメントとしては良いのかも。

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著者プロフィール

1968年生まれ。1994年「アメリカの夜」で群像新人賞を受賞しデビュー。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』で注目を集める。2004年、大作『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞、第58回毎日出版文化賞、2005年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞受賞。『シンセミア』を始めとした「神町」を舞台とする諸作品には設定上の繋がりや仕掛けがあり、「神町サーガ」を形成する構想となっている。その他の著書に『ニッポニアニッポン』『プラスティック・ソウル』『ミステリアスセッティング』『ABC 阿部和重初期作品集』など。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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