ナイルパーチの女子会

  • 文藝春秋 (2015年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784163902296

作品紹介・あらすじ

丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・志村栄利子(30歳)。実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。決して焦らない「おひょう」独特の価値観と切り口で記される文章に、栄利子は癒されるのだ。その「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしているが、実は家族を捨て出て行った母親と、実家で傲慢なほど「自分からは何もしない」でいる父親について深い屈託を抱えていた。

偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子はある日カフェで出会う。同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあって、二人は急速に親しくなってゆく。ブロガーと愛読者……そこから理想の友人関係が始まるように互いに思えたが、翔子が数日間ブログの更新をしなかったことが原因で、二人の関係は思わぬ方向へ進んでゆく……。

第28回山本周五郎賞受賞作。

みんなの感想まとめ

人間関係の複雑さや友人との距離感をテーマにした物語が展開されます。主人公の栄利子は、表面上は成功したキャリアウーマンですが、内面には不安や孤独を抱えています。一方、翔子は人気主婦ブログを運営しながらも...

感想・レビュー・書評

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  • 3.7

    タイトルと装画から想像されるほんわかとした小説ではない。ナイルパーチ:食用だが凶暴性をもつ外来魚。大手商社のやり手社員の栄利子(ナイルパーチ?)とグウタラ主婦のブログが人気の翔子の物語。栄利子の狂気、契約社員の真織の豹変ぶりが凄かった。山本周五郎賞。
    柚木さん特有の毒を含んだストーリー。他の作品に比べてコミカルな部分が少なかったので、少し、読みづらかったです。

  • 読み終わるまでに、何故だか時間が、かかった。
    友達って、なに?
    栄利子(ナイルパーチ)に食いつくされる圭子、翔子。
    でも栄利子を食い潰し脅かす新種も出てくる。
    世の中、弱肉強食。会社の人間関係のどろどろや友人間のどろどろが、生々しく描かれている。
    栄利子の極端な考え方が、強烈だったけど、同じ立場になって追い詰められたら、どうなるだろう。
    友達にこだわるけど、歌みたいに友達百人できるかなって、できるわけないんだから。
    苦手なことはしなくていい。
    友達付き合いがストレスなら、いなくてもいいんでないと思うけど、少し寂しさも感じるのでした。
    自分次第かな。
    みんな、それぞれ着地点をみつけられていて、ほっとして読み終えられたのは、良かった。
    怖いもの見たさというか、続編が読みたい。
    杉下くんは、どうなったんだろう

  • お勧めしてもらって手に取ったけど、読み始めはなんだかモヤモヤしてばかりだった。
    人間関係って難しい。人との距離感って難しい。特に女子って難しい。そんな風に日々生活していく中でも感じる気持ちが、きっとこの作品の中に詰め込まれているからかもしれない。
    ハッピーエンドなのかと言われれば答えにくいけど、2人がそれぞれに気づき、自分を客観的に捉えて変わろうと一歩を踏み出す姿に、読み終えた時になんとなく清々しい気持ちになった。

  • 柚木麻子さんエグい!もうここまで描かなくていいですって降参するような気持ちで読んだ。最高〜!

    過保護過干渉の親に育てられた栄利子と、放任でありながら子どもに依存する親に育てられた翔子。無意識の被害者意識と加害者意識で人間関係はぐちゃぐちゃ。ママのせいでごめんねみたいな栄利子母の言葉やよくわかんねーなみたいな翔子父に本当にぞっとした。
    勝手に想像を膨らませるけれど、杉下もおそらくルールや世間の目でがんじがらめの親に育てられたんだろう。真織は父の悪口を言われて育ったんだろうな。それでも親からの愛情を求めている登場人物全員可哀想だった。

    それでも、最後は希望がもてた。女友達がいなくても、対人関係が上手く行かなかったとしても、毒親に育てられたとしても、自分の生き方、安全、自由は自分で選んでいけるんだということ。

    私自身も対人関係はたいして得意じゃないし、疎遠になる友達ばかりで、育児もうまくいかないことばかり。でも、大丈夫、自分でどう生きるかは自分で決められる。きっといい方向に変わっていける。私は安心と自由を自分で選べる。そう思える小説だった。

  • 傑作でもあり問題作。柚木氏、えぐるね。物語を生み出したことがすでに狂ってる。
    深く考えたくないこと、理解したくないこと、目を背けたい女の本質から、我々は逃げて生きてるから。
    柚木氏だけは深淵を覗いてる。キツイ女が面白くて仕方ないのでしょう。あっぱれ。

    しかしざわつくよ…心臓がギリギリする。なんて本だ。
    今週は胃もたれする。
    次は瀬尾まいこでも読まないとやってられない!

  • 大好きな柚木麻子さんの作品のなかでは、
    読むのに一番時間がかかってしまった。
    だいぶ前に読んだ『終点のあの子』が、たしかこんな感じのカラーだったと…

    人との距離感の取り方。
    本当に難しい…。

    最近特に考える機会が多いです。
    それは家族とだったり、友人とだったり、様々。

    子供のころはそんなこと考えずにいられた。
    友達は一緒にいて楽しければそれでいいし、
    家族は、近くて当たり前みたいな…。

    こういった女子物語、「うわっ、自分もこんなとこある!」って、
    多少の自戒をしつつ読むのですが…。

    「女同士ってここまで面倒で怖いのよ~」って、
    キャラが濃すぎて、少し引き気味。

    芋けんぴのくだりが衝撃的で、
    お菓子売り場で、思わず見入ってしまいました(笑)

    • koshoujiさん
      こんにちは。
      >最後のお写真は、koshoujiさんなんですよね?
      やっぱり賢そうな中学生でしたね(*^-^*)

      ははは、可愛いで...
      こんにちは。
      >最後のお写真は、koshoujiさんなんですよね?
      やっぱり賢そうな中学生でしたね(*^-^*)

      ははは、可愛いでしょ。
      歌い終わった瞬間に、あの中学生(笑)に、“ぺこり”と頭を下げる加工をしたかったのですが、
      さすがに、その一コマを作るのに軽く6時間以上はかかりそうだったので止めました。
      そんな映像になったら大受けするよなあ、と思ったのですが・・・・・。無念。

      >それでね、いいね!押したんですよ。
      でもログインしてくださいって…
      ブクログと同じく会員登録しないとダメなんでしょうか。

      そうそう、考えたら、あれも会員登録しないと評価できないんですよね。
      お手数かけました。申し訳ない。<(_ _)>

      でも、いつだって心でいいね!押してますから(*^-^*)

      心の中で“いいね!”・・・・・・。(涙)ありがとうございます。
      今後ともよろしく。(^^)/

      近々、“男女共学の是々非々の観点から、朝井リョウと柚木麻子の小説の奥深さの違いを考察する。”
      という長ったらしいタイトルをつけて、
      この「ナイルバーチの女子会」のレビューを絡め、
      二人の作品の違いについての所見を書く予定です。
      というか、もう半分以上書き上げているのですが。
      是非、お読みいただければありがたく。<(_ _)>
      2015/10/28
  • いろいろな女子たちの、負の妄想、嫉妬、蔑み、嫌な部分を見事に表現し、あるある!と若干共感もできる。ここまでキャラを立たせられるのがすごい!良い人が大して出てこないのと、翔子たち夫婦はどうなったのか、完結に終わらずもやもやがあったので、星3つ。

  • 久しぶりに、さされた、えぐられた。

    読書ノートを記入しなければ
    レビューを書かなければと思っても、
    本を再び開くことが怖くて、何日かおいてしまったぐらい。

    気が合って、これからも長く長く友達でいたい。
    そう思った友人を、私の失態で疎遠にしてしまった経験が何度かある。

    エリートの栄利子から、人気ブロガーの翔子から、
    派遣社員の真織から、
    そうなった理由が突きつけられた。
    目をそらそうとしたけれど、何度も何度も。

    時に空気が読めなくなる私は
    相手の中に入って気持ちを100%わかりたいと思っていたが
    友人関係とはそういうことではないんだと。

    私が思い悩むように、私の友人たちも思い悩みながら
    友人関係が途切れないよう、距離を測って守ってくれていたんだなと改めて思った。

    感謝の気持ちと懺悔の気持ちで
    胸がいっぱいになってしまった一冊です。

    痛烈な言葉が多かったですが、
    痛かった言葉も頑張ってノートに書き留めました。
    同性の友達は、やはり、私にとってとても大切ですから。

  • 読み終わって さっきまで おしゃべりしていた友達は 自分にとって どういう存在なんだろう?と考えた。微妙な距離感の心地よさがいいと感じる関係だなぁと導いてみた。上っ面の関係でも それはそれでいいって思うんだけど。個人的には 親友って言葉がきらい。友達って ウィンウィンなんじゃない?翔子ちゃんがお父さんの足をケアする場面 ジーンときました。

  • 重い話、そして、心を抉る話。栄利子と自分を重ねてしまった。もちろん100%ではないが、多かれ少なかれ栄利子や翔子のような気持ちが心のどこかにあるのではないだろうか。
    もし、こんな人理解出来ないわという人がいるならば、羨ましいと思う。

  • 若い女性が友人との葛藤がもとで破綻していく話。
    ナイルパーチとは食用できる淡水魚だが、生態系を壊してしまうほどの凶暴性があるという。

    志村栄利子は、父も勤めていた大手の商社で働く30歳。
    完全主義でいつもきちんとしているキャリアウーマンだが、実はいっぱいいっぱいで、友達がいないのを苦にしていました。
    そんな栄利子がはまったのが、ゆるい主婦ブログ「おひょうのダメ奥さん日記」。
    「おひょう」こと丸尾翔子が近所に住んでいて、偶然に出会った栄利子は、親友になれると思い込む。
    ところが‥

    翔子は、一見すると気楽な雰囲気を持つ、付き合いやすそうな女性。
    実は田舎の家族とくに身勝手な父親から逃れるように上京してきて、やはり友達はいない。
    ブロガーとして、人気が出るのだが‥?
    栄利子のほうは都会の裕福な家庭で両親に大事に育てられたのだが、そこにも実はわかりにくい歪みがあった。
    子供の頃は、仲のいい幼馴染もいたのだが‥
    おひょうの態度の変化を理解出来ず、大量のメールで報われない思いをぶつける栄利子。
    「わかってくれるまで止めるつもりはない」という考えはストーカーそのものでは。
    なるほど、こんなふうに考えるのか‥

    真織という派遣の若い女が、「友達がいる」という意味では普通の女性として登場するのだが、実は彼女が一番怖い。
    これはないんじゃない‥?という出来事で、他が吹っ飛ぶぐらい。
    いや、あの‥友達を大事にしているって、どんな友達付き合いをしているわけ?
    もしかして、これぞナイルパーチ?(笑)

    栄利子はそつのない人生を送りそうな女性だったのに、どんどん壊れていく。
    途中でいったん、読むのを止めたほどですよ。
    だがその体当たりの様子のために、後で二人の人物に謝ってもらえるシーンがあり、それは人生の真実を含んでいる印象。
    このあたりを読むために、一読の価値ありと思います。
    こじれた人間関係は、どこにでも起こりうるものだから。
    生々しい迫力のある小説でした☆

  • 柚木麻子さんの本、つづけて二冊読みました。
    1~2年新しいこちらの本のほうがはるかに面白かったです。

    さて、私は子供のころからしばしば好きな(憧れの)同性がいました。
    今もいます。

    でもとても栄利子にようにはなれないです。
    シャイで緊張してしまい、うまく話せませんし。
    メールなら全然平気なんですが。

    そんな私は、彼女たちにどう見えているでしょう。

    私と違って積極的に行動する人、たとえば家の前で待っているとか、少ない時間内に大量メールを立て続けに送るとか…は、同性でもストーカーと思われてしまうこともあるそうです。

    もっとも「あまり深入りはしないほうが良い関係を続けられるんじゃないかな?」というのがこの本を読んでの率直な感想です。

  • 女同士の歪んだ友情、救いのない話で読んでいて気持ちが暗くなり挫折しそうになりながらもやっと読み終えた感じでした。どの人物に共感出来なくて、でも自分も一歩間違えればこのようになりうるという怖さを感じました。

  • 「濃い人間関係に立ち入りたい」
    この気持ちはこうもこじれるのか。
    宝石箱のようなあの夜をもう一度味わいたい。心が通じ合った特別な瞬間をもっともっと受け取りたい。
    失った時間は取り戻せないからこそ特別なのだ。相手に求めるばかりになってしまう傲慢さは、女ばかりのものではないだろう。


    国内最大手の商社に勤める志村栄利子と、
    『おひょうのダメ奥さん日記』というブログの書き手である丸尾翔子。
    女友達をうまく作れずに生きてきた同い年の二人にとって、お互いは一筋の光だった。
    苦手と思っていた同性同士の会話が楽しい。
    相槌を打つ自分が嬉しい。
    口に出したことで気づく自分の気持ちが新しい。
    恋愛の時の多幸感とは似ているようで少し違う。ささやかだけど、胸踊る変化。
    同性とのやりとりで傷ついてきた二人にとって、なんて特別なひとときなのか。


    しかし二人は友達としてスタートをきるものの、それはすぐにあっけなく破綻する。
    何もかも、人間関係までも百点満点を取るのが普通であった栄利子と、誰にもかかわらず、評価も気にせず、静かに漂っていたい翔子。
    見たいものだけを見て生きていくために、周りのものをなぎ倒し、そのせいで周囲に疎まれ続けていることに気づかない栄利子の異常ともいえる傲慢さに恐怖を抱いた。
    人間関係は、条件さえ揃えば、型にはめてしまえば思い通りになるものではない。
    この人と友達になりたいと思い、同じ空間で同じ時を過ごし、同じ景色を見ても、お互いがその目で捉えるものは違っている。
    本当は自分はこんなにも満たされていないのに、おそらく相手は満ち足りた人生を歩む自分を想像していたりもする。
    僅かな違いをも許せない人間は、努力だけではどうしようもないこの現実を、どう背負っていけばいいのだろう。


    人とうまくやっていきたいとする飢えが、こんなにも恐ろしく、哀れみをもつものだとは思いもしなかった。
    内面にもつ欠落感、不器用さ、程度の差はあれど、誰しもが不安に苛まれているものを、栄利子は狂気とも呼べるほどに見せつけてくる。
    けれどすべては「変わりたい」という魂からの訴えだ。人と心の通ったやりとりをしたいと、少女の頃から切望していたこと。
    自分の正しさしか認めない栄利子と、他人にどう映るのかを気にかけていたと気付いた翔子。
    二人の未来はおそらく交わることはない。


    心が通わないことが分かってしまう関係はある。
    どんなに努力したところで分かり合えない相手はいる。
    しかし、たとえ変われなくとも、変われる可能性があると思えることは幸福なのだろうか。
    周りや自分に期待し、良かれと思って行動し、そしてまた間違いを犯す。
    適正な場所で生きていた人間が一歩外に出て、違う文化の人間と出会うことで生まれる悲劇はきっと、想像よりも大きく深い。
    心を通わせ、風通しのよい関係を誰かと作ることができていたなら、今ある現実は違っただろうか。
    自分の過去と現実を、真正面から目を見開いて見ることでしか、本当の姿を知ることはできない。
    「女」という生き物たちの生き辛さと欲望を描いた、山本周五郎賞受賞作。


  • 丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・志村栄利子(30歳)。
    実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。決して焦らない「おひょう」独特の価値観と切り口で記される文章に、栄利子は癒されるのだ。
    その「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしているが、実は家族を捨て出て行った母親と、実家で傲慢なほど「自分からは何もしない」でいる父親について深い屈託を抱えていた。
    偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子はある日カフェで出会う。
    同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあって、二人は急速に親しくなってゆく。ブロガーと愛読者……そこから理想の友人関係が始まるように互いに思えたが、翔子が数日間ブログの更新をしなかったことが原因で、二人の関係は思わぬ方向へ進んでゆく……。
    柚木麻子の小説は、ドラマ化された「ランチのアッコちゃん」のように働く女性の前向きな生き方を描いた白柚木と「けむたい後輩」のように女性の嫉妬や独占欲や妄想などを描く黒柚木があるが、今回は女性同士の友情を描く黒柚木。
    一見、仕事が出来るやり手の志村栄利子は、かつて高校の時自分から離れようとした親友に対してあらぬ噂をたてるなどして追い詰めてしまったが、また愛読している主婦ブロガーの翔子にストーカーしてしまうように女性同士の友情に過大な期待や自分の理想の親友像を押し付けてしまう病んだ部分があり、主婦ブロガーの翔子も父の介護に追い詰められると人気ブロガーのNORIの「いつでも連絡して。どんな相談でも聞くわ」という社交辞令を真に受けて大量のメールを送り付け自分の評価を他人に委ねて大事なものを見失うイタイ部分がある。人との距離感を上手く取れなくて空回りしたり、女性同士の友情に過大な期待をし、自分の評価を他人に委ねてしまう誰もがあるイタイ部分や落とし穴、ある重要なシーンで派遣社員で志村栄利子と犬猿の仲の真織が言う「そもそも脆くない人間関係が、この世にあるのかよ。女同士だろうと、男と女だろうと、みんな同じだろうが。どんな関係も形を変えたり、嫌ったり嫌われたり、距離を測ったり、手入れしながら、辛抱強く続けていくしかねえんだよ」が読者に突き刺さります。

  • 私が著者の作品で今までに読んでいたのは「早稲女、女、男」と「ランチのアッコちゃん」だけで、それらにはあまり好印象を持っていなかった。
    本作を読んで、「この方、急にもの凄く上手くなった!読んだ2作品と全然違う!」と(上から目線で大変申し訳ないが)そんな風に思ったが、どうやら他の方々のレビューを拝見すると、これは「黒柚木」さんというらしい。

    またも実家の親ときょうだいに当てはまる小説に出くわしてしまった。

    本作は女同士のこじれっぷりやら面倒くささやらの特徴を書いた作品という扱いを受けているし、著者ご本人にすら、どうやらそういう認識しか無さそうである。
    しかしこれはどう考えても、ある種の頭のネジがおかしな人間の特徴をよくとらえた作品だと私には思える。
    圭子が指摘したり翔子が分析したりした、栄利子の異常な言動や思考回路、本人は全く気付いていないが他者を追い詰める行為などなどが、その種の人のそれに一致するからである。
    著者はそのことについてもよく調べたのだろうなあと感心したのだが、巻末の参考文献にその手の物は無かった。

    本作では登場人物たちが、自分たちの異常さに(最後になって)気付いているので救いがあるが、本当はこの手の輩は絶対にそんな風に気付いたり改心したりしない。

  • ナイルパーチとは…。
    淡白な味で知られる食用の淡水魚だが、
    一つの生態系を壊してしまうほどの凶暴性も持つ。要注意外来生物。

    国内最大手の商社に勤める。志村栄利子30歳。
    常に結論を求めたがり、何事も先取りするのが好き。
    実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ。
    栄利子は人気主婦ブログ「おひょうのダメ奥さん日記」に嵌っている。
    「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしている。
    偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子は行きつけのカフェで偶然出会う。
    最初は仲良くなれそうなふたりだったが、翔子が数日間ブログを更新しなかった
    事が原因で二人の関係は思わぬ方向に進んでゆく…。


    翔子がブログを数日更新しないだけで、大量のメールを送り付け
    家にまで押しかける。
    栄利子の異常な行動にびっくり…。
    栄利子の翔子に対するストーカーはエスカレート
    栄利子自身の日常生活が破綻する程…。
    幼馴染・圭子との過去…。
    栄利子異常だよ~怖い!怖い!怖い!
    栄利子と同じ商社に勤める派遣社員・真織の豹変ぶり…。
    本性を現した姿も、とっても怖かった。
    怖い女だらけで震えました。

    同性の親友がいない事のコンプレックス
    同性の親友が欲しい!欲しい!欲しい!
    他人との距離の取り方が苦手ってレベルじゃない…。
    自分の行動や言動が相手にどう思われるか考える事すら出来ない。
    人の思いを感じ取る事の出来ない人間の
    自分が正しいと思う身勝手さがエスカレートして
    凶暴性を発揮した時、何と怖ろしいのか…。
    女性なら誰しも、他人との距離の取り方が難しいって感じた事があるはず。
    私も、これまで幾度となく感じて来た。
    だから、ほんの少しわかる部分もある。
    でも、この本に登場する女性達は本当に怖い。
    ラストは二人がそれぞれの新たな道を見付けられたようで良かった。

    「女同士に限らず、人間関係って一色じゃない。
    色々なものを含みながら、変化しながら続いていくもの。
    清濁併せ呑む。点数なんてつけられないし、百点満点の
    友情なんてどこの世界にもない」
    圭子の言葉にはうなづけた!

    読むのがとっても苦しかった…。
    登場人物誰にも共感は出来なかった。
    でも、友達を上手く作る事が出来ない痛い女性の話ばかりでなく
    夫婦・同僚・親子等それぞれの関係を築く事の難しさも描いてる。
    好きな作品では無かったけど…凄い作品だと思った。

  • ちょっと性格に難があり、女友達がいない栄利子。
    翔子のブログに惹かれ、この人となら友達になれそう。と思って近づくのですが……。

    栄利子と翔子目線で物語は進んでいくのですが、前半は栄利子の翔子へのストーカーのような行為がどんどんとエスカレートしていき、もう怖いという言葉以外なく。

    私も女子会する友達はいないけれど、どこかのタイミングで交流を持ち、会ったらお互いのことを気にしつつ挨拶する人はいるわけで。

    生活も変化していく中で、友達のあり方や接し方も変わるわけで。それを言いたかったのかなぁと思いつつ。

  • 柚木麻子さんの作品は以前「ランチのアッコちゃん」を読んで
    この「ナイルパーチの女子会」が2冊目

    表紙がさわやかでオシャレだなと思って手に取りましたが、
    あれ…?怖すぎーー!
    ランチのアッコちゃんの作者さんとは別の方かと思いました泣

    途中何度かもう読むのをやめようかなと思うくらい心をえぐってくる

    栄利子も翔子もとても極端だけど
    どこか自分に似ている部分があって目を背けたくなる
    自分の中にある嫌な部分の究極形態では?とか思ったり

    読後は不思議とすっきりしていて
    いろいろと気づかされる部分があり、くじけず読了してよかった

    でも、とりあえず、次はハッピーな小説を読もうかと思います笑

  • #3454ー69ー71ー277

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著者プロフィール

1981年、東京都生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。2010年、同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞を受賞。2017年に刊行された本作は2024年に英訳され、日本人初のブリティッシュ・ブック・アワード受賞、ウォーターストーンズ・ブック・オブ・ザ・イヤー選出など4冠を達成。世界的ベストセラーとして日本文学の新たな可能性を示し、第7回野間出版文化賞を受賞

「2026年 『BUTTER』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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