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Amazon.co.jp ・本 (568ページ) / ISBN・EAN: 9784163902395
作品紹介・あらすじ
怒れる老人たち、粛々と暴走す。
「年寄りの冷や水とはよく言ったものだ。年寄りは、寒中水泳などすべきじゃない。別に元気じゃなくてもいいし、がんばることもない。年寄りは、静かに暮らし、あとはテロをやって歴史を変えればそれでいいんだ」
後期高齢者の老人たちが、テロも辞さず、日本を変えようと立ち上がるという物語のアイデアが浮かんだのは、もうずいぶん前のことだ。その年代の人々は何らかの形で戦争を体験し、食糧難の時代を生きている。だいたい、殺されもせず、病死も自殺もせず、寝たきりにもならず生き延びるということ自体、すごいと思う。彼らの中で、さらに経済的に成功し、社会的にもリスペクトされ、極限状況も体験している連中が、義憤を覚え、ネットワークを作り、持てる力をフルに使って立ち上がればどうなるのだろうか。どうやって戦いを挑み、展開するだろうか。(著者「あとがき」より)
唯一無比の最新長編!
みんなの感想まとめ
後期高齢者の老人たちが、テロを通じて日本を変えようとする物語が展開される中、主人公は彼らに巻き込まれつつも、仲間の不安に寄り添い、共に葛藤を抱える姿が印象的です。物語は、絶望の中に希薄な希望が生まれる...
感想・レビュー・書評
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長編も長編、内容もぶっ飛んでる。
サスペンスとか言うレベルじゃない。首が飛ぶとか鼻から上がぐちゃぐちゃにとか、グロテスクが苦手な人は注意ですね。
目次もなくどんな展開か追っかけるの必死。
名前もカタカナで出てきて、固定観念を持たせない輪郭だけの存在で進行してくる。
歌で言うならブレスの箇所がえらい長くて息切れしちゃう。これがずっと続く。よく書いたなって思いながら読んだ。
日本を変えようと企む老人たちが秘密兵器を持って戦う。巻き込まれたのはセキグチという離婚歴のある安定剤でなんとか生きてる男。
老人たちに振り回されながらも、自分の人生の欠片を回収していく様は面白く読んだ。
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村上龍の作品を読むのは10年以上ぶり。
村上龍の過去作にはいくつかとても好きで生涯のベスト10に入るものもあるけれどどれも書かれて随分経ってから読んだので昔の話と感じることが多かった。
本作は2015年に公開されていて、舞台は東日本大地震後の日本なのでかなり身近な世界だった。身近なフィクションの世界を描く村上龍は初めてで不思議な感じがした。私の中では夏目漱石や三島由紀夫がインターネットやスマホについて描くような感じ。
内容は、個人的に面白かったのだけれどもし村上龍ではなく名前をしらない他の方の作品だったら微妙な感想になったかも。
「帝国ホテルのコーンポタージュスープ」とか「コムデギャルソン」とか「JALのキャビンクルー」とかそういう村上龍っぽい語句が出てくると嬉しくなる。しかも、ディズニーのキャプテンEOアトラクションの話も!わたしは村上龍の過去作でキャプテンEOの話を読んでたので再演のとき寒い中行列に並んで参加したほど。めちゃくちゃ村上龍好きってわけではなく、いくつかの作品がとても好きなだけなので最近の村上龍は性行為を描かないのかな、と驚いた。すっきりしてて良い。その分、排泄物や脚の描写が多い。ほかにもなんとか現代の感覚に寄せて気をつかって描かれているのがわかるけれど端々にしみ出る(意図的かもな)老害さも良い。
ストーリーは過激な描写がなければ退屈だったと思う。流れははやくてテンポ良いので読みやすいが、とにかくご都合主義だし、心理描写も雑で主人公が「よくわからないが○○ということなんだろう」とあっさり説明してしまう。察する能力高すぎる。
けれど、やはりおもしろかった。公開されたときから気になってたけど読むのを忘れててたまたま数日前に見かけて手に取ったんだけど、ちょうど先月、元総理の銃撃事件があった。事件はテロとはやや異なるけれど、テロの実行犯について語った山方の言葉は興味を引いた。ほかにもいくつか考えさせられるやりとりがあって、会話をもっと長く読んでたいなと思った。
これは村上龍愛なのかもしれないから、ひとにすすめることは躊躇してしまう。綺麗で謎の多いカツラギは世間知らずで無知なのに行動がいつも的確で、そんな女性がただのおっさんを慕って手を繋いで寝たり背中をさすってくれる夢見たいな状況も読んでてうれしくなる。
セキグチの他の話もあるらしい?読みたい〜。あと村上龍の最近のもうちょっと読んでみようかな -
めちゃくちゃな状況に主人公は巻き込まれていくのだが、正気を失いかける仲間に対し、こんな状況で不安になるのが当たり前だ、と寄り添う姿が印象に残っている。スーパーヒーローなんかじゃない中年の男が、人間の弱さを受け入れつつ前に進んでいて、かっこよかった。
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久しぶりの村上龍。
連続しておきるテロに巻き込まれた元ジャーナリストのセキグチを通して、物語は進む。テロの場面の表記は残酷だし、登場人物もあんまりまともな人がいないし、何より精神安定剤を馬鹿にしているような連呼が何よりイラついた。引っ張るだけ引っ張っておいて、あのラストは、何だか納得いかない。 -
絶望のなかに、
極限まで希釈された希望が生まれる。
これは村上龍のお決まりなのだが、
このお決まりなストライクを投げられる作家は稀有だ。
*
流されない自我を保つことはむつかしい。
傷つきに耐えることはむつかしいし、
考え、選び、耐えては、
次なる選択をし続けることは、
本当に困難なのだ。
しかしそれを続けることが、
生きるということだ。
*
怒涛に展開する物語に、
翻弄されながら確かな高揚感を体験する。
震災後の物語としても、
今この2020年を生きているリアルな物語としても、
遜色なく自分の物語として読める稀有な作品だろう。
*
わー!
おっもしろかったー!! -
お久しぶりの村上龍。春樹より龍派。
表紙からして,はっちゃけた武装爺さんたちがはちゃめちゃなテロ事件を起こしまくる話かと思ったら,思いのほか重苦しかった。
舞台はほぼ現代の日本。大震災後,原発事故後で東京オリンピック前というどんぴしゃの設定。そして閉塞感ましましのいつもの村上龍ワールドは変わらず。
主人公は「希望の国のエクソダス」で中学生らを取材したあの人で,今は落ちぶれきったただの無気力なおじさん。
対する爺さんたちは,年は取ってるけど社会的地位も高くて意志の力にあふれててよっぽどしゃんとしてて,ましましの閉塞感みたいなものを打ち壊したいテロリスト。
爺さんたちの計画に主人公が巻き込まれていって,爺さんたちの主張に心揺れたり,でもテロはだめって思ったりと葛藤してゆくのですが,物語の読者としてはどうしても爺さんたちに肩入れしたくなる。
主人公はほんと駄目人間で,吐いたり精神安定剤のみまくったり震えたり泣いたりばかりしているので,さわやかな読後感は感じない笑
でも続きというか,その後がどうなったのかが気になる本。やっぱり村上龍はいいなあ。 -
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2015.11.2開始
2015.11.9読了
「希望の国のエクソダス」に登場したライター・セキグチが主人公。 -
すでに社会の中枢から(表面的には)外れた老人たちによるテロという着想がおもしろいし、現実社会とのシンクロも見事で、あながち荒唐無稽と思わせない。気になったのは主人公セキグチのグダグタ振り。グダグダ過ぎてリアリティがそがれる。ここさえなんとかすれば、もっとスピード感のある小説になったと思う。惜しい。
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珍しく中盤からなかだるみに感じたのはあたしが劣化したからか?ともあれ2011年にこのテーマで書けるのがすごいと思う。できればポンちゃん絡めて完結編が読みたいけど、そんな類ではないこともわかってる。
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R8/1/7
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歌うクジラ半島を出よ以降 SMものとか女優ものとかがどうしても面白くなくて これで村上龍も終わったのかなと諦めかけていたのだが これは 久々に面白かった。
読んで しばらくしてから希望の国のエクソダスの続編 というわけではないが 同じ世界に起きていたのだということがわかってちょっと胸が熱かった。そういえばこれ 語り手の記者じゃないか。てことはなんとなくの続編なのだな。 -
読みやすい。リアルとはとても思えない内容だが作者の力量で違和感なく読める。最後かっこよ過ぎ
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タイトルと表紙イラストの印象からもう少し、軽いコメディ的な要素があるかと思っていた
本気でテロする老人たち
自身は死を覚悟しながらも、それでいて巻き込まれた主人公達は逃す冷静なミツイシ氏が印象的 -
実際の高齢者の中で、物語に出てくるような自分を犠牲にして日本をオールリセットするという考えを持った方はどれくらいいるのだろう。
高度経済成長期にガムシャラに頑張って世界有数の経済大国にした事実がある一方で、今の日本があるのは自分達が努力したからだとか、昔は良かったなどという自分本位で利己的な老人が本当に多いと思う。
物語の結末は、どういう風に締めくくるのだろうと
期待と不安を持ちながら一気に読み進めた。
考えされる作品でした。
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主人公の再生。
老人たちがテロリストというアイディアは、おもしろいなぁと思った。年寄りは元気だからこういう発想ありえるよなぁと。
また、テロリストの手法も、予想を超えたところだったのでびっくりした。
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