武道館

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2009
レビュー : 319
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902470

作品紹介・あらすじ

「【アイドル】という職業が背負う十字架を、一度すべて言葉にしようと思いました。すると、不思議と、今の時代そのものを書き表すような作品になりました」(著者)「アイドルって作るものでなく、楽しむものである方が良いに決まってる。なのに、著者はこうやってアイドルを生み出す側にチャレンジした。それも文学の世界で……。なんたる野望。なんたるマニアック。なんたる妄想力」(つんく♂/音楽家、エンターテインメントプロデューサー)★【正しい選択】なんて、この世にない。結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。しかし、注目が集まるにしたがって、望まない種類の視線も彼女たちに向けられる。「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業……発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取り巻く言葉たち。それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは――。「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編!

感想・レビュー・書評

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  • アイドルというだけで、世間の一方的価値観を押し付けられる。仕事以外で写真に写れず、恋愛も許されず、アイドル以外で成功することも疎まれ、ブランド品を持つと叩かれ、年齢を重ねることでの劣化すら許されない。
    周囲の価値観にあった<正解>を選択選ぶことばかりにおわれ、そして自分を失っていく。
    笑顔の中でたくさんの葛藤をしてるんだな〜と思った。売れたのにすぐ脱退する意味がわからないと思ってたけど、こんな感じなのかもしれない。
    現実のエピソードが盛り込まれてるので、妙にリアルで<あの人がモデルかな>などと探ってしまう。

    時系列や主語が急に変わってしまい、少し読みにくかった。

  • デビューしたてのアイドルが、武道館ライブを目標に駆け上っていく成長ストーリー….かと思いきや、この本に描かれているのは、人生の選択に悩む女性の姿だった。
    「アイドル」のイメージを崩さないような生き方を選ぶのか、自分の気持ちに正直な生き方を選ぶのか。
    どちらも自分のやりたいこと。どちらが合ってるとか間違ってるとかじゃない。
    結局、選んだものが何であれ、「正しかった」と言えるようにするのは、自分自身だ。
    背筋が伸びる物語でした。

  • 私が乃木坂にすごく酷いことを押し付けていたと思う。皆に幸せになって欲しい。私も年をとるだけで許されないことが増えることが怖い。

  • アイドル小説じゃなくて恋愛小説だった。

    中盤までは所属するグループがメジャーになっていく中で、葛藤を抱えながらもアイドルとして成長していく話で、自然と応援しているような気持ちになる。

    しかし終盤はそんなアイドル活動よりも恋愛。
    アイドルを続けることより大切な気持ちに気付いた。
    アイドルは愛の大きさを測るただの物差しでした。

    そんな話。

    幼少からの夢だったアイドルとして頑張る主人公には共感できたけど、周りへの迷惑よりも自分の感情を優先した恋する主人公と同じ時期に恋愛してたもう一人のメンバーには共感できなかった。

    アイドル業は売れたら他に代わりがいる仕事でもないし、せめて数か月我慢すれば多くの人の夢が叶うタイミングでの恋愛は感動するとかよりも人としてダメなんじゃないかと思ってしまう。

    私生活までストイックにアイドルやってた子が悪者みたいに描かれてるのも残念。一応、武道館公演は出来たみたいだけど、5人グループで主力2人が脱退してまともなライブになるわけないし可哀そう。

    序盤、中盤のアイドル青春物語が素晴らしかっただけに終わり方が本当に残念。あの勢いのまま武道館公演して、すぐ引退して数年後に結婚しましたっていうありきたりな落ちがで大団円して欲しかった。

  •  浅井リョウがアイドルを扱うと,こんな感じになるんだなあ~というのが,読後の第1印象。
     大地と愛子という幼なじみの設定が,一貫して物語の縦の線を貫いている。
     アイドルグループが武道館を目指して成長する物語…といいたいところだが,そこは,もちろん,「よかったね! ちゃんちゃん!」では終わらないリョウの世界がある。人の成長とは何か,アイドルを売るとは何か,夢とは何か,いろんなことを考えさせられる物語でした。

     この社会では,他人の欠点をあげつらって不幸を願う悲しい人々のなんと多いことか。もっとみんなが人の幸せを願うことを目指して欲しいと思う。だれかが何かをやらかすのを待って,バッシングする社会は,ただただ窮屈なだけ。
     人が成長していくというのは,自分で,そのときどきの生き方を選択していくということ。どんな選択であっても,それは「シメタ」と思えたほうがよい。

     以下は,文章からの引用文です。

    「愛子は,その全員の選択に,テストで正解を出したときみたいに,赤いマルをつけたかった。やりたいこと,夢,今自分がいる環境,現実。すべては両立しない。だから人は選択をする。ならば,その選択にどうにかしてマルをつけたかった。」(P.260)

     そう,どんな選択もマルなんです。心からそう思えるだけで,どれだけ気が楽になることか。「こんな選択でよかったのか」となやむよりも,「次にどう選択するか」と考える方がよほどいいです。

     この物語のエンディングは,心温まりました。

  • アイドルテーマ
    最後は自分の気持ちを押し通して得た二人の幸せが
    ちょっとつまらないと感じてしまったのは、歳のせいかな

  • 本音としては浮気と同じで
    絶対バレない様にして!
    と願うばかりです

  • 学生の頃に読んだ方が、面白かっただろう。
    今の私には、響かず。。。
    私は大人になったのだな。

  • アイドルは、夢を見せるのが仕事。じゃあそのためには本当の自分を殺さなければいけないの?
    現実の世界も昨今のアイドルブームによって、多くのスターが生まれたけれど、そんな彼ら彼女らもこんな風に苦悩してるのかなあ…なんて考えてしまう。
    余計なお世話は重々承知…

    最後のちょっとしたサプライズは物語のクライマックスに相応しく、ちょっと泣きそうになりました。

  • ううん・・・。時間が飛ぶのがちょっと判りづらいかも。まあまあかな。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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