武道館

著者 : 朝井リョウ
  • 文藝春秋 (2015年4月24日発売)
3.45
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902470

作品紹介・あらすじ

「【アイドル】という職業が背負う十字架を、一度すべて言葉にしようと思いました。すると、不思議と、今の時代そのものを書き表すような作品になりました」(著者)「アイドルって作るものでなく、楽しむものである方が良いに決まってる。なのに、著者はこうやってアイドルを生み出す側にチャレンジした。それも文学の世界で……。なんたる野望。なんたるマニアック。なんたる妄想力」(つんく♂/音楽家、エンターテインメントプロデューサー)★【正しい選択】なんて、この世にない。結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。しかし、注目が集まるにしたがって、望まない種類の視線も彼女たちに向けられる。「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業……発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取り巻く言葉たち。それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは――。「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編!

武道館の感想・レビュー・書評

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  • 後半からの怒涛の展開に胸がえぐられる一冊。アイドルファンは読むべし。

  • 芸能界の光と闇、アイドルの存在意義が示されることで逆照射されるのは、私たち自身の価値観や欲望に他ならない。私たちがどうしようもなく関っている奇妙な社会のありさまを、最も忠実に描写してくれる一冊だと信じている。

  • 某女性アイドルグループのファンである私にとって、この作品は本当に色々考えられました。

    握手券つきCD商法についての肯定的な考えに心強く思ったり、ファンがアイドルに要求するものの厳しさに心当たりがありすぎて赤面したりと、色々考えさせられました。
    私がアイドルグループのファンである限り、アイドルとは何かを、アイドルの気持ちに沿うように考えていきたいし、その気持ちを忘れないためにも、この本は何度も何度も読んでいきたいと思いました。

    アイドルファンのみなさんに、この本を読んでもらいたいなと思いました。
    ただ、この本に出てくるアイドルグループNEXT YOUは結構トントン拍子に売れたので、好きなアイドルが売れずにもどかしく思う方は切なく思うかもしれません

  • 好きな作家・朝井リョウさんの作品。
    文庫化していたのを見つけて即購入、読了。

    それぞれタイプが異なる6人組のアイドルの話。

    グループとして達成したい目標がある。
    でも、それと相反する形で追い求めたい「個人」としての幸せもある。
    お互いをぶつけ合う登場人物たちの姿、胸に迫るものがあった。
    「事なかれ主義」を地で行っているような自分にはなおさら(笑)

    「正しい選択なんてない」というメッセージが心に引っかかる。
    こだわりの部分、譲れないところ、人から言われるとすぐに器から溢れてしまうところ、自分にとっては何なんだろう?
    自分も、自分だけの、自分にとっての幸せを追い求めていきたいと、強くそう思った。

    碧が真由を励ますシーンが好きだった。
    あんな風に迷い無く、何かを言い切ることができるってとてもカッコ良いと思う。

    初見のときよりも、改めて読み返したときの方が良い作品だと思えた。
    そんな風に感じた作品って今までになかった気がする。
    何かとても不思議な感じ。

    朝井リョウさんの作品の中では、中くらいかな。
    「どんでん返しがない」+「気持ちが入りにくい分野」だったからかも。

    <印象に残った言葉>
    ・いま、高一でしょ。真由はね、太ってるんじゃなくて、変化してるんだよ。真由がいま太るのは、背が伸びたり足のサイズが変わることと一緒で、真由が何かをサボったり、なまけてるからじゃない。誰かへの裏切りでもない。本当はそれで、傷つけられる必要もない。(P89、碧)

    ・だけど、たまに考えてしまう。まるで先生のように話すこの人は、私たちのなんなのだろう、と。来てくれる人全員に対して、平等に、ひとりずつ、とてもとてもうれしい。その気持ちに全くうそはない。そのうえで、感謝の気持ち以外に何も感じないかと言われれば、それは少しだけ、うそになる。(P125、愛子)

    ・あとで手がベタベタになるってわかってても俺はソフトクリームを買うし、あとでバテるってわかってても剣道の試合でいきなり飛ばしちゃうんだよ。それで後悔することだってもちろんあるけど、自分はそれですっきりして満足できる人間だってこと、俺は知ってる。(P145、大地)

    ・でも、正しい選択って、この世にあるのかな?正しい選択なんてこの世にない。たぶん、正しかった選択、しか、ないんだよ。(P324、碧)

    <内容(「Amazon」より)>
    【正しい選択】なんて、この世にない。
    「武道館ライブ」という合言葉のもとに活動する少女たちが、最終的に”自分の頭で”選んだ道とは――。

    様々な題材を通して現代を描き続けてきた著者が今回選んだのは「アイドル」。
    視聴者のあいだで物議を醸したドラマ化を経て、待望の文庫化。
    解説には、音楽家として多くのアイドルをプロデュースしてきたつんく♂を迎える。

    結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。
    独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、
    さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。
    しかし、注目が集まるにしたがって、様々な種類の視線が彼女たちに向けられるようになる。
    そして、ある出来事がグループの存続さえも危うくしてしまい……。

    「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」
    「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」

    恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル、無料文化、卒業……
    この数年であっという間に市民権を得た言葉たちの中には、
    アイドルという存在から発生したものも多い。
    新しい言葉が生まれた場所から見えてくるのは、今を生きる人々の様々な一面。
    現代社会での生き方を模索するすべての人へ送る、真摯な物語。

  • めっちゃリアルな芸能界というかアイドル事情w
    でも最後はやっぱ引退しちゃうのか・・・
    10年後に再集結公演は絶対アツイ(完全なファン目線

  • BGM 大人になったら / GLIM SPANKY

  • ブックカフェで一気読み。だから文章は楽しめてないよね。
    勿体ない読み方したな。
    アイドルって仕事も大変ね~って感じ。
    結構リアルで、そうなんだろうな…とは思う。
    朝井リョウくんらしい小説ではない。

  • 面白かった ラストで未来の話になっちゃったのが少し消化不良だった(作中で提示された現代のアイドルについての様々な問題に主人公は何も答えを出さないまま引退結婚しちゃった印象 それが答えなのかもだけど)けど幼馴染の剣道少年がかっこいいので大地君に☆10個くらい付けたい アイドル残酷物語を期待すると(してた)そこまで不幸な目には合わないので物足りないかもだけど幼馴染との恋愛要素が楽しいので、別マ的な青春小説だと思って読むといいと思いました あと個人的にはドラマ(まだ見てない)で主人公役をやったかりんちゃんさんは明らかに「学校に友達もいない」側のアイドルなので、かりんちゃんさんのため(?)にも「学校で友達がいない」アイドルの子はどう生きればいいのかもう少し書いてあげてほしかった

  • アイドルは虚像である。でもその虚像は誰が作り出しているのだろう。ファン?メディア?運営する大人?それともアイドル自身?生身の10代20代の女の子がアイドルであることが描かれている。少なからずこういうことを感じながらアイドルはアイドル然としているのだろうか。

  • 幼いころから歌うことと踊ることが大好きで、アイドルになった愛子。
    自分で選び取ってきた道ではあるけれど、本当のこと、本当ではないこととはなんなのか、ふと不安になる。

    CDを売るために握手券をつけること、それに対する批判の声、ちょっと容貌が衰えたり今までと違う分野に挑戦すると悪意をもって叩いてくる世間、恋愛をしたことが発覚したために丸坊主になるアイドル、ものを買わない「タダノリ」の人間があげる底の浅い大きな声、売れてほしいから応援するのに高価な品を持つことを否定するファンの二律背反する感情、そういうものごとへの違和感と、アイドルとして奮闘する日々が描かれていて、素直に面白かった。

    ネットで誰もが無料で安易に批評家になれる時代、こうやって自分が本の感想を書くように何についても批評してさらせる時代、よくわからない人間が「まとめ」を勝手に発表できる時代、ここ数年はじまって加速していく時代の空気を感じる。アイドルって大変。

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