• 文藝春秋 (2015年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784163902500

作品紹介・あらすじ

切迫した仕事があるさなか、唐突に死んだ祖母と来たことがある温泉を五〇年ぶりに再訪した男。温泉に浸かった男は、その濃厚な硫黄のにおいに、清姫から逃れようとして焼き殺された安珍の伝説を思い出した――(「月岡」)。

秋田(「千秋」)、鹿児島(「指宿」)、京都(「化野」)、さまざまな場所に赴く主人公にまとわりつく官能と死、そして不在の気配。妻と別居中の男には「東京の恋人」がいるが、男が関係を持ったのは旅先で出会ったわけありの女だった(「八橋」)。そして最後に邂逅した老女にも少女にも見えた「綺麗な女」とは、いったい誰だったのか。

「会えないこと」で増幅する、さまざまな記憶と啓示に満ちた連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 各々の土地で、入り交じる思い9の短編。

    新潟の温泉地で思う過去。
    秋田で食べたきりたんぽ鍋。
    平和記念館で兵士たちに涙した鹿児島。
    飲み屋で知り合ったセンセ、化野念仏寺、京都。
    女とうまく会えなかった横浜中華街。

    佐渡で欠航になり一人入った理髪店。
    奈良、琵琶湖のひらはっこうの風。
    名古屋で夫から逃げてきた女との関係。
    東京で女との些細なすれ違い。

    各地で感じる空気と、別居する家族、離れた土地でスマホでやりとりする女の影
    生きていく人、死んでいく人。

    紀行作家、か~。
    関東以外は行ったことない土地なので、
    世界はいろいろあるんだなあ、と。
    電話でやり取りする女が不思議な感じ。

  • 初めて藤沢周作品を読みました。
    読んだのは4月に出版されたばかりの「界」。
    不思議な雰囲気のある小説でした。

    現実と記憶と幻想と時空を彷徨うような、どこが境界か、境界が必要なのか…そんなところでしょうか。
    地名が題名の9つの短編で、一編20~30分で読めると思います。

    主人公の行先に一緒に行ったつもりで想像しながら読みました。
    それぞれ官能的な話もありながら、50代の男性主人公と“女”のやりとりがもどかしい…。

    主人公が自分のパスポート用の証明写真の顔に違和感?を感じて丸めてしまうあたりに老いを認められない幼さもあるのかなと思ったりしました。

    男の人はいくつになっても女の人より子供なのかな。
    大人になってよ、ケジメつけてよ、ってそんな事を勝手に思いながら、
    ふと亡くなった兄を思い出しました。

  • 羽田圭介がお勧めしてた本。描写はきれいだけど、世のオヤジたちのいいように書かれてきて若干気持ち悪い。

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著者プロフィール

藤沢 周(ふじさわ しゅう)
1959年、新潟県生まれ。法政大学文学部卒業。書評紙「図書新聞」の編集者などを経て、93年「ゾーンを左に曲がれ」(『死亡遊戯』と改題)でデビュー。98年『ブエノスアイレス午前零時』で第119回芥川賞を受賞。著書に『サイゴン・ピックアップ』『オレンジ・アンド・タール』『雨月』『さだめ』『箱崎ジャンクション』『幻夢』『心中抄』『キルリアン』『波羅蜜』『武曲』『武曲Ⅱ』『界』『武蔵無常』『サラバンド・サラバンダ』『世阿弥 最後の花』『憶 藤沢周連作短編集』など多数。

「2024年 『鎌倉幽世八景』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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