変わらないために変わり続ける マンハッタンで見つけた科学と芸術

  • 文藝春秋 (2015年4月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163902524

作品紹介・あらすじ

かつてこの街で科学を学んだ

今、この街で芸術にふるえる





●かつて研究修業時代に勤務したニューヨーク・ロックフェラー大学。

ひたすら研究に打ち込んだ日々は、私にとっての決定的な出発点(エートス)となった。

そのロックフェラー大学に、私は25年ぶりに客員教授として滞在することになる。



母校のキャンパスは、一見何も変わっていなかった。

一方、その研究は最先端のバイオテクノロジーに様変わりしていた。

記憶に作用するホルモン、未知の巨大ウイルスの発見、動物行動を制御する驚異的な脳科学のテクニック、腸内細菌の役割の再発見……。

アメリカの科学はそのエネルギーを保ち、変わらないために、変わり続けていたのだ。



そして日々の生活に目を転じると、ニューヨークの文化、生活、芸術にもまた、一切の滞留、不変を許さないダイナミズムが満ち溢れていた――アメリカそのものも、変わらないために変わり続けている。



●福岡ハカセが2013年からのアメリカで過ごした2年間の思索と冒険をノスタルジックにつづるエッセイ集。科学という営み、NYの片隅で見たフェルメールの清明さ。

発見と叙情に満ちた筆致に、あなたの心もふるえるはず。





【目次】

第一章 修業時代の母校ふたたび

第二章 世界の生命科学最前線

第三章 異国で文学を思う

第四章 食文化差の理科的考察

第五章 ニューヨークの自然観察

第六章 自由と違和感のアメリカ文化

第七章 滞在二年目だからわかること

第八章 世界を股にかけフェルメール巡礼

みんなの感想まとめ

科学と芸術が交錯するニューヨークでの2年間の経験を通じて、著者は変化の中にある不変の美しさを描き出します。母校であるロックフェラー大学での研究や、街の文化、食、自然観察を通じて、科学の最前線や芸術の魅...

感想・レビュー・書評

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  • 昆虫、フェルメール、そしてもちろん本業の分子生物学。マニアックな世界がおもしろおかしくエッセイにまとめられている。大人のニューヨークを満喫していることが伝わってくる。ニューヨーク行きたいーー。

  • 丸善

  • 20161107読了
    2015年出版。2013年から2015年、アメリカのロックフェラー大学でサバティカルした2年間に綴ったエッセイを集めたもの。ひとつの話題が3頁内と短く、読みやすくておもしろい。●P53いやな記憶のほうがより強く鮮明に残るのは進化のため。将来同じような危機に直面したとき回避できるよう、危機を記憶としてしっかりとどめる結果、過去の記憶はほとんどの場合、苦く、つらく、ストレスに満ちたものとなる。●P59サクラの香りと電気ショックを条件づけられたマウスの次世代は、サクラの香りにより敏感に反応する。この香りが生存上重要だという獲得形質が遺伝するため。●P63医学の常識では細菌が病気をもたらすとされているが、腸内細菌がないせいで病気になることもある。過剰な医療行為や行き過ぎた清潔幻想により、有用な細菌が駆逐されているかもしれない。●P152〆のラーメンがおいしい生物学的理由。アルコールの代謝分解に糖質(炭水化物)が、過多になったカリウムイオンのバランスをとるためにナトリウムイオン(塩味)が必要となるから。●P169 17年ゼミ!親戚に13年ゼミ!いずれも素数。●P174ドリトル先生=do little(おさぼり)先生。あるときシンカロットに解明させられる。 do little, think a lot. ●P210「かけ算の順序」を考える・・・言語の問題?!

  • 福岡先生がサバティカルで米国ロックフェラー研究所に留学した2年の間に綴られたエッセイ。一編一編が短く、軽く読めます。

  • ハカセの文章は読みやすいなあ。いつも感服させられます。マンハッタン生活のエッセイです。

  •  福岡博士のエッセイ本。ルリボシ~に続いて読んだ。フェルメールに凝る話は非常に面白い。ニューヨークの特殊事情や研究上の裏話をもっと盛り込んでもらえるとより面白いのだが・・・

  • ビジネス本的な内容かと思ったが、エッセイだった。

  • 週刊文春に掲載されたコラムを一冊にまとめたもの。
    科学的な難しい話はほとんどなく、マンハッタンに滞在した2年間の日常が中心。

    分子生物学者の福岡先生は語り口が面白い。
    何気ない日常の中に散らばっている疑問が題材になっていることが多くて、読み手の知的好奇心を大いに刺激してくれる。

  • 生物学者の異国での日常と、その日常の思考の一部をうかがうことができて、楽しい読み物。

  • 福岡伸一先生がニューヨーク マンハッタンにあるロックフェラー大学に客員教授として滞在している間の随筆集。
    週刊文春に連載されている「福岡ハカセのマンハッタンマトリクス」をまとめた書籍ということで、ひとつひとつのコラムは面白いのだが、考察の深さは週刊誌サイズ。
    また、書籍としての深みも、週刊誌の記事レベルで一貫した主張は感じられない。
    それでも、ひとつひとつの文章の内容には、発見や面白さがあるのは、さすが福岡先生。
    ただ、300ページ弱の書籍としての内容を求めるのは、すこし厳しいかもしれない。

  • 雑誌連載のエッセイ集。
    私的な日記のようなものもあるが、最新科学の成果を素人向けにわかりやすく書いているのもあって、読みやすい。

    『生物と無生物…』ほどの感慨はないけど。
    かなり軽めの文章。
    にしても、この人はもう研究者というよりタレント学者だな。本を出すのが悪いわけでもはないけど、薄味。

    途中で飽きて読了。

  • 日常の中の不思議をいくつ発見できるか?

  • サバティカルでNYのロックフェラー大学に25年ぶりに留学した福岡ハカセ氏の、長逗留録。
    雑誌で連載されていたもののまとめであるようでした

    以下、印象に残ったところ
    ・ヒラリーの経歴。妻であり母である
    ・記憶は遺伝するか。ラマルク説
    ・共働きのニューヨーカーと、ヒスパニックのおばちゃん。家事のアウトソーシング

    ほかにも、セントラルパークの話やオペラ鑑賞の話、サンドイッチの「ルーベン」の話、ロータリークラブのパーティの話等々・・
    なんとなくシャレオツ感のただよう、知的で美しい文章で書かれたNYレポートの数々、面白かったです

  • 動的平衡や生物と無生物のあいだの著者である
    福岡さんの著作を久しぶりに読みました。
    割とすきな著者の一人です。

    もっと学術的な内容かと思いましたが
    生物学者の著者が、今暮しているNYでの日常を綴った
    エッセイ集みたいなもので、とても面白い内容でした。
    NYは行ったことがありませんが、この本の描写が
    なんとなくとてもリアルで、NYの良さや質感みたいな
    もの、リアルさが伝わってくる感じがします。
    多分行かないと思いますが、一度NYには行ってみたいと
    思います。

  • NY滞在記のエッセー集。週刊文春に連載していたものを集めたらしく、一本2ページ半のエッセーの連続なので暑さの割にはすぐ読める。
    文章のうまさや教養はあいかわらず素晴らしいが、途中、ちょっとダレ気味だったり、ページの制約からか浅かったりするものも多い。

    面白かったのは掛け算の話。みかんを6人に4個ずつ、という場合は4X6と書くべきで、6X4ではない、というのが日本の算数教育の正論になっており、果たしてそれに意味があるのかないのか、時々議論にもなっているが、森毅のような数学者はほとんどが4X6と表記すべしという立場だったらしい。が、米国では全く逆の6X4という表記が一般的で、これは6 groups of 4という英語での表現からすると当然なんだとか。と、いうことでこれは文法に依存しておりどちらが正しいというものでもないらしい。

  • 科学者の共通言語は「英語」ではなく「poor English」。これは科学の世界だけではないので知っていると英語を話すのが楽になる。

  • エッセイ集。銀座の赤道倶楽部に行ってみたい

  •  あの「フクオカハカセ」がニューヨーク滞在をテーマに本を書いた。サブタイトルは「マンハッタンで見つけた科学と芸術」だ。2013年から2015年春まで、25年前に留学していたロックフェラー大学の客員教授として滞在した。

    ニューヨークに関する本というとグルメと芸術が主流で、理系の方が書いた本はなかなかお目にかからない。それだけにアメリカの大学の研究模様が垣間見られる。その上、福岡先生は近世オランダの画家フェルメールの大ファンで美術好きなのでそちらの方面も触れられている。

     その他にも食文化やニューヨークの自然についても触れられている。読んでいるとニューヨークに行きたくなったなあ。

  • 好きな作家さんですが、相変わらず面白かった。

  • たまたま手にとった本で、著者が生物学者ということで、なんとなく読んでみた本であるが、いろいろ新しい発見があってとても面白かった。
    高校の時は物理を専攻しており、生物は中学止まりな私には、とても興味深い内容ばかりであった。

    たまには普段読まないジャンルも読んでみるといい発見に巡り会える。これも、「変わらないために変わり続ける」ことかもしれないなと思ったりもします。

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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