朝が来る

  • 文藝春秋 (2015年6月15日発売)
3.90
  • (506)
  • (985)
  • (554)
  • (67)
  • (9)
本棚登録 : 6093
感想 : 898
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784163902739

作品紹介・あらすじ

出産を巡る女性の実状を描く社会派ミステリー



親子3人で平和に暮らす栗原家に突然かかってきた一本の電話。電話口の女の声は、「子どもを返してほしい」と告げた――。

みんなの感想まとめ

出産や養子縁組を巡る複雑な人間関係と感情を描いた物語は、読者に深い感動を与えます。栗原家の家庭が直面する突然の電話は、親子の絆や愛情の本質を問いかけ、心を揺さぶる衝撃的な展開をもたらします。生みの母と...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • うあっぱよかったぁあああ。
    もう読み終えて涙が止まらなかっぁああ。
    生みの母と育ての父母、どちらの側面からも
    怒涛の勢いで抑えきれないほどの衝撃波を受けてしまいました。
    もう他人事のように読んでられませんでした。
    中学生で出産してからの6年間無茶大変だった。
    あっダメだ、もう少し冷静になってからじゃないとレビュー書けない気がする。
    とりあえず1stインパクトでしたっっw
    深月さん、本当に丁寧に感情を拾いあげて書いてるので、朝斗の事を信じて疑わない両親に深い絆を感じてたのですが、まさかの養子とかそれでも実の子と変わらないそれ以上かもしれない愛情を持って育てていた事に感動。ひかりちゃんもドン底からゲスに落ちる事なく生みの親としての誇りをもって朝斗を見ることができたようで嬉しくなりました。それを促した栗原夫妻の「あなたは誰なんですか?」とゆう冷静な問いかけに実に深い意味が含まれていて心打たれました。
    それにしても、栗原夫妻は夫婦とも人格者であることにただただ感動。傘が足元に転げ落ちるところでもう号泣でした。

    • かなさん
      しじみさん、おはようございます!
      良い読書、できましたねっ(^^)
      私もこの作品読んでいるけれど、
      いい作品でしたよねぇ…私も泣きまし...
      しじみさん、おはようございます!
      良い読書、できましたねっ(^^)
      私もこの作品読んでいるけれど、
      いい作品でしたよねぇ…私も泣きましたもん…。
      ラストに感動しました!
      2023/12/01
    • つくねさん
      かなさーーーん、まだまだ余韻が続いてます♪

      これは絶対お勧めですよね。
      育ての親と生みの親、本当なら会うことNGなのに
      子を得るま...
      かなさーーーん、まだまだ余韻が続いてます♪

      これは絶対お勧めですよね。
      育ての親と生みの親、本当なら会うことNGなのに
      子を得るまでの夫婦と失ったひかりの人生を描き分けてW共感でした。
      特別養子縁組の制度は子のためにあるってところも重要ですね。
      特にラストは超絶震えました!
      2023/12/01
  • 特別養子縁組(親が育てられない赤ちゃんを、子どもを望む家庭に生まれてすぐに養子に出す)の物語。前半は養子を迎える佐都子の物語。後半が14歳で子どもを産んだ ひかりの物語だが、このパートが凄い。
    後半が、読むのが辛くなるような物語ですが、辻村さんを信じて最後まで読めました。エンディングは感動ものです。

  • 「ちびたん」と(ひかり)がお腹のなかの子どもに話しかける夕焼けのシーンだけで号泣(心の中で)してしまいました。
    年頃の子ども持つ親として、一人だってこんなに大変なのに、これを何十人って受け持っている学校の先生方ほんとすみません、ありがとうございます、な日々です。しかし冒頭に述べたような親としての初心に立ち返らせてくれる作品でした。あぁこんな時もあったなと随所で共感できました。この巧みな心理描写は辻村さんならではだと思います。

    物語の構成が見事なのも特筆すべき点です。始めに保護者同士のトラブルから始まり、佐都子目線で描かれます。そこから、無精子症、不妊治療そして特別養子縁組と話は怒涛の展開で目が離せません
    佐都子寄りの目線から、子どもの誕生を悲痛なまでに願う親、その一方で望まれずして生まれて来る子どもたちについて複雑な思いを巡らすことになります。
    佐都子夫妻はこうして特別養子縁組制度で、まだ中学生の(ひかり)から子どもを迎えることになります。
    次に、ひかり視点で物語は展開していきます。妊娠が発覚してから、人生がハードモードで展開していきます。佐都子の視点から180度転回して、ひかりのひたむきに生きる姿にいつしか心を打たれるのです。我が子への「ちびたん」との言葉が胸を打ってはなれません。
    これらの展開が相まって、ラストへと繋がっていきます。ただただ心を打たれました。



    • ちゃたさん
      名乗るほどではない男さん

      コメントありがとうございます!この作品間違いなく名作ですね。親目線だともう感動の雨嵐です(^o^)
      名乗るほどではない男さん

      コメントありがとうございます!この作品間違いなく名作ですね。親目線だともう感動の雨嵐です(^o^)
      2025/07/10
    • かなさん
      ちゃたさん、おはようございます。
      私もこの作品が大好きです♪
      というか、泣きました(¯―¯٥)
      エンディングは涙なしでは語れませんよね...
      ちゃたさん、おはようございます。
      私もこの作品が大好きです♪
      というか、泣きました(¯―¯٥)
      エンディングは涙なしでは語れませんよね!
      2025/07/12
    • ちゃたさん
      かなさん

      おはようございます。これは感涙です。今なら娘にどんな生意気なことをいわれても許せる気がします(^-^;
      かなさん

      おはようございます。これは感涙です。今なら娘にどんな生意気なことをいわれても許せる気がします(^-^;
      2025/07/12
  • いつ買ったんだろう(笑)
    積読本。
    辻村さんの優しい物語。
    養子に向かえた子供を、愛し育てる夫婦。理想だ。
    子供を信じる両親。
    長く辛い不妊治療を共にやめることを決意した夫婦。この2つが描写がなんともいい。
    子供を返して欲しいと訪れた女性。広島のおかあちゃん。
    彼女も何ら悪くはない。
    歯車が狂い続けるとはこういうことなのだろう。
    朝斗と共に二人の母親に朝の日差しが降り注いで欲しい。旦那様にも。

  • 重いテーマであるものの、さすがの辻村深月さんグイグイと惹き込まれて一気読み。

    読み終えた後、ブク友のmariさんのレビューを読んでとても考えさせられた。

    我が子を信じるということは、当たり前にすべきことだとは思う。
    でも、我が子の成長や周囲との関係性を考えた時、すべてを信じることができない時もある。
    特に思春期の子どもの気持ちはわからないことたらけだし、子ども自身も自分を守るために多少の嘘は平気でつく。

    何を考えているのかわからない我が子を無条件に信じることができる親になれたら、親子の関係性は最良なのだろうか…

    中学生で妊娠出産を経験したひかり。
    彼女の行動は浅はかだ。
    と思う反面、親に理解をしてもらえないという潜在意識があらゆる行動の引き金になっていたのではないかと思う。
    彼女を支える人が、どこにもいなかったことも。

    そして、ひかりの母も娘を信じることができなかった人だ。でも、彼女自身が母に信じてもらえなかった過去があったのかもしれない。
    所謂負の連鎖だ。

    親から愛された実感がない人は、自覚なく大きな傷を抱えたまま大人になるけれど。その傷自身が鋭い刃物となって他者を傷つけてしまうこともあるように思う。

    だから私は、子ども達を愛し信じたいと思うのだが…なかなかひと筋縄にはいかない。
    母から愛された記憶はあるけれど、私自身の思春期の反抗はそれはそれは酷く、その記憶が愛された記憶を邪魔しているのかも。

    佐都子のように、夫との関係性をしっかりと築き様々な経験をすれば、子を信じ愛することを、シンプルにできるようになるのか…

    まだまだ私には修行が必要なのかもしれない。



    • 祈るくまさん
      mariさん
      コメントありがとうございます。

      mariさんの幼少期のことなども知らずに、偉そうに色々書いしまって恥ずかしいです…
      私が言葉...
      mariさん
      コメントありがとうございます。

      mariさんの幼少期のことなども知らずに、偉そうに色々書いしまって恥ずかしいです…
      私が言葉で傷つけてしまったかも。ごめんなさい。

      上手くいかないことばかりの子育てだけど、こうして一冊の本を通して励まし合えるのはありがたいことですね。

      これからも読書を通じて共感したり、励ましあえたら嬉しいです。
      ありがとうございます♡
      2025/12/25
    • mariさん
      私はレビューにすごく共感はしましたが、傷ついてはいないので、謝らないでください♪
      祈るくまさん、お気遣い頂いてありがとうございます(* .ˬ...
      私はレビューにすごく共感はしましたが、傷ついてはいないので、謝らないでください♪
      祈るくまさん、お気遣い頂いてありがとうございます(* .ˬ.))
      2025/12/25
    • 祈るくまさん
      mariさん、ありがとうございます!
      mariさん、ありがとうございます!
      2025/12/26
  • 皆さん、高評価の作品のようです。なかなかに、ヘビーな、内容、みたいですが、ラスト近くで、「朝が来る」ようなので、読んでみたいです。

     2020.9.19
     何度か、読み返した。
    結婚、妊娠、子育て。すべてに経験の無い私だが、登場人物の人生の重み、心情などがリアルに感じられた。 第一章で、佐都子が、息子「朝斗」が幼稚園で起こした事件に対してキッパリ我が子を信じる母としての対応を、尊敬した。
    不妊治療、養子縁組をへて、栗原夫妻は、特別養子縁組として朝斗と名付けた赤ちゃんを、授かる。それまでの、佐都子の、そして夫の清和の心の葛藤。
     そして、朝斗の実の母親である、片倉ひかり。
    まだ中学生のうちに、彼氏の巧との赤ちゃんを出産。養子縁組を仲介する団体「ベビーバトン」によって、栗原夫妻に引きわたされるまでの、自分の赤ちゃんに対する思い。美しい空を見上げて、逃げることも、育てることもできない代わりに、おなかの中の子と、すごくきれいな空を見たことを覚えていよう、と涙したひかりに、心がつまされる。その後のひかりの、つらいつらい人生。
    ラストに、そのひかりが、生きていても仕方ない、雷に、打たれてしまいたい。と思った時、ひかりの事情を理解した佐都子がひかりを抱きしめるシーンに、感動した。佐都子が、「一緒に行こう」と声をかける。  どうか、この先、ひかりが幸せになれますように。皆が希望を持って生きていけますように、と思った。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      大丈夫!明日は状況変わって良くなりますヨ!!
      りまのさん
      大丈夫!明日は状況変わって良くなりますヨ!!
      2020/11/01
    • kuma0504さん
      映画観ました。
      役者とリアル人とのコラボが自然で、
      凄い作品だと思いました。
      そうか、最後はひかりはそこまで思っていたんだ。
      映画観ました。
      役者とリアル人とのコラボが自然で、
      凄い作品だと思いました。
      そうか、最後はひかりはそこまで思っていたんだ。
      2020/11/27
    • りまのさん
      kuma0504さん
      私はまだ映画観ていないのですが、 凄い作品だったのですね。 コメントありがとうございます!
      kuma0504さん
      私はまだ映画観ていないのですが、 凄い作品だったのですね。 コメントありがとうございます!
      2020/11/27
  • 子供を返す、返さないの話ではなく、「子どもを返してください」と電話をかけてきた人が本当に子供の母親なのか、どういう経緯で手放してどういう人生を歩んでいるのかが綴られています。
    最近やたら登場人物が多い本を読んでいたせいか、多くない登場人物でこれだけ面白く書ける辻村さんってすごいなぁと思います。

    育ての母・佐都子が初めて子供・朝斗を抱いた時の『終わりがない、長く暗い夜の底を歩いているような、光のないトンネルを抜けて、永遠に開けないと思っていた夜が、今、明けた』には、読んでいる私も嬉しく晴れ晴れする一方、生みの母・ひかりが海を見ながら「きれいだねえ、ちびたん」とお腹の子に語り掛けるところでは切なくて…。
    もう、早く先が読みたくて読みたくて。一字一字読むのがじれったくなるほどの一気読みでした。
    小説ならではと思うところがあるものの、やっぱり最後は泣いてしまった。ああ…感動。

  • 本作を読み進めるにあたり、予備知識として調べてみた。
    2015年度(平成27年)のデータの出生動向基本調査において、不妊に悩むカップルは5.5組に1組となっている。そのうち何らかの不妊治療を受けている人は50万人もいるようである。
    しかもその費用はは高額で、人工授精が1回当たり約1万円、体外受精・胚移植が約30 万円、顕微授精が約40万円くらいようで、誰も彼もが不妊治療はできない。

    対して、養子縁組においては、親元で育つことができない子どもたちは約45,000人。しかしながら、その約80%が乳児院や児童養護施設などの施設で育ち、施設養子縁組あるいは里親制度は20%にとどまる。
    「里親制度」とは、育てられない親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度で、里親と子どもに法的な親子関係はなく、実親が親権者となる。里親には、里親手当てや養育費が自治体から支給される。
    「養子縁組」は、民法に基づいて法的な親子関係を成立させる制度であり、養親が子の親権者となる。また、養子縁組にも2種類あり、普通養子縁組は跡取りなど成人にも広く使われる制度で、特別養子縁組は特に保護を必要としている子どもが、実子に近い安定した家庭を得るための制度である。

    本作はまさに不妊に悩む夫婦が、特別養子縁組により子供を授かる話と子供を手放さなければならなかった物語りで、まさに、5.5組のうちの1組(18%)でその20%の夫婦の話である。

    栗原清和、佐都子夫妻は子供を授かることができないために、6年前に特別養子縁組で、息子・朝斗を迎える。
    親子3人で穏やかに暮らしていたある朝、息子の無味の親・片倉ひかりと名乗る女性から電話があり、お金を要求される。

    血の繋がりにより親子の絆が生まれるのではなく、一緒に生活し共に人生を積み上げることにより生まれる絆があるということに気づいた。
    産んでくれた親と成長を支える親は、共に子供に対して親としての責任を自覚しなければならないと考えさせられる。
    私の場合、親のありがたさは、自分が独立したときにようやくその大変さと責任を理解することができた。もっと、早くに理解できる方もいるであろうが、本作の高倉ひかりは、この先、親の責任というのを理解できるのであろうか?と、疑問になる。

    子供は思春期、反抗期を迎え、自分の中でその期間に感じる感情を自分なりに受け止め、消化して成長していくと思っている。この時期、自分の意思を整理し理解することがいかに難しいのだろうと悩んだものだ。消化しきれない感情をぶつけた後の感情に苛まれることもあった。自分のことでいっぱい、いっぱいのこの時期に、自分のこと以外を考えることができるのであろうか。若すぎる出産はそれ故にねじれて、片倉ひかりの人生が逸れていってのではないかと思わずにはいられない。子供を手離す葛藤があることは理解できるものの、やはりその行動には同意ができない。

    そして、片倉ひかりの人生を考えると、栗原清和、佐都子夫妻の人生、しいては自分の人生がどれだけ幸せかということを改めて感じる小説であった。

  • この作品のテーマは、特別養子縁組…辛い不妊治療の末に特別養子縁組の制度を知り得た清和・佐都子夫婦と、中学生で臨まない妊娠をしたが愛情もって出産し我が子をこの夫婦に託したひかりの視点から描かれる。ひかりの出産した男の子は「朝斗」と名付けられ、素直で聡明に育つ…。あれから6年、ひかりから清和・佐都子夫婦のもとに「子供を帰してほしい、もしできないならお金がほしい」との連絡が入る…。
    すっごくラストがよかったです!感動しました。2人のお母さんの存在は「朝斗」にとって、何物にも代えがたい素敵な財産になると感じました。ひかりにとっても、清和・佐都子夫婦にとっても「朝斗」は、名前の通り素敵な朝を迎えさせてくれる存在になることことに疑いの余地はないでしょう。

    • ぴこさん
      かなさんは、随分昔に読了されてたのですね。
      やっと私は読み終えました。オススメありがとうございました。とてもとても良かったですよ。
      昔過ぎて...
      かなさんは、随分昔に読了されてたのですね。
      やっと私は読み終えました。オススメありがとうございました。とてもとても良かったですよ。
      昔過ぎて、詳細は忘れてしまっていると思うので
      気にせず読んでくださるだけで結構です。

      色々考えさせられましたね。
      子供を授かること
      子供を産むこと
      子供を育てること
      どれも難しいことなのだと、この小説を読んで感じました。

      ひかりの親御さんの育て方1つで
      この子の人生は変わったのになと残念に思いました。子育ては難しいなと、ひかりの転落人生をハラハラしながら読んでいて、ここまで堕ちるの?と胸が詰まる思いでした。
      この続きが是非読みたいなと思ってしまいました。
      2024/11/30
    • かなさん
      ぴこさん、おはようございます!
      あはは…ぴこさんよくわかってらっしゃる^^;
      結構前に読んだので、すごくいい作品で
      ラストにそれこそ、...
      ぴこさん、おはようございます!
      あはは…ぴこさんよくわかってらっしゃる^^;
      結構前に読んだので、すごくいい作品で
      ラストにそれこそ、
      感動してじーんとしたのがこの作品です(¯―¯٥)
      この作品の表紙もね、私はすごく好きだったりします!
      この作品の続編が出るとかなれば、
      私はこの作品読み直さないとならないかもです^^;
      2024/12/01
  • 意図せぬ妊娠でここまで人生が変わってしまうのか、こんなに辛いのに回りは手をさしのべてくれないのか、と世間の闇を垣間見た感じ。

    やっぱり辻村さんの文はとても綺麗で分かりやすい。とても読みやすかった。

  • 二人の女性(生みの親と育ての親)を中心にした物語で両女性を描く描写のページ数も約半分くらいでバランスの良い配分で進んでいきますが読後は『圧倒的に生みの親』の印象しかないのが不思議で辻村ワールドなのでしょうか?
    生まれてくる子より産んだ側の視点に驚愕しました

  • 幼いながら子を産み、迷い、葛藤しながら生き抜いているひかり。特別養子縁組というかたちで子を託した。その家庭では大事に大事に「広島のお母ちゃん」が存在していた。ずっと親に反発葛藤し生きずらかったけど、「広島のおかあちゃん」は紛れもなく自分だと自信を持ち、自分の足で歩きだした。そこに心打たれました。
    最後、佐都子がひかりを見つけて、なんか唐突だなあと思ったけど、朝斗くんは心ある両親と出会え明るい未来でよかった。ひかりにも明るい未来は来る。

    終始、辛かった。最初の不妊治療のところも。ある場面で、男性側の精子を採取するために、個室が用意されているというところ(よくドラマで見る)。ショックを受ける夫に佐都子は、そのような環境は当然で、具体的な想像力の欠如が、不妊治療における男女の意識の差、といっているが。
    男性にとって婦人科(産婦人科)自体、踏み込みにくい領域だろうから無理もないのに。ともおもった。私が古いのか。
    そして、男性側に原因があったとわかり、その母親が土下座するところ。なにもそこまで…。と思うが(もし女性側に原因あったら責められるのかという感じ)。そこが、結婚イコール子供という意識が強い、少し前の時代背景を映しているように感じた。

    ひかりと巧の場面は、ある部分生々しくて、みてられない感があった。知識ないままに子をはらみ、その先ひかりは苦難の道。広島まで行って。
    見知らぬ土地で短期間過ごすというのは、風景、考え方が変わって、そしてもの寂しくてなんとも言えない哀愁をともなう。世間を知らないひかりが次々と人に痛い目にあって落ちてゆく。今の世でこういうことがあるのかと思った(そう言ってる私は世間知らずなのか)。

    小6の時だったと思う。学校で女子だけ違う教室に呼ばれ、養護の先生から、男女の体の仕組みの違いの話を聞いた。そろそろ生理がという年頃だから。
    ほんの一時間。学校で性の関わる教育を受けたのはそれきりだったように思う。その時間、言葉にはしないが、女子はざわついた。子によって差もあった。きてる子、知っている子(家庭環境の差)の差があったからだ。
    そういう知識は、少女向けの雑誌や友達との会話で情報を得ていた気がする。少しだけだが。
    親とは一切合切そういう話はしたことがない。そういうことは避けて、触れるべきでないという親だったから。時代が時代だったし(そう昔でもないが)。もっと話しやすい環境だったら、もっと気楽だったのになあ。
    この小説をリアル中学生が読んで何を感じるか。
    こちらに登録し、ずっとこの表紙が気になっていた。図書館で目が合い、その翌日、映画化を知り、永作博美さんが番組に出ていた。よい時期に読んで良かった。

  • 望まれない子供を持つ親と、子供を持つ事が、出来ない夫婦が、特別養子縁組と言う制度で、養子縁組する。両者共、悪い人はいない。ただ、望まれない子供を産んだのが、中学生で、世間も、何も知らず、周りの人達に、騙され、落ちて行く。最後に、頼るのは、息子を、養子に出した先だけ。
    だけど、頼る方法も分からず、脅迫めいた方法しか、取れなかった。
    彼女の実の母親でさえ、「失敗した」と、彼女を、見放したけど、子供の、養親である、夫婦は、子供に、「広島のお母ちゃん」と、教え、自分たちは「私たちのお母さん」と呼び、その存在を大切にしていた。
    最終章で、漸く、心のざわつきが取れた感じ。

  • 中学生で出産したひかりとその周りを取り巻く人たちのお話。
    母親の態度や家族内の閉鎖的で気持ち悪いほど規則的な雰囲気がリアルでもあり得そうでゾッとする。
    まだ学生なのに恋人を作るのはふしだら、結婚したら子どもを産むのが当たり前、家庭内で恋愛の話はタブー、といったような自分の考える普通を信じ切っているあまりいつしかそれに拘泥し、思うようにならないことがあると頑なに拒絶しようとする。
    そんな母親の言動にひかりがじわじわ絶望していく。
    ひかりが産んだ子を養子に預けたあと、久しぶりに家に帰ったとき、母親は産んだ子を「なかったこと」にしようとする場面が印象的。
    『この人は、ひかりのために何か言っている、わけではない。ただ、気持ちを落ち着けるために自分を頷かせたいだけだ。自分の望む、元通りの状態になったかどうかを、頷かせて、確認したいだけなのだ。』
    娘が若すぎる年齢で出産した、という事実はこの母親にとっては恥ずべきことだしかくさなければならないこと。
    ひかりの意思は無視して、世間体や家族全体の平和を守るためだけに躍起になっているように感じた。
    傲慢と善良やゼロハチゼロナナでもそうだが、辻村深月さんの作品はいつも親の呪縛と子どもの拙さにぐっと胸を締め付けられる。

  • 辻村深月っていろんな作品をかけるんだなと、まず彼女の才能に脱帽。前回読んだのがアニメがテーマだっただけに振り幅がすごい。

    特別養子縁組に焦点を当てて、母性とは何なのか、血縁とは親子とは何なのかを考えさせられる作品だった。
    養子制度が盛んなアメリカなどとは違って、日本では非常に事例が少ないのだろうと思う。

    でもこの本を読むと育てられない親が育てられる親に子を託すことをもっと柔軟に温かい目でみてあげてもいいんじゃないのだろうかと思わせられる。

    小説の結末はドラマティックすぎて、いやもちろんホロリとしちゃうんだけど、どこかで冷めちゃったかな。とはいえ、やっぱり明るく終わって良かったのかな、タイトル通り。
    一人でも多くの子供が救われますように。
    「朝が来る」、良いタイトル!

    • だいさん
      日本の養子縁組では法律のハードルがめちゃくちゃ高いのではないですか?
      日本の養子縁組では法律のハードルがめちゃくちゃ高いのではないですか?
      2015/09/25
    • vilureefさん
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます(*^_^*)

      そうかもしれませんね、法律のしばりもあるのかもしれません。
      で...
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます(*^_^*)

      そうかもしれませんね、法律のしばりもあるのかもしれません。
      でもこの制度をもっと認知させられれば条件をクリアする人が増えるだろうにとも思います。
      あまり知られていないというのが正直な感想です。
      2015/09/29
  • 最初は、幼稚園のママ友話かと…。
    でも、全然違ってました。

    望んでも子供を授かれない佐都子夫婦が、不妊治療の末、
    最後にすがりついた「特別養子縁組」の道。
    どれほどの決意と覚悟が必要だったか…。

    そして、周囲に養子であることを隠すことなく育てている。
    その選択に衝撃を受けるとともに、もしも自分だったら…と考えました。
    「この子が周りにどう思われるかということも含めて彼の人生」という別の夫婦と同じ選択をすると思う。
    いや、もしかしたら、本人にも話せないかもしれないなぁと…。

    引き渡す場面と、手離す子に宛てた手紙は、目頭があつくなりました。
    だから、突然現れた女性がその時の母親だとは最後まで信じられなかったし、信じたくなかった。

    親への反抗心ばかりで、深い考えもなく妊娠してしまった幼いひかり。
    愚かで未熟なまま、とうとう罪を犯してしまう。
    そこまで落ちてしまったひかりの人生はこの後どうなるのか。
    「私が広島のお母ちゃんだよ」と胸を張って朝斗に言えるように、
    今度こそ自分のしたことへの責任をとって、生き直して欲しい。

    血のつながりとか、家族のあり方とか、そしてなにより「普通」って何だろう…って考えながら読みました。

    • koshoujiさん
      杜のうさこ様。

      日本代表が南アフリカに勝ちました───。

      大学に入学し、国立で初めて見てから、ラグビーを好きになり、
      母校の応...
      杜のうさこ様。

      日本代表が南アフリカに勝ちました───。

      大学に入学し、国立で初めて見てから、ラグビーを好きになり、
      母校の応援もしましたが、それ以上にラグビーという
      スポーツの虜になりました。
      1月2日は、20歳の時から、毎年国立競技場にいました。
      暮れに帰省して、元日の夜に東京に戻りました。
      大学選手権の準決勝を見るために。
      ラグビーのHPを18年前に作り始めました。
      日本中の人たちにラグビーの素晴らしさを伝えたいと。
      仕事でもないのに、一生懸命頑張りました。
      多くの人たちが見に来てくれました。
      多くの人たちから励ましのメールを貰いました。
      ラグビー協会の広報委員長とも友達になりました。
      ラグビー日本代表の人とも友達になりました。
      そして、今日、夢が叶いました。
      素晴らしい試合でした。

      私の感動は、急遽開設した下記のブログに綴られています。
      http://blogs.yahoo.co.jp/rugby_okame_hatimoku
      是非、ご覧いただければありがたいです。<(_ _)>
      もう4時半になりました。もうすぐ朝ですが、今から寝ます。
      それではまた。<(_ _)>
      2015/09/20
    • koshoujiさん
      なんと!!!

      中学校の同期会に参加できることになりました!!!

      中学の同期会掲示板に書き込みがあったのです。
      今週の26日土曜...
      なんと!!!

      中学校の同期会に参加できることになりました!!!

      中学の同期会掲示板に書き込みがあったのです。
      今週の26日土曜日、担任だった畠山先生
      (ひょっとして、うさこさんもご存知では?)
      を囲んでのクラス会を開催するとのこと。
      しかも、12~13人集まるらしいです。
      それに、是非参加してください、って。

      夢のようです。信じられません。
      先日の歓喜の南アフリカ戦勝利と言い、
      中学同期生からの連絡と言い、
      うれしいことが立て続けに起こり、
      何と言っていいか、言葉が見つかりません。
      人間、努力と継続がいかに大事か、
      をあらためて実感しているところです。
      諦めなくて、本当に良かった───。

      恐らく河北を読んで、気が付いたのだと思います。
      杜のうさこさんのおかげです。
      感謝、感激、雨、嵐(笑)。
      ありがとうございました。<(_ _)>

      すみません、本当に。
      本とは全然関係ないコメントばかりになっちゃって。お許しを。<(_ _)>

      追伸:でも私にもようやく「朝が来た」のかもしれません。お粗末<(_ _)>
      2015/09/22
    • koshoujiさん
      業務連絡です(笑)。
      と、すぐに書き込みしようと思いましたが、このコメ欄から、全てが始まったのですね。
      読み直し、あらためて感動してしま...
      業務連絡です(笑)。
      と、すぐに書き込みしようと思いましたが、このコメ欄から、全てが始まったのですね。
      読み直し、あらためて感動してしまいました。
      さて、この本に関する業務連絡です。
      もうご存知かもしれませんが。
      ※6月4日スタートの東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『朝が来る』(毎週土曜23:40~24:35、全8回)。
      ということで、この作品、フジテレビ系列でドラマ化されるようです。
      主演は安田成美さんで、10数年ぶりの主演とのこと。楽しみに待ちたいと思います。
      追伸:ようやく「花は咲く」アニメスターバージョン完全版を録画できました。
      2016/05/09
  • 「本の雑誌」を読んでいたら、「本の雑誌が選ぶ2015年のベスト10」発表という座談会の冒頭で、この「朝が来る」が真っ先に推薦された。
    (最終的には第三位になったけれど)
    そういえば───この本のレビューを書いていないことに気付いた。

    「スロウハイツの神様」や「名前探しの放課後」を読み終えた後、あまりの感動に号泣し、何度も何度も最終章あたりを読み返し、それ以来、ファンになった若き天才作家“辻村深月”。
    しかも、女性の奥底のドロドロとした心情を描く“黒辻村”作品ではなく、いつも最後に涙が頬を伝わり落ちる“白辻村”の作品だったというのに。

    何故に書かなかったかな? 
    この本を読んだ頃は、出張ばかりで、仕事がやたらと忙しく、お決まりの「冒頭部分の引用」さえもできなかったからだ。

    と、ここまで書いて、とりあえず「朝が来る」とタイトルを付けてワードで保存しようとしたら“同じ名前の文章がすでにあります”という“アラート”が出た。

    うん? 書いたのか? ブクログに載せていないだけだったのか? 
    と思いながらファイルを開くと、ほんのさわり部分だけ書いて、途中でレビューは終わっていた。

    ───読了後、涙が止まらなかった。
    いつの間にか、“ひかり”に感情移入していた。
    ラストで救われた。
    先も気になるけれど、それまでの展開から想像しそうになった悲しい終わり方でなくてよかった。

    ひかりは、可哀想な子だと思う。───

    これだけだ。
    でも、今あらためて、このレビューの書き出しを読むと、この短い文だけでも、この作品の素晴らしさを鮮明に思い出すことが出来る。

    ───子供に恵まれず「特別養子縁組」という手段を選んだ母親。
    ───子供を産みながら、手放さなければならなかった中学生の母親。

    その狭間で、純粋無垢に育った可愛らしい男の子。

    手元に実際の本がないので、それぞれの固有名詞は忘れてしまったが、あわやという場面で、“ひかり”が救われたシーンが脳裏に蘇って来た。
    たしか「みーつけた」というような台詞があったように思う。
    このシーンを読んで、涙があふれ止まらなくなったのを覚えている。

    「闇が深ければ深いほど、最後は明るい光が射し込んでくる。これからも気取ることなくハッピーエンドを提示していきたい」
    作者である辻村深月は、2009年7月に発行された文芸誌「野生時代」のインタビューで、そう語っていたはずだ。

    それが何故か直木賞を意識し始めた辺りから、作風が変わった。
    女性の嫌な内面を炙りだすような作品を世に出し始めた。
    彼女にどういう心境の変化があったのか、ぼくには分からない。

    彼女はその路線の作品「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞した。
    文学的観点から見れば、その作品のほうが完成度は高いのかもしれない。
    でも、それまで彼女を支えてきた、或いは彼女のデビュー時からのファンだった読者は裏切られた気持ちになったのではなかろうか。
    ぼくたち、わたしたちが読みたいのはこんな「辻村深月」ではない、と。
    「ベタでも、ハッピーエンドを提示する作品を書いていきたい」
    と言っていた彼女は何処に行ったのだと。

    彼女自身もそれを薄々自覚していたようで、その後「白辻村」「黒辻村」と分類分けされるようになった作品群を発表するとき、「白辻村」路線の作品を書いた時には、“昔からわたしを支えて来てくれたファンの方のために書きました”という発言もあった。

    小説というものの存在意義は何処にあるのだろう。
    あまりに難しすぎて、とてもいい加減なことは書けないけれど、ごくごく個人的な希望だけを言えば、ぼくは面白い小説が読みたい。

    面白いという言い方には語弊があるかもしれないけれど、読み終えて、心が豊かになる。カタルシスを覚える。感動の涙でむせび泣く。
    この本に出逢えて良かった。まだまだ人間も捨てたものじゃない。
    そんな気持ちを抱かせてくれる小説を読みたいと思っている。

    辻村さんの初期の作品群で抱いたぼくの感想はそういうものばかりだった。
    そして、そのような感動を覚える小説家の作品には、なかなか巡り合えない。

    だから辻村さん。
    今後もできるだけ多くの「白辻村」路線の作品を世に送り出して欲しいと願っているのです。
    そんな小説を読み終えたとき、頑張ろう、頑張って生きていこう。
    そう思えるような、優しい光が射し込んで来る気がするのです。
    これからもよろしくお願いします。<(_ _)>

    • 杜のうさこさん
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      あけましておめでとうございます!

      待ってましたよ~!!!
      なんと4か月ぶりとは!

      ...
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      あけましておめでとうございます!

      待ってましたよ~!!!
      なんと4か月ぶりとは!

      私も辻村深月さん、好きな作家さんなんですが、
      このレビューを拝見して、好きなんて言えるほど読み込んでないなぁって思いました。

      どちらかといえば遅読なので、
      読みたい本がありすぎて追われてしまうのも原因の一つなんですが。

      今年はもっと一冊々をじっくり読みたいです。

      素敵なレビュー、バンバン書いてくださいね♪
      期待度Maxです!

      今年もどうぞよろしくお願いします(*^-^*)
      2016/01/06
    • 杜のうさこさん
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      業務連絡(笑)、了解しました~!
      いつもうれしい情報ありがとうございます!
      全然知りませんで...
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      業務連絡(笑)、了解しました~!
      いつもうれしい情報ありがとうございます!
      全然知りませんでした。
      どうもその手の情報に疎くて。
      安田成美さん、美しい演技派の方で良かったです♪
      楽しみですね!
      好きな作品が映像化されるのは、大歓迎なんですが、
      キャストが残念だと、がっくりしますからね。

      そして、
      >「このカードは認識できません」と機械は宣うのである。もう一度入れ直したが、同じことを言いやがる(交換機が)。

      この瞬間、またしても??と、わくわく(笑)

      >「ふざけるな!! グルルルル!!」と狼のように吠えたかったが、

      「吠えて下さい~~!」(笑)

      最近どうも、センパイのアクシデントに期待してしまう悪い癖がつきました(笑)
      完璧な人の”やらかし”が楽しみな、ギャップ萌えの悪魔です!(笑)
      2016/05/09
    • 杜のうさこさん
      キャー、センパイ!
      いいね!ありがとうございます!

      「あんこ好き仲間増殖計画」にご協力くださったんですね(笑)
      ためしに、センパイ...
      キャー、センパイ!
      いいね!ありがとうございます!

      「あんこ好き仲間増殖計画」にご協力くださったんですね(笑)
      ためしに、センパイもビールのおともに、
      あま~いあんこいかがですか?^^
      2016/05/09
  • 「命は大切」そんな生易しい話ではない。

    不妊治療の末に実子を諦め、特別養子縁組で子どもを持つことを決めた佐都子夫婦。幸せな生活に無言電話が掛かり始め…。

    読んでる途中、何度も胸が締めつけられ涙する。いろんなことを考えた。血脈とは、親になるとは、子を育てるとは。少子化や若者の貧困問題へもつながる話でもあると感じた。

    「母になるとは、強くなること」これは間違いないでしょう!

    辻村深月作品は目の前にその人が現れるようなリアリティがあるのだ、推したい!

  • ひかりさんの人生は読んでいてホント辛かった。
    最後に見つけてくれた時は涙が出た。
    ありのままの、1人の人として受け入れてもらえるということが、どれほど有難くて、貴重なことか、と思う。
    血の繋がりとか関係なく、分かり合える人は分かり合えるし、家族でも、自分の考えを押し付けるだけしか出来ないままの人もいる。
    こうのとりのゆりかごの本を数ヶ月前に読んだので、リアルに読めました。

  • 帯に書かれている『子どもを、返してほしいんです」
    この言葉がかなり強烈で、頭の中で勝手に想像してしまっていた。
    「子どもを返してほしい」生みの親と「自分たちの子どもだ」と言い張る育ての親。
    いつの間にやらそんな想定が勝手に出来上がっていたのだが…
    当たり前だけど、そんな単純なストーリーではなかったのです。

    子どもを望んでも望んでも恵まれない夫婦。
    望まぬ妊娠をしてしまう女性。
    手放さなければ生きていけぬ事情を持つ女性。
    様々な立場の中で、もがき苦しむことは想像できる。
    欧米とは違って、「血」や「家」を重視する風潮がまだまだ強い日本。
    養子を迎えるという選択はものすごくハードルが高い。
    特別養子縁組。
    言葉は聞いたことはあるし、TV番組を見た記憶もある。
    しかし、ここまで深く考えたことはなかった。
    養子縁組は誰のためのものか?
    子どもが欲しくて欲しくてたまらないのに子どもに恵まれない夫婦のためのもの?
    育てられない女性のためのもの?
    否!
    そうではない!
    当たり前のことなのに…
    子どものための制度なのに…
    その考えが希薄になっている自分に愕然としたり…


    辛い不妊治療に耐えても子どもに恵まれなかった栗原夫妻。
    子どもを手放してしまった片倉ひかり。
    6年の歳月を経て、息子を巡って再びかかわりを持つことになった、夫婦とひかり。

    夫婦とひかりが出会うまでの道のり。
    生みの親、育ての親として再会するまでの夫婦とひかりの歩んだ人生。
    栗原夫妻の決意、覚悟。
    とても胸に響いた。

全792件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。23年に発表された『この夏の星を見る』は映画化された。
そのほか『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』『噓つきジェンガ』など著書多数。

辻村深月の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×