朝が来る

著者 :
  • 文藝春秋
3.88
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本棚登録 : 3897
レビュー : 643
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902739

作品紹介・あらすじ

出産を巡る女性の実状を描く社会派ミステリー親子3人で平和に暮らす栗原家に突然かかってきた一本の電話。電話口の女の声は、「子どもを返してほしい」と告げた――。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて子供を生んだときのことを思い出した。
    赤ちゃんて何て無垢で尊い存在なのだろうと小さな命の力強さに感動し、自分の子だけでなく、どんな子も、どんな状況で生まれたとしても、皆が愛されて育ってほしいと心から願った(出産ハイも手伝って)。
    そして今も、小さな命が失われる悲しい事件には、息子たちを重ねて胸が潰れるような思いになる。
    辻村さんもきっと同じなのだろう。
    特別養子縁組がもっと当たり前になってほしい。望まない妊娠をした未婚の母を社会から切り捨てて孤立させないでほしい。何より、子供の命が失われることなく、すべての子供が愛され幸せになってほしいと。
    込められた辻村さんの願いと祈りが、身体に染み込むように伝わってきた。

    冒頭から、構成の巧みさに持っていかれた。
    だって最初の小さな事件の成り行きを読んで、朝斗くんが養子だなんて思わない。
    朝斗くんの無実にほっと安堵し、素敵なお母さん、素直で可愛い息子に優しい旦那さんのいい家族だなぁと思ったところで、朝斗くんが実は養子で、「子供を返してほしい」という脅迫電話があるという大転換がある。
    そして、育ての親である栗原夫妻が不妊治療を断念して特別養子縁組に登録し、子供を引き取り育てることになるまでの経緯と、生みの母であるひかりが、中学生にして妊娠し、出産後に子を託すまでの経緯、そして出産後のひかりが辿る道のりが、それぞれの視点から綴られる。

    ひかりを愚かだ浅はかだだと言って責めるのは簡単だけど、でも中高生って未熟で考えが足りなくて当たり前じゃない。家では性の話なんかできず、学校でも表面的なことしか教えないのに、初潮もまだで妊娠してしまう可能性なんて考えないよね…。
    自分のことを振り返っても、一番親が鬱陶しく感じる思春期のお年頃は、危なっかしくて向こう見ずで大人に反発ばかりして、自分は何でもできるような無敵な気分だった。
    状況次第で誰の上にも起こり得ることなんだろうと思う。

    ひかりは出産後も母に暗に責められ家族とすれ違う。事情も知らず他人事然としている同い年の彼氏と想いを共有できるはずもない。不名誉な出産をした自分を認めてもらえない家庭に居場所はなく、学校の勉強にも身が入らず、家出をして一人で生きていくために各地を転々とする。しかし人生経験の少なさにつけ込まれ、自分では解決する術もなく、追い詰められ職場のお金に手をつけるまでに落ちていく。
    辻村さんは中学生が妊娠し、出産することの現実の厳しさから目をそらさない。一度レールから外れると「普通」には戻ることは難しい。妊娠出産した中学生をそのまま受け容れる場所はなく、出産は隠蔽され、出産後のケアは何もない。「普通」を求められる社会からは爪弾きにされ、行くあてなく彷徨うしかない。

    でも。
    長い長い、いつ明けるとも知れない夜を経て、朝が来る。
    ラストは泣いた。あなたが生んだ子の誕生を心から喜び、あなたを生みの母として尊重し慕う人たちがいる。ひかりちゃんどうか幸せになって。「広島のお母ちゃん」であることに胸を張ったらいいんだよ。あなたは幸せになれる。まだ人生これからなの。

    • koshoujiさん
      ご無沙汰しております。<(_ _)>
      NHKドラマの「路」を見ていて、この小説良かったよなあ、
      と吉田修一の原作にどんなレビューを書いた...
      ご無沙汰しております。<(_ _)>
      NHKドラマの「路」を見ていて、この小説良かったよなあ、
      と吉田修一の原作にどんなレビューを書いたのか自分で読み返していました。
      で、ふうむ、と思い出し、ついでにブクログで文庫版のほうにもレビューを再掲載したら
      すぐに「いいね」がついたので誰だろうと思ってました。
      何年ぶりでしょうか。
      この2,3年、色々と忙しく全く本が読めなく、レビューも書けなくなりました。
      そんなわけで、単行本の時に書いたレビューを文庫版にも再掲載したり、読んでもない本のタイトルにかこつけて、全く関係ないヨーロッパ旅行記などを書いています(笑)。
      久々に本棚を拝見し、レビューを読ませてもらいました。
      相変わらず良いペースで読書されているようでうらやましい限り。
      ちょっと刺激を受けたので、これから少しずつ本読みレビューなど書いていきたいと思います。
      末永くよろしくお願いいたします。
      2020/05/24
    • マリモさん
      koshoujiさん、こちらこそご無沙汰しております!

      私も長いこと読書もブクログもお休みしていて、昨年何となーく復帰しました(^^; た...
      koshoujiさん、こちらこそご無沙汰しております!

      私も長いこと読書もブクログもお休みしていて、昨年何となーく復帰しました(^^; たまたま読んでみた本(屍人荘の殺人)が面白かったのがきっかけです。
      休んでいる間に色々と刊行されていて、読みたいものが多くてなかなか追いつきません。
      以前のブクログ仲間さんは更新がなくなった方も多く、皆さんどうされているのかなぁと寂しくもあったので、コメントいただけてとても嬉しいです!

      吉田修一さんの路は私もとても好きな作品です。
      またkoshoujiさんの熱いレビューを楽しみにしております(*≧∀≦*)ぜひぜひ!
      2020/05/24
  • 本作を読み進めるにあたり、予備知識として調べてみた。
    2015年度(平成27年)のデータの出生動向基本調査において、不妊に悩むカップルは5.5組に1組となっている。そのうち何らかの不妊治療を受けている人は50万人もいるようである。
    しかもその費用はは高額で、人工授精が1回当たり約1万円、体外受精・胚移植が約30 万円、顕微授精が約40万円くらいようで、誰も彼もが不妊治療はできない。

    対して、養子縁組においては、親元で育つことができない子どもたちは約45,000人。しかしながら、その約80%が乳児院や児童養護施設などの施設で育ち、施設養子縁組あるいは里親制度は20%にとどまる。
    「里親制度」とは、育てられない親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度で、里親と子どもに法的な親子関係はなく、実親が親権者となる。里親には、里親手当てや養育費が自治体から支給される。
    「養子縁組」は、民法に基づいて法的な親子関係を成立させる制度であり、養親が子の親権者となる。また、養子縁組にも2種類あり、普通養子縁組は跡取りなど成人にも広く使われる制度で、特別養子縁組は特に保護を必要としている子どもが、実子に近い安定した家庭を得るための制度である。

    本作はまさに不妊に悩む夫婦が、特別養子縁組により子供を授かる話と子供を手放さなければならなかった物語りで、まさに、5.5組のうちの1組(18%)でその20%の夫婦の話である。

    栗原清和、佐都子夫妻は子供を授かることができないために、6年前に特別養子縁組で、息子・朝斗を迎える。
    親子3人で穏やかに暮らしていたある朝、息子の無味の親・片倉ひかりと名乗る女性から電話があり、お金を要求される。

    血の繋がりにより親子の絆が生まれるのではなく、一緒に生活し共に人生を積み上げることにより生まれる絆があるということに気づいた。
    産んでくれた親と成長を支える親は、共に子供に対して親としての責任を自覚しなければならないと考えさせられる。
    私の場合、親のありがたさは、自分が独立したときにようやくその大変さと責任を理解することができた。もっと、早くに理解できる方もいるであろうが、本作の高倉ひかりは、この先、親の責任というのを理解できるのであろうか?と、疑問になる。

    子供は思春期、反抗期を迎え、自分の中でその期間に感じる感情を自分なりに受け止め、消化して成長していくと思っている。この時期、自分の意思を整理し理解することがいかに難しいのだろうと悩んだものだ。消化しきれない感情をぶつけた後の感情に苛まれることもあった。自分のことでいっぱい、いっぱいのこの時期に、自分のこと以外を考えることができるのであろうか。若すぎる出産はそれ故にねじれて、片倉ひかりの人生が逸れていってのではないかと思わずにはいられない。子供を手離す葛藤があることは理解できるものの、やはりその行動には同意ができない。

    そして、片倉ひかりの人生を考えると、栗原清和、佐都子夫妻の人生、しいては自分の人生がどれだけ幸せかということを改めて感じる小説であった。

  • 皆さん、高評価の作品のようです。なかなかに、ヘビーな、内容、みたいですが、ラスト近くで、「朝が来る」ようなので、読んでみたいです。

     2020.9.19
     何度か、読み返した。
    結婚、妊娠、子育て。すべてに経験の無い私だが、登場人物の人生の重み、心情などがリアルに感じられた。 第一章で、佐都子が、息子「朝斗」が幼稚園で起こした事件に対してキッパリ我が子を信じる母としての対応を、尊敬した。
    不妊治療、養子縁組をへて、栗原夫妻は、特別養子縁組として朝斗と名付けた赤ちゃんを、授かる。それまでの、佐都子の、そして夫の清和の心の葛藤。
     そして、朝斗の実の母親である、片倉ひかり。
    まだ中学生のうちに、彼氏の巧との赤ちゃんを出産。養子縁組を仲介する団体「ベビーバトン」によって、栗原夫妻に引きわたされるまでの、自分の赤ちゃんに対する思い。美しい空を見上げて、逃げることも、育てることもできない代わりに、おなかの中の子と、すごくきれいな空を見たことを覚えていよう、と涙したひかりに、心がつまされる。その後のひかりの、つらいつらい人生。
    ラストに、そのひかりが、生きていても仕方ない、雷に、打たれてしまいたい。と思った時、ひかりの事情を理解した佐都子がひかりを抱きしめるシーンに、感動した。佐都子が、「一緒に行こう」と声をかける。  どうか、この先、ひかりが幸せになれますように。皆が希望を持って生きていけますように、と思った。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      大丈夫!明日は状況変わって良くなりますヨ!!
      りまのさん
      大丈夫!明日は状況変わって良くなりますヨ!!
      2020/11/01
    • kuma0504さん
      映画観ました。
      役者とリアル人とのコラボが自然で、
      凄い作品だと思いました。
      そうか、最後はひかりはそこまで思っていたんだ。
      映画観ました。
      役者とリアル人とのコラボが自然で、
      凄い作品だと思いました。
      そうか、最後はひかりはそこまで思っていたんだ。
      2020/11/27
    • りまのさん
      kuma0504さん
      私はまだ映画観ていないのですが、 凄い作品だったのですね。 コメントありがとうございます!
      kuma0504さん
      私はまだ映画観ていないのですが、 凄い作品だったのですね。 コメントありがとうございます!
      2020/11/27
  • 辻村深月っていろんな作品をかけるんだなと、まず彼女の才能に脱帽。前回読んだのがアニメがテーマだっただけに振り幅がすごい。

    特別養子縁組に焦点を当てて、母性とは何なのか、血縁とは親子とは何なのかを考えさせられる作品だった。
    養子制度が盛んなアメリカなどとは違って、日本では非常に事例が少ないのだろうと思う。

    でもこの本を読むと育てられない親が育てられる親に子を託すことをもっと柔軟に温かい目でみてあげてもいいんじゃないのだろうかと思わせられる。

    小説の結末はドラマティックすぎて、いやもちろんホロリとしちゃうんだけど、どこかで冷めちゃったかな。とはいえ、やっぱり明るく終わって良かったのかな、タイトル通り。
    一人でも多くの子供が救われますように。
    「朝が来る」、良いタイトル!

    • だいさん
      日本の養子縁組では法律のハードルがめちゃくちゃ高いのではないですか?
      日本の養子縁組では法律のハードルがめちゃくちゃ高いのではないですか?
      2015/09/25
    • vilureefさん
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます(*^_^*)

      そうかもしれませんね、法律のしばりもあるのかもしれません。
      で...
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます(*^_^*)

      そうかもしれませんね、法律のしばりもあるのかもしれません。
      でもこの制度をもっと認知させられれば条件をクリアする人が増えるだろうにとも思います。
      あまり知られていないというのが正直な感想です。
      2015/09/29
  • 幼いながら子を産み、迷い、葛藤しながら生き抜いているひかり。特別養子縁組というかたちで子を託した。その家庭では大事に大事に「広島のお母ちゃん」が存在していた。ずっと親に反発葛藤し生きずらかったけど、「広島のおかあちゃん」は紛れもなく自分だと自信を持ち、自分の足で歩きだした。そこに心打たれました。
    最後、佐都子がひかりを見つけて、なんか唐突だなあと思ったけど、朝斗くんは心ある両親と出会え明るい未来でよかった。ひかりにも明るい未来は来る。

    終始、辛かった。最初の不妊治療のところも。ある場面で、男性側の精子を採取するために、個室が用意されているというところ(よくドラマで見る)。ショックを受ける夫に佐都子は、そのような環境は当然で、具体的な想像力の欠如が、不妊治療における男女の意識の差、といっているが。
    男性にとって婦人科(産婦人科)自体、踏み込みにくい領域だろうから無理もないのに。ともおもった。私が古いのか。
    そして、男性側に原因があったとわかり、その母親が土下座するところ。なにもそこまで…。と思うが(もし女性側に原因あったら責められるのかという感じ)。そこが、結婚イコール子供という意識が強い、少し前の時代背景を映しているように感じた。

    ひかりと巧の場面は、ある部分生々しくて、みてられない感があった。知識ないままに子をはらみ、その先ひかりは苦難の道。広島まで行って。
    見知らぬ土地で短期間過ごすというのは、風景、考え方が変わって、そしてもの寂しくてなんとも言えない哀愁をともなう。世間を知らないひかりが次々と人に痛い目にあって落ちてゆく。今の世でこういうことがあるのかと思った(そう言ってる私は世間知らずなのか)。

    小6の時だったと思う。学校で女子だけ違う教室に呼ばれ、養護の先生から、男女の体の仕組みの違いの話を聞いた。そろそろ生理がという年頃だから。
    ほんの一時間。学校で性の関わる教育を受けたのはそれきりだったように思う。その時間、言葉にはしないが、女子はざわついた。子によって差もあった。きてる子、知っている子(家庭環境の差)の差があったからだ。
    そういう知識は、少女向けの雑誌や友達との会話で情報を得ていた気がする。少しだけだが。
    親とは一切合切そういう話はしたことがない。そういうことは避けて、触れるべきでないという親だったから。時代が時代だったし(そう昔でもないが)。もっと話しやすい環境だったら、もっと気楽だったのになあ。
    この小説をリアル中学生が読んで何を感じるか。
    こちらに登録し、ずっとこの表紙が気になっていた。図書館で目が合い、その翌日、映画化を知り、永作博美さんが番組に出ていた。よい時期に読んで良かった。

  • 最初は、幼稚園のママ友話かと…。
    でも、全然違ってました。

    望んでも子供を授かれない佐都子夫婦が、不妊治療の末、
    最後にすがりついた「特別養子縁組」の道。
    どれほどの決意と覚悟が必要だったか…。

    そして、周囲に養子であることを隠すことなく育てている。
    その選択に衝撃を受けるとともに、もしも自分だったら…と考えました。
    「この子が周りにどう思われるかということも含めて彼の人生」という別の夫婦と同じ選択をすると思う。
    いや、もしかしたら、本人にも話せないかもしれないなぁと…。

    引き渡す場面と、手離す子に宛てた手紙は、目頭があつくなりました。
    だから、突然現れた女性がその時の母親だとは最後まで信じられなかったし、信じたくなかった。

    親への反抗心ばかりで、深い考えもなく妊娠してしまった幼いひかり。
    愚かで未熟なまま、とうとう罪を犯してしまう。
    そこまで落ちてしまったひかりの人生はこの後どうなるのか。
    「私が広島のお母ちゃんだよ」と胸を張って朝斗に言えるように、
    今度こそ自分のしたことへの責任をとって、生き直して欲しい。

    血のつながりとか、家族のあり方とか、そしてなにより「普通」って何だろう…って考えながら読みました。

    • koshoujiさん
      杜のうさこ様。

      日本代表が南アフリカに勝ちました───。

      大学に入学し、国立で初めて見てから、ラグビーを好きになり、
      母校の応...
      杜のうさこ様。

      日本代表が南アフリカに勝ちました───。

      大学に入学し、国立で初めて見てから、ラグビーを好きになり、
      母校の応援もしましたが、それ以上にラグビーという
      スポーツの虜になりました。
      1月2日は、20歳の時から、毎年国立競技場にいました。
      暮れに帰省して、元日の夜に東京に戻りました。
      大学選手権の準決勝を見るために。
      ラグビーのHPを18年前に作り始めました。
      日本中の人たちにラグビーの素晴らしさを伝えたいと。
      仕事でもないのに、一生懸命頑張りました。
      多くの人たちが見に来てくれました。
      多くの人たちから励ましのメールを貰いました。
      ラグビー協会の広報委員長とも友達になりました。
      ラグビー日本代表の人とも友達になりました。
      そして、今日、夢が叶いました。
      素晴らしい試合でした。

      私の感動は、急遽開設した下記のブログに綴られています。
      http://blogs.yahoo.co.jp/rugby_okame_hatimoku
      是非、ご覧いただければありがたいです。<(_ _)>
      もう4時半になりました。もうすぐ朝ですが、今から寝ます。
      それではまた。<(_ _)>
      2015/09/20
    • koshoujiさん
      なんと!!!

      中学校の同期会に参加できることになりました!!!

      中学の同期会掲示板に書き込みがあったのです。
      今週の26日土曜...
      なんと!!!

      中学校の同期会に参加できることになりました!!!

      中学の同期会掲示板に書き込みがあったのです。
      今週の26日土曜日、担任だった畠山先生
      (ひょっとして、うさこさんもご存知では?)
      を囲んでのクラス会を開催するとのこと。
      しかも、12~13人集まるらしいです。
      それに、是非参加してください、って。

      夢のようです。信じられません。
      先日の歓喜の南アフリカ戦勝利と言い、
      中学同期生からの連絡と言い、
      うれしいことが立て続けに起こり、
      何と言っていいか、言葉が見つかりません。
      人間、努力と継続がいかに大事か、
      をあらためて実感しているところです。
      諦めなくて、本当に良かった───。

      恐らく河北を読んで、気が付いたのだと思います。
      杜のうさこさんのおかげです。
      感謝、感激、雨、嵐(笑)。
      ありがとうございました。<(_ _)>

      すみません、本当に。
      本とは全然関係ないコメントばかりになっちゃって。お許しを。<(_ _)>

      追伸:でも私にもようやく「朝が来た」のかもしれません。お粗末<(_ _)>
      2015/09/22
    • koshoujiさん
      業務連絡です(笑)。
      と、すぐに書き込みしようと思いましたが、このコメ欄から、全てが始まったのですね。
      読み直し、あらためて感動してしま...
      業務連絡です(笑)。
      と、すぐに書き込みしようと思いましたが、このコメ欄から、全てが始まったのですね。
      読み直し、あらためて感動してしまいました。
      さて、この本に関する業務連絡です。
      もうご存知かもしれませんが。
      ※6月4日スタートの東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『朝が来る』(毎週土曜23:40~24:35、全8回)。
      ということで、この作品、フジテレビ系列でドラマ化されるようです。
      主演は安田成美さんで、10数年ぶりの主演とのこと。楽しみに待ちたいと思います。
      追伸:ようやく「花は咲く」アニメスターバージョン完全版を録画できました。
      2016/05/09
  • 「本の雑誌」を読んでいたら、「本の雑誌が選ぶ2015年のベスト10」発表という座談会の冒頭で、この「朝が来る」が真っ先に推薦された。
    (最終的には第三位になったけれど)
    そういえば───この本のレビューを書いていないことに気付いた。

    「スロウハイツの神様」や「名前探しの放課後」を読み終えた後、あまりの感動に号泣し、何度も何度も最終章あたりを読み返し、それ以来、ファンになった若き天才作家“辻村深月”。
    しかも、女性の奥底のドロドロとした心情を描く“黒辻村”作品ではなく、いつも最後に涙が頬を伝わり落ちる“白辻村”の作品だったというのに。

    何故に書かなかったかな? 
    この本を読んだ頃は、出張ばかりで、仕事がやたらと忙しく、お決まりの「冒頭部分の引用」さえもできなかったからだ。

    と、ここまで書いて、とりあえず「朝が来る」とタイトルを付けてワードで保存しようとしたら“同じ名前の文章がすでにあります”という“アラート”が出た。

    うん? 書いたのか? ブクログに載せていないだけだったのか? 
    と思いながらファイルを開くと、ほんのさわり部分だけ書いて、途中でレビューは終わっていた。

    ───読了後、涙が止まらなかった。
    いつの間にか、“ひかり”に感情移入していた。
    ラストで救われた。
    先も気になるけれど、それまでの展開から想像しそうになった悲しい終わり方でなくてよかった。

    ひかりは、可哀想な子だと思う。───

    これだけだ。
    でも、今あらためて、このレビューの書き出しを読むと、この短い文だけでも、この作品の素晴らしさを鮮明に思い出すことが出来る。

    ───子供に恵まれず「特別養子縁組」という手段を選んだ母親。
    ───子供を産みながら、手放さなければならなかった中学生の母親。

    その狭間で、純粋無垢に育った可愛らしい男の子。

    手元に実際の本がないので、それぞれの固有名詞は忘れてしまったが、あわやという場面で、“ひかり”が救われたシーンが脳裏に蘇って来た。
    たしか「みーつけた」というような台詞があったように思う。
    このシーンを読んで、涙があふれ止まらなくなったのを覚えている。

    「闇が深ければ深いほど、最後は明るい光が射し込んでくる。これからも気取ることなくハッピーエンドを提示していきたい」
    作者である辻村深月は、2009年7月に発行された文芸誌「野生時代」のインタビューで、そう語っていたはずだ。

    それが何故か直木賞を意識し始めた辺りから、作風が変わった。
    女性の嫌な内面を炙りだすような作品を世に出し始めた。
    彼女にどういう心境の変化があったのか、ぼくには分からない。

    彼女はその路線の作品「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞した。
    文学的観点から見れば、その作品のほうが完成度は高いのかもしれない。
    でも、それまで彼女を支えてきた、或いは彼女のデビュー時からのファンだった読者は裏切られた気持ちになったのではなかろうか。
    ぼくたち、わたしたちが読みたいのはこんな「辻村深月」ではない、と。
    「ベタでも、ハッピーエンドを提示する作品を書いていきたい」
    と言っていた彼女は何処に行ったのだと。

    彼女自身もそれを薄々自覚していたようで、その後「白辻村」「黒辻村」と分類分けされるようになった作品群を発表するとき、「白辻村」路線の作品を書いた時には、“昔からわたしを支えて来てくれたファンの方のために書きました”という発言もあった。

    小説というものの存在意義は何処にあるのだろう。
    あまりに難しすぎて、とてもいい加減なことは書けないけれど、ごくごく個人的な希望だけを言えば、ぼくは面白い小説が読みたい。

    面白いという言い方には語弊があるかもしれないけれど、読み終えて、心が豊かになる。カタルシスを覚える。感動の涙でむせび泣く。
    この本に出逢えて良かった。まだまだ人間も捨てたものじゃない。
    そんな気持ちを抱かせてくれる小説を読みたいと思っている。

    辻村さんの初期の作品群で抱いたぼくの感想はそういうものばかりだった。
    そして、そのような感動を覚える小説家の作品には、なかなか巡り合えない。

    だから辻村さん。
    今後もできるだけ多くの「白辻村」路線の作品を世に送り出して欲しいと願っているのです。
    そんな小説を読み終えたとき、頑張ろう、頑張って生きていこう。
    そう思えるような、優しい光が射し込んで来る気がするのです。
    これからもよろしくお願いします。<(_ _)>

    • 杜のうさこさん
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      あけましておめでとうございます!

      待ってましたよ~!!!
      なんと4か月ぶりとは!

      ...
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      あけましておめでとうございます!

      待ってましたよ~!!!
      なんと4か月ぶりとは!

      私も辻村深月さん、好きな作家さんなんですが、
      このレビューを拝見して、好きなんて言えるほど読み込んでないなぁって思いました。

      どちらかといえば遅読なので、
      読みたい本がありすぎて追われてしまうのも原因の一つなんですが。

      今年はもっと一冊々をじっくり読みたいです。

      素敵なレビュー、バンバン書いてくださいね♪
      期待度Maxです!

      今年もどうぞよろしくお願いします(*^-^*)
      2016/01/06
    • 杜のうさこさん
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      業務連絡(笑)、了解しました~!
      いつもうれしい情報ありがとうございます!
      全然知りませんで...
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      業務連絡(笑)、了解しました~!
      いつもうれしい情報ありがとうございます!
      全然知りませんでした。
      どうもその手の情報に疎くて。
      安田成美さん、美しい演技派の方で良かったです♪
      楽しみですね!
      好きな作品が映像化されるのは、大歓迎なんですが、
      キャストが残念だと、がっくりしますからね。

      そして、
      >「このカードは認識できません」と機械は宣うのである。もう一度入れ直したが、同じことを言いやがる(交換機が)。

      この瞬間、またしても??と、わくわく(笑)

      >「ふざけるな!! グルルルル!!」と狼のように吠えたかったが、

      「吠えて下さい~~!」(笑)

      最近どうも、センパイのアクシデントに期待してしまう悪い癖がつきました(笑)
      完璧な人の”やらかし”が楽しみな、ギャップ萌えの悪魔です!(笑)
      2016/05/09
    • 杜のうさこさん
      キャー、センパイ!
      いいね!ありがとうございます!

      「あんこ好き仲間増殖計画」にご協力くださったんですね(笑)
      ためしに、センパイ...
      キャー、センパイ!
      いいね!ありがとうございます!

      「あんこ好き仲間増殖計画」にご協力くださったんですね(笑)
      ためしに、センパイもビールのおともに、
      あま~いあんこいかがですか?^^
      2016/05/09
  • 冒頭を読んでママ友とかタワーマンション内格差とかそういうドロドロはちょっとなぁ...と思ったのですが、お話は全く別の方向へ。
    そういうお話だったんですね。

    不妊治療の末、養子を決意する夫婦と中学生で妊娠し我が子を手放さざるを得ない少女。
    双方の葛藤や決意が切なかったりやさしかったり。

    特別養子縁組については、まあ偏見とかいろいろきれいごとで済まされない問題もきっとあるだろうし、「普通」の子を「普通」の家庭で育てている私が是非を判断できる問題ではないけど、不妊治療に苦しむ夫婦が少しでも減って、望まない妊娠をする女性が少しでも減って、子どもを欲しい夫婦が子どもを持てる環境が少しでも整って、生まれてくるどんな命も救われる社会になって欲しいと思います。

    養子をもらった夫婦がとても毅然としていてもはや理想的な家庭を築いているのに対して、実母の少女は家にも居場所がなくなりもがいてもうまくいかない。
    中高生での妊娠なんて人生狂わすだけでロクなことがないってのが真理に近いと思うの。
    こういうことを美化だけは絶対にするべきではないから。

    国が「女性は22歳でいちばん妊娠やすくてそこから徐々に低下して30超えると可能性はぐんと下がる」的なことを少子化対策の一環として高校生に知識として与えるというようなニュースがありましたが、ほんとオジサンの考えることは...
    事実だけどさ、だから?ってなるよね。
    実際22歳で子供産んで生活していくのすごく大変なのに分かってるのだろうか。

    ちょっと話がそれたな。
    うん、結末もこれでいい気がした。
    これは物語だから皆ハッピーエンドなのがいちばんだから。
    私は基本的にハッピーエンド至上主義なので都合良過ぎでも現実ではこうはいかなくてもハッピーな方がいい。

    辻村さんがこういうお話を書くことがすごく自然になった。
    次も楽しみ。

  • 帯に書かれている『子どもを、返してほしいんです」
    この言葉がかなり強烈で、頭の中で勝手に想像してしまっていた。
    「子どもを返してほしい」生みの親と「自分たちの子どもだ」と言い張る育ての親。
    いつの間にやらそんな想定が勝手に出来上がっていたのだが…
    当たり前だけど、そんな単純なストーリーではなかったのです。

    子どもを望んでも望んでも恵まれない夫婦。
    望まぬ妊娠をしてしまう女性。
    手放さなければ生きていけぬ事情を持つ女性。
    様々な立場の中で、もがき苦しむことは想像できる。
    欧米とは違って、「血」や「家」を重視する風潮がまだまだ強い日本。
    養子を迎えるという選択はものすごくハードルが高い。
    特別養子縁組。
    言葉は聞いたことはあるし、TV番組を見た記憶もある。
    しかし、ここまで深く考えたことはなかった。
    養子縁組は誰のためのものか?
    子どもが欲しくて欲しくてたまらないのに子どもに恵まれない夫婦のためのもの?
    育てられない女性のためのもの?
    否!
    そうではない!
    当たり前のことなのに…
    子どものための制度なのに…
    その考えが希薄になっている自分に愕然としたり…


    辛い不妊治療に耐えても子どもに恵まれなかった栗原夫妻。
    子どもを手放してしまった片倉ひかり。
    6年の歳月を経て、息子を巡って再びかかわりを持つことになった、夫婦とひかり。

    夫婦とひかりが出会うまでの道のり。
    生みの親、育ての親として再会するまでの夫婦とひかりの歩んだ人生。
    栗原夫妻の決意、覚悟。
    とても胸に響いた。

  • 三人の穏やかな日常の幸せを噛みしめる様に暮らす栗原家。
    無言電話が掛かり始めたのは、ここ一ケ月の事だ。
    悩むと言う程の頻度ではないが、気持ちが良いものではない。
    ある朝、電話が鳴った。佐都子はまた…と、思ってた。
    しかし、幽霊の様に生気のない声がした。
    その女は「子供を返してほしいんです」と告げたーー。


    不妊治療との長く辛い闘いの末に、栗原夫婦が悩み苦しんだ末に
    選んだ道は、特別養子縁組だった。
    不妊治療の苦しみや葛藤、朝斗を迎える迄の複雑な心理描写が、
    丁寧に描かれていて、引き込まれました。
    また、物語の序盤佐都子が朝斗を信じる場面がとても印象的でした。
    そして、実母を名乗る若い女と対面での夫婦の姿に、
    人となりがとても良く表れていました。
    朝斗を産んでくれた小さなお母さんは、自分達と朝斗両方にとって
    大事な〝お母さん〟その大事なお母さんを軽んじたり
    貶めることは誰にも許されない…。
    そう思ってる二人が、素晴らしいって感動しました。

    中学生で妊娠し、産まざるをえなくなったひかり。
    すっごく特別な子かと思ったが、違ってた。
    家族への反発心や嫌悪感をもっている。
    でも、思春期には大きさは違っても心の内に抱く子沢山いると思う。
    やはり、辻村さんは思春期の女の子の内面の描き方がとっても上手。
    普通の子が少しずつ、そこからはみ出してしまう様子が
    息苦しい位、とっても丁寧に描かれていました。
    子供を手放した後、元の生活に戻るんだけど、
    彼女はある意味凄く正直で、真っ直ぐなんだって思った。
    だから、元の生活に戻れなかった…。
    彼女の母親や叔父の言動の無神経さ・浅はかさに本当に腹が立った。
    ありのままの姿のひかりと、しっかり向き合って欲しかった。
    幼くて、考えが浅くて危うくて…。
    彼女が転落の人生を歩んでゆく姿が何とも切なかった。悲しかった。

    終わりに光が見えてホッとしました。
    朝が来て良かったです。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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