キングレオの冒険

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902838

作品紹介・あらすじ

京都の街で次々起こる“シャーロック・ホームズ譚”見立て殺人事件。犯人の挑発に、「日本探偵公社」所属の名探偵キングレオが乗り出した!顔なき犯人との知恵比べ、見え隠れする黒幕の存在……勝負は、引退を賭けた探偵バトルへともつれこむ。若き超人探偵×伝説の老探偵、勝つのはどっちだ――!?

感想・レビュー・書評

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  • “赤影連盟”だとか“なんたらの紐”だとか、ホームズ譚見立てとは言っても砕け過ぎなタイトルでしたが、なかなかしっかりした推理物でした。途中からルヴォワールシリーズの論語君が登場して、彼の祖父の事件に絡んできますが、「あれ?こんな真相だったっけ?」と思ったらパラレルっぽいのですね。論語君もルヴォワールよりもっと得体の知れない魔王めいた雰囲気だし。これ単品でも楽しめるとは思いますが、私としてはルヴォワールを先に、が、オススメ。

  • 同性バディものとして狙ってる層がわざとらしいなぁと思いつつ、事件の厚みが増していく後半おもしろかった。逆転裁判っぽい。
    本作のライバル役が主人公を務める別作品があるようなので読みたい。

  • JDCと戯言を足して二で割って、今風にした感じ。
    面白くは読めたけれど、それ以上特には。

  • 名探偵のキングレオこと天親獅子丸と、従兄弟であり優秀な助手の大河が出てくる短編ミステリ集。

    各話のタイトルや事件の感じがホームズのパロディになってるのでホームズを知ってるとちょっとニヤっとできるかも。

    二人のコンビ愛はなかなかのもので、タイミングの悪さもあって周りから付き合ってるのかと勘違いされたりもするのでそういうコンビものが好きな人にもいいと思います。

  • 日本探偵公社の傲岸不遜な名探偵・天親獅子丸。従弟の大河は、彼の助手として、多くの事件に携わっていく。
    各話タイトルからわかる通り、ホームズのパスティーシュ。本家を下敷きにしつつ、筆者らしい世界で楽しい。並外れた名探偵ぶりが痛快だし、BLと勘違いされる関係性にもにやにや。
    登場人物の名前に覚えがあるのに、設定が一致しないと思ったら、『ルヴォワール』シリーズとは別の話(=パラレルワールド)だそう。

  • 円居さんの世界でのミステリですね。
    そしてホームズモチーフにして、そこからスリリングな本格ミステリを展開しながら名探偵と助手をパロディしながら次に繋がる仕掛けを入れ込みながら展開している。
    なかなか面白かったですし、最後のロジックの応酬は円居さんの作品を何作しか読んでなくても円居さんの本質を理解できます。
    一連のシリーズとの展開も含めてなかなか楽しめました。

  • 雨新塾でクスッと。
    「なんたらの紐」でガクッと。
    これはひどい(褒め言葉)

    ルヴォワールとは違う城坂論語のパラレル世界での姿が見られるが、なんとなく彼はこっちの方がしっくりくるというかあってる気がします。是非続編を見たい。(そしてキングレオと大河の禁断の関係(笑)がもっと周知されると面白いのに)

  • 【収録作品】赤影連盟/踊る人魚/なんたらの紐/白面の貴公子/悩虚堂の偏屈家
    *賢いワトソンもの。「ルヴォワール」シリーズとかぶってくるとは知らずに読んだので、途中から??? 読後調べる羽目になりました。

  • 途中までは、ちょっと苦手だったけど、終わりは綺麗にまとまっていた。頭のいいワトソン役も良かったし。でも、後輩の可愛い女の子に迫られて、ホームズに助けを求めるのはいただけない。

  • 日本探偵公社のスター・天親獅子丸,通称キングレオと助手の大河が鮮やかな推理で次々と事件を解決する話.獅子丸の行動はやや異常で,従兄弟の大河も持て余してしまう.シャーロックホームズの作品をなぞったような事件が相次いで,獅子丸と大河の推理も冴えわたる.モスキート音が関係する「踊る人魚」,炭酸ガスによる窒息を図るからくりを解明して城坂論語の無実を晴らす「悩虚堂の偏屈家」が面白かった.ただ,妙な名前の人物が次々に登場して,確認するのが大変だ.

  • 京都を舞台にした独特の謎解き。
    キングレオと大河の信頼関係はホームズとワトソン以上?入り込む余地ない。
    論語との対決の続きもありそう。

  • 連作ミステリ。どこかしら見覚えのあるタイトルが並んでいるなあ、と思ったら。やはりシャーロック・ホームズのパスティーシュなのですね。原典はあまり読んでいないのですが、それでも楽しめました。
    キングレオのとんでもないキャラが楽しいのだけれど。ミステリとしてもしっかりと楽しめます。お気に入りは「なんたらの紐」。言わずと知れたあの作品(そしてほぼ唯一読んでいるのでネタが分かった)が元になっています。なるほど、アレンジの仕方が見事でした。
    「悩虚堂の偏執家」も読みごたえあり。丁々発止の推理合戦がたまらないなあ。

  • キングレオって言われると、もうドラクエ4しか出てきませんよねえ、奥様。

    犯罪捜査に警察と鑑定が協力し合っている架空世界の京都にて、唯我独尊、文武どころか、何もかもを持ち合わせた名探偵天親獅子丸の活躍を描く、ミステリっぽく書かれたキャラ小説。

    獅子丸って言ったら、もうハットリくんしか(略)
    あ、ハットリくんてA先生の方なんだ、知らなかった。

    えーと。
    うん。
    なんかこちらがパラレルものでなんか本編みたいのがあるそうですね。
    あ、そうですか。
    まあどうでもいいか。

  • ホームズっぽい設定が面白い。シリーズ続くのかな?

  • う~ん、やっぱり期待が大きすぎてちょっと物足りないなぁ。
    確かに論語はあぁもなりそうなキャラではあったが。

  • ホームズ譚の事件発生状況やアイディアを踏襲しつつ、現代の科学知識を織り交ぜて「昇華」させてる点が面白い。特に気に入ってるのは「なんたらの紐」と「悩虚堂の偏屈家」。前者はトリックが端的に好みで後者はルヴォワールを髣髴させられる推理合戦と論語の悪質さが良い。

  • 期待以上に面白かった。
    ルヴォワールシリーズを再読したくなる。

  • シャーロックホームズから推理小説に入った人間としては悪くない。大河を中心に進むのが良い。

  • シャーロックホームズ読んだこと無いので各短編の元ネタはわかりませんが、十分楽しめました。
    テンポが良くて読みやすいのは相変わらずです。

    もう一度ルヴォワールシリーズを読み直したくなりました。
    シャーロックノートの方は未読なので、そちらも読んでみます。(物語的にはそちらが同じ世界らしいです。)

  • ホームズの話を知ってればより楽しめる。
    勿論知らなくても。

    円居先生の本は「(名前とか引用セリフとか)この元ネタ何だろう」って気になってそっちも読ましちゃうから、キングレオの後でホームズに入る人も多いんじゃないかな。本屋さんは聖典とセットで売れるね!



    以下、ネタバレ!!!

    ルヴォワールシリーズやシャーロックノートももう一度二度読みたくなるねぇ。スターシステムと言うよりはパラレルワールドだけど。
    だから余計気になる。
    論語が捜してるのはルージュなのか?
    だとしたら何しにルージュは来たのか?(慈恩を殺してない)。
    これからシャーロックノートとのリンクは?
    P82の最後の一行、「獅子丸は〜」は「大河は〜」の誤植ではないか?


    そしてそして最後に、大事なネタバレを。

    ハードなBLを期待するなよ‼︎‼︎

  • 2015/06/27読了

  • ルヴォワールのパラレルで、シャーロックノートとは同一世界だそう。

    ホームズ、そしてJDCへのオマージュ楽しませていただきました。

    「悩虚堂の偏屈家」はルヴォワールファンにはたまらない内容。これ、もう双龍会じゃん!
    暗躍しまくる論語にニヤニヤ。

    そして合法BLと巷で騒がれておりますが、ホームズってそもそも…おっと。

    シャーロック・ノートともども続編期待したい。

  • はじめの四篇はライトで探偵と助手の関係がメインながら本格の捻りが効いた良作。最後の一篇は一転して二転三転する構図で美味しかった。

  • 天親家がメインのシリーズ。
    ルヴォワールとはパラレル、シャーロックノートとは同一世界。
    シャーロック・ホームズ本歌取り。
    探偵と助手の関係に萌えさせてくるキャラものミステリ。
    と思いきや。

    ルヴォワールとは違い龍師がいない世界のため当然、双龍会はなく、よって論語は彼女と出会えていない世界線。
    寂しがり屋の論語が寂しいまま君臨してしまう方のルートなのかな。
    書き下ろしのルヴォワールの流れも想起させつつ作品内できれいな推理合戦を魅せてくるのは流石といった感じ。
    ルヴォワールからは解人待の手塚姉妹も出演。

    相変わらず小ネタ拾いきれない。
    雨新塾→新宿鮫
    我鷹→GATACA
    とかかなぁ。

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著者プロフィール

ミステリ作家。1983年、奈良県生まれ。2009年に『丸太町ルヴォワール』で講談社BOXからデビュー。同作から始まる〈ルヴォワール〉シリーズ(講談社)のほか、著作に『キングレオの冒険』(文藝春秋)、『シャーロック・ノート』(新潮文庫nex)など。

「2022年 『円居挽のミステリ塾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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