トリダシ

著者 :
  • 文藝春秋
3.95
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本棚登録 : 67
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902937

作品紹介・あらすじ

「この作者は巧みな投手だ。球筋の読めない心理戦に翻弄された」と作家・横山秀夫が賞賛した、臨場感あふれるスポーツ新聞の現場を描く連作短編。部下に、「とりあえず、ニュースをだせ」と他社の知らないニュースを獲ってくることをひたすら求め続ける東西スポーツ野球部のデスク・鳥飼は、「スポーツ新聞の三大要素は、『金』『出世』『女』だ!」とうそぶき、その露骨で下品な言動と、なりふり構わぬ取材ゆえ、社内外でも敵の多い人物。部下や同僚からは、「トリダシ」と影で忌み嫌われている。しかし強烈な個性で周囲を巻き込んで、数々のスクープをものにし「影のGM」と噂されるほど優秀な記者でなのだ。異能の記者”トリダシ”とは、はたして何者なのか。彼の周囲の人々の目から、徐々に真実の姿が明らかになる。 『球界消滅』で、その先見性とストーリーを、各方面の書評で絶賛された著者が、満を持して自らの記者体験をもとに描く選手も記者も騙し合いの熾烈なスクープ合戦の舞台裏。

感想・レビュー・書評

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  • 東西スポーツの名物デスク鳥飼を中心にスポーツ紙の記者たちのスクープを巡る攻防がリアルに描かれていて読みごたえ充分。
    元新聞記者の著者の経験も反映されているのだと思われ、実際の取材現場の臨場感、緊張感が伝わってくるようだった。

  • スポーツ記者の世界。タイトルの由来になっている鳥飼を、周辺の記者をメインに仕立てながら炙り出すような短編集。読みやすく、楽し。

  • やっぱり本城さんといえば野球関係ですね。
    それと、デビュー作からよんでいますが、作家としての力量が増していっていると感じさせてくれる出来になっていると思いますね。

  • 面白かった。スポーツ紙ってこんな感じなんかなぁと思いながら読んだ。スクープが大事というのはよく分かるけど,私は大リーグ行きの話みたいなのが好きかな。

  • スポーツ新聞の特ダネにプライドを持つ主人公のキャラクター設定が魅力的。タバコの臭いが漂って来るような昭和が終わっていないスポーツ新聞社という舞台が魅力的。ひとりひとりの記者と主人公の取材を巡るストーリーのどんでん返しの繰り返しが魅力的。短編の連発がどんどん積み重なって最終章に至るまでの構成が魅力的。なによりプロ野球というビジネス、それを取材することでビジネスとするスポーツ新聞社という組織を巡る男の嫉妬の滑稽なくらいの根深さをこの小説の燃料とする着眼が魅力的。ということで、五つの魅力で星五つ!いや、数年前にあった球界を巡る事件を彷彿させ、なるほど!そういう裏があったのか?と思わせてくれて星六つ?ブラックコーヒーの苦さとタバコのヤニを感じさせる読書でした。

  • 2018.6.12

  • スポーツ新聞の編集局を舞台した連作短編集。
    東西スポーツ野球部のデスク・鳥飼は、「とりあえず、ニュースをだせ」というところから「トリダシ」と言われている。
    自らの記者体験をもとに描くスクープ合戦の舞台裏。

    偏屈でやり手という、著者の共通の主人公像。
    今回も面白かった。

  • 野球に全く関心がなかったらここまで面白く読めなかったかも。
    プロ野球のカラクリであったり、スポーツ新聞、本誌の兼ね合いがとても興味深かった。
    鳥飼さんを取り巻く人達の立場が違えばこうも景色がかわってくる。
    短編集ではあったが微妙に関わり合っている内容もとても良かった。

  • #読了。初読み作家。連作短編集。
    東西スポーツ野球部のデスク鳥飼は、強烈な個性ゆえ敵も多いが、スクープも多い優秀な記者。口癖は「とりあえず、ニュースをだせ」で、”トリダシ”と呼ばれている。同僚、他社のスポーツ記者、球団などとの騙しあいの中、スクープ合戦の行方は。。。
    元スポーツ新聞記者ということで、取材先や締め切り、スクープなどがリアルに描かれていて、臨場感が強く伝わってくる。すぐに思い当たる球団やスポーツ紙もあり、面白く読めた。トリダシの「トリ」を、スクープを「トリ」に行くかと思ってしまった。

  • 記者魂とプロらしさを感じた。

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著者プロフィール

本城雅人(ほんじょう・まさと)
1965年神奈川県藤沢市生まれ。明治学院大学経済学部卒業。産経新聞社勤務を経て、2009年『ノーバディノウズ』が第16回松本清張賞最終候補作となり小説家デビュー。2010年同作で第1回サムライジャパン野球文学賞大賞を受賞。2015年『トリダシ』で第18回大藪春彦賞候補、第37回吉川英治文学新人賞候補。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で第38回吉川英治文学新人賞受賞。2018年春に同作がドラマ化される。同年、『傍流の記者』で初の直木賞ノミネート。

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