羊と鋼の森

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 7606
レビュー : 1258
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902944

感想・レビュー・書評

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  • 本書の帯に「村上春樹のドライさと湿り気」というコメントがあった。村上春樹のファンとしては見逃せないコメントだったが実際に読んでみて文書が丁寧でとても読みやすかった。
    入念な情報収集と知性に溢れた単なる流行りものではない面白さを感じた。その点は村上春樹に共通する部分かもしれない。普段手にすることがない作家にも焦点を合わせてくれる本好きによる本屋大賞のよさを改めて感じた。久しぶりにいい作品に巡り合えた。
    一人称の文体で主人公(語り手)は特に波乱万丈の人生を歩むわけではないが日常の一コマが丁寧に描写されていて読んでいてとても心地よかった。
    著者を知ったのはこの本が初めてだったので、他の作品も読んでみたい。

  • 静かだけれど懐の深い森が目に浮かぶ本だった。とても良かった。

  • 20160503 読み始めたら止まらなくなった。静かに展開されているストーリーなのにダイナミックな動きを感じてしまう。文系の話なのに体育会系のノリを感じる。自分の生き方を考えさせる良い本だと思う。

  • 「森の匂いがした。秋の、夜に近い時間の森。」

    音を言葉で表現するのはすごく難しいと思うけど、まさか森で表現するとは。
    作品中に散りばめられた音の表現が五感を刺激する文章だった。
    タイトルからして秀逸で、読後改めて感心した。

    魅力的な先輩たちが例える様々な音、仕事への向き合い方、調律の世界は興味深かった。
    これからピアノを聞くたびに思い出しそうだ。

  • 面白かった。
    ピアノの調律に魅せられた青年・外村の成長の物語。
    こんな主人公あまりいないような気がする。
    素直というか、無色というか。
    そんな彼が尊敬し憧れる板鳥さんや、同僚の調律師、お客さんたちとの交流を通して自分の中に答えを見つけ出していく本筋が、ファンタジーのような幻想的な表現で描かれるピアノの音色や、どんどん出てくる比喩表現と、飄々としたようで意外にロマンチストな外村の台詞などで彩られなんとも爽やかな読み心地でした。
    個人的には、あの双子姉妹を主人公にしたお話も読んでみたい。

  • 詩的でとても静かな美しい物語

    特殊な才能もない高校生が自分の道を決めてこつこつと迷いながらも歩いていく姿を描いている。

    壁にぶつかって悶々としている時に、掘り起こして静かに読んでみたくなる本

  • 半分まではイマイチかなぁと思ってた。なんとなく無欲で生きてきた若者が周りの支えなどによって成長していく。今時のドライな面白みのない子なのかなと思ったら素直でなんでも吸収していける子だった。自分が20代のときは自分のことしか考えてなかったと思う。30代になり子供ができて無我夢中で頑張っている中で沢山の周りの人に助けられてるんだなと感じることができた。そういうことなんだ。

  • 久々の読書。普段はミステリなどが好きでこの手の小説はあまり読まない。

    でも、良かった。
    心に響く。何故か、涙腺を刺激する。そんな言葉。
    なんというか、この本を読んで心が揺さぶられる自分がいることに少し安心する、そういう気持ちにさせられる小説でした。

    自分の人生、家族のこれからの人生、豊かに生きていきたいと思いました。

  • 美しい文章。もともとそこにある美しいものを掬い上げて音にするって感覚、世界と調和する感覚、あるようでなかったような、あったような……こうして言葉になると、はっとさせられる。歌も自分を調律するんだよ、と言った先生の言葉を思い出した。

  • ★★★2016年本屋大賞受賞作。静かながらふつふつと情熱か溢れてくる、圧倒的に美しい物語でした。ピアノの調律に出会ってすぐに、これだと直感。自身も調律師を目指す外村。学校を出て、調律に出会ったきっかけを作った憧れの板鳥さんのいる楽器店へ就職。先輩方や、お客さん、ピアノに見守られて、才能がないと自信の持てない外村が苦悩しながら、満足できる音を追求することを諦めず、一歩一歩成長していく物語。一流を目指す人だけが見える景色を私にも少し見せてもらい、満足です。

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著者プロフィール

宮下 奈都(みやした なつ)
1967年福井県生まれ。上智大学卒業。2004年、「静かな雨」で文學界新人賞に入選し、デビュー。日常に起こる感情の揺れを繊細で瑞々しい筆致で描きだす作品で知られる。『スコーレNO.4』が書店員から熱烈な支持を集め、注目を浴びる。代表作に、2016年本屋大賞、ブランチブックアワード2015大賞、「キノベス!2016」などを受賞した『羊と鋼の森』があり、2018年6月映画化。『静かな雨』が2020年新春映画化が決まり、2019年6月6日文庫化される。ほか、福井からトムラウシに移り住んでいた頃の日々を描いた『神さまたちの遊ぶ庭』や、福井での身辺雑記や本屋大賞受賞前後のエピソードなどを描いた『緑の庭で寝ころんで』がある。

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