羊と鋼の森

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 1265
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902944

感想・レビュー・書評

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  • ピアノ調律のお話。
    無知でも読めるいっさく

  • 調律師をモチーフにした仕事小説。ピアノの調律の奥深さを感じさせてくれる。一切の情熱を仕事に注ぎ、つまづきながらも成長していく主人公の姿は美しく感動的。

  • 何だろう、調律師の話だとも知らず手に取った本だったけど、すごく惹き込まれて読んだ。

    ピアノの調律師との偶然で運命的な出会い、きっとそういう出会いは世の中にある。素直にそれに向かって成長する姿に、心を打たれた。色々悩んだり悔しい思いもするけど、周りの先輩にも恵まれて、いいお客様にも出会えて、良かった。これからどんどん素敵な調律師になっていくんだろう。

    納得の本屋大賞でした。

  • 本を読みながら、そして本を読んだあと
    じんわりと温かな気持ちがこんなに心を包むなんて!

    ピアノ調律師となる青年の成長を描いた小説

    すごい大事件が起こるとか
    どんでん返しがラストに待っているとか
    ショッキングな過去があるとか
    ではなく、

    人が何を思い、何に”生きる”かということをじんわりと感じることができて
    仕事を始めた時に感じたもやもやとしたことやら
    夢をかなえながらも自分に自信がなくて落ち込んだこと
    そんなことを読みながらふわふわと思い出してしまった。

    行間から音が流れる小説というのだろうか
    ピアノの音が恋しくて仕方がなくなってしまった
    そして森
    ページをめくるたびに森の香りを感じるような…

    もしも自分の行く道に迷っている人がいたら
    この本をぜひともおすすめしたい。

  • 2016年の本屋大賞受賞作。
    2018年には映画化もされてるけど、完全に初見・前情報無しで読みました。

    非常に、良き!! 1つのことに誠心誠意向き合うことの素晴らしさを感じられた。
    この感覚は『舟を編む』以来だと思う。

    タイトルが良いです。
    読んでみて意味がわかる。

    ここ数年の流行りの「もしも野球部のマネージャーが〜」みたいなのは嫌いなので、本のタイトルのお手本って感じ。

  •  そうか。これが本屋大賞か。この汚辱にまみれた世にこんな類いまれな清冽な物語が正当に評価されるなんて、この世も捨てたもんじゃないな。ここには金勘定も愛憎も人間関係すらもない。限られた登場人物はみな独白のような台詞を吐き、その一言一言が読み手に重く響き、人生について考えさせる。ただただまっすぐに生きるとはどういうことかを思い出させてくれる。この作品の主題は羊でも森でも、ピアノでも音でもない。読んだ後にはそれらが渾然一体となった大きな宇宙に放り出されるかのような心もとなくはあるが確かな高揚感が残る。神の啓示のような体育館のピアノで始まり、神の恩寵のような結婚式のピアノで終わる構成もすばらしい。大きな事件もなくただ坦々と日常が綴られていくだけなのにどんどん世界が広がってゆき読み終えるのがもったいない。こんな本にめぐり会えた幸せを噛みしめる。

  • 「美しい」という言葉を頻繁には使わないけれど、これは本当に「美しい物語り」。本来は音を響かせない印刷された無機質な文字が、ページをめくるたびに美しく澄んだ静音をキーンと鳴り響かせる。静かに佇む森林にそそぐ光がつくりだす、耳では聞こえないはずの「光の音」のような美しい物語り。

  • 主人公や双子のように打ち込めるもの(この表現がちょっと違う)にもう出会えないんだろうな、とちょっと寂しい気持ちになりながら読んだ。

  • 調律師という仕事とピアノを通して、美しいものを見つめ、形をとらえ、それに寄り添おうとする調律師のお話。

    私観だけど歳をとるごとに「美しいもの」と感じたものの「美しさ」のありかは複雑になっていっている気がする。
    それは年月を重ねて私が新たに色んな言葉や概念を獲得したからでもあるし、思い出やノスタルジーが重なるからでもある。
    そういう「美しさ」のありかを丁寧に、言葉に置き換えることで損なわないように、慎重にすくい取っている作品だ。

    この作品を読むまでは、調律とは「ピアノのメンテナンスをし、音程を正常に戻す作業」だと思っていたけど、調律とはもっと前向きな「力」だ。

    読み終えて改めて「羊と鋼の森」って素敵なタイトルだよなあと思わずにはいられない。

  • 森の匂いがした。
    この印象的な一文から、静かで優美な世界観が広がる。
    読む前は、このタイトルを不思議に思ったが、答えはピアノの中にあった。

    偶然の出逢いからピアノの調律の仕事に目覚めた青年。
    先輩達の指導を受けながら丁寧に仕事と向き合うが、音の波をうまく捕まえられず悩む。
    耳が良いわけでも器用なわけでもない、何も持っていない彼はピアノに魅せられ、ひたすらコツコツ腕と耳を磨く。

    彼ならきっと根気よく一歩一歩、羊と鋼の森を歩き続けるに違いない。
    何かに魅せられ目標を持つことは、その人の強みとなる。
    本屋大賞受賞に納得の作品。

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著者プロフィール

宮下 奈都(みやした なつ)
1967年福井県生まれ。上智大学卒業。2004年、「静かな雨」で文學界新人賞に入選し、デビュー。日常に起こる感情の揺れを繊細で瑞々しい筆致で描きだす作品で知られる。『スコーレNO.4』が書店員から熱烈な支持を集め、注目を浴びる。代表作に、2016年本屋大賞、ブランチブックアワード2015大賞、「キノベス!2016」などを受賞した『羊と鋼の森』があり、2018年6月映画化。『静かな雨』が2020年新春映画化が決まり、2019年6月6日文庫化される。ほか、福井からトムラウシに移り住んでいた頃の日々を描いた『神さまたちの遊ぶ庭』や、福井での身辺雑記や本屋大賞受賞前後のエピソードなどを描いた『緑の庭で寝ころんで』がある。

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