羊と鋼の森

著者 :
  • 文藝春秋
3.92
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本棚登録 : 7602
レビュー : 1258
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902944

作品紹介・あらすじ

ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 才能とかあきらめとか一万時間の法則とか、仕事や芸術や何か他の成長したいと思うことに向かう時に通る道。

    これでいいって終わりがないから、もがき続けるのはどの場所にいる人でも同じなんだな。

    ピアノの音という目に見えないものを文章化してあるのだけれど、音というものに対する感受性が乏しい私には、その文章がピンとこなかった。

    いつも好きな音楽を聴いているのだけれど、音としてではなく娯楽としてしか聴いていないのだろうな。

    音に対する感受性欲しいなそれ。

  • “羊と鋼の森”
    ピアノのことをそんな風に考えたことはなかった。

    これまで自分は見てきたようで、
    聴いてきたようで、
    何にも気づけていなかったんだな、と気づかされた作品。

    明るく静かに澄んで懐かしい文体
    少しは甘えているようでありながら、
    きびしく深いものを湛えている文体
    夢のように美しいが現実のようにたしかな文体

    どんなことでもそうだなと思う
    原民喜さんの言葉。

    私も引き返せない森に出逢いたい、向き合いたい。

  • 羊と鋼の森
    なんのことやらと思いながらも 本屋大賞受賞作と言う事で読み始めた。
    音痴で 音楽を苦手としている僕には へ〜っていう感じだった。
    読み始めると 調律という仕事を使った TVドラマって雰囲気
    面白く読み終えました。

  • 美しい

  • 4.6
    面白くてあっという間に読み終わりました。
    調律師という仕事に興味が湧きました。

  • 話がゆっくり淡々と進んで、途中は読み進めるのが疲れると感じたのに、読み終わったら充実感を覚えた。ひとつの仕事に向き合って、悩みながら成長していく主人公の心の動きを一緒に感じていたのかもしれない。

  • ピアノの調律師としての成長の物語。静かにゆっくりと、主人公の成長と同じく
    本当にゆっくり話がすすむ。双子との関係性がよい。大きな感動があるわけでもないが
    読み終わった後は、静かにいい余韻がある。うちは電子ピアノしかないから、
    本物のピアノの中身をじっくりと見たくなった。
    ただ、主人公の悩みの反芻は、同じような繰り返しに感じてだれてしまうところがある。
    少しずつの成長をあらわしてるのだろうけど。

  • ここまで時間をかけて一文一文噛み締めながら読んだ本は初めて。それくらい、言葉から連想させられる景色は美しいもので、潤のある森の空気感や澄んだ音色が聞こえてくるようだった。

    焦らずゆっくり進めばいい。遠回りでも闇雲にでも一歩ずつ進んでいった先に、これまで見たこともない美しい景色が広がっている。そんなことを教えてくれた作品だった。

    美しいと善いの語源も知る事が出来て、良かったなぁ。

  • 高校のピアノ調律を見たことが少年の人生を変え、調律師として成長していく姿を描いた作品。

    読み始めてタイトルの意味を知る。
    努力を努力とも思わないほど仕事に魅入られ夢中になれるって苦しくも幸せだろう。
    ピアノはともかく調律ってあまり馴染みのない世界だけど、小説家の手にかかると音の世界がこういう風に表現されるんだな~ 静かに、流れていくような物語。

  • たったいま読了。ラストへ迫るにつれて、泣きっぱなしだった。美しく、朝露のような儚さが、絶対も、正しいも、役に立つも、無駄も外されて変わっていく過程。ピアノの森の中で必死に迷いながら揺れながら、やさしく、強く生きていく理由。
    きっと、これから礼儀や社会のルールを知って、おいしくなっていく。どんなに小さなものだろうと、たった一つのものをきちんと創り上げることに捧げられた人生は、すごいと思う。若き日の好奇心、開かれた心、子供のころの常に知りたがるあの感覚、そこに生まれる関係性、なんとなく小さな目標がぼくを導いていくんだなと思った。
    あなたに出逢わなければ、こんなに響くことはなかった。例え、袖のふれ合う遊びだったとしても、こんなにも好きになったことはいままでなかった。ものすごく好きだってことは、目標に向かう最高のキックスターターになる。いままでも、これからも、変わらないもの。絶対はないと言うだろうけど、この気持ちだけは絶対だと思う。
    一生に一度きりの、作品に出逢えた。映画も観よう。何度でも何度でも、逢いたい。

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著者プロフィール

宮下 奈都(みやした なつ)
1967年福井県生まれ。上智大学卒業。2004年、「静かな雨」で文學界新人賞に入選し、デビュー。日常に起こる感情の揺れを繊細で瑞々しい筆致で描きだす作品で知られる。『スコーレNO.4』が書店員から熱烈な支持を集め、注目を浴びる。代表作に、2016年本屋大賞、ブランチブックアワード2015大賞、「キノベス!2016」などを受賞した『羊と鋼の森』があり、2018年6月映画化。『静かな雨』が2020年新春映画化が決まり、2019年6月6日文庫化される。ほか、福井からトムラウシに移り住んでいた頃の日々を描いた『神さまたちの遊ぶ庭』や、福井での身辺雑記や本屋大賞受賞前後のエピソードなどを描いた『緑の庭で寝ころんで』がある。

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