武士道ジェネレーション

  • 文藝春秋 (2015年7月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784163903002

作品紹介・あらすじ

剣道少女たちの「武士道」シリーズ、6年ぶりの最新刊。

高校生活インターハイを描く『武士道エイティーン』のラストから2年。大学生になった二人だが、香織は剣道推薦で大学に進学。数々のタイトルを獲得し、ゆくゆくは警察官になろうと考えていたが、女性で助教になるのは難しい。教員になる道を考えるがいかんせん、頭がよくない。一方の早苗は、すっぱり剣道からは足を洗ったものの、日舞から剣道に転向しただけに、日本文化が大好きで、長谷田大学の文学部史学科で日本史を専攻する。だが、留学生との文化や歴史認識の違いから、早苗の中に、次第に外国人に対する苦手意識が芽生える。

そんななか、桐谷道場の師範・桐谷玄明が倒れ、にわかに後継者問題が。本来次ぐべき、早苗の夫・充也その「資格」があるのは彼ひとりだが、警官を辞めるなと玄明にきつく止められてしまう。道場が誰よりも好きな香織は、後継者としての資格を得るべく、充也から特訓を受けることになる。

そこに、日本文化に興味津々のアメリカ人、ジェフが桐谷道場に入門してくる。母校で職員をしながら、道場で充也の手伝う早苗は、苦手な外国人との生活に戸惑いを隠せない。そして、早苗は道場の中学生、大野悠太のことでも気を揉んでいた。

悠太は帰国子女の同級生・宮永創に地区大会でボロ負け、香織の教えである「武士道」についてもケチをつけられ、すっかり稽古をする気を失くしていた。

話を聞いた香織は、悠太に特訓をつけるが、連日の稽古で疲労困憊の香織に、早苗は、堪らず香織を止めに入る。「……だったら、お前が悠太に稽古をつけてやれ」と言われ、渋々道着に袖を通す早苗。悠太は早苗との稽古、そして同時用を守ろうと必死に戦う香織の背中を見て次第に自信を取り戻していく。はたして、香織は道場を継ぐことができるか。そして、悠太は、宮永に勝つことができるのか。この勝負、如何に――。

みんなの感想まとめ

剣道を通じて成長する若者たちの物語が描かれた作品で、最終章には感動的な瞬間が満載です。シリーズを通して愛着を持ったキャラクターたちが再登場し、特に香織のユニークな言動や成長は読者を楽しませます。剣道の...

感想・レビュー・書評

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  • 『なぜ生きるかではなく、どう生きるか。』剣道に通じる教え。武士道シリーズ 了。桐谷道場を守るために皆が奮闘する。特に、香織は血ヘドを吐く思いでシカケとオサメを習得。無制限3本勝負の相手は元海兵隊のジェフ。結果は香織の圧勝。玄明先生は香織を師範として認めないのは、香織を守るという玄明なりの深い師弟愛なのか。一方、早苗の武士道精神とWWIIの敗戦に結び付けたのは必要だったか?でも4巻通して超絶楽しめました。3巻で完了でも良かったと思うのは私だけ?ジェフとの婚約は予想通りの展開。香織に元気をもらいました。

  • 4.7
    ついに完結。
    好きになったシリーズを読み終えてしまうのは、何とも寂しい気持ちになります。
    面白かったし、読後感も良かった。
    剣道に注目した事は今までの無かったですが、このシリーズ
    を通して剣道の事を色々と知ることが出来ましたし、とても興味を持ち、武士道について共感を覚えました。
    いつかまた、続きが読めるといいな、、

  • 前作までの胸を打つ青春の輝きはやや控えめでスピンオフのような作品でしたが、愛着のある登場人物たちに再び会えたことは嬉しい。

    ただ、剣道を通して成長を描いてきた物語に、戦争や国家思想といった大きなテーマが差し込まれることに少し違和感があり、青春物語として積み重ねてきた空気をそのまま大切にしてほしかった。

  • 武士道シリーズの最終章、完結編です。以前にも増して香織の個性的なキャラクターが面白く、特にしょっぱなの披露宴での言動、全身ユニクロで纏い「ユニクロちゃん」と呼ばれ、そう呼んだヤツをしごくくだりは、大ウケでした。

    一方で、シリーズを通して根幹にあった「武士道」を、安全保障や世界平和も重ねて、さらに深堀りしていく重厚な内容も兼ね備えていて、実在する『葉隠』。読みたくなりました。

    早苗に赤ちゃんができたことを知った香織が泣いて喜ぶシーンは、こちらも嬉しくなりました。

  • それぞれの決意を胸に武士道を進んでいく。
    様々な問題を抱えても、人はなぜ、生きていかなければならないのか。
    なぜ、生きていくのかではない。
    どう、生きていくか。
    中学三年で、出会い、学生から大人を経て、互いに成長しあってきた香織と早苗は、どう生きていくのだろうか。
    皆、生きるために戦っている。
    どう生きるか、どう戦うか。
    それぞれの人生こそが、それぞれの武士道ではないのだろうか。

  • う〜ん、歴史観とオサメを交えた著者の言いたいことは分からなくもないが、このシリーズには不要ではないだろうか?少なくとも前3作を楽しんでいた読者は求めていないだろう。

  • 武士道物語完結かな。まだ続きが読みたいな。

  •  シリーズ4作目。香織、早苗らの高校卒業とともに終わるはずだった青春剣道小説が好評に応えて追加した、ものかな。早苗は結婚して家庭に入り、香織は桐谷道場の手伝いになった。ライバル黒岩も健在だが全日本とかの試合の話はほとんど出てこない。桐谷先生の体調がよくなくて道場の後継をどうするか、ということで早苗の旦那になった沢谷氏か香織かという話になるのだが、当の桐谷先生がうんといわない。そこには奥深い事情があって、シカケとオサメ計100本の奥義の香織への伝達という流れがメイン。そこへ沢谷氏の友人のジェフの入門と香織の指導する中学生たちの奮闘がからみになっている。香織と早苗の心象が交互に綴られていくところは昔通り。試合描写はほとんどないけれど、勝手知ったる登場人物たちはみんな相変わらずでそれなりに楽しめるし、最後のあっと驚く香織の重大発表には笑える。難を言えば、幹になる道場後継とシカケオサメの関係がいまひとつはっきりしないまま終わってしまったところか。ミステリではないから全部説明する必要はないのだが、ちょっと気になる。

  • また香織や早苗に会えると思って、期待して読んだだけに、がっかり!
    作品に作者が主張をこめるのは当然とは思うけれど、作者の主張のために登場人物を都合よく使わないでほしい。それも、シリーズ4作目で突然というのは、納得いかない。
    早苗の「反自虐史観」の思想の是非はとりあえずおいておくとしても、早苗がこんなに弱い子にされてしまったことがショック。一見軟弱に見えて、しなやか故のつよさを持っているのが早苗だと思っていたのに、自分と違う意見を持つ人を否定するだけ、一度留学生に強く反論されたら外国人が苦手になるって、早苗はそんな子じゃなかった。
    これは、別の作品と思うことにします。

    と言いつつ、それ以外はやっぱりおもしろく読んでしまったので、★1から2にしました。

  • ものすごい読みやすさにビックリ。
    こういう書き方は嫌いだという方もいるかもしれないが、私は漫才のようにテンポ良くスイスイ読めるから好きだ。

    どこかのレビューで、「これまでの武士道シリーズが好きな人は読まない方がいい」というものを見ていたのだが、まったく気にならなかった。
    前作を読んだのが数年前で、メイン以外の登場人物を忘れていたというのもあるだろうけれど・・・。
    いい歳になれば結婚もするだろうし、恋愛もするだろうし。
    それをサラっと書いてくれたことが、武士道らしくていいんじゃないか、と思う。

    また、シカケとオサメのこととか。歴史の問題とか。
    私ももっと勉強しないとな。学ばないとな、と思わされた。

    とても楽しい読書の時間をありがとう。

  • 武士道シリーズ4作目。
    早苗の結婚式からスタート。
    桐谷道場の後継者問題をメインに話が進みます。
    武士道を国際関係と絡めるのはいかがなものかな?
    好きなシリーズだけに政治思想を入れて欲しくなかった。
    ちょっといろいろ詰め込み過ぎかな。

  • 武士道、サイコー!!いや、武士道ジェネレーション、サイコー!!!誉田哲也さん、サイコー!!!・・・ってことで、まぁ、読んでみてください!シリーズ完結編!!

  • 面白かった。武士道とはとか、日本の歴史についてもちょっと考えさせられた。早苗ってあんなキャラだったけ?

  • 武士道シリーズ最後となる完結編。

    主人公の二人が高校を卒業した後の後日譚といった位置付けなので、キラキラとした青春剣道ストーリーではなくなってしまった。

    丸く収まったけど、尻すぼみに終わってしまったかな。

  • このシリーズで一番面白かった。
    主人公の二人が本当に魅了的な大人になっていた。
    わりと難しい剣道の描写がなかったのも読みやすかった。
    あんなに始めは嫌だと思った香織がこんなに好きになるなんて思わなかった。桐谷先生はじめ周りの人達も素敵な人だらけで本当に読んで良かったなと思える作品。

  • 作品紹介に6年ぶりの最新刊とありますがそれはだいぶ前の話なのですぐ読んじゃいますw
    いきなりの衝撃的展開からのスタート
    桐谷道場の閉鎖問題も絡みつつ二人の武士道に一応それぞれの答えがみつかり大団円的な最終刊となっております
    そして終わり方も良かったです
    ベタですが自分ベタ大好きであります

    二人の友情が永遠であれ!

  • 武士道シリーズの続きもの。
    主人公の早苗と香織が社会人になって(大学時代含む)のストーリー。
    早苗は結婚し、香織は桐谷道場を引き継ごうとする。

    早苗に似てるなと思うところが、けっこうじっとしていられない性分なとこ。日舞がないから剣道とか。帰宅部でも、読書でも良かった。時間の使い方は様々だ。それでも何かしたかった。で、探して、見つけたのが剣道。

    その中で玄明先生のお言葉、
    人が何かを守ろうとする時、気持ちだけでは叶わないことが多い。そんな綺麗事で成り立つ世界ではない。必要なのは圧倒的な力。それでいて暴走しない、抑制的、禁欲的、どこまでも制御され、研ぎ澄まされた力。持ちえなければ奪い合いの渦に飲み込まれる。打って勝つな。勝って打て。
    シカケとオサメを学んだ沢谷さんは、その言葉の通り驚異的な記憶力、判断力、冷静さでもって技を使いこなす。

    その精神があるからなのか、玄明先生は樹のような人と感じるのだろうか。この様な佇まいを尊敬するし、なりたいと思う。
    大木ではないけれど、根はものすごく太く、広く、地中に張っている、樹。

    シカケもオサメ知った上で、攻防は円のように連なりグルグルと回る。大切なことは技を覚えることではなく、体に取り込み、染みつかせ、使いこなすこと。
    これは剣道のみならず、あらゆる戦いの本質なのかと感じる。

    その中で個人的にはオサメることの強さというか、大事さというのか、そういうものを感じる。中心はどこ?押さえるとこはどこか?

    香織は悠太に稽古をつける。悠太が失敗すれば、香織が傷つく様な稽古。
    剣は暴力である事実。その暴力を封じるにはそれ以上の力が必要。相手を傷付けることなく、暴力のみを封ずる。それこそが武道。だから、生半可な力では駄目、上辺だけの正義も駄目。真ん中から、ブレずに真っ直ぐ、前に押し出す。そういう技と、気持ちが必要。
    本質を突いている言葉だと感じる。

    早苗から貴重な沢谷さんとの時間を奪ってしまった香織に対し、知っていたことを黙っていてごめんと謝る早苗。
    その早苗を前にして、香織は単に悪者になりたくないと、面倒なことに首を突っ込みたくないと、問題から逃げていたと自覚する。
    これ自分によくあると思う。逃げるよ。嫌だもの。でも、そこで謝るも、譲れるところ、譲れないところがはっきり付けれる香織。見習いたい。

    世のためを思い、他人を敬い、精進を怠らない。これされ守ればどこでもいつでも誰とでも生きていける。
    力に勝つにはより強い力を持ち、またその力さえも制さなければならない。戦いを収めるための戦い。持てる力を如何に使うのか。
    なぜ生きるのか?それを突き詰めれば、人生を使った暇潰しにほかならない。確かにそうだなぁ。ならば大事なのは、どう生きるのか?誰のために生きるのか?か。確かにそうだなぁ。
    人は誰もが、日一日、一日と、死に向かい生きる。その覚悟があろうとなかろうと、死は万人に等しく訪れる。ならば、その覚悟をして戦う。そうしている人だからこそ、見つめ続けられる答えがあるように感じる。

    全編を読み通し、誰もが先を進み、様々な人生を魅せていく。そんなキラキラした仲間が羨ましい。俺も自分の繋がりを大事にしたい。
    繋がりを大事にするとは、どうすることなのだろうか。

  • 香織と早苗の大学時代以降のお話。
    このシリーズは読み終わった後にとても爽やかな気持ちになります。

  • 早苗の結婚や桐谷道場の後継者問題と、新しいステージに進んだ2人。2人の関係性はもちろんまだ続いていて、きっとこれからも2人はこの距離感でつながっていくんだろうなって思える話だった。途中、戦争や慰安婦などの話が突然出てきて、自分が日本の歴史に無知なこともあり、唐突感があったが、作者が主張したいことなのだろうと感じた。勝負を楽しみ、極めていく剣道もあれば、自分がこれまでできなかったことをできるようになることに喜びを感じる剣道もあるというところが印象的だった。

  • このシリーズが好きで、全て単行本で読んでいる。一挙に四年間を描いた前回でもう終わっていたと思っていたので、虚をつかれた。メン一本、「ンメェェェーアッ、タァッ」って処か。油断も隙もありゃしない。今回は大学卒業後から一挙に約5ー6年間を描く。2015年刊行。

    早苗が、何と言うか、武士道を歩いていない気がする。もちろん、いろんな道があっていい、というかそれが人生なんだけど、それならば香織と早苗、2人の視点を交互に描く必要はなくなるのではないか。結局、今回は早苗の視点も借りた香織の武士道青春物語になったのではないか。だから、もういくらなんでもこれで終わりでしょう。私は少女が頑張る話が好きなので、2人の成長を見て来た。早苗の稚拙な反・自虐史観に辟易したこともあるけど、もう2人は見守るような年頃でもなくなった。

    それと、ここに来て作者の思想についていけなくなった。早苗をたしなめるかのようにして、著者は大人の意見として「理性に裏打ちされた圧倒的な力を持つ必要性」を説く。個人の場合はいいけど、それを安易に国の問題まで広げてはダメだと私は思う。その他いろいろ異論を持ったけど、大筋ではないので割愛する。

    香織の武士道人生に幸あれとは思う。

    2017年3月30日読了

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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