空棺の烏 八咫烏シリーズ 4

著者 :
  • 文藝春秋
4.12
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本棚登録 : 1181
感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903026

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計15万部突破! 大人気「八咫烏」シリーズ待望の最新刊はエリート武官を目指す少年たちの成長譚人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界=山内を舞台とする、「八咫烏」シリーズの第4弾。本作の舞台はこの世界を統治する宗家の近衛集団「山内衆」を養成するための訓練学校「勁草院」である。15歳から17歳の少年たちが集められ、全寮制で上級武官になることを目指した、厳しい生活が待ち受けている。前作の『黄金の烏』で突如出現した人を喰う大猿へ立ち向かうため、次の日嗣の御子である若宮へ忠誠を誓った雪哉も新入生の一人。若宮の近習であった経歴や自らの経歴はあえて明かさず、勁草院での日々がはじまったものの、そこに待ち受けていたのは、若宮の母の実家である西家の御曹司・明留を中心とする若宮派のグループと、廃太子された若宮の兄・長束を再び皇太子へと推す南家系統の公近グループの激しい対立、さらに兄弟の父である金烏代の意向を重視する教授陣――間近と見られていた、若宮の即位が神官たちによって延期が決まるという不穏な空気の中で事件は次々に起こる。実力主義が前提の学内で、貴族階級出身の宮烏と庶民階級出身の山烏の身分格差が歴然となるにつけ、山烏出身で雪哉と同室となった茂丸、あらゆる武術で天才的な腕をみせる千早らもこの争いに絡んでくる。果たして身体が誰より小柄な雪哉は、頸草院での争いを勝ち抜くことができるのか? そして若宮の即位はなるのか……。 雪哉、明留、茂丸、千早という四人の少年たちのビルディングス・ストーリーとしての要素も強く打ち出し、友情あり、冒険ありの一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 雪哉は若宮の為、勁草院に入峰し、院内の身分差別や権力争いを解決する。金烏の継承問題に揺れる中、再び猿が現れる。

  • 烏シリーズは面白い!
    これは、外れないね

  • 八咫烏シリーズ、4作目。
    雪哉が主人公の学園ものの部分が多く、なかなか楽しい。

    八咫烏が支配する世界「山内」。
    若宮の近習となった雪哉は、護衛として力をつけるため、「勁草院」に入峰します。
    「勁草院」とは、宗家を守る「山内衆」を養成するための全寮制の士官学校のようなもの。

    若宮の近習であったことは伏せつつ、小柄でのん気な少年のように見せながら、しだいに実力を発揮していく雪哉。
    「勁草院」では、若宮派と、若宮の兄・長束派の対立があり、身分による格差もある。
    明留、茂丸、千早と個性の違う少年達が、厳しい訓練に取り組みます。
    時には理不尽な目にもあいつつ、迷い、張り合い、どこでどう頑張るのか?
    若宮の周辺は人材少なすぎたから、彼らが将来どう活躍するか、楽しみ。

    いっぽう、若宮の即位をめぐって、意外な問題も起きます。
    このファンタジー世界全体を揺るがす要素は、先を期待させますね。
    最後のほうは急展開で、付いていきそこないそうになりますが~
    ちょっと意地の悪いところはこの作家の味?
    十分、楽しめる内容でした☆

  • 第2巻で、ありのままの自分ではなく北家の御曹司という身分としての自分を利用されたと知って、本当の自分を見て欲しかったとある意味わがままをこねた頃の雪哉の精神がずいぶん成長していて驚いた。若宮のためならどんな汚い手も使う、という「化物」とも呼ばれる行動をするようになった強かさに、もう2巻の頃の、若宮に振り回され情けない声も上げる可愛らしい雪哉の面影はだいぶ薄れ、若宮とともに山内の未来を支える頼もしい存在であるということを感じ、成長に胸を躍らされワクワクする気持ちもあったがやっぱり少し寂しい。どんどん雪哉の今まで知らなかった一面が見えてきて彼により深い魅力を感じた巻だった。

  •  シリーズ4作目。毎回趣向が変わるようで面白い。今回は朝廷内の権力闘争の延長のような背景の中での学園もの。それでも1作目と同じように「裏から見ると」こんな風でした的な種明かしがある。人を駒のように扱う戦略にエグさを感じるが、雪哉の「志と感情の葛藤」をもう少し前に出して描いた方よかったように思う。全体的に登場人物の感情面が薄いように感じるのは、「真の金烏」に感情がないということに引っ張られているためか?若宮以外も皆、役割だけで動いているように感じてしまう。作者の筆力の問題かもしれないが、もう少し魂の叫びが聞きたい。

  • 八咫烏シリーズの第4弾。今回は学園もの。
    前作までは若宮に仕えたり仕えなかったりしていた雪哉が本格的に若宮に仕えるべく入った養成所での話。
    生まれも境遇も全く違う4人の少年達の勁草院(養成所)に入った経緯や勁草院内での人間関係や心の動きなど、読んでいて色々な感情が湧いてきました。
    何より雪哉の腹黒さ全開。そして、やりたい放題。でもその反面、仲間への愛情も感じられました。

  • シリーズ4作目は上級武官育成のための養成所・勁草院を舞台に、4人の少年たちの成長が描かれていきます。
    雪哉の策士っぷりに磨きがかかっており、凄すぎて半笑いになってしまうレベルでした…
    勁草院で気のおけない仲間に出会えたことで、より心の支えが増えたことも、彼の強さの源なのだと思います。
    計画のために仲間を利用してしまったことに悩む雪哉に茂丸がかけた言葉が、雪哉にとってどんなに温かく、心強かったことか。
    あのシーンで見せた顔が、雪哉の本当の素顔なのでしょう。

    また、若宮が本当に"真の金烏"なのか、という疑いがあることがわかり、若宮自身もその謎を前に悩んでいます。
    さらに、山内に再び猿が現れ…と、シリーズ全体もどんどんピークに近づいてきている気配。
    さらなる波乱が待ち構えていることをにおわす最後の一文に、次巻が楽しみなような、少し怖いような…。

  • やっと面白いと思った。雪哉がいろんな意味でパワーアップ(笑)
    しかし、人称の切り替えが上手くないので、途中誰視点なんだか混乱。。。三人称に徹して、もう少し客観視しながら構成してもらえると、いきなり話がとんでもついていけるかも。
    ブツブツ感が否めない。

    単や主のような変にトリッキーなことしないで最初から素直にこの世界を掘り下げて書けばよかったのに。
    そもそもの設定が魅力的なんだし。

    だからこそ、伏線的に単が活きる、、みたいな。
    本編への絡みがうすいからなんか浮いてるんだよね。そこからのスタートってのが。

    ただ、次巻は0エピソードでそもそもの世界の始まりが描かれるようなので(タイトルも姫だし)シリーズとして、その辺がうまく収拾されることを期待。「だから!」と納得させておくれ。

  • 巻が進むにつれ、雪哉がどんどん嫌いになっていく。この人の話、主要キャラクターがほぼみんな嫌な奴なのね。若宮も読み手が惹き付けられるほど登場時間がないし。
    この話は一巻の単の話と似てて、読者的には聞いてませんけど!?って感じの作り。私は登場人物に感情移入して読むタイプなので、こういうタイプのって好きじゃない。
    話や設定は面白いけど、ファンタジーを楽しむには情景描写もちょっと物足りない。せっかく空を飛べるのに、とんでる目線の描写があまりないし。
    ちょっと期待はずれ。

  • これは八咫烏版の「教場」だな。

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著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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