Yの木

  • 文藝春秋 (2015年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784163903200

作品紹介・あらすじ

虚実のあわいに発生する

深く、切実な哀しみ



親交があった作家の奇妙な自死と、妻の突然の病死。

親しい人間たちを失った男が、自らの死を思ったとき、

目に留まったのは、Yの形をした木だった――。



表題作「Yの木」のほか、味わいの異なる三つの短篇を収録。

人生の悲哀が、あざやかに香りたつ。

感想・レビュー・書評

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  • 初読みの著作。1990年に「村の名前」で芥川賞、1999年に「翔べ麒麟」で読売文学賞、その他の作品では谷崎潤一郎賞や川端康成文学賞や大佛次郎賞等々受賞されている。

    先日「卍どもえ」と言う本を見かけて気になっていたのが、この著者だった偶然。これは表題作+短編3作を収めた作品で、まぁ芥川賞だなと。

    最初の「たそがれ」では弟の感情に移入。他人がする親族の話に対する不快感。読者には分かる姉の嘘と仕事。「首飾り」では疚しくないのに帰国後の妻の発言にドキリ。誤解ってどこまで解けるものなのか。「シンビン」の強かな女性がラグビー観戦。

    まぁ全編不思議な感情になる。先日Twitterでこんな呟きを見た。「本が好きな人は2種類に分かれる。物語が好きな人と、言葉が好きな人に」納得。私は前者だなと実感。芥川賞受賞作は言葉が好きな人に寄って読まないと楽しめないな。直木賞は物語が好きな人向きか。

  • 久々に著者の作品が読みたくなって、図書館で目に付いたものを借りてみました。
    短編3つと中編1つが収録されており、どれも物悲しい物語でした。
    が、なんといっても印象的だったのはタイトルにもなっているYの木・・・

    主人公は、新人賞をとって遅咲きの作家デビューを果たすも文芸誌掲載だけでは食べてはいけず、また彼の純文学は古いと批評を受け、少年少女小説に鞍替えし活路を見出してゆきます。
    しかしそれも次第に発表の場を失っていき、最後は時代小説に転向しようとするがそれもなかなかうまくいきません。そうこうしているうちに、明るく楽観的で経済的にも彼を支えていた妻が、56歳という若さで肺炎であっけなく逝ってしまいます・・・
    妻を亡くして4年。
    時代から取り残された68歳の彼は創作活動にも行き詰ったまま、経済的な不安もあり、次第に26年前に59歳で自死した友人のことを思い出し、死への誘惑に駆られてゆく・・・という物語です。

    主人公の孤独は決して他人事ではなく、私も夫と二人暮らしなので身につまされました。
    特に、自死を考えるにあたり、遺書を残そうにも残すあてもない、と思う彼の深い孤独が痛々しくて泣けました。
    妻の死から4年、というのも衝動にかられたわけではないところが切なかったし、主人公の場合、文学への深い造詣が裏目に出た事もありますけど、経済的不安も現実的には不安を大きくさせたことでしょう。

    生きていく糧を最後まで持ち続けていける精神面を作りあげ、金銭面での不安を取り除く準備は今から考えるべきだと思いました。
    それが出来ている人は、例えば「ポツンと一軒家」に登場される高齢者の方なんかなんでしょうね。。

  • 短編3つと表題作の4部構成。
    短編はすんなり読めて面白かったなぁ。特に最初の「たそがれ」は、情景描写がとても良くて思い浮かんだ!
    印象的なのは「しんびん」。ラグビーを観戦してる女性と試合の勝敗が彼女の運命と重ね合わせていてハラハラするというか…ドキドキした。
    表題のYの木は、途中まで読んだけど、完読出来なかった…短編が面白かっただけに期待して読んだけど、うーん、って思ってしまって途中で飽きちゃった…

  • 短編集みたいです。
     たそがれ を読んで。なんか心に残るというか、心地よくなでられるような文章で、この作者すごいなって感じた。大阪環状線はよく利用していたので、よりリアルに情景が浮かんだ。静雄の黄昏はゆっくり過ぎていくのに対し、文乃の黄昏は一瞬で終わってしまう描写にぐっときました。
     首飾り 途中グレン・グールドが出てきてテンションあがりました(笑)音楽知識が足りないなぁと感じました。
     Yの木は読み切れませんでした。あぁ~

  • 最初の姉と弟の物語が良かった。USJと飛田新地、アベノ、和歌山…その距離感がいいと思った。

  • 昭和な空気感の「たそがれ」。「首飾り」は、いいオトナでもこんななんだ〜と思い、「シンビン」は片岡義男風で、ラグビーがメジャーに浮上した今となってはここまで説明されなくても素人の私でもわかるよ、と思い。そして「Yの木」だが、ごめんなさい、なんだよこのしみったれた年寄りは、と情けなく思ってしまいました。

  • これといって何も残らなかった

  • 4編からなる短編集。

    古い時代を押し出してくるかんじ。
    すんなりと読めない。自分とは時代が違うからか…?

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著者プロフィール

辻原登
一九四五年(昭和二〇)和歌山県生まれ。九〇年『村の名前』で第一〇三回芥川賞受賞。九九年『翔べ麒麟』で第五〇回読売文学賞、二〇〇〇年『遊動亭円木』で第三六回谷崎潤一郎賞、〇五年『枯葉の中の青い炎』で第三一回川端康成文学賞、〇六年『花はさくら木』で第三三回大佛次郎賞を受賞。その他の作品に『円朝芝居噺 夫婦幽霊』『闇の奥』『冬の旅』『籠の鸚鵡』『不意撃ち』などがある。

「2023年 『卍どもえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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