ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 (Sports Graphic Number Books)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903231

作品紹介・あらすじ

ラグビー日本代表を勝利に導く名将の哲学弱かったラグビー日本代表は、なぜ世界の強豪に勝てるようになったのか。世界的名将が組織と個人を育てるための哲学を語り尽くす!

感想・レビュー・書評

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  • 「コーチの仕事はいかにそれぞれの人間の能力を最大限に引き出すか」
    本書ではアートと表現されてます。
    たしかにそれぞれの個性をいかにして伸ばして作品に仕上げるかはアートやと思います。

    本書でもクリエイティビティの大切さが書かれています。
    日本人に足りないのはクリエイティブな発想なんやなと思います。

    一気に読んでしまいました。

  • ラグビー初心者だったけど、ラグビーやコーチングの話、国民性や文化、歴史の話、幅広くて、面白くてどんどん読めた。

  • 「生島淳」の『ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは「信じること」』を読みました。
    ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは「信じること」

    ラグビー関係の作品は昨年の10月に読んだ「荒木香里」の『ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』以来ですね。

    -----story-------------
    ラグビー日本代表を勝利に導く名将の哲学
    弱かったラグビー日本代表は、なぜ世界の強豪に勝てるようになったのか。
    世界的名将が組織と個人を育てるための哲学を語り尽くす!

    ラグビー弱小国・日本は、なぜ世界と戦えるようになったのか――。

    2012年4月に「エディー・ジョーンズ氏」がラグビー「日本代表」HC(ヘッド・コーチ)に就任してから3年、「日本代表」は「ジョーンズ氏」の緻密なコーチングで着実に力をつけ、世界ランキング10位に入るまでになった。
    そして、9月18日からイングランドで開催されるワールドカップでは、ベスト8を目標に掲げて世界の強豪に挑むことになる。
    これまでのW杯での対戦戦績は1勝21敗2分、ラグビー弱小国・日本は、「ジョーンズ氏」のもと、どのようなコーチングを受けて世界の強豪と互角に戦えるようになったのか。
    「プロのコーチングはビジネス」と言い切り、「コーチングはアート」とも語る「ジョーンズ氏」。
    これまでW杯で「オーストラリア代表」を準優勝、「南アフリカ代表」を優勝に導いた知将は、すでに日本の強みと弱みを見極めて、チームにすぐに変化をもたらしている。
    W杯では「ジャパン」をいかに勝利へと導くのか。
    ラグビーだけではなく、欧州のプロサッカーリーグ、NBAバスケットボール、NFLアメリカンフットボールなどのプロスポーツのコーチングを研究し、心理学、統計学などジャンルを超えてあらゆる知識を貪欲に採り入れ、「コーチングでいちばん重要なのは、選手に自信を持たせることだ」と語る「ジョーンズ氏」の「勝つための哲学」を10時間以上にも及ぶインタビューから明らかにする。
    ラグビー/スポーツのジャンルにとどまらず、「弱小組織が世界で戦って勝つため」に必要な思考法を経営者やビジネスマンなどにも幅広く伝える。
    巻末の「「エディー・ジョーンズ」が選ぶ、指導者なら読んでおきたい15冊」も、ビジネスマンには非常に参考になる。
    -----------------------

    ラグビーワールドカップ(RWC)2015直前の2015年(平成27年)8月に刊行された作品、、、

    ラグビーワールドカップ(RWC)2015で「日本代表」のヘッドコーチを務めた名将「エディー・ジョーンズ」の勝つための哲学を、スポーツライターの「生島淳」が10時間以上に及ぶインタビューから明らかにした作品です。

     ■プロローグ
     ■Try1 コーチングはアートである
     ■Try2 コーチングの流儀1 アイデアをいかに生かすか
     ■Try3 コーチングの流儀2 数字を使いこなす
     ■Try4 勝つための組織作り
     ■Try5 革命の起こし方―日本の課題を整理する
     ■Try6 教育の価値を考える
     ■Try7 コーチング最前線
     ■Try8 ラグビーの世界地図―南半球編
     ■Try9 ラグビーの世界地図―北半球編
     ■エピローグ
     ■特別付録 エディーさんの参考書―必読の15冊―

    「エディー・ジョーンズ」が「コーチングはアートである」と語るところから、日本人の感覚とは随分違うもんだなぁ… と感じ、作品の中にぐいぐい引き込まれていきました、、、

    ●規律と楽しさは矛盾しない
    ●コーチとは優秀なセールスマンでもある
    ●コーチにとって大切なのは選手は何故そういう決断をしたか考えること
    ●成功しているチームを構成する4つのポイントは、①ハードワーク、②楽しさ、③規律、④柔軟性
    ●下位10%の選手を中位に引き上げるのが大切
    ●ステージが変わればリーダーの条件も変わる

    等々、ビジネスマンとしても参考になる言葉が印象的でしたね。

    そして、各国・各地域のラグビーカルチャー、ラグビー事情を解説した『Try8 ラグビーの世界地図―南半球編』と『Try9 ラグビーの世界地図―北半球編』は、ラグビーファンとして愉しめる読み物になっていましたね… そして、「エディー・ジョーンズ」が、スポーツだけでなく、ビジネスについても、良く勉強していることが理解できましたね、、、

    面白く読めました… 知将がラグビーワールドカップ(RWC)2015終了後、日本を去ってしまったのが残念でなりません。

  • スポーツ問わずに、コーチとしての大切な真髄が記されてある。

    コーチにとって大切なのは、選手がなぜそういう決断をしたのか考えることである
    結果ではなく、プロセスにこだわる
    革命を起こすときに大切なことは、全員が信じること
    これらを大切にしてコーチングしていきたい

  • 2015年ワールドカップ。あの南アフリカを破ったGiant Killingの直前に出版された作品。エディー・ジョーンズへの10時間に渡るインタビューをもとに、リーダーシップ、コーチング、そして、日本や各国の文化についての彼の考えが収められている。
    コーチングとはアートである。状況、相手を見ながら、最も適切と思われる方法、言葉を選ぶ。数字、統計を使いこなすこと、科学的であること。クリエイティブであること。そして、勉強すること。彼の世界各国でのラグビー指導者としての経験から語られるこれらの言葉は、ビジネス、人生にも参考になる。

  • 心に響くフレーズ
    ① 徹底的に観察する。それがコーチの仕事だ。

  • W杯(2015)後の『エディー・ウォーズ』が面白かったので、W杯前の著書も読んでみた。まだW杯で結果を出す前だから、『エディー・ウォーズ』ほどの熱さはないが、むしろ淡々と、エディー・ジョーンズの指導に対する姿勢や、日本の文化に寄せる感想が興味深い。

    「ラグビーというスポーツは、日本、いや、世界各国の社会情勢や文化を映す鏡なのだ」

     と、あるように、日本の良い点、悪い点をラグビーを通して語る姿勢が面白い。いや、日本のみならず、だ。

    「いま、フランスはラグビーのアイデンティティを失っています。それはフランスの国の状況そのものを表しています」

     なるほどね。
     国ごとの比較、ラグビースタイルも記されており、今年(2019年)のW杯観戦前の、よい予習にもなった。

  • 「信じる」というキーワードは一回くらいしか出てきてないように思う。前半はコーチングの本だが、後半はラグビーの本だったかも。

  • 元ラグビー日本代表監督で、南アフリカなどの強豪を破るまでにチームを鍛え上げたエディさんの著書。
    これは前回W杯の前に書かれた本。以後の「ハードワーク」に関しても、以前読んだことはあるが、そのチームマネジメント、コーチングに関しては非常に示唆があったので、今改めてコーチングについて考えたいと思った時にちょうど手に取った。

    日本にルーツもありながら、海外で実績を残し、それを日本にもたらした指導者の語るそれは非常に興味深い。もともと教師もやっていたそうで、なるほどそれは理解がある。
    他の国と比較して、教育に関する提起も多い。それが選手の基盤になっているからだ。世界と比べて特に「表現力」が低いのもアウトプットする場が少ないためだろう。

    好きな一節
    ===
    日本が創造力の歩みを止めてしまった背景には経済的な基盤が安定し、「ミスをしない」ことが支配的になってしまったことが根底にあるという。
    「社会にノーミス志向が強ければ、クリエイティブに考えたり、決断していく方向に選手を仕向けることはできません。私は選手たちに決断してほしい。ただ、日本社会では決断後に『それは間違っていた』と否定することが多い。コーチにとって大切なのは『なぜそういう決断をしたのか』を考えることです。それを理解することが『アート』なのです。」
    ===


    目次
    1 コーチングはアートである
    - コーチングと芸術が結びつく時
    - 規律と楽しさは矛盾しない
    - 海外のアーティストたち
    - 「監督」と「ヘッドコーチ」の違いは何か
    - 武士道的精神主義の弊害
    - アートとマネジメントのバランス

    2 コーチングの流儀1 アイデアをいかに生かすか
    - 病気をして気づいたこと
    - 勝つためのポイントをどのように設定するか
    - コーチとは優秀なセールスマンでもある
    - 選手の性格を知るためのMBTIテスト
    - ハーフタイムに何を話すのか
    - 異文化に触れることの効用

    3 コーチングの流儀2 数字を使いこなす
    - 21世紀のトレンド、「数字」の効用
    - W杯で戦うために必要なチームキャップ数は600
    - パスとキック「11対1」の黄金律
    - ボールの保持時間が勝敗を左右する
    - ボールを持っていない時の動きこそ重要
    - チームのためにどれだけ懸命に戦えるかの指標
    - 数字を戦略的に活用せよ
    - 映像をコーチングに生かす

    4 勝つための組織作り
    - 代表監督に必要な条件
    - ザッケローニ監督の経歴に潜んでいたリスク
    - 判断の拠り所は自分のイメージ
    - 勝つための「年齢構成」
    - 連覇することの難しさ
    - 「直感」の重要性
    - 若い選手を代表に抜擢するポイント
    - 指導者の我慢強さが選手の成長を促す

    5 革命の起こし方―日本の課題を整理する
    - 敗者にフォーカスを当てる日本のメディア
    - クリエイティビティを軽視する社会
    - 自分の長所に気づけない社会
    - 選手のマインドセットを変える
    - 異分子を投入して組織に刺激を与える
    - メディカル・スタッフが勝敗を分ける
    - 他競技から学ぶ
    - ディシジョン・メーカーを計画的に育てる

    6 教育の価値を考える
    - 「リクリエーション」の意味
    - 教育の価値
    - 叱ることに意味はあるのか?
    - ジュニアの指導法の問題点
    - ボールを見てはいけません
    - スペースの感覚は子供に教えられる
    - ボールへのリスペクトを教え込む
    - 古いスタイルをモダナイズするという発想
    - ラグビーのための環境整備
    - 高校ラグビーの問題点
    - 大学ラグビーの問題点
    - 勉強しないことは問題である

    7 コーチング最前線
    - リーダーシップを育む
    - ステージが変わればリーダーの条件も変わる
    - なぜ日本ではリーダーが育ちにくいのか
    - 軋轢を嫌う社会
    - 選手の責任にはしない
    - アスリートにとっての食事
    - 「プリゲーム・ミール」というルーティーン
    - 自分にとって必要な栄養素を知る
    - アルコールについて
    - 飲み方にはお国柄が出る

    8 ラグビーの世界地図―南半球編
    9 ラグビーの世界地図―北半球編
    エピローグ
    エディーさんの参考書


    ## 参考書一覧
    [一般書]
    ・コーチ(マイケル・ルイス)
    ・逆転!強敵や逆境に勝てる秘密
    ・急に売れ始めるにはわけがある
    ・あなたのチームは機能していますか?
    ・ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則
    ・Winning Matters
    [アメフト]
    ・Finding the Winning Edge
    ・The Score Takes Care of Itself
    ・The Tao of Chip Kelly
    [バスケ]
    ・ザ・ウィナーズ
    [サッカー]
    ・ペップ・グアルディオラ きみにすべてを語ろう
    ・The Vision of a Champion
    ・サッカーデータ革命
    [テニス]
    ・新インナーゲーム
    [人生について]
    ・モリー先生との火曜日

  • チームをまとめる人は読むべきだと思います。
    ワールドカップの南アフリカ戦前に書かれた本なので、冷静にコーチングにフォーカスされています。

    これを読むと、日本代表が、南アフリカ共和国代表に勝ったのが「まぐれ」ではなかったということもよくわかります。
    日本代表は全員が「勝てる」と信じていた。それを心の底から信じることができたのは、エディー・ジョーンズの「コーチングの力」でした。

    著者は「コーチングはアート」だと言ってます。つまり、コーチの仕事は選手の能力を最大限に引き出すことであり、そのために創意工夫を凝らすのが「アート」。

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著者プロフィール

高知工科大学マネジメント学部講師

「2011年 『企業家に学ぶ日本経営史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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