夏の裁断

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 946
感想 : 122
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903248

感想・レビュー・書評

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  • 薄い本なので、取っ付きやすかったです。でもかなり白に近いグレーゾーン多発文章で、過去の話なのか、想像なのか、現在進行形なのかが分かりにくく、ぼやけていました。ただ雰囲気のある本には違いないので、好きな人は好きと思います。

  • 124ページだから、サクッと読み終わると思ったけどすごい疲れた。
    時系列もよくわからないし、内容も入ってこなくてイライラした。
    結局何が何だかわからない。

  • 島本作品には本当駄目な男がいるなぁ。もどかしくも前に進もうとはするけどなかなか抜け出せない描写が素晴らしい。

  • お互いが知らないままになあなあになって……。少しだけ恋をするのが怖くなる。
    家の崩壊と新しく生まれ変わったと思っている主人公が対照的だと思った。

  • 傷付けた方は、傷付けたられた方のことなんて覚えちゃいない

  • 過去の性的な傷を抱える女性作家千紘。千紘を洗脳するかのようなやり方で支配していく編集者の柴田。心が不安定な千紘を終始優しく支えるイラストレーターの猪俣君。
    柴田のやり方には嫌悪感以外の感情は抱かないが、彼自身も心を病んでいて、千紘はそんな彼に振り回される。
    島本理生作品にありがちなパターンで、またかというような心を病んだ女性がああでもない、こうでもないとぐずぐず悩んで、最後に少し光が差す・・・という話だけど、千紘はきっと、また同じようなことを繰り返すんだろうな~と思ってしまう。
    静かで、淡々と描かれる、狂ったような柴田と、メンヘラの千紘のやり取りは、苦痛以外の何物でもないが、これが芥川賞候補だったと知り納得。さもありなん。

  • 本を自炊し自らを裁断するような感覚になりながら、手酷い仕打ちをうけた男との関係を消化するような、そんな話。全体的にヒリヒリしているけれど、クライマックスは明るいと思う。

  • 図書館で一気読み。
    追い詰められていく作家と追い詰めていく編集者。
    作家さんにとって、本を切るということは自分の身を切られるのと同じくらい怖いことだということを肌で感じた。

  • 薄い本だからあっさりした内容だと思ったら異様に重かった…作者を見間違えてて、単純な恋愛小説を期待してたけど、中身は病んでるんだか不思議なんだか、なんともいえない内容で。時間軸も真実もよく分からないし。でも、そこが真髄なのかな。生きてることは不確定な要素がたくさんあって、心に影を潜ませてる、ということ。自分でも書いててよくわからなくなったけどw

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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