中野のお父さん

  • 文藝春秋 (2015年9月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163903255

作品紹介・あらすじ

〈本の達人〉が贈る新名探偵シリーズ



体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父が挑むのは、出版界に秘められた《日常の謎》!



□「応募してませんよ、わたしは」

新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車)

□「実は、扱いに困っている手紙がありましてね」

ある大物作家に宛てた女性作家の手紙には愛の告白が?(幻の追伸)

□「わたしは殺人事件の現場に行き合わせることになったわけです」

定期購読者の話を聞いているうちに思いもよらない事態に?(茶の痕跡)



ほか、大手出版社の文宝出版を舞台に繰り広げられる8つのミステリーの推理の結末やいかに……。〈円紫さんと私〉〈覆面探偵〉〈ベッキーさん〉シリーズほか、多くのファンを唸らせてきた名手による、新たな名探偵コンビが誕生。

みんなの感想まとめ

日常の謎を解き明かす父娘の心温まる物語が展開されます。編集者の娘と定年間近の国語教師である父が、様々な謎に挑む姿は、読者にほっこりとした感情をもたらします。父の知識の豊富さや、娘とのコミュニケーション...

感想・レビュー・書評

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  • 「オール読物」の連載中で気になっていた本。シリーズ1で2013~2015年の作品だったが、この辺りは読んでいたと思ったら、読んでいなかったようだ。ジャンルは推理小説なのだろうか、それとも蘊蓄の本だろうか? 
    編集者の娘と国語教師の父の物語。珍しいくらい二人の仲が良い。仕事に絡んで疑問が出てくると父親に相談しに行くのだが、即結論が出てしまう。ドラえもんのポケットのように関連した本や書類が次々出てくる。この歳でこの記憶力は羨ましい。
    「冬の走者」では空白の時間の明快な推理まで。推理が凄いので何でも解決してしまう。歌舞伎、落語など、色々な分野の蘊蓄も勉強になる。

  • お父さんの活躍する本は悉く素晴らしい。

    しかもミコとの父娘関係が素晴らしすぎてどうすればこんなにいい関係が気付けるのか教えていただきたい。

  • 頬が緩む一冊。

    ごく普通の定年間近のお父さんが、一人暮らしの娘が手土産がわりのように持ってくるちょっとした謎にパクリと喰いつき、スルリと解決してしまう日常の謎解き物語。

    ほのぼのな父と娘の時間、謎、この掛け合わせがなんとも心地よくて、何度も頬が緩んだ。

    鮮やかな瞬間マジックのような父の謎解きはお見事。

    ドラえもんのポケットのように出てくる、知識の数々もお見事。

    しかもちゃんと、娘に問いかけ一緒に考えさせる、これが実に高校教師らしくていいな。

    決して心穏やかでない謎解きもこの父娘の手にかかるとふんわり包まれるのも好き。

  • 博覧強記のお父さんと健全で育ちの良い娘さんによる謎解きのストーリー。

    若干リアリティに欠ける登場人物たちですが、そこがほっこりとしていて、この作品の良さになっているのかもしれません。

    出版業界事情みたいなのも少し垣間見えて、楽しかったです。

  • 出版社に勤めている美希。出版界に持ち上がるちょっとした謎を、定年間近の美希のお父さん、中野に住んでいるお父さんが解く。
    お父さんは高校の国語の先生だから?博識で、美希の持ち込んだ謎を解けるのだけど、その知識は半端ない。
    興味ある謎もあったけど、読書を趣味にしてるだけで文学について無知な私には、ウーンな謎も。文学に興味ある人には楽しいんだろうなぁ、

  • 文芸編集者の娘が持ち込んだ本に関する謎を、安楽椅子探偵ならぬ掘り炬燵探偵のお父さんが豊富な知識で解き明かす文芸ミステリー

    著者の文学に関する知識がともかく凄い
    かなりの文学知識が必要で結構難しい。
    私が文豪や俳句などの文学知識がないだけなんだけど、何度か手を止めて調べながら読み進めないと頭こんがらがっちゃう
    それでも知識の暴力ってならないのは愛らしいキャラクター達とその掛け合い
    こんな風に知識を得られるのは楽しい

  • 出版社勤務のアラサーの娘と定年間近の国語教師の父。
    ほのぼのとした父娘の会話にほっこり。
    この父娘の信頼関係の深さにはちょっとびっくり。
    ここまで仲のいい父娘は今の世の中、なかなかいないんじゃないかな。

    「謎をレンジに入れてボタンを押したら、たちまち答えが出たみたい」と百科事典のように博識な父。
    定年間近の父は何かと煙たがれるけれど、こんな頼りになる父なら重宝されること請け合い。
    娘との会話がない、と嘆き悲しむ世の父たちよ。
    「中野の父」を見習いたまえ。

  • 北村薫の中野のお父さんを読みました。
    中野のお父さんシリーズの最新刊の紹介があったので調べたら、シリーズは4巻あるらしく、最初は中野のお父さんらしい。
    それならシリーズ最初の中野のお父さんさんから読もうと読み始めました。
    主人公は出版社の文芸部に勤める体育会系の女子美希。
    困ったことがあると、実家の父に相談します。
    父親は国語の先生であり、蔵書も凄く、ミステリーを瞬く間に解いていきます。
    人気の作品から色々読んでみたくなりました。

  • 出版社に勤める美希と、彼女の父である“中野のお父さん”が日常ミステリに立ち向かう。
    “中野のお父さん”は「定年間近のお腹の出たおじさんで…パンダみたいにごろごろしている、ただの《オヤジ》」な風貌でありながら、「謎をレンジに入れてボタンを押したら、たちまち答えが出たみたい」に謎を解き明かしてしまう。美希にとって善き相談役のお父さんとの関係は読んでいてほっこりします。

    出版社で奮闘する女子社員の世界が垣間見えるお仕事本として、次から次へと作品や引用が登場するのでブックリストとして、父娘の関係を描いた家族本として…様々な角度で楽しめました。
    積読本を道中のお供にして、実家の父親に会いに行こうかな…。

    ~追記~
    読んだ翌週に行ってきました。

  • 中野のお父さん

    北村薫氏がデビューした「日常の謎」の出版社版という感じです。
    主人公は出版社に勤める体育会系女子。謎を解くのは中野の実家に住むお父さんというコンビ。
    北村氏の出版ネタはちょっとお宅すぎて日常という感じでは無いですが、謎解きは相変わらず見事です。
    あと、氏の年齢を考えると仕方がないんですが、アラサーの女性同士の会話にはいろいろと違和感があります。
    (ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが・・・)
    懐かしく楽しめました。
    これからも元気に新刊期待しています。

    竹蔵

  •  主人公は老舗文芸誌の編集者田川美希(元バスケ部)。著者が消えた賞の大賞作、作家の往復書簡、俳句の解釈、文芸誌愛読者の過去の体験談など、仕事で遭遇する<謎>を解くのは国語教師のお父さん...という文芸ミステリ。父娘のやり取りにほのぼのしつつ、こたつの中で「安楽椅子探偵」ぶりを発揮するお父さん≒北村薫氏
    の相変わらずの博覧強記に素直に感心する。連作短編集なので読みやすく、氏の入門書にもピッタリ。
     デビュー作「空飛ぶ馬」からのリアルタイム読者なので11/7(木)に松岡和子氏との対談を伺うのをとても楽しみにしていますが、今からもう緊張状態です...。

  • 「中野のお父さん」シリーズ第1巻目。
    主人公は出版社に勤める田川美希と国語教師の彼女の父。美希が運んでくる日常生活のミステリーを父は鮮やかに解決してしまう。
    ミス・マープルのようなアームチェア・ディテクティブ!
    本作では八つの謎解きがそれぞれのエピソードで語られる。
    中でも「闇の吉原」という作品が興味深かった。
    「闇の夜は吉原ばかり、月夜かな」という芭蕉の弟子、榎本其角の句が落語「文七元結」という落語の中に挿入されることが多いのだが見方(区切り方)によってその句の意味が二つの正反対に読める。
    泡坂妻夫、幸田露伴、三遊亭円生などの名前と蘊蓄が山盛りになって北村薫さんらしい。
    この一編だけは謎解きの匂いは無く、この句の解釈についての変遷を見てもわかるように、物事は視点を変えればいかようにも変化するかもしれない、という本作品の全部の謎解きに通じる著者の思いなのだろうかと感じた。

  • 北村作品お初でした。
    もっと小難しい小説を書くものと思い込んでいたのだが想像以上の読みやすさ。
    もっと早くに手にとってて良かった。

    最初の風の風車が面白く、その勢いで一気読み。
    数年前から落語にハマったばかりなので、ちょこちょこ落語ネタが差し込まれていたのも嬉しい。
    直前に読んでいた本に萩原朔太郎の詩が登場しており、ちらりと登場した同じ名前の偶然にもあら、と面白く思った。志賀直哉は馴染み深い作家だし。

    本ヲタらしい蘊蓄の数々は勉強になりました。

  • 「謎をレンジに入れてボタンを押したら、たちまち答え」てくれる
    国語教師の父と編集者の娘が主人公。
    「夢の風車」「幻の追伸」「鏡の世界」「闇の吉原」「冬の走者」「謎の献本」「茶の痕跡」「数の魔術」の八つの物語。
    これぞ北村薫!円紫さんシリーズを思い出させるテイストで
    本の中では、思いがけず大好きな作家さんとの出会いもあり。スペシャルサンクスのため星5

  • 「日常の謎」の北村薫さんらしい、面白い本でした。なんか嬉しくなります。

    この頃の北村薫さんの小説は、日常の謎解き、人が向き合う現実、魅力ある会話のテンポ、が蘇っている。
    一時期 北村薫さんが好きな小説家の1番でなくなってきたときの寂しさは何処へやら。
    「北村薫さん、まだまだ、大丈夫だよ」って自分に伝えた。

    北村薫さんの本を手に取ることが愉しみ。
    待ち遠しい未来があるってステキだ。

    さて、本小説は、円紫さんではなく、中野に住むお父さんが、娘の謎解き役。
    うんちくのくだりは少なめがいい。
    何気なく、「気がつかないの?」的な謎解きがいい。

    面白い小説でした。

  • 北村さんの作品の登場人物が好きだ。
    生き生きと描かれていて、悪人があまりいない。
    会話の様子も読んでいてとても楽しい。
    文学作品に対する造詣も深く、物事を多面的に見ている様子に、答えは一つじゃないと知っていることが人を深くするんだろうなと思わせてくれる。

  • 北村薫の日常に潜むミステリがすきだ。
    怖くない
    人が死なない
    血も流れない
    けど、充分にワクワクさせられ
    存分に楽しまされる
    臆病モノでも、
    怖がらずに読むことができる
    そんな謎解き。

    おとうさんとムスメのホンワカっぷりがまたいいんだなぁ。

  • 一気読みでした。
    編集者の仕事をしていて、ふと出会ってしまう謎を
    高校の国語教師をしている父親に話すと
    またたく間に謎がスルスルと解けちゃう。
    視点を変えること、様々な知識に裏付けられた確かな推理がお見事です。
    親娘のほのぼのとした交流も和みます。

  • お父さんの謎解きは凄いと思ったけど、文学や落語に知識が少ないので少し難しかったです。

  • 北村さんお手のものの日常の謎
    読んでて安心

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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