片桐大三郎とXYZの悲劇

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903354

作品紹介・あらすじ

この一冊で、エラリー・クイーンの〝X・Y・Zの悲劇〟に挑戦!歌舞伎俳優の家に生まれたものの、若くして映画俳優に転身、世界的な人気を博す名監督の映画や、時代劇テレビシリーズなどに主演し、日本に知らぬものはないほどの大スターとなった片桐大三郎。しかし古希を過ぎたころ、突然その聴力を失ってしまった――。役者業は引退したものの、体力、気力ともに未だ充実している大三郎は、その特殊な才能と抜群の知名度を活かし、探偵趣味に邁進する。あとに続くのは彼の「耳」を務める新卒芸能プロ社員・野々瀬乃枝(通称、のの子)。スターオーラをまき散らしながら捜査する大三郎の後を追う!「ドルリー・レーン四部作」を向こうに回した、本格ミステリー四部作をこの一冊で。殺人、誘拐、盗難、そして……。最高に楽しくてボリューム満点のシリーズ連作。

感想・レビュー・書評

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  • 歌舞伎役者から時代劇俳優へと転身し、大活躍した国民的俳優・片桐大三郎。
    俳優は引退したが、芸能事務所の社長として忙しい日々を過ごしている。
    この片桐大三郎、昔ながらの俳優なのだが、困った趣味が一つある。
    警察沙汰の事件の謎を解くのが大好きなのだ。
    おかげで周囲は振り回されて…。

    フワイダニット系な話が多い感じ。
    ドラマ化したら片桐大三郎は北大路欣也かな。



    収録作品:ぎゅうぎゅう詰めの殺意 極めて陽気で呑気な凶器 途切れ途切れの誘拐 片桐大三郎最後の季節

  • 倉知と言えば、『星降り~』
    あの時はすぐにフラグを追ってしまって特に感想は持てなかったのですけど
    同じ感じで読んでいたらとんだ目に遭ったのです
    特に最後。
    あの章の為の前3章かもしれないというくらいにしてやられたああああぁぁぁあああ
    短編……とゆー程でもなくて、中編集で程よく電車で読めたし、最後の章は全然考えてなかった結末がとても面白かったのでした

  • 作中の大三郎の一代記はラストで何かに繋がるのかと思ったのだが、本当に単なる一代記だった。三船敏郎を中心に萬屋錦之介とかいろんな時代劇スターの人物像を一緒くたにして、ドルリー・レーンの頭脳を加えた大三郎。彼の回想に出るスターのモデルは市川雷蔵とか三木のり平かな。乃枝ちゃんはペイシェンスちゃん?夏に章での大三郎の優しさにはほろり。本家のドルリー・レーン4部作は、XとYしか読んでいないので、やっぱり読まなくては。倉知さん、最近仕事量が増えましたね。

  • 本家4部作を読んでいないのが悔やまれますが、それでもこの作品単体で十二分に楽しめました。
    夏の章の胸糞悪さと、秋の章の綺麗などんでん返しは圧巻。

  • 予想以上に読み応えあり。
    「探偵」の設定もおもしろくて表紙の雰囲気から勝手に笑える謎解きかと思ってたら、辛い。あの話は辛すぎるわ。

  • +++
    この一冊で、エラリー・クイーンの〝X・Y・Zの悲劇〟に挑戦!

    歌舞伎俳優の家に生まれたものの、若くして映画俳優に転身、
    世界的な人気を博す名監督の映画や、時代劇テレビシリーズなどに主演し、
    日本に知らぬものはないほどの大スターとなった片桐大三郎。
    しかし古希を過ぎたころ、突然その聴力を失ってしまった――。
    役者業は引退したものの、体力、気力ともに未だ充実している大三郎は、
    その特殊な才能と抜群の知名度を活かし、探偵趣味に邁進する。
    あとに続くのは彼の「耳」を務める新卒芸能プロ社員・野々瀬乃枝(通称、のの子)。
    スターオーラをまき散らしながら捜査する大三郎の後を追う!

    「ドルリー・レーン四部作」を向こうに回した、本格ミステリー四部作をこの一冊で。
    殺人、誘拐、盗難、そして……。最高に楽しくてボリューム満点のシリーズ連作。
    +++
     冬の章 ぎゅうぎゅう詰めの殺意
     春の章 極めて陽気で呑気な凶器
     夏の章 途切れ途切れの誘拐
     秋の章 片桐大三郎最後の季節
    +++

    時代劇界の大御所、片桐大三郎が探偵役の物語である。聴力を失って役者は引退しているとは言え、存在感は少しも衰えず、社内でも、厳然と威容を誇っている。のの子(野々瀬乃枝)は、彼の耳代わりとして雇われたので、どこへ行くにもついていくことになるのだが、この二人のやり取りもなかなか味があって面白い。片桐は、庶民のことを知らないので、空気を読めないことは時にあるが、決して押しつけがましいわけではなく、観察眼は鋭く、推理力も見事なのである。警察が頼りたくなるのもうなずける。最後の章では、まさかそんな!?とどきどきさせられるが、まんまとしてやられてしまった。嬉しい限りである。もっと続きが読みたくなる一冊である。

  • 仕掛けに気付かせてからの半ひねり。逆に、万一気づかなかったり、未読だったらあまり面白くないのかな。最終話は特に良く出来てるが、3話目の仕掛けがわからなく不勉強なり。7.5

  • クイーンのドルリー・レーン四部作へのオマージュ。
    聴力を失って引退した元銀幕の大スターが警察に協力して探偵趣味に邁進する連作短編集。
    クイーンの作品と設定など似てるが結末はちがうし、雰囲気もかなりちがう。事件の内容的にかなり後味が悪い話もあるが、全体として明るいノリなので二段組みでも読みやすい。最後の作品は本家を読んでいた方が「やられた」と思えるかも。

  • もうタイトルからしてあれですね。個人的には「Xの悲劇」だけ既読、「Yの悲劇」と「最後の悲劇」は読んでいないのになぜかネタだけ知っている状態なのですが。それでも十分に楽しめました。元ネタを知ってる人も知らない人も楽しめるつくりになっていると思います。
    片桐大三郎の破天荒なキャラが魅力的で、軽くぐいぐい読めました。彼の昔語りも面白くて素敵。事件はけっこうやりきれないものが多いし決して明るい話じゃないのだけれど。作風はきっぱり明るく爽やかです。
    お気に入りは「夏の章 途切れ途切れの誘拐」。これ、酷すぎます。いくらなんでもあんなものを○○にだなんてっ! でもインパクトは抜群だし、読んでいる最中の「???」感が一番強かったのでした。片桐さん、いきなりあんな行動に出ちゃうし(笑)。
    「秋の章 片桐大三郎最後の季節」も、あのネタをもとにこういう仕掛けにしちゃうか、というのが。ひたすらやられたなあ、という心境です。

  • クイーンの"ドルリー・レーン"シリーズのパスティーシュ。片桐大三郎は往年の時代劇俳優の第一人者。突如聴力を失い俳優からは引退し芸能プロダクションの「座長」におさまったが,未解決の謎の真相をなぜか悟ってしまう能力があり,警察へのアドバイスを「趣味」にしている。大スターであるだけに豪放磊落,事件関係者は「なぜこの人が捜査を?」と面食らう。モバイル端末を使って片桐の耳替わりをするのが新卒の野々瀬乃枝。4中篇からなり,満員の山手線内での毒殺事件,財産家の老人がウクレレで撲殺される事件,ベビーシッター殺害を伴う嬰児誘拐事件,巨匠映画監督の未発表のシナリオが紛失する事件の4編――ということは,1つを除けば元の作品の題材を忠実に追っているわけだが,結末はクイーンのそれとはまったく異なるので,原作を読んでいなくても大丈夫(原作を知っていると,読中「まさか同じ真相?」とハラハラするが)。3作目の「途切れ途切れの誘拐」が(後味の悪さと,ある小道具に関する推理に疑問符が残ることを別として)よかったか。そして全作通しての最後は,やはり倉知淳っぽい。

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著者プロフィール

1962年静岡県生まれ。日本大学藝術学部演劇学科卒業。1994年、『日曜の夜は出たくない』で倉知淳として小説家デビュー。1997年、『星降り山荘の殺人』で第50回日本推理作家協会賞(長編部門)候補。2001年、『壷中の天国』で第1回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2002年、「桜の森の七分咲きの下」で第55回日本推理作家協会賞(短編部門)候補。

「2013年 『シュークリーム・パニック ―Wクリーム―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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