『罪と罰』を読まない

  • 文藝春秋
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  • / ISBN・EAN: 9784163903668

作品紹介・あらすじ

抱腹必至。読まずに語り、読んで語る読書会翻訳家、作家、作家であり装丁家の四人が名著『罪と罰』の内容を僅かな手がかりから推理、その後みっちり読んで朗らかに語り合う。

感想・レビュー・書評

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  • 世界が認めた名作だから…なんとなくふわっとしかわからないけど知っていると思わず言ってしまうのが、「罪と罰」。
    だけど読んでいない四人が、数少ない情報だけで推理してみたら…というこの本。

    めっちゃ面白い。
    今まで読まなくて良かったわ〜とさえ思ってしまった。
    この四人だからこそ…の面白さかもしれないが、次々と出てくる名前に馬だとか、セミだとか…これは、マメ父になってるけど。
    複雑なカタカナ名にヘドモドしてたのが、嘘みたいにするっとわかるのが宜しいではないか…と。

    三浦さんが、特に笑わせてくれますよね〜。
    岸本さんもラスコのことを「自己中心的でエリート意識あるんだけど、すごい俺様で、小心者で打算が激しくて。きわめて現代的キャラで自意識過剰で中ニ病で、あとニート」だとサイテーなこと言ってるし。
    よくもまぁ、と思うけど当たっているから笑ってしまう。
    「急に気分変わるマン」
    「いきなり帰るマン」
    「ほっといてくれマン」だそうで、確かにそんな感じだわ〜と。


    総括するとこの本は、愛すべきダメ人間の話しだ、と。

    こんなふうに読まない本を盛り上げてくれたら、敬遠していた数多ある本も、よし読んでみようかとなるだろうと思った。








    • riyumomさん
      私は冒頭10ページを読んで断念した口ですが、この本はグッと読みたい気持ちになりました。ただ、そのせいで罪と罰に間違った印象を持ってしまいそう...
      私は冒頭10ページを読んで断念した口ですが、この本はグッと読みたい気持ちになりました。ただ、そのせいで罪と罰に間違った印象を持ってしまいそうですが。
      2024/01/12
    • 湖永さん
      riyumonさん こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      「罪の罰」をしっかりと読んだ覚えもなく、スルーしてしまった私には、この本...
      riyumonさん こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      「罪の罰」をしっかりと読んだ覚えもなく、スルーしてしまった私には、この本はとても面白く読めました。
      作家さんならではの目線での解説は新鮮で、こういう捉え方があるんだなぁとか、予想するところも楽しめました。


      2024/01/12
  • 姉さん事件です(古い)

    遂にわたくしの本棚に小説以外の本が登録されましたよ!
    記念すべき一冊目はみんみん激推しの『『罪と罰』を読まない』です
    ジャンル的には何になるんでしょう?よく分かりませんが、『罪と罰を』ちゃんと読んだことのない四人の有識者が最初と最後を読み、どこかで聞いたうろ覚えの知識と、途中選んだページをつまみ読みしたり、見守り役から投げられる人物情報から中身を推理していく読書会という趣

    面白かった

    みんみんと同じじゃつまらないと先に『罪と罰』を読んで、記憶が明瞭なうちにと読んだので、全てを知る神のような上から目線で読み進めました
    全知全能w

    いやいやそんなわけないじゃん!とか、何でそっち行くかー!の中にえーすごいなんで分かるの?というさすがプロと思わせるやりとりもたくさんありました

    いずれにしろこのお馬鹿な企画に、多少の悪ふざけも含みながら真剣に取り組む四人のとっても楽しんでる様子が改めて「読む」ことの楽しさをおしえてくれるんですね
    読んでないのにw

    また、みんみんとのスタンスの違いに、四人の中で一番知名度のある三浦しをんさんへの距離感というか、みんみんはたぶん好きな作家さんだけど、自分は特に好きでもきらいでもなかったんですが
    これを機に好きになりそうです

    こんなぶっ飛んでる人だったの?

    そして巻末の三浦しをんさんのいつからが「読み始め」なのか?という考察もとっても面白かったです

    さらっと読める一冊なので『罪と罰』を読んだことある人も、読んだことない人も、読んだことあるけどほとんど覚えてない人にもお勧めの一冊です

    • ひまわりめろんさん
      頑固者めw
      頑固者めw
      2023/03/02
    • マリモさん
      ひまわりめろんさん
      この本面白そうで気になっているものです。罪と罰読んでから読みたいけど、罪と罰を先延ばしにしている…そういえばカラマーゾ...
      ひまわりめろんさん
      この本面白そうで気になっているものです。罪と罰読んでから読みたいけど、罪と罰を先延ばしにしている…そういえばカラマーゾフも先延ばしになってる…(挫折じゃないよ中断だよ)

      そうそう、しをんさんは、作家界で、朝井リョウさんとギャップ大賞を争ってるんですよ(まりも選)。しをんさんのエッセイは、妄想のるつぼで、腹抱えて笑ってしまいます。ぶっ飛んでて私は大好きです。
      2023/03/05
    • ひまわりめろんさん
      マリモさん
      こんにちは

      なんか忙しい時ほど大長編に手を出しちゃったりしません?
      これっていわゆる忙しい時ほど大長編に手を出しちゃう...
      マリモさん
      こんにちは

      なんか忙しい時ほど大長編に手を出しちゃったりしません?
      これっていわゆる忙しい時ほど大長編に手を出しちゃう病という不治の病なんですが(そのままやないか!)この病気が進行すると忙しい時ほど大長編に手を出しちゃったけどほんとに忙しくと途中で止まっちゃう病になります(そのままやし長いわ!)

      しをんさんのエッセイ手を出してみますよん
      2023/03/18
  • 面白かった!☆5じゃ足りない!
    一冊まるっと大爆笑でした‼︎

    ある宴会の片隅で仲良し4人が「罪と罰」って読んだことある?え〜っ読んでないけど〜?主人公がラスコーとかなんとかだよね?お婆さん殺しちゃうんだっけ?えっお金目的で?たぶんそうじゃない?

    ってな会話から「罪と罰」を読んでないけど僅かな情報で物語を推理しようじゃないか!

    って遊び心?で始まった企画です笑

    〈メンバー紹介〉
    三浦しをん・・直木賞作家、著書多数の売れっ子作家
           実はbl好きの妄想好き

    岸本佐知子・・有名翻訳家、凄まじい妄想でエッセイ
           でも大人気
    吉田篤弘・・クラフト・エヴィング商會でデザインなど手掛
      浩美  夫婦で著書多数あり

    当然わたしも読んでないのでwikipediaでざっとあらすじを見てから読みました〜\(//∇//)

    4人に手渡されたのは冒頭1ページ結末1ページのみ


    出だしから主人公をニート野郎扱い、名前も長いから端折って「ラスコ」場所は島耕作に出てたとこ…
    課長?いや社長!って盛り上がる4人

    東京生まれの4人が日本なら江戸時代だよね〜
    って時代小説風にストーリーを推理しだして
    妄想爆裂だけど…時々4人の妄想が当たるからさすがです笑

    たぶん今年一笑った本ですよ!
    人前で読むのは危険です( ̄▽ ̄)
    そして私は「罪と罰」を人に説明できるくらいには理解した…と思うから多分読まない笑

    ドストエフスキーもまさかドストと呼ばれる日がくるとは思ってなかっただろうな…



    • ひまわりめろんさん
      いや、ドキュメント系は読まないようにしてるんだってば!w
      んでもみんみんがそこまで言うなら…
      まずは『罪と罰』再読してみようかな
      いや、ドキュメント系は読まないようにしてるんだってば!w
      んでもみんみんがそこまで言うなら…
      まずは『罪と罰』再読してみようかな
      2022/11/11
    • みんみんさん
      読んだの∑(゚Д゚)
      ちゃんと覚えてるの?
      覚えてるなら更に面白いはずって誰かレビューで言ってた笑
      途中で登場人物の一覧があって
      ざくっとあ...
      読んだの∑(゚Д゚)
      ちゃんと覚えてるの?
      覚えてるなら更に面白いはずって誰かレビューで言ってた笑
      途中で登場人物の一覧があって
      ざくっとあらすじがあるのよ!
      結局全員読んでまた集合して感想会するんだけど

      「罪と罰」読みたくなるから凄いわ!
      2022/11/11
    • ひまわりめろんさん
      大昔にね
      ひとつも覚えてないよw
      大昔にね
      ひとつも覚えてないよw
      2022/11/12
  • ついこの前、『罪と罰』(光文社古典新訳文庫全3巻)を読了した僕が本書を読んでみました。
    つまり
      「『罪と罰』を読んでから『『罪と罰』を読まない』を読む」
    ということですね。なんか早口言葉みたい(笑)。

    本書は、世界的大文豪のドストエフスキーの世界的傑作『罪と罰』を読んだことのない一流作家・翻訳家の岸本佐知子さん、三浦しをんさん、吉田篤弘さん、吉田浩美さんの4人が少しの手がかりから『罪と罰』はどういう物語かを想像するという神をも恐れぬ座談会の結果をドキュメントにしたものです(笑)。

    結論から言いますとね
    最高に面白いですよ。読んでから読む方が。絶対。
    あまりにおかしくて何度吹き出してしまったことか。

    この本は、僕みたいな素人が一流の作家さん達に対して神のごとき全知全能感を味わえる唯一無二、千載一遇、空前絶後の大チャンスですよ。

    ふぅ・・・存分に堪能させていただきました。

    「ラズミーヒンて、誰?馬?」
    「なるほどね、ソーニャは源氏名なんだ。」

    もうこの部分読んだだけでも大爆笑。お腹が痛くなるくらい笑いました。
    「知ることは力なり」ということを身をもって体験させていただきましたよ。

    というか、みんなこの全知全能感を味わう為にこの本を読んでるんじゃないの?
      ええ!?違うの?
    この本を読んでるほとんどの人が『罪と罰』未読のまま読んじゃってるの?

    ああ、なんともったいないことを~
    『『罪と罰』を読んでから『『罪と罰』を読まない』を読んでみたらこうなった』みたいな題名で1冊本書けるくらい面白いのに~

    まあ、よく考えれば普通の人は『罪と罰』なんか読まないよね。ロシア人の名前がミドルネームに両親の名前を入れるとかも知らないよ。
    だから、この著者の4人と同じように、何にも知らない状態で一緒に推理していくっていうのも楽しいかもしれない。

    ただ、この4人の凄いところは、その推理が結構当たっているのよ(笑)。
    流石、一流の作家さん達。こんな手がかりだけで、物語の本質を見抜けちゃうんだとか、自分がドストだったら(←4人はドストエフスキーをドストと略しているw)こんな風に小説を展開させるとか、おお、なるほど~と関心する場面も多かったですね。
    売れる小説を書く人の思考回路ってこうなっているんだ~
    と何となく分かる感じがしました。

    で、こんな推理が延々と続くのかなって思っていたら、本書の後半でこの4人『罪と罰』をがっつり読んじゃってるのよ!
    結局読むのかよ!と相当数の読者からのつっこみがはいったと思います(笑)。

    そう、本書の後半は、読んでからの座談会になっているから、この題名の『『罪と罰』を読まない』には偽りありです(笑)。

    で結局、みんな読んじゃうんですから、読んだ方が良いですよ。『罪と罰』も『『罪と罰』を読まない』もね。本当に面白い読書体験が経験できますから。
    と言う訳で、この4人には今度はトルストイの『戦争と平和』か『アンナ・カレーニナ』をやって欲しいなっ☆

    • たけさん
      こんばんは!
      この本僕も読んでます。未読座談会まで。

      未読で未読座談会まで読み、そこから「罪と罰」を読み始め、読後座談会は、読破して...
      こんばんは!
      この本僕も読んでます。未読座談会まで。

      未読で未読座談会まで読み、そこから「罪と罰」を読み始め、読後座談会は、読破してから読もう!今年の夏休みの宿題!と意気込んだはいいが、もう9月…
      意気込みは遠い夏の思い出と化してます。

      kazzu008さんのレビューを読んで、少しだけ頑張ろう、と思いました。
      2019/09/06
    • kazzu008さん
      たけさん、こんにちは。
      たけさんもこの本をお読みなんですね。
      なるほど、読後座談会は後で読むという戦法ですね。絶対、この本は『罪と罰』を...
      たけさん、こんにちは。
      たけさんもこの本をお読みなんですね。
      なるほど、読後座談会は後で読むという戦法ですね。絶対、この本は『罪と罰』を読み終わった後の方が楽しめますので頑張ってください!
      2019/09/09
  • いやはや、何とも豪華なメンバー!
    そして『罪と罰』を読まずに読む、つまり、本は読んでいないけど断片的な情報から推理するという、アソビゴコロ満載の企画!
    読んでいる最中、ニヤニヤが止まらなくて困りました。

    案の定、岸本&三浦ペアの妄想が大暴走、クラフト・エヴィング商會のお二人が上手くまとめているような、さらに撹乱しているような…という期待に違わない流れで推理が進んでいきます。
    散々推理をした後、実際に読んでみてからの座談会もおもしろいのです!
    私も『罪と罰』は未読なのですが、4人があまりに楽しそうに小説のことを話しているので、1人取り残されてしまったような気分…。
    何せ、ラスコーリニコフは「ラスコ」、ドストエフスキーは「ドスト」と親しみやすそうなあだ名で呼ばれ、「修造」「捨てキャラ」「恵まれない境遇の女萌え」などなど普通に読んでいたら出てこなそうなキーワードがごろごろ出てくるのです。
    「そ、そんなにおもしろいのか…?」と俄然読んでみたくなりました。
    名作と名高い小説に構えずチャレンジするきっかけを作ってくれる1冊です。

  • 私も罪と罰を読んだことがないので一緒に考察をしている気分になれた。そして、名作を「変な人!おかしな話し!」などと言ってのける読書会は読んでいて楽しかった。今後、読むかは分からない。

  • 罪と罰を読まずに知っているおぼろげな知識や記憶、断片的な情報をもとにあーだこーだ推理するという、神々の遊び的な本!
    登場人物を自由に呼び、主人公も中二病扱い、みんな変とツッコミ放題、にやにやしてしまう。
    どうしよう、私も罪と罰を読むべきか、カラマーゾフを読むべきか。

  • この手のタイプの本は初めて。
    この本を知ったきっかけはマイブーム岸本佐知子さんの著作検索芋づる方程式です。
    ドストはカラマーゾフを過去読んだことがあり、それを思い出しました。一度は挫折。再読時はなぜか止め糞が外れるように面白くて一気読み。でも人名に最後まで苦しむといった記憶がフラッシュバック。
    とにかく4人の推理力と妄想力に圧倒されまくりです。やっぱり作家さんは素人じゃないね(当たり前)。よくもこんな少ない情報からそこまで類推したなワールド。しかもちょっとした語りにも鋭い洞察力というか私ならスルーな箇所でも鋭い突っ込みが入っていて、なんというか読解力のレベルが自分とは雲泥の差なのを突きつけられた敗北感でいっぱい。いっちゃんしゃべってるのはしをんさん。しをんさんの前では推しの岸本さんの出番も少なめ。
    本の後半戦は罪と罰を読んでから再度集まることになったので、私もここで一端この本から離脱してドスト罪と罰を読むことにします!

    2023.04.14
    ドストの罪と罰を読了したので、こっちに戻ってきた笑。彼ら4人は読了後に集まったときには、各人メモと付箋だらけの本を持ち込んでる!そしてあーだこーだ言いまくるんだけどそれを読んで思った。
    ああ、本ってのはこうやって気になる所に付箋をし、その時思ったことや、気持ちをメモしながら読むってのは面白い試みかも!
    スルメの様に噛み締めて、あとで語り合う楽しさよ。
    いいねーー。罪と罰も一回読むのもありかも。

  • ずいぶん前に、クラフト・エヴィング商會のお二人のうちどちらかだったと思うが、「『罪と罰』を読んだことがない」ということを何かのご著書で目にしたように思う。「ふえええ、プロの作家さんでも読んだことがないんだー、でも世の中には小説があふれているからそれは誰にでもあるなあ」とだけぼんやり思ってそのままになっていた。かくいう私も、『罪と罰』は読んだことがない。野田秀樹の『贋作 罪と罰』を観に行って、それで雑にやっつけて何年も経っている。なので、この本の出版を聞いたとき、「えっ、あの流れで企画化されて本になったのか!」と少なからず驚き、すかさず購入。

    クラフト・エヴィング商會のお二人、三浦しをんさん、岸本佐知子さんの、「『罪と罰』を読んでいない」メンバーが、読んだこともない『罪と罰』をイメージであれこれと語り合う…というか、推理する読書会的な座談会本。とはいえ、まったくの材料なしで最後まで突っ走るわけでもなく、途中でちょこっとずつ本編のアシストを加えながら話が進む。

    いやー、みなさん言いたい放題で楽しい。読書会の一般的なイメージとしては、課題書を各自読んできて、詳しい人・詳しくない人を含めてあーでもない、こーでもないと話し合う、ちょっとお勉強会めいたアミューズメントなんだけれども、4人で繰り広げる「読んでいない読書会」は、途中で小出しに投入される材料で軌道修正してはいくものの、基本、連想と推理のゲームだ。文芸のプロのみなさんなので、構成や作劇を見ぬいたり展開したり、分析したりする力はすごいが(特に三浦しをんさん)、吉田浩美さんの「影絵的には…」のキーワードが意外とこのトークの牽引力となっている。この「影絵」については私が見た記憶があるものとどうも同じなようで、なんだか親近感を覚えてしまう。ラスコーリニコフ(愛称ラスコ)、革命家なのか!しかも「すぐ帰るマン」なのか!まあ合っているような気もするし!

    『罪と罰』だからどうこうというより、小説好きが(この本の場合はそれプラス「小説に携わる人」ではあるけれど)なんのてらいもなく「読んでませんが、何か?」と言いつつ、小説好きの一点突破のみできゃっきゃと話す楽しさにあふれた本だと思いながら読み終えた。どんな趣味でもそうだけど、小説にも「マニアがジャンルをつぶす」的な側面がないわけではなくて、こういうふうに、読書歴のなさを押し出して話をする機会というのは意外と少ない。私も本をネタにした集まりに関わってしばらく経つけれど、こういった楽しさを忘れないようにしたいと、ちょっと殊勝なことを思った。

    ネタバレ…とはいいませんが、この本を読めば、『罪と罰』を一生読まなくても大丈夫な情報はつまっていますので、それを含めて、年末年始に一読してみられてはいかがでしょうか。

  • この方たち、本当に自由だなあと、そこに一番感銘を受けた。プロのもの書きの方があの「罪と罰」を読まずに語ろうだなんて、しかもそれを本にしようだなんて、普通はあり得ないでしょう。なんの遠慮もなくワイワイと妄想を繰り広げる様子が、まあ実に楽しそう。本ってこういう風にも「読める」んだなあ。

    一番発言が多く、自由自在にお話を展開していくのが三浦しをんさん。さすがだ。実際の「罪と罰」とは全然違うんだけど、そっちの方が読みたいわ!と何回思ったことか。「読まずに読む」集まりのあと、本当に読んでからまた語り合うという場でも、しをんさんの読みが断然おもしろい。スヴィドリガイロフを「スベ」と呼んで、ヴィゴ・モーテンセンに脳内変換して読むとは。いやもう、また読もうかしら「罪と罰」。

    ……確か、学生のとき読んだはずだが、ほとんど覚えてないのはどういうわけか(読破記憶は捏造?)。数年前大学生の娘に「『罪と罰』って読んだことある?」と聞かれ、「あるよ(当たり前じゃん)」と答えたら、「どんな話なん?」とさらに聞かれ、「えーと、貧しい男が正しいことだと思って金貸しの老婆を殺すんだけど、結局改心する話」と、最初と最後だけまとめといたのを思い出した。娘は「ふーん」とつまらなさそうにしてたので、きっと読んでないと思う。面目ない。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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