死はこわくない

  • 文藝春秋 (2015年12月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784163903781

作品紹介・あらすじ

「死ぬというのは夢の世界に入っていくのに近い体験だから、いい夢を見ようという気持ちで人間は自然に死んでいくことができるんじゃないか」。



自殺、安楽死、脳死、臨死体験研究…。長きにわたり、人の「死」とは何かをいうテーマを追い続けてきた「知の巨人」、75歳。がん、心臓手術を乗り越え、到達した心境とは?



〈目次〉

第一章 死はこわくない

①「死」を怖れていた若き日

失恋で自殺?

安楽死についてどう考えるか

「死後の世界」は存在するか

②ここまでわかった「死の瞬間」

心停止後も脳は動き続ける

体外離脱の謎

「神秘体験」はなぜ起こるのか

人生の目的は心の平安

③がんと心臓手術を乗り越えて

理想の死に方

延命治療はいらない

生命の大いなる環の中へ



[特別エセー] ぼくは密林の象のごとく死にたい



第二章 看護学生に語る「生と死」

人は死ぬ瞬間に何を思うか

死にゆく者へのインタビュー

厳しい看護師の現場

葛藤に次ぐ葛藤

燃え尽き症候群

難しいがん患者のケア

筑紫哲也さんの場合

余命の告知はどうすべきか

勝手に告知した、と激怒した家族

人間は死んだらゴミになる?

ナチスに殺された子どもの絵

「肉体は人間存在の外殻に過ぎない」

見えない存在との語らい

臨死体験はなぜ似ているのか

長期療養病棟の現実

尊厳死とどう向き合うか



第三章 脳についてわかったすごいこと

「意識」とは何か

脳科学「最大の謎」とは

脳はケミカルマシン

夢は思い通りに変えられる

意識を数式化できる?

心を持つ機会はできるのか

死んだときに意識はどうなるのか

東洋の世界観に近づく



あとがき

みんなの感想まとめ

死というテーマに対する深い考察が展開され、読み手に新たな視点を提供する作品です。臨死体験や自殺、安楽死といった難しい問題に対し、著者は自身の体験や研究をもとに、死を恐れずに向き合う姿勢を示しています。...

感想・レビュー・書評

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  • 臨死体験の専門家である立花隆氏による、死についての最新版。対談形式で読みやすいが、内容は薄く感じた。
    「(自殺願望のある人へ)「死にたいのなら死んでみればいい。だけど、やり直せないよ」と言えば十分だ」p23
    「語り得ぬものについては沈黙せねばならぬ(ヴィトゲンシュタイン)」p31
    「いざ危機に直面すると、人間って、その状況を把握したり、その対応に駆け回ったりするのに精一杯で、死を心配している余裕なんてない。暇な人だけが死の恐怖にとらわれるんじゃないでしょうか」p58

  • 【「知の巨人」が到達した究極の死生観とは】「死はこわくない」。75歳の今も精力的な取材を続ける立花氏。臨死体験研究、がん闘病を越えて見出した理想の「死」のかたち。

  • 死が迫りつつある事を認識しつつ書かれている。臨死体験が身をもって体験できる事を楽しみにしているとの記載。
    実際どうであったのか、聞くことが出来れば良いのにと思う。

  • 114

  • 死はこわくない 単行本 – 2015/12/5

    いい臨死体験ができるように、死に際の床をなるべく 居心地良くしておくのが大事
    2017年8月12日記述

    立花隆氏による著作。
    1940年長崎県生まれ。
    1964年東京大学仏文科卒業。

    2015年12月10日第1刷発行。
    著者自身については有名な事もあり知っていた。
    しかし著作を読むのは実は初めてだった。

    雑誌での口述筆記や講演内容の再録である。

    第1章 死はこわくない
    取材・構成 緑慎也 週刊文春2014年10月30日号~11月13日号「死は怖くない」より

    特別エセー ぼくは密林の像のごとく死にたい
    月刊文藝春秋2005年1月号「理想の死に方」より

    第2章 看護学生に語る「生と死」
    2010年11月に共立女子大学・短期大学総合文化研究所および看護学科にて行われた講演「生と死について」を再編集したものです

    第3章 脳についてわかったすごいこと
    月刊文藝春秋2015年4月号「脳についてわかったすごいこと」を加筆・修正したものです

    あとがきでも著者が触れているけれども
    生とは何であり、死とは何であるのか?は人が生涯追いかけざるをえない難問である。
    答えは年齢によってかなり、あるいは微妙に変わってくる。

    印象に残った部分を紹介したい。

    心臓が止まったあとも数十秒、脳が実は活動を続けるとなると、臨死体験は「死ぬ直前の脳の活動による体験」と考えられる(ボルジガン博士)

    臨死体験は脳が最後に見せる夢に近い現象ですから、
    いい臨死体験ができるように、死に際の床をなるべく
    居心地良くしておくのが肝要です。
    (2002年に亡くなった医師毛利孝一氏の例
     3度臨死体験したが3度目の嫌な体験は写し病院着1枚で寝かされていた

    像は死期を悟ると群れから離れ像の墓場と呼ばれる場所で横たわり死ぬそうだ。
    そんな死に方を立花隆氏も求めている。
    しかし現実は難しいので叔父のような死に方ができたらいいとのこと
    (ほぼころっと死んだ感じ。家族に明日死ぬと予告して寝たまま死んでいた)

  • キリスト教徒の両親の家で育ったせいでしょうね。「人間の肉体はチリから生まれてチリに帰る」と言う考え方にずっと親しんできました
    結局、医療と言うのは最後は患者が負けるんです。つまり、人間と言うのはみんな死にますから。だから、感情を必ず死ぬということをきちんと届いていなければいけません

  • 臨死体験の時と違い死は脳内現象と言うことを、いっている。
    やっぱり死ぬと無になるのか。

  • 155ページから167ページあたりがとても面白かった。意識って何だ、という話のところ。

  •  立花隆には『臨死体験』や『脳死』という著作もあり、元々死についての関心が深い。その彼が、ガンと心臓病の手術を乗り越え、自らの死も強く意識するなかで考えたことなど、死にまつわるあれこれを語ったもの。
     本書はロング・インタビュー(立花の弟子筋に当たるサイエンスジャーナリスト・緑慎也がインタビュアー)、講演録、対談といった「語り」が中心で、立花自らが文章を書いたのはエッセイ1編と「あとがき」のみなのである。

     出てくる話の重複もあるし、立花隆にしては安直なつくりの本だ。
     大病も経た75歳の彼には、かつてのような重厚な著作をものす力がもう残っていないのかもしれない。

     ただし、本書は『臨死体験』などのエッセンスを凝縮した本として読むこともできる。ゆえに、『臨死体験』を未読の人にとってはそれなりに面白いだろう。

     また、第三章「脳についてわかったすごいこと」は、2014年放映のNHKスペシャル「臨死体験 死ぬとき心はどうなるのか」を立花と一緒に作ったディレクター・岡田朋敏との対談であり、最先端の科学が死や「意識」というものをどうとらえているかを垣間見ることができる。

    《面白かったのは、死の間際にネズミの脳の中で、セロトニンという幸福感を感じさせる神経伝達物質が大量に放出される現象が確認されたことです。人間の臨死体験でも「幸福感に包まれる」という報告が多くされており、彼女の研究結果は、臨死体験が「脳内現象」であるという説を支持する有力な実証研究となりそうですね(岡田の発言)》

    《生物はより複雑なものになる過程において、その複雑性がある限度を越すと「意識」が生まれる(立花の発言)》

     ……と、そのような示唆に富むトピックも多い。

     なお、『死はこわくない』というタイトルは、立花隆が取材を通じて「死後の世界はない」と確信し、(大病と高齢により)死が近づいていることを意識するようにもなって、「『死は怖くない』という心境に達した」ことをふまえたものだ。

     ふつうは、宗教などを通じて「死後の世界の存在を確信する」からこそ、死が怖くなくなるものだろう(宗教誕生の大きな要因は死の恐怖だといわれる)。その逆に、“死後の世界がないと確信したからこそ、死が怖くなくなった”というのは、いかにも立花隆らしい。

     ただ、私は本書を読んで、「立花の死生観は意外に薄っぺらい」と感じてしまった。死を表面的な現象のみで捉えているというか。
     そもそも、“臨死体験はたんなる脳内現象”というのはその通りかもしれないが、だからといって、それは死後の世界の不存在証明にはならないだろう。

     また、今後、脳科学などの進歩によって死というものの“正体”が明らかになったとしても、そのことと死の恐怖を乗り越えることは別の話なのではないか。

     たとえば、人間の恋愛感情も、脳内現象として捉えればたんなるドーパミン(など)の過剰分泌にすぎないかもしれない。恋愛感情のメカニズムは、今後事細かに解明されていくであろう。しかし、それが解明されたからといって、人間が片恋や失恋の苦しみから解放されるわけではないのだ。

     “私は死の正体を科学的に見切った。だから、死はもう怖くない”(と、立花が明言しているわけではないが、そういう含みが感じられる)というのは、ある種の増上慢ではないか。

  • 久しぶりの立花氏。生きていることの方が普通でない状態であるというのは、以前読んだ森博嗣氏の著書にも書いてあった。通常状態に帰るのだと考えれば、死ぬことは怖いことではないし、生きている間にどんな痕跡を残して次につないでいけるかということが大事になるなのかもしれない。

  • 誰でも死ぬのはこわいはず、でも、避けられない結末だとしたら、どう生きるべきか、と考えるしかありません。

    でも、やっぱりどうやって死ぬのか考え出すと、やっぱり怖い。そのこわさにどう向き合うかで、「こわくない」の結論は変わってくるのではないでしょうか。

    幸せな来世を約束することで、怖さを払拭するのではなく、死ぬ瞬間、その瞬間どんな状態になるのだろう、という点を臨死体験、しかも最新の科学の方向から語っています。
    なんだ、本当にそのときになれば、自分は怖くないのかも、と思わされます。

    ただ「そのとき」がいつかわからない。
    だとするとやっぱりこわいものだとは、思います。まだ、立花さんの境地にはいたれそうにありません。

    そして、途中、引用されている何冊かの本を手にとってみたくなりました。

  • 20160320

  • 対談形式で平易で読みやすい。「脳死体験」を中心に、「死」とは「生」とは、「死後の世界」とはなどの問題に対して、筆者が世界中を巡って著名な研究者と会って得た新しい知識が得られ、ためになる。「意識」がどこから生まれるか、ロボットは意識を持ち得るかの章も面白い。生にも死にも解答はないが、それに関する現代科学の概要を把握でき、自分で考えるうえでとても参考になる本であった。

  • ちょっと前に酒を飲みすぎて、今までにないくらいに気持ち悪くなり、体中が震えてきて、その場で横になり意識を失った。その後、数時間経って意識を取り戻したが、人間ってこんな感じで死ぬんだなって思った。
    それ以前からも死について考えたことはあったが、この本を通じてより深く考えるきっかけをもらった。
    死ぬとき、セロトニンが脳内に分泌されて、幸せを感じるらしい。そっかそっか。死ぬときって幸せなんだな。とりあえず、今はやれることやって、死ぬとき後悔しないようにして、死ぬ時の幸せ感をフルに味わいたい。

    看護士の授業の話が心に残る。余命数か月の患者に質問する。学生からは何も質問がでない。でもその患者は死を受け入れているから、今の気持ちを聞いて欲しい。すごい授業だな。。こういう授業を受けて育つ学生はいい看護士になるんだろうな。

  • インタビュー、対談、スピーチなど。人の脳には記憶を都合よく生み出す機能(フォールスメモリー=偽りの記憶)があり、これを本物の記憶と勘違いする恐れがあるとのこと。事実ではないことを事実だと誤認してしまう恐れがあり、冤罪に繋がったりするようだ。著者は臨死体験もこの影響の一つなのではないかとしている。臨死体験といっても結局死んでいないのだから後から脳が適当に話を作ったりできるだろう。もし本当に死んでしまったら何も語れないのだし、これでは死後の世界は永遠に証明できないな。

  •  田中角栄研究、脳死、臨死体験、宇宙からの帰還、がん、などこの30年、どれほど立花氏の本で新たな知識を得たことか…

     ご自身もがん手術を経験され、「死とは」を改めてまとめた本です。

     ラットを使った実験では、死の直前、ゆらめきのような電気信号が脳内を走るそうです。

     臨死体験とは、単なる脳内物質(セロトニン?とも)の見せる夢のようなものなのか、それとも本当にあの世につながる何かを体験するのか。

     立花氏は、生に対する執着が薄れると死が怖くなくなる、と。

  • 知の巨人の本、実は初めて読む。
    死を科学する。
    なんだか禁断の感じだけど面白い。
    まだ、Expectingという域には達しないけど、やっぱり死は怖いのだけど、少しだけ恐怖はやわらいだ気がする。

  • うん、読んでいくに従って、そんな域に達してきた。

  • インセプションを観た時、映画としては面白いけどありえないと思った。でも明晰夢をみることができるアイマスクをつけると夢と現実を行き来することができるらしい!意識の研究は日々進化していてスゴイです。立花さん、キューブラー ロスも怪しいこと言ったってぶったぎってる笑。知の巨人の本なのに字が大きくて読みやすく、科学と哲学で解説しながら死はこわくないと思える満足の一冊でした。

  • もう疲れてしまったから、早く死にたい。もう生きているのが辛い。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

立花隆の作品

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