獅子吼

  • 文藝春秋 (2016年1月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784163903842

作品紹介・あらすじ

稀代のストーリーテラーによる心に響く短篇集



あの時、あの場所にいなければ……時代と過酷な運命に翻弄されながらも立ち向かい受け入れる、名もなき人々の美しい魂を描く短篇集。

みんなの感想まとめ

心に響く短篇集は、過酷な運命に翻弄される名もなき人々の美しい魂を描き出します。表題作「獅子吼」をはじめとする6つの短編は、戦中戦後や東京オリンピックの時代を背景に、どこか寂しさを感じさせる一方で、小さ...

感想・レビュー・書評

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  • この作家さんのは好きです。
    同世代なのでかもしれません。様子や背景が想像できるのでしょう。
    やはり表題通りの「獅子吼」がいいです。

    でも何やらもの悲しさがしばらく残ってしまう…そんな作家さんです。

  • 表題作「獅子吼」をはじめとした6話の短編集

    戦中戦後、東京オリンピックの頃が舞台のお話たち。
    どの話もどこか寂しく感じられた
    でも、どの話にも小さな優しいエピソードがあって、寂しいだけでは終わらない何かがある。

    頭の中の映像はグレーに近い青、群青色、
    きっとこれは表紙の装画に引っ張られているんだろうなと思う。
    広い大地に空まで届きそうな大きな1頭のオスのライオンが吼えている
    星が煌めいているから夜なのだろうな
    ライオンのお腹あたりにかかっている雲からは雨が降っている
    力強い絵です

    6話の中で「獅子吼」が1番好き
    冒頭、誰かが目覚めて語り始める
    読んでいくとそれは動物園にいる獅子だった
    語りは、穏やかで優しい獅子です

    次に人の語りが続く
    東北が舞台のお話で、東北弁での会話が始まる
    浅田次郎さんの東北弁とゆうと、「壬生義士伝」の吉村貫一郎!
    浅田次郎+東北弁=涙腺ゆるゆる
    の方程式を持つ私は涙スイッチが入ってしまう、、、
    戦時中は人間も動物も厳しく苦しい時代で、それでも優しい気持ちを忘れない人も必ずいて、その人がいてくれた事で少しの希望になる。

  • 浅田さんの短編集。六話が収録されています。

    時代や設定等が様々で統一感はないのですが、全体的に暗めな内容の話が多かったです。
    (第六話「ブルー・ブルー・スカイ」はちょっと毛色が異なっていましたが)
    個人的には、表題作の第一話「獅子吼」が印象に残りました。“戦争×動物園の動物”という鉄板の悲しい話なのですが、“獅子目線”で語られるパートと“人間目線”のパートが交互に入れ替わって展開する構成が、より一層悲哀を感じさせるものがあります。
    “獅子パート”では上官からの命令によって、自分を殺しにきた人間たちを思いやる獅子の優しさと気高さが描かれていて、胸が痛くなります。
    そして、動物を射殺する役目の人間たち。草野君も可哀想ですが、鹿内兵長の切なさたるや・・(個人的に“兵長”というだけで、某漫画の某兵長と重なってしまい、勝手に思い入れが強くなってしまっております)。
    人間というのは、何故“戦争”という愚かな事をしてしまうのでしょうか。それによって利益を得る人がいるから、と言ってしまうとまた別な話になりますが、“人間、ムズイなー・・”とは私も常々思いながら生きております。

  • なんて切ない後味引くのか…どのお話もたまらない悲しい余韻をたたえています。
    帰り道
    流離人
    獅子吼
    秀逸としか言えないです。
    時代に翻弄された悲しみはぶつけどころがなくて本当苦しいです。

  • 「獅子吼」「帰り道」「九泉閣へようこそ」「うきよご」「流離人」「ブルー・ブルー・スカイ」の六篇を収録。どれも消化不良気味のストーリーで今一だった。

    図書館利用。

  • 浅田次郎さんらしい短編集
    1番最初の題名にもなっている「獅子吼」は切なくて、
    戦争と動物、これは反則だよ
    1話ずつ、読み終わると悲しい余韻で次に進めない
    でも、知らないふりをしているより
    小説として、その世界に浸ったほうがいい
    そんな風に思いながら読んだ

  • 時代は戦中から戦後
    登場人物はそれぞれ立場も性別も違い、独立した短編集
    戦中の獅子(ライオン)の生涯を描いた表題作が印象的だった

  • 短い映画を観たような、映像が浮かぶ作品。
    避けられない運命の中でもひとは生き方を選ぶことができると教えてくれる。
    切なさを思い出す。
    読めてよかった。

  • 「うきよご」の姉と弟の会話の間が印象的だった。姉の血の通った台詞がリアルな心情に思えて、耳に聞いたように残っている。弟に言っているようで、自分自身に向けた言葉だったのかもしれない。

    「流離人」の、さすりびとのどこか捨て鉢な様子にも心を痛めた。人生が思うようにいかないどころか、戦争によって人生そのものが断たれるなんて、悲しいとしか言いようがない。誰も責任は取ってくれない。

    戦争当時の影が差す話が多く、それぞれの場所で戦争に接した人々の虚しさを痛切に感じた。

  • 表題作の「獅子吼」が一番良かったです
    「帰り道」はよく分からない
    浅田作品には「天国までの百マイル」でもそうですが献身的に身を引く女性が出てくるけれどもなんで?って感じで理解不能です

  • さすが、著者の引き出しの多さに感服。戦争の愚かさ身勝手さ、淡く切ない恋愛の回顧、やばい事件に巻き込まれるも滑稽な温泉旅に博打旅、そんな統一感がないようでいずれも郷愁を覚える作品群だ。『獅子吼』では、ライオンはさることながら草野君、さらに鹿野君の心情をおもんばかるに、あまりに辛い。時代は違えど『帰り道』では、スキーバスでの青いときめきに既視感が湧くし、エピローグがいい。素敵なアンソロジーを贈っていただきました。

  • それぞれに味がある短編集
    表題の獅子吼もいいが流離人もいい
    いつものキレが少ないようには感じたが…

  • 浅田作品は獅子までが限りなく優しいんだな。自分を愛おしんでくれて、戦争ゆえに自分を殺さざるを得なくなった若い兵士のために、敢えて封印していた怒りの相を見せる、その優しさが限りなく切ない。
    その他の作品も、戦争に関してこういう作品を書いてくれる人がまだ存在して、それが出版できるうちは、日本はまだ大丈夫かな、と。

  • 戦中、戦後を舞台とした短編集。浅田次郎らしい設定の作品であるが、内容は中途半端で今までの作品集と比べ物足りない。時代の雰囲気がテーマなのかな?時代が分かるだけに、浅く感じる。せめてギャンブル好きの浅田さんとしては、ラストのブルーブルースカイを面倒なドタバタじゃなくユーモア物にして欲しかった。前は外れなしと思っていた浅田作品も陰りかな~

  • どれもイマイチで、特に短編を貫く一貫性もなかった。
    反戦かと思いきやようでもないし、人間模様も薄っぺらい。

  • 2017.07.25
    どうもいけない。最近、途中で終わる本が3冊続いた。著者は良いのに残念!きっと私に余裕かないのだろうなあ•••。

  • 6話の短編集である。
    題名の「獅子吼」(ししく)を読みながら、戦争時代の連作ものかと、思いながら読んでいた。

    人間でさえ、ひもじい思いをしていている戦中に、動物への餌がない。
    象の話は、絵本にもなっていたと思うのだが、、、

    自分のことで精いっぱいの時代に、動物への愛情を持った人間もいたのであり、又、この本に出て来る獅子は、獣の王としての誇りを持っていた。

    恨みも憎しみのかけらもない相手に「敵」という名をつけてころす戦争。

    最近のテロ事件のnewsを見ていても、何も関係のない人達が、犠牲になっている。
    なぜか、悲しい気持ちにさせる1話を読みつつ、次の短編を読んで行っただが、ハッピーエンドになるものがない。

    「うきよご」は、全学連で、学生運動の盛んな時代である。
    安保、、、と、言って皆、学生が、熱くなって、デモを繰り返していた時代。
    無気力、無関心の時代へと、移行するのには、時間がかかからなかったが、この時代の人達は、もう75歳ぐらいになるのだろうか?

    ブルーブルースカイ、、、、この時代はいつのことだろうか?
    レクサスの車が出て来るし、20,000ドルが、幾らになるのだろう、、、、

    戦中、戦後の話で、パッピーになれる話は、余りないであろうが、短編集なら、少しは、気持ちが穏やかになる話も挿入して欲しかった。

  • 短編。
    久々の人情物を楽しく読みました

  • 浅田次郎さん、椿山課長とかついこないだの一路とか結構たのしかったけど、これはあんまり好きじゃなかったな。

    様々な境遇、時代で、不運と思われる人が主役。どこか後味の悪い気持ち悪さが残る短編集。

  • 戦中と戦後の復興期を主な舞台とした短編集

    表題作の獅子吼がとても良かった

    さらわれて動物園に連れてこられた獅子は、その運命を受け入れて妻子とともに穏やかに暮らしていた。しかし、妻に外の世界の話をしたことで状況が変わる。戦争によって、動物園の動物たちの多くは悲しい運命を背負うことになる。手を下す人間の苦しみ、それを胸を張って受け入れる獅子の姿が印象に残った

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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