ホモサピエンスの瞬間

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 27
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904139

作品紹介・あらすじ

介護施設に毎週、マッサージ治療の機能訓練に通う主人公の鍼灸師。五十山田さん(仮名)のひどい首凝りをほぐすうちに浮かび上がる、日中戦争の記憶とは――?ホモサピエンスとは、人間の、人間らしさを脱ぎ捨てた姿。「還ってしまっていいのですか? 人のかたちをした獣に」と呼びかける幻の少女の声。ユーモアと軽快さを武器に、異文化間の緊張をやわらげようとする試み。整体で身体の記憶と歴史を探る、第154回芥川賞候補作!

感想・レビュー・書評

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  • ハイブロウだったなぁ。
    比喩についていけなかった。

  • 肩こりという名の鬱と痴呆の狭間と戦時中の記憶を語る五十山田さんと鍼灸師のやりとり。

    おそらく、そうであろう文章。
    それしか書けない!

    私には理解不能な世界でした。

  • 第154回芥川賞候補。
    1行ごとに段落、主観(的意識)・客観(的セリフ・状況)が入れ替わって描かれる極めて実験的な作風の時点で芥川賞は難しいだろうという印象です。
    マッサージ・東洋医学が人の体をどのようにほぐし、精神に影響を与えているのかということ、首という部位がつなぐ脳と体の関係、そして人間とホモサピエンスとの分岐点はどこにあるのか。
    幾つかのテーマが重層的に埋め込まれていますがそれなりに完成度は高かったと思います。ややラストが唐突かつ散漫な気もしますが、それほどでもないでしょう。
    この人の場合、あまり賞のことなど意識せず独自の方法で書いていくと良いのではないかと思います。

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著者プロフィール

1982 年生まれ。小説家、臨床家。大東文化大学中退、宇都宮大学卒業、一橋大学大学院言語社会研究科修了。東洋鍼灸専門学校卒業( 鍼灸あん摩マッサージ指圧科) 中国・北京中医薬大学短期研修、都内の治療院数ヶ所での勤務・研修を経て2018 年より豊泉堂を開院。小説家としては2008 年「廃車」で文学界新人賞受賞、2009 年「よもぎ学園高等学校蹴球部」で第141 回芥川賞候補、2013 年「LIFE」で第
150 回芥川賞候補、2016 年「ホモサピエンスの瞬間」で第154 回芥川賞候補。『LIFE』( 講談社) では野間文芸新人賞を受賞。著書に、『本を気持ちよく読めるからだになるための本』(晶文社)、『カルチャーセンター』『そこまでして覚えるようなコトバだっただろうか?』(書誌侃侃房)など。

「2024年 『背中は語っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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