本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163904139
作品紹介・あらすじ
介護施設に毎週、マッサージ治療の機能訓練に通う主人公の鍼灸師。五十山田さん(仮名)のひどい首凝りをほぐすうちに浮かび上がる、日中戦争の記憶とは――?ホモサピエンスとは、人間の、人間らしさを脱ぎ捨てた姿。「還ってしまっていいのですか? 人のかたちをした獣に」と呼びかける幻の少女の声。ユーモアと軽快さを武器に、異文化間の緊張をやわらげようとする試み。整体で身体の記憶と歴史を探る、第154回芥川賞候補作!
感想・レビュー・書評
-
ハイブロウだったなぁ。
比喩についていけなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第154回芥川賞候補。
1行ごとに段落、主観(的意識)・客観(的セリフ・状況)が入れ替わって描かれる極めて実験的な作風の時点で芥川賞は難しいだろうという印象です。
マッサージ・東洋医学が人の体をどのようにほぐし、精神に影響を与えているのかということ、首という部位がつなぐ脳と体の関係、そして人間とホモサピエンスとの分岐点はどこにあるのか。
幾つかのテーマが重層的に埋め込まれていますがそれなりに完成度は高かったと思います。ややラストが唐突かつ散漫な気もしますが、それほどでもないでしょう。
この人の場合、あまり賞のことなど意識せず独自の方法で書いていくと良いのではないかと思います。
全3件中 1 - 3件を表示