アンバランス

  • 文藝春秋 (2016年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784163904269

作品紹介・あらすじ

セックスなんて、しなくても生きていけるはずだった



日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。

しかし、夫は性的不能のはずだった。

夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。

そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは……

やるせない心情を繊細に生々しく描き出す長篇小説。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間関係の微妙なバランスをテーマにしたこの作品は、セックスレスの夫婦が直面する複雑な心情を描いています。登場人物たちは、互いの本音を語れずに曖昧な言葉で関係を保とうとする中で、心の葛藤や痛みが浮き彫り...

感想・レビュー・書評

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  • 順調に加藤千恵さん作品をローリング中。

    ◆あらすじ
    過去の出来事が原因で勃起不全の夫が、自分より歳上で醜い熟女とSEXしていたことを知った日奈子。セックスレスを抱えながらも続く苦しい夫婦生活を描いた物語。
    最近アマプラでドラマ化された1122(高畑充希と岡田将生主演)にとてもよく似た構成。

    ◆感想
    本当は、夫とセックスがしたい。夫との子供が欲しい。思っていても口にできない日奈の優しさ、辛さに胸が痛んだ。
    日奈子は確実に深く傷ついているのに、優しい夫のことが好きであり、共に過ごして来た時間そのものが情であって、きつく当たることができない彼女の姿が、みていてもどかしかった。
    日奈子の母親が日奈子に向ける言葉や態度も、思いやりがなくて救われない。姪ができたことで、実家が帰れる場所じゃなくなっていくという状況も(自分はまだだが、近い将来そうなりそうなことが想像できて)共感できた。
    最近夫婦ものの作品を読んでいるが、改めて結婚しても仕事を続けることの大切さをひしひしと感じた。理由はどうあれ、急に離婚となった時、金銭的に一人で生きていくことができる=自立しているということが全ての土台となる。ましてや、夫が原因で離婚したいのに、お金の問題で別れられないとか、夫に離婚を迫られているのに、お金の問題でしがみつくなんて、惨めすぎるから。
    最近こういう作品を読むことが多いのは、単純に興味関心もあるし、潜在的に夫婦関係のネガティブな側面を見ることで、結婚に至らない自分を慰めているような気もする。読書ってその時の心理状況を表すから恥ずかしいね〜(笑)

  • セックスレス夫婦の抱えるアンバランスさを描いた作品。確かにアンバランスだとは思うけれど、じゃあどこから手をつけよう?という感じもなく、ただ陰鬱な状態が続きます。うーん

    性生活に留まらず、そもそも関係がアンバランス。でも同時に、何もかも完全にバランスの取れた関係というのも存在しないよなとも思いました。

  • 色々な意味でキツい作品。加藤千恵さんらしからぬというか、加藤作品にしてはかなりダークサイド。

  • *日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。しかし、夫は性的不能のはずだった。夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは…やるせない心情を繊細に、生々しく描き出す長編小説*

    ある日突然家まで押しかけて来た夫の浮気相手の「太った醜いおばさん」の存在が、危ういバランスの上に成り立っていた幸せを壊していく。嫌悪、軽蔑、虚無、憐憫、後悔…痛々しい感情の描写が上手過ぎて、初読は辛くてささっと斜め読みしてしまったほど。終始重いトーンのお話だけど、ぬるま湯の生活を選んできた自分をも責め、自らバランスを崩していくラストは良かった。

  • こども時代のトラウマがもとで、「太ったおばさん」としか男女の関係を持てない夫。愛情は自分に向けられているけれど、自分以外の人とは関係を持てることにショックを受ける妻。
    直接的な描写が無駄に多いように思えて、あまり好きになれませんでした。

  • 加藤さん作品にしては、だいぶ重いテーマの話だった。


    過去のトラウマで不能な夫が実は熟女と関係を持っていたと知らされた日奈子の葛藤が描かれます。

    夫のユキはとても、優しいし旦那として申し分ないし十分な生活を与えてくれているけれど、
    やっぱり日奈子は、子供もほしいしそれだけじゃない夫婦のつながりも求めてる。


    傷つけると思ってずっと言えなかったけど、
    出張ホストを頼んでもっと深く自分の気持ちと向き合った日奈子はついにユキに気持ちをぶつける。


    夫婦だからこそ、、腹を割って話せない部分もある。好きだからこそ傷つけたくないという気持ちもわかるし。

    でもユキの相手の女が訪問したことで、いったん壊れてしまった関係は、本音をぶつけあわない限り修復できないと思う。

    仮に離婚することになっても話し合った末ならば、お互い納得するだろうし。

    日奈子がユキに気持ちをぶつけたところで物語は終わったので、ふたりがどうなったかは想像するしかないけれど、なんとかうまく行ってほしいと思わずにはいられない。

  • ある日愛人が押しかけてくるという物騒なところからはじまる不倫サレ妻が主人公の、最後までモヤモヤする話。夫が「オレが悪かった。何でもするから許して」の時にもレス解消したいの本音を言わない主人公。まあ、どっかで言えてたらこんな事にはなってないよね。私は本音をぶちまけてしまうタイプなので、うーん…。いくら幼少期に性的虐待トラウマあっても、その加害者に似た相手にしか欲情しないって言われたら引くわぁ。
    レスで不満持ってる夫婦ってこんな感じなのかな。

  • 【あらすじ】

    セックスなんて、しなくても生きていけるはずだった

    日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。
    しかし、夫は性的不能のはずだった。
    夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。
    そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは……
    やるせない心情を繊細に生々しく描き出す長篇小説。

    『悪意のない無防備な言葉をトゲのように感じて、責められているような気になったり、傷ついてしまう自分は間違っているのだと言い聞かせてきた。』

    『どんなに長い時間一緒にいても、心は一つにはならない。人と暮らすのは、当たり前の事実をゆっくりと知っていく行為でもあった。』

    『凪いだ海のような空間でも、見えないルールが張りめぐらされている。まぎれもなく、私たちが作り出していったものなのだ。社会の常識からずれていたとしても、他の人に理解されないとしても。』

    【個人的な感想】
    信じていたものが壊れるのは一瞬。
    飽きずに一気読みした。
    最後主人公が自分の本当の気持ちに気づけてよかった。

  • こういうことってもしかしたら本当にあるのかなあ…と、夫婦どちらの気持ちにも寄り添いながら読みました。
    一度バランスが崩れてしまうと綺麗に元通りにするのはどうしたって難しい、と改めて思わされました。

  • p153 マンションに夫の愛人を名乗る女がやって来て、何枚もの写真を見せられたこと。ずっと不能だと思っていた夫は、そうではなく、太った醜い女とだけはセックスできること。十年年以上の付き合いの中で、わたしたちが挿入をともなうセックスをしたのは、二回だけであること。

  • セックスなんて、しなくても生きていけるはずだった
    夫の不倫によって崩れたり幸せな結婚生活。
    でも本当は、
    ずっと壊れていたのかもしれない
    (帯より)

    仲のいい夫婦。
    他人から見たら羨ましがられるような夫婦。
    だけど心の中のモヤモヤは話し合えずにいる。
    好きという気持ちだけじゃどうにもできないことがある。
    どちらも悪くないと思う。
    欲情されたかった。好きな相手なら尚更そう。
    きちんと話し合いができて、未来が明るいものになりますように。

  • 最初の方は不倫の話かと思ってたけど
    読み進めていくと…。
    夫から何の話もなく身体の関係を持たれてたこと
    信用したいのに疑ってしまうこと
    どうしたら理解してあげられるかetc...
    色んな葛藤をしながら前進していく。

    私もそういう経験をしたから震えたり
    「分かる!!!」と思ったり。
    夫婦だから正直に話ができるとは限らないし
    思ったことをストレートに伝えるにも怖くなる。
    何でも言い合える関係になるって
    すごいことなんだなと思ったり
    最初から想いがぶつけられてたら
    色々と変わってたかもしれないなーて
    たくさん考えさせられる本でした☺︎☆

  • 人の醜さってなんなのだろうと考えさせられました。不純だって100%なら純粋です!というある人の名言が頭に浮かびました。積読はしないと思いますが、日々のストレス発散に読むのが丁度いいなと思いました。

  • なんとなく図書館で手に取った本。

    夫が不倫していた女性の訪問により、突然日常を壊された女性の内面が書かれているのだけれど、間々に出会った頃の情景が描かれてやり切れない気持ちになる。好きなのになぜ許せないのか、どうしたら許せるのかの葛藤がツラい。夫のしたことは許されないけれど、夫も被害者だからこそ難しいところもあったり。何でも言い合える関係って貴重なことなんだな。

  • 夫の不倫相手が、離婚する気はありませんか?と訪ねてくるシーンからスタート。
    これから夫婦の関係をどうするか終始悩んでいる語りで続くので読むのに4.5日かかりました。
    最後はちゃんと自分の想いを夫に話すのですが、夫はうずくまってしまった。ここで終わっているけど、何となく夫は日奈子がもういいよと折れるまで顔を上げなそう。そして日奈子に向き合おうとしなそう。あくまで私の予想ってか妄想ですが。
    読んでいて終始、日奈子が勿体ないなーと思ってしまった。夫よりいい人いそう。日奈子は性欲はないと自分では言っていたけれど、私なら自分に性欲がなくても、何となくどんどん冷めていって他に好きな人作ってしまいそう。(笑)

  • 不能なはずの夫が不倫してて、なんか許せんしからっぽになるものの突き放しきれないっていう心情がずっと描かれていくんですが、あの人はよく浮気を許したなと思う。多分消えないのも当たり前だし、信じられなくなるし、だからもう頑張れなくなったってのも仕方ないかもしれないです。(自分の話をしてます)一度裏切って、ほかの人を何回も選ぼうとして目の前で切り捨てて、それでも私がって言ってくれたのに、そこまで好きだったなら最後まで愛して?って思う。けど仕方ないのかもしれない。二度と前みたいに戻れないのも、私があのとき1番に思えず大事にしようと思えなかったのも、それを頭から追いやれずに純粋に好きだと思えなくなるのも、もうひとつ間違えてしまった時点で実はもう壊れてて、終わったのかもしれない。なんで言わずにいられなかったんだろう。でも言わずにいられない理由は確かにそこにあった。私にそうまでさせる何かが。自分で壊してぐちゃぐちゃにしたものにしがみつかれて、それでもって言われてやっと愛せたのに、それを失う瞬間までそれに気づかないのに。子供がいなくてもいいよって言ったから?この体質でも気負わせないから?でも間違いなくずっとアンバランスだったね。

  • 完璧な夫婦はなくて、大なり小なり問題はあると思う。
    一点を除いては理想的な旦那さん。
    その点も含めて愛せるか。
    でも、彼女自身のモヤモヤがわかって旦那さんに話せたことでこれからようやく夫婦としての次のステップに進めるのだと思う。

  • 夫婦の性について焦点を当てた話。
    夫婦にとって性ってなんなんだろう。
    夫が性を外で満たしているという事実を知った途端、今まではないものにしていた自分の気持ちに向き合わざるを得なくなった。
    バランスを崩した夫婦関係は、夫が修復を望んでももう元どおりにはならない。
    性に向き合って、自分の夫を求める気持ちを伝えても、夫はその言葉を拒絶する。
    なんだかもやもやしたまま終わる作品だった。
    いい余韻。

  • 突然訪ねてきた、夫の不倫相手だという太った女性。渡された証拠写真。そこからいろんなバランスが崩れ、夫婦の向き合い方、妻である日奈子のひたすら遣る瀬無い心情、飲み込まれそうになる憤りなども経て、日々は進んでいく。
    一緒に平穏に過ごすために、本当にしたいことや望んでいることに蓋をして飲み込む。ある程度は、他人同士である夫婦がひとつの家に暮らすのだから、ある程度は飲み込むことはあるのだろう、どの夫婦でも。それでも飲み込んではいけないものもあると思うし、日奈子はもっと早くから向き合うべきだったことに、向き合えなかったのかもしれないと思った。由紀雄を失いたくなかったから、傷付けたくなかったから、その先があまりに暗いような気がしたから。それは日奈子の優しさで弱さで、あぁわかるって思ってしまった。「どうして」をいくら繰り返し投げても、納得できる答えが返ってこないこともある。日奈子と由紀雄の場合はまさにそうなんだろう。人によって答えが違う問いを見たような気がした。

  • ずっと黙っていた、ぬるま湯の関係で。人から良い旦那さんだねと言われる。確かに優しい。でも性的トラウマで妻ではない醜い中年女にしか欲情しない夫。
    突然現れたその不倫相手と自称する女と、それを否定しない夫。土下座して謝られても、募るのは不快感ばかり。触られるのも触れたものを触るのも到底無理な心理状態。
    「別れる」という選択肢が浮かばなかったのは、今までずっと夫の収入でのみ生活して来たから。これから別れたとて、同じ水準で生活できる訳もなく、また慰謝料を貰うという事は別れた後でさえ、夫の影響があるという事。その事実に耐えられない。全てが夫の収入で賄われている事を幾度もトレースする。
    浮気をされた代償、セックスの価値を下げる為に出張ホストと行為をしてみるが心の靄は晴れず、実家が弟夫婦の子供の玩具で埋め尽くされている現実。目の前の仲の良い家族が横切り、スイッチが入る。
    本当は欲情されたかった。子供が欲しくても行為がなければ得られないから。自分からそんな事を言うのは心臓が飛び出るくらい恥ずかしい事。
    離れたくない思いがぬるま湯を生み、生活の全てが夫の稼ぎで運営されている事にも引っかからず生きてこれた。この専業主婦問題、どこに着地点があるのか…?

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著者プロフィール

1983年、北海道生まれ。歌人・小説家。立教大学文学部日本文学科卒業。2001年、短歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生歌人としてデビュー。2009年、『ハニー ビター ハニー』で小説家としてデビュー。その他、詩やエッセイなど様々な分野で活躍。著書に『あかねさす――新古今恋物語』『真夜中の果物』『こぼれ落ちて季節は』『この街でわたしたちは』『消えていく日に』『そして旅にいる』『マッチング!』などがある。

「2023年 『この場所であなたの名前を呼んだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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