- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163904344
感想・レビュー・書評
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中編2作、いずれも若い男女の恋愛を交えながら、理解し合うことの難しい対照的な価値観を描いている。
恋人や友人、家族などをレンタルしてその場をやり過ごしたり、足りないものを埋めようとすることは、ありかなしか。人間関係が希薄になった現代ならではの設定だが、自分の正義を信じて突っ走ろうとする主人公の姿は普遍的。
幼なじみの対照的な女性2人、かたや情緒豊かで音楽家を目指し、もう一方は無駄が嫌いで効率のよさと機能性を最重視する。お互いを大事に思いながらも、正反対の価値観の違いが年齢を重ねるとともに大きくなっていく。根本的なところでわかり合えない二人が、大人になるまで仲良しだったこと自体が不思議。
いずれも、恋や友情に悩む主人公と同世代の人向きの作品かな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022.5.5(図書館)
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初朝井リョウ。
レンタル世界はなんだかありそうな物語だった。
ある結婚式で気になる人が出来た雄太は、偶然にもその気になる人高松芽衣ちゃんと再会する。しかしその結婚式にレンタル友達として出席したことを告白される。本当の人と人との繋がりを教えたい雄太は、先輩の家に遊びに行くときに高松芽衣ちゃんにレンタル彼女の契約をお願いするのだが、
先輩の家で先輩の本当の姿を知り、真実を知ってしまいショックを受ける。
高松芽衣ちゃんに、人と人とのつながりは時として偽りがある…というような事を言われるのだった。
ままならないから私とあなた
この話は…。親友の夢をかなえてあげようと手助けする薫なのだが、夢って言うのはやっぱり自分の手でかなえないと達成感はないだろう…。余計な事っていうのがわからないのかな?と思ってしまった。
そもそも雪子がちゃんと薫に言ってあげないからこんなことになっちゃうんじゃ?とか、なんだかもやもやする終わり方だった。
雪子は成功までも行程を大切にする子で、薫は結果さえついてくれば面倒な行程は省いてもいいという考え方。
そのどちらもいいバランスでおいしいとこ取りできればいいんじゃないかなー…って思うのは、やはりもう私が薄汚れた大人になったからなんだろう。 -
どちらの話も先が予想できてしまった。しかも読後感がよくなくて好みじゃない。特に薫の研究は予想が付くでしょうに…。
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レンタル世界、と表題作の2作が収められている。
レンタル世界のみ読了。
分かりあっているつもりでも。分かりあえているかどうかは分からない。思い込みは怖いもの。 -
ものたりないけど高校生にはちょうどいいんだろうなぁ
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短編(レンタル世界)+長編(タイトル作)。どちらのお話もリアリティに乏しく読後感も悪い。相変わらず当たり外れの大きい作家です