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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784163904429
作品紹介・あらすじ
裁判所職員採用試験に合格し、家裁調査官に採用された望月大地。
だが、採用されてから任官するまでの二年間――養成課程研修のあいだ、修習生は家庭調査官補・通称“カンポちゃん”と呼ばれる。
試験に合格した二人の同期とともに、九州の県庁所在地にある福森家裁に配属された大地は、当初は関係書類の記載や整理を主に行っていたが、今回、はじめて実際の少年事件を扱うことになっていた。
窃盗を犯した少女。ストーカー事案で逮捕された高校生。一見幸せそうに見えた夫婦。親権を争う父と母のどちらに着いていっていいのかわからない少年。
心を開かない相談者たちを相手に、彼は真実に辿り着き、手を差し伸べることができるのか――
彼らの未来のため、悩み、成長する「カンポちゃん」の物語。
みんなの感想まとめ
人々の悩みや問題に向き合う若き家裁調査官補の成長を描いた物語で、主人公の大地は自分に自信が持てない普通の若者。しかし、彼は困難な案件を通じて少しずつ自らを見つめ直し、真実に寄り添おうと奮闘します。窃盗...
感想・レビュー・書評
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久しぶりの柚月さんの作品。
短編集でしたがどれも良かったです。
主人公は家庭裁判所調査官の見習いでどこにでもいる普通の若者でスパッと解決する訳ではないのですがそこが共感できます。
それにしても柚月さんの作品には酒場、しかも渋い酒場の場面がよく出ますよね。
そこがファンとしてもたまりませんね。
できれば、シリーズ化してほしいと思います。
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大地が家裁調査官補として、案件を担当するにつれて少しずつ成長していく様子に、頑張れ!とエールを送りたくなりました。
いろんな角度から物事をみることの大切さを学ばせてもらいました。 -
望月大地、22歳。
家裁調査官に採用され、任官するまでの二年間。
はじめて暮らす九州での 実務修習期間のお話。
調停委員が解決しきれない問題の調査にあたり
裁判所のサポートをするのが仕事です。
自分に自信がなく、人と接することが得意でない大地。
「この仕事、向いてないんじゃないかな」とずっと言い続けます。
それでも悩みを抱えている人の力になりたいと思うようになり、
面談で問題を抱える人のたち話を聞き
話の裏付けをとるため、関係する場所に足を運びます。
少年事件では、窃盗やストーカー問題を
家事事件では、離婚や親権問題を扱うことになります。
大地は自分に自信が持てないからこそ 地道に調査を重ね、
申し立て人たちの言葉の奥底にある真実に寄り添おうとします。
その愚直でひたむきな姿には胸を打たれます。
常識や表層に現われるものだけで判断するのではなく、
足を使って 現場を自分の目で見て判断する、という姿勢は
柚月さんの検事シリーズの 他の作品にもつながる気がしました。
そして、読者をすっきりさせないまま終わる最後。
これも柚月さんの作品の楽しみ(?)のひとつ なのかな。 -
新人家裁調査官(補)の事件簿。ひとつひとつの事案に一生懸命向き合う主人公が好ましい。立派な調査官になってくれるだろう。頑張れ大地。
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家庭裁判所の調査官を目指す望月大地は、修習期間にさまざまな背景を持つ人に向き合う。解決に向け奮闘するも、うまくいかず「自分は不向きなのではないか」と悩み続ける。人生経験も少ない状態で、離婚調停、家庭内のハラスメント、子どもの犯罪などなど、他人の人生をまるごと預けられる。読みながら彼に向かって「頑張れ!」と励ましている自分を感じた。第一話から第五話の各独立した物語の中でも、最終話はじわっとくる。登場する人々みんなに幸せになってほしいと心から思った。
タイトルの「君」は、家庭裁判所を訪れる人々、あるいは主人公はじめ家庭裁判所調査官を目指す修習生とも、とることができる。久々のお仕事小説で、まっすぐな気持ちの主人公に心洗われる思いだった。 -
主人公は 自分が他人の気持ちに疎かったり
人生経験が少ないこと 特別な能力が
ないことに引け目を感じていますが
大変に実直な性格です
そういう誠実さが 相手にも伝わるんでしょうね
もし 自分が辛いときに
良かれと思うことを 押しつけがましくなく
考えてくれたら ずいぶん助かるだろうな・・・・ -
新人家庭裁判所調査官の話。
最後の『 迷う者』。
回りの大人が誠実に生きていないと子供を傷つけるな、と思った。
少しでもいい結論が出るといいけれど…。
そうはいっても離婚そのものが子供にとっては辛い出来事なのだから難しい問題だ。
難しいテーマの割には軽々読めた。
続編はないのかな?
大地の成長をもっと見てみたい。
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家庭裁判所の家裁捜査官補の研修中の案件の話。
就職して現場に出ると思った様に進まない事だらけで悩んだり落ち込んだり。若かりし頃はそうだったなぁ〜今は…開き直ってしまうかも。
家庭裁判所に関わった事がないので、こんな感じなのかと勉強になった。案件それぞれ、人それぞれで誰もが正直に話す訳ではなく、外堀を埋めて真実を詰めて、正しい結論を導く作業が大変だ。
最後の案件、本の中では結論が出なかったけど、両親の離婚で迷う悠真くんに正しい結論が出ますように。 -
家裁調査官の見習い、家裁調査官補の望月大地。
「家裁調査官には、大きく分けて三とおりの人間がいる。法律畑の者と心理学畑の者、そして、社会学畑の者だ。
大地は法学部の出身だ。頭の中には、少年法をはじめとする法律の知識は入っている。裁判官に、罪を犯した少年にどのような処分が妥当か、意見を述べる自信はある。しかし、少年の心の内を読み解く自信はなかった。」
いろいろな案件を担当しながらも、自己嫌悪に陥り、この仕事に向いてないのではないかと葛藤する様子はもどかしくもあるけれど、それでも周りの同期や上司にも支えられ成長していく様子は、温かく見守りたい気持ちにもなりました。
「歩き出せずにいる人が前に足を踏み出す力になりたい、そう大地は思った。なにかに傷つき、悩み、その場に立ち止まったまま動けずにいる人が、半歩でもいいから歩き出せる力になりたい、そう強く思う。」
どの案件も、決して珍しいものではないと思えるもので、こうやって苦しんでいる人は少なくないのでしょう。力になることはできないけれど、こういう調査員の方々のおかげで、少しでも前に進めるようになることを祈らずにはいられません。
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内容紹介 (Amazonより)
裁判所職員採用試験に合格し、家裁調査官に採用された望月大地。
だが、採用されてから任官するまでの二年間――養成課程研修のあいだ、修習生は家庭調査官補・通称“カンポちゃん”と呼ばれる。
試験に合格した二人の同期とともに、九州の県庁所在地にある福森家裁に配属された大地は、当初は関係書類の記載や整理を主に行っていたが、今回、はじめて実際の少年事件を扱うことになっていた。
窃盗を犯した少女。ストーカー事案で逮捕された高校生。一見幸せそうに見えた夫婦。親権を争う父と母のどちらに着いていっていいのかわからない少年。
心を開かない相談者たちを相手に、彼は真実に辿り着き、手を差し伸べることができるのか――
彼らの未来のため、悩み、成長する「カンポちゃん」の物語。
家庭調査官補という仕事も大変なお仕事だなぁとつくづく思いました。
5話からなる短編集なのですが それぞれのケースにも複雑な人間ドラマがあり 不安を抱え未熟ながらも寄り添う大地の姿が想像出来て 良い家庭調査官になるんじゃないかと期待!
成長していく大地を見てみたいので 続編があれば良いなぁ...
ネットカフェを住民票登録出来ることを知り新たな発見 -
柚月さんの本は3冊目。
佐方検事シリーズを2作読んだあとにこの本を手にしました。
研修中の家庭裁判所調査官、家裁調査官補のことを調査官たちは親しみをこめて”かんぽちゃん”と呼ぶ。
望月大地は大学卒業後、九州の福森市で”かんぽちゃん”となる。
担当する事案に悩みながら、相談者のために一歩ずつ前にすすむ大地。
こんな調査官に担当してもらったら、相談者も前に進んで行けそうな気がする。
頑張れ大地~!!
”かんぽちゃん”から調査官になった大地の奮闘も見てみたい。
シリーズ化されるかな…-
こんばんは(^o^)/
この作品はたくさんの人に勧められました。
やはり面白そうですね〜♪
かんぽちゃんの活躍を私も早く読んでみた...こんばんは(^o^)/
この作品はたくさんの人に勧められました。
やはり面白そうですね〜♪
かんぽちゃんの活躍を私も早く読んでみたいです!2017/02/03 -
けいたんさん、こんにちは(*^_^*)
この本、お勧めの方が多いのですね!
私も楽しみましたよ~
”かんぽちゃん”なかなか良いキャ...けいたんさん、こんにちは(*^_^*)
この本、お勧めの方が多いのですね!
私も楽しみましたよ~
”かんぽちゃん”なかなか良いキャラです。
また、感想を聞かせてくださいね♪2017/02/03
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ヒトには表と裏がある。隠そうとしていたものが表に現れることで、先に進めることもある。
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やっぱり柚月さんの本は、あっという間に読めました。今回はかんぽちゃんのお話。家庭調査官補佐というお仕事の存在を初めて知りました。そして、いろんな事件や問題を調査し導くという、大変だけど大切な仕事だと思いました。裁判や調停で結論が出たとしても、その先にはそれぞれの人生がある。私もインドの詩人の「人生航路は大きな川の流れによく似ている」という言葉が心に残りました。この仕事のように諦めず人を導くことができたら、ステキですね。また、かんぽちゃんの話を読んでみたいです!
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どれも胸にグッとくる話で、読み応えがある。
心境や言動が繊細に描かれていて、引き込まれる。
家裁調査官補がかかわる案件は、どれも簡単に答えなど見つからない。
他人にいきなり本音を語りだす人もいない。
それでも相手に寄り添い、ベストな道を見つけたいと悩み、模索する姿が、心あたたまる。
難しくてもいい方向へ進みそうで、読後感はよい。 -
家裁調査官という、一般にはなじみのない職業の、しかも主人公はまだ修習中の”カンポちゃん”と呼ばれる調査官補が主人公。
彼が、この職業にむいているか疑問を持ち、悩みながらもひとつひとつの事案をこなし、成長していく物語。
各話ごとに、記憶にとどめたい言葉が語られる。
人に迷惑をかけてはいけないという母の言いつけを守り続ける少女に、「君は人に頼ることを知らない。人に頼ることが、結果として人に迷惑をかけないことに繋がる場合もある。君は人に頼ることを、覚えなければだめだ。」(第一話)
「人間は機械じゃない。完璧な人間なんていないよ。その人間の欠けている部分を認めるところから、相手への理解が始まるんじゃないかなあ」(第二話)
「人を救うためには、知識や経験も大事だけれど、一番必要なのは、悩みを抱えている人たちの力になりたいって気持ちだと思う。それがなければ、知識や経験があっても、相談者に寄り添えない」(第三話)
人間関係一般にも、援用しうる言葉・・・
ありふれているかと思われる離婚調停をめぐる第五話は、思わぬ展開にさすが『佐方検事シリーズ』の柚月裕子!と、唸ってしまった。作中の十歳の少年が心から叫ぶ「親ってなに」の問いかけが、心を打つ。
家裁調査官補物語、是非ともシリーズ化され、望月大地の成長を見守りたい。 -
家裁調査官の見習い「官補」、通称「カンポちゃん」こと望月大地が未熟者である自分が人助けの役に立つのか、仕事の適性迄も悩み乍らも、先輩、同僚、友人の励ましを糧に成長していく。家裁から調査依頼される案件には少年犯罪、離婚調停、親権問題等様々あるが、事前調査資料の情報だけでは原因、解決策に至らない事、更に当事者双方の話を聞いてもそれが表層的なもので実は深層を語っていない場合もあり、その場合真因に辿りつかず適正な解決には繋がらない事等を学んでいくのだが、これらの案件には唯一正しい解決策などない場合が多いと思われ難しい仕事だと感じる。
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家庭裁判所調査官の物語。
自分は誰かの役に立てているんだろうか?
自分にはこの仕事は向いてないんじゃないか?
人の悩みと人生に携る仕事だからこそ、主人公は何度も悩む。それは、主人公が真剣に向き合っているからだと思う。
法律畑を歩んできた主人公が、心理学をきちんと学んできた同僚に劣等感を抱く感覚も、「うん、わかるわかる」と共感した。
主人公が、いつか自信を持って、家裁調査官の仕事を選んだ自分を誇れるようになれたら良いな。
少年事件について、世間と家裁の認識のギャップ(世間は「少年院送致」を罰として捉えているが、家裁としてはそれは罰ではないということ)についても触れられていて、修習時代に家裁でそう教わったことを思い出した。
よく調べて書かれた本だと思うので、職業としての家裁調査官に興味がある人にもお勧めできる本。
司法関係の小説って、妙なリアリティだけ追求してるものも多いけど、これはリアリティとドラマ性を兼ね備えていて、読みやすくて楽しめた。
著者プロフィール
柚月裕子の作品
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