食べる私

  • 文藝春秋 (2016年4月20日発売)
3.70
  • (9)
  • (18)
  • (17)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 235
感想 : 27
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784163904450

作品紹介・あらすじ

食について語れば、人間の核心が見えてくる。



各界で“食べものとの関係に濃厚な気配が感じられる”人に会いに行き、

食をめぐる対話を重ねると、

そこには驚くほど豊かで多様な物語があった。



雑誌「オール讀物」で足かけ3年にわたって連載した「この人のいまの味」を単行本化。

29人との「食」をめぐる対話。





【目次】

デーブ・スペクター

林家正蔵

ハルノ宵子

黒田征太郎

ヤン・ヨンヒ

伊藤比呂美



ギャル曽根

美木良介

土井善晴

辻芳樹

松井今朝子



安藤優子

ジェーン・スー

渡部建

光浦靖子

堀江貴文

大宮エリー



高橋尚子

吉田秀彦

髙橋大輔

田部井淳子

山崎直子

畑正憲



小泉武夫

服部文祥

宇能鴻一郎

篠田桃紅

金子兜太

樹木希林

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 20170710読了
    2016年出版。表紙の色彩よ!と思ったらやっぱりフリーダ・カーロだった。●雑誌で3年にわたる連載をまとめたもの。平松さんがインタビュアーでお相手と食との関係を掘り下げていく。グルメな人ばかりをチョイスしているわけではないのがおもしろいところ。食に対するスタンスや好みは人それぞれ。●デーブ・スペクター、林家正蔵、ハルノ宵子、黒田征太郎、ヤン・ヨンヒ、伊藤比呂美、ギャル曽根、三木良介、土井善晴、辻芳樹、松井今朝子、安藤優子、ジェーン・スー、渡部健、光浦靖子、堀江貴文、大宮エリー、高橋尚子、吉田秀彦、高橋大輔、田部井淳子、山崎直子、畑正憲、小泉武夫、服部文祥、宇能鴻一郎、篠田桃紅、金子兜太、樹木希林

  • これはすごい! そうそうたる面々の食に関する思い、思い出を平松さんが聞いている。ただの対談集ではなく、対話になるよう気をつけたと平松さんがいうように、会話が続くだけでなく平松さんの文章もところどころ混じる。それがまた、ご本人の言葉以上にその人の食に対するスタンスをうまく表現しているような気がするのだ。
     「この人は食に縁が深い」といったことを書いているんだけど、そうでない人っているだろうか。いや、いるのかもしれない。食に関心がない人っているもの。
    一方で、この本に出ているような一門の人たちは、そんなに関心がないと言っている人も語っているうちに、それなりにいいなと思えるような食に関する思い出をもっている。みんな自分の家のごはんって何てことない普通のものだと思っているっぽいけど、そうじゃないことも見えてくる。根拠のないことだけど、やはり食に対する、ごはんに関する育ちって人生を左右するのではないかと思わせる。
    対話の相手は以下のような方々。こんな面々をそろえることができたのは、文芸から芸能までカバーできる文藝春秋ならではということか。そう考えると「食」ってある意味、俗の極みともいうべきものであるせいか、女性向け出版社の専売特許のようになっていて、なかなかこういった世界の人々がこれだけディープに食に語る本って稀有。そういった意味でも意欲的な一冊。政治家が一人も入ってないのもちょっといい感じ。
    デーブ・スペクター、林家正蔵、ハルノ宵子、黒田征太郎、ヤン・ヨンヒ、伊藤比呂美、ギャル曽根、美木良介、土井善晴、辻芳樹、松井今朝子、安藤優子、ジェーン・スー、渡部建、光浦靖子、堀江貴文、大宮エリー、高橋尚子、吉田秀彦、髙橋大輔、田部井淳子、山崎直子、畑正憲、小泉武夫、服部文祥、宇能鴻一郎、篠田桃紅、金子兜太、樹木希林
    髙橋大輔、田部井淳子、山崎直子といった人たちが、探検の地や高山、宇宙といった極限の地でわさびが効果的だったというのも覚えておきたいマメ知識。

  •  いきなりデーブ・スペクターの食を軽んじるというか、食と時間を天秤にかけた破天荒なトークが1話目なので驚いてしまうが、総じて他の人の話は興味深く、温かいし、しみじみする良いお話が多い。「食べるものについて語れば、人間の核心が見えてくる」(あとがきより)という著者の意図は概ね達成されている内容になっている。
     但し、デーブのように自身の食生活を外向けに誇張した、ある意味自分のキャラクターに沿ったイメージを演出、プロデュースしているような発言もなきにしもあらずと感じる。なので、核心なのかどうなのかは実際のところは計り知れないが、食に対する各人の思考、こうありたいという理想、あるいは己を演出するための食との関わりは見て取れようか。
     それが虚か実かは置くとして、それだけ「食」について語れる29人を集めたというのは面白い企画だ(ボツになった、つまらない話をした人もいたのだろうか。中には2人ほど、あってもなくても良かったのでは?という人物もいる)。

     特徴的なのはやはり家庭の、子どものころの家族の食卓の話だ。
     ハルノ宵子の父(吉本隆明)と食べたコロッケの想い出、松井今朝子は自分がおいしいと思っても親が「これはあかんな」と言い自分の未熟さを知り、非日常の食事に興味がないジェーン・スーは人に食事を作ってもらい改めて母に感謝する。安藤優子も生きる掟のような母の言葉を噛みしめる。「とにかく料理以外の勉強をしろ」と父の教えを反芻する辻芳樹、「ああ、家庭料理は民藝や」と土井善晴。食を語るとき、多くの人が、家庭の味を想い出す。それが理想的であれ、現実的であれ、幼少の頃の想い出と相まって、誰の口調もどことなく穏やかで、おふくろの味のように滋味あふれる発言となっているのが興味深い。
     全員が幼少の頃の家庭の食事の話をしているわけではない。それでも読み終わって心に残るのはそうした家庭での食体験を語った人たちのことだった。

     一方、それ以外のことを語った人の話がつまらないかと言えば、そうでもない。小泉武夫氏の紹介する鯨のお店は一度行ってみたいし、「デニーズは気の利きすぎる女みたい」とファミレス比較論を展開するジェーン・スーの語りも痛快だ。 ただ、両極端かな。非常に面白く、その人物についてさらに興味が湧く話と、まるでつまらないと思うものと2つに分かれる気がする。

     本書の章立ても、どういう意図なのか気になるところ。第4章から読み始めたが、アスリートだけを集めたのかと思えばムツゴロウサンが含まれているのが面白い。1~3章もTV業界人、文化人らをどういう括りでまとめたのか、他の章もなんとなく共通項があるようで無いような、年代別でもなく不思議な章立てだなと思って読んだが、だいたい面白いと思う発言をする人は章ごとに固まっているような気もする。章立てに作者の恣意がどこまで働いていたのかは知らないが、ちょっと面白いところだった。

     目を付けた4章はQちゃんの知ってる話も含めて面白いエピソードが多く、人間離れした身体能力を持つ田部井さん、ムツゴロウサンには感服。服部文祥の野生のシカを獲って暮らす生活っぷりには驚いた。彼の子供たちに20年後にこの企画に登場してもらい何を語るか見てみたいものだ。
     続く5章も面白く含蓄に富む。金子兜太、樹木希林と年季のこもった体験記、食へのアプローチはひたすら頭が下がる思いだ。

     後半になるほど面白い本書。気になる人だけを読んでも、おいしいかもしれない。

  • ふむ

  • You Are What You Eat.

    食べることは生きること。各界著名人に聞く食にまつわる思い出。

    食に関するエッセイの多い筆者。本書は珍しく対談。食にまつわる思い出、好きな料理、行きつけの店などの話を聞いているうちに、その人の人となりを見抜いてしまう。食のエッセイストはまた稀代の人間観察家でもあり優秀な聞き手である。

    筆者の他の著作に見られる食への純粋な感動と同様なピュアな姿勢が対談者の緊張をほぐし、本人も気づかなかった嗜好や思い出に気付いていく。作家にありがちな冷徹な視点ではなく、筆者の視点はどこまでも優しい。

    「オール讀物」に連載された「この人のいまの味」をまとめた一冊。

  • 「食べることは生きること」この本を読みながら何度もこの言葉が頭の中で流れた。

    しかし食べ物のことを思うとき、語るとき、自然と美食について話そうとしてしまう。自分の体やその時の気持ち、ライフスタイルに合っている食べ物なら、それは「食べることは生きること」に違いないのに。

    思い出の食べ物、いま好きな食べ物、誰かと食べたい食べ物などを通して見えてくる確立したその人の人間性。食べ物ひとつを語っただけでこんなに見えてくるものなのかととても驚いた。

    365日、人と食は寄り添っている。毎日の食事は美食でなくていい。ただもちろん美食でもいい。自分を作ってくれている食べ物や食事と、いま一度向き合ってみたいと思う一冊だった。

  • 食べ物と生き方を巡る対談集


    ものすごく対談相手が豪華な顔ぶれでした

  • 文学

  • 久しぶりの平松さんだ。

    父母と静岡のクレマチスの丘に行き、須田悦弘さんの作品を鑑賞した。

    3人で行けて、嬉しかった。


    その帰りのミュージアムショップで、スイカの絵が素敵だと思い購入。


    わたし、笑っちゃったのが、ジェーン・スーさんのインタビュー。いや、そんなに笑うところはないのだけど、

    「普通だったらその食材で2,3品できるところを、君は一気にまとめて炒めてしまう。」

    的なことをパートナーに言われたという内容の件を読んで、

    「あ、これ、うちのお母さん!」って、思ったの。


    お母さん、何でもかんでも一緒に炒めて、結局全部同じ味。


    でも、今となれば思うのね。

    この人はきっと、お料理なんてほんとは好きではないだろうし、食にもそんなに興味がないのだろうけれど、私や兄弟を育てるために、一生懸命になってくれてたんだなぁって。感謝しかなく、愛おしく思える。


    人を通して気づく、私に届いた母のやさしさと、愛おしい不器用さ。

    ありがとう。

  • 食を語れば、人間の核心が見えてくる。デーブ・スペクター、林家正蔵、土井善晴、堀江貴文、高橋尚子、樹木希林など各界の著名人29人との「食」をめぐる対話を収録。『オール讀物』掲載を書籍化。

    食べ物にまつわる物語は楽しい♪

  • 人それぞれの食のこだわり,対談の中でそれはその人を表し人生を規定する.平松洋子氏の話を引き出す力にも感服です.たくさん登場した食材調理法,私も読みながら自分にとって大事な食べ物って何だろうと考えました.話の中で,心惹かれたのは海苔とわさびでした.

  • 最近好きになった平松さんのインタビューはうまい!
    と思う。
    食べることもある意味教養が出る。
    インタビュー相手への準備に加えて
    もともとある食の教養がインタビュー時に
    すごくするするいろんな話を引き出してて
    面白いなぁ!と読んだ。
    もちろん、なんのてらいもなく語るいろんな食は
    それ自体その人たちを表していて
    著名人が多いのに、
    知らなかった一面を沢山知れた気がする。
    なんかみんなを好きになるな〜!
    (嫌いだったホリエモンすら可愛く思えた)
    宇能鴻一郎かっこよす‼︎


    メモ・多く食べる胃は食べ胃ではなく多べ胃では
    切り干し大根、甲高い甘み→共感覚?
    長野刑務所はごはんおいしいほう

  • 平松洋子さんが二九名の各界の著名・有名人の方にお話を聞いた『この人のいまの味』というシリーズが一冊になったもの。
    いわゆるグルメ語りではない。
    食べ物と、人生とに、真剣に向き合う。
    「食べる事は生きる事」を実感させてくれる小説はたくさんあるが、ここには、29人分の、29冊の、食に関わる自伝的小説をギュッと詰め込んだボリューム。

    平松さんは、意識的にデーブ・スペクターさんをトップバッターに持ってきたという。
    正直すぎる個性的発言に驚く方もいると思うが、要するに、食べられればいい、時間がもったいない、コース料理は時間の無駄、長く待てない、鍋シェアは食べる量に気を使う、バイキングは労力多し、うどんは持ちあげるのが重い、おしゃれな店の創作料理は当たり外れが大きい、チェーン店は味が安定していて良い…
    まるで忙しい江戸っ子!

    しかし、蓋を開けてみれば、店で「いつもの」とか言う馴れ合いが嫌いな人や、料理人の上から目線の講釈が嫌、という人、ひとりで外食できない、食を社交に使いたくない…と本音を漏らす人も多い。
    逆に、「人と会食するために」外食する人や、料理人と仲良くなるのが好きな人も。

    逆と言えば、家庭料理を応援する土井善晴さんと、プロ料理の世界を守る辻芳樹さん。
    家庭料理は民藝、料理屋は芝居・舞台と土井さん。
    その「舞台」作りに真剣に取り組む辻さんは誠にストイック。
    そう考えると逆ではないかな?
    昼と夜が合わさって1日を作り、北半球と南半球が合わさって地球を作るような。
    興味深いお二人でした。

    好みの問題は多々あり過ぎて、読んでみてくださいと言うしかないのだが、食べる事で文字通り体を作っているアスリートの方々や、無人島、冒険、登山などで、ギリギリの食を追求する方々には衝撃を受けた。

    哀しかったのは、北朝鮮に兄三人を送りだしたヤン・ヨンヒさんの家族の話でした。

    そして…ワサビを大いに尊敬したのでした。
    災害時非常持ち出し袋に入れておくべき?

  • 2017/02/09

  • とても面白かった。
    「食べものについて語れば、人間の核心が見えてくる。」 あとがきより
    食べものについて、魅力的に描かれている小説も好きだ。すぐ思い浮かぶのは、武田百合子の富士日記。
    もちろん、本書の著者、平松洋子さんも大好き。

  • 食を語れば、人間の核心が見えてくる
    ↑は、帯に書かれているコピー

    ギャル曽根、田部井淳子、宇野鴻一郎など、食へのアテンション高き著名人との対談。
    話の内容が興味深い。平松洋子氏の筆力にぐいぐい引かれるように、僕は読み進んだ。

  • 著名人の食に対する考え方。ほんと人それぞれだなあと感心。特に金子兜太さんの食べ物に対する一期一会的な態度は興味深い。戦時中に食べれなかったから、執着が増すというなら想像できたけど。

  • 平松洋子さんの「食べる私」(2016.4)2013年3月号から足掛3年「オール読物」に掲載された「この人のいまの味」をまとめたものだそうです。29人の方々の食体験、食へのこだわり、考え方などが紹介されています。平松さんの取材力が存分に生かされてると感じました!①土井善晴「世界一美味しい料理は? お母さんの料理w」②安藤優子「遠出の時は焼きおにぎり」③畑正憲「何でも食べるルーレット人生w」④田部井淳子「酒のつまみ(干し貝柱、帆立のヒモ、タラ、トバ、スルメなど)は、しゃぶってると唾液が出るのでのどが渇かない」

  • 食べ物に関わると人間性が正直に表れる。何となくそんな感じがした。
    一人ひとりのインタビュー量もちょうどで、すっきりと読めた。これまでとは、ちょっと見方が変わった登場人物も。

  • デーブ・スペクター、ギャル曽根、土井義晴・・・いろんな分野で活躍する人たちの食についての語りを引き出し、人生をあぶり出す対談集。
    デーブさんの手作り不要論は圧倒される。
    食事って人生なんだなあ・・・・。

    高橋大輔氏・・・フィギュアの大ちゃんだと思ったら探検家の方でしたね^^;

全22件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平松洋子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×