奥様はクレイジーフルーツ

著者 :
  • 文藝春秋
3.07
  • (20)
  • (109)
  • (260)
  • (89)
  • (12)
本棚登録 : 1427
感想 : 166
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904511

作品紹介・あらすじ

ー この幸せを守るためには、性欲のはけ口が別に必要だ

「たかがセックスで生活の全部を捨てる覚悟はあるのか」。
したい妻としたくない夫。
『ランチのアッコちゃん』の柚木麻子によるセックスと幸福の関係を描いた連作短編集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 無性に柚木麻子さんの小説が読みたくなった。図書館の本棚からこの本を選んだ。
    少し読むと???
    欲求を満たすため日々努力する主人公、初美。
    エロ小説のまがいかと思った。
    そこはさすが、柚木さん。品よく、前向きにさらりと書いてあり、嫌らしさがない。
    他人には仲良し夫婦、でも真実は当人にしかわからない。
    何が大切か、悩みながら生きていくしかないんだと思う。
    私の時代は、グレープフルーツは男子が絞って、お酒にいれてくれたなと懐かしく思い出しました
    脇を固める羽生ちゃんもいい味を出していました。

  • セックスレス夫婦の話。初美さんの妄想についていくのに忙しかったけどサラッと読めました。リアルな描写なのにそう感じさせない。そして、夫婦について考えさせられる...柚木さんならでは?な作品でした。

  • この作品、凄くないか?
    柚木麻子さんは『ランチのアッコちゃん』を読んで(朝井リョウさんが読んでおけば自慢できるって帯に書くから 笑)面白かったけどいまいち自分に引っ掛からないなあ、と思っていた。でも次に読んでみたこの作品は凄いと思った。夫婦間のセックスレスというシリアスになりがちな題材をこんなにキュートに色っぽく、けれども切実に書けるなんて!しかも『アッコちゃん』的な文章でさらりと。柚木さんに対する評価が一変した。

  • 難しいテーマだけどテンポよく読めた。
    男って望めば何歳でもすぐ子どもができると信じているのか…?と思わずにはいられない主人公の夫の言動の数々に呆れた。笑
    子なし20代後半の自分が読んだ感想と、数年後読んだ感想では全然違いそう…

  • 優しくも淡泊な夫との結婚生活で、セックスレスに悩む妻。
    欲求不満のあまり昔の同級生や若い男の子にすらうっかりしそうになる彼女ですが、満たされてないのは単純に動物的な肉欲だけではなく、自分が価値ある人間として認めて貰えないような、そういう不安でもあるのでしょう。分かるなあそういう感覚、と思いながら読みました。
    旬のフルーツになぞらえたエロスが、みずみずしくなまめかしい。柚木先生の、性欲と食欲とが深く結合しているような、人間の渇きとオアシスの水のような、五感に訴える描写が好きです。

    それにしても、なんとも主人公が現代の同世代っぽい(ロハスな生活にはまってみたり、筋トレにはまって果糖の恐ろしさについて語ってみたり笑 あるある~)描写がコミカルさもあって、読んでいて何度もくすくす笑いました。行動力も経済力もあって普通に友達になりたい女性。いや、夜がご無沙汰って義母にすら相談しちゃうのはすごいなと思いましたがそういうところも含めて笑

  • 難しい問題だ、、、夫が悪いわけではない、、、

  • セックスレスな夫婦の話。
    初美さん(はちゅ)の「夫とセックスしたいー!!」と
    いう欲望と、周囲の男性から言い寄られたり、
    寄られなかったり、と初美さんのモンモンとした気持ちが
    詰まったお話でしたー。

    まぁー、確かに夫婦歴が長くなると、恋人より
    家族って気持ちが強くなるよねー。
    初美さんのモンモンとした気持ちが、まぁー
    読んでておもしろかった。
    結局、2人は仲良しだし、私もそんな夫婦でいたいなー。

    それぞれのタイトルセンスがステキだったー!!
    西瓜のわれめ
    蜜柑のしぶき
    苺につめあと
    グレープフルーツをねじふせて
    ライムで半裸
    林檎をこすれば
    柚子の火あそび
    ピオーネで眠れない
    桃の種はしゃぶるしかない
    柿に歯のあと
    メロンで湯あたり
    よそゆきマンゴー

  • 面白かった。アクセサリー作家の初美がセックスレスに悩むあまりにいろんな妄想に走ったりする話。
    ご主人のことが大好きなのが伝わってきたし、素直だし、とても好感の持てる主人公だった。

  • *夫と安寧な結婚生活を送りながらも、セックスレスに悩む初美。同級生との浮気未満キス、義弟に妄想、果ては乳房を触診する女医にまでムラムラする始末。この幸せを守るためには、性欲のはけ口が別に必要…なのか!?たわわに実る、果汁滴る12房の連なる物語*
    たかがレス、されどレス・・・人それぞれの感じ方があって、きっと正解なんてない。大好きな夫と仲睦まじく楽しく暮らして、それ以上のこと必要?な気持ちと、まだあきらめたくない!の狭間で悪戦苦闘する初美が微笑ましく、滑稽で、いじらしい。そうやって辿り着いた最終章、きれいごとではない、夫婦ならではのオチに思わず吹き出した。そうそう、こういうのが夫婦の醍醐味。

  • 夫とのセックスレスに悩み、他の人としてしまおうと思ったら断られてしまったり、思い込みから勘違いしたり、落ち着いたかと思いきや家出してしまったり、奮闘する初美がかわいい。どうしても初美の側に立って応援する気持ちで読んでしまった。この気持ちに共感する女性はたくさんいるんじゃないかな〜。

全166件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×