背信の都 下

  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904658

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、〈暗黒のL.A.四部作〉〈アンダーワールドU.S.A.三部作〉に続く、〈新・暗黒のL.A.四部作〉の一作目として構想されているらしい。時系列的には『ブラック・ダリア』よりも前になる。原題の由来は“裏切り”の意味を持つジャズのスタンダード・ナンバー。

    〈アンダーワールドU.S.A.三部作〉は既読。〈暗黒のL.A.四部作〉は『ブラック・ダリア』のみ既読で、『LAコンフィデンシャル』を映画で観ただけ。いずれは読んでみたいと思っていたので、一連のシリーズのスタートとなる本書はいいタイミングなかと思ってトライしてみたが、ひどく混乱して異常に疲れてしまった。

    物語は、複数の視点が入れ替わるように進む。登場人物が徐々に増え、それに比例して作中の情報量も膨大なものになってくる。日系人殺人事件という軸はあるものの、実在の人物も含めた個性豊かなキャラクターたちが、己の欲望と運命を秤にかけながら右往左往する様に揺さぶられ続け、途中からいろいろ見失ってしまった。なんだろう、そういうのもひっくるめて、エルロイを堪能できるような経験値がなかったってことか。

    面白いのは面白いんだけど、この狂気じみた世界観に若干怖気付いてる自分がいた。この腹黒さ、この暗黒さを咀嚼できるようになるにはあと何冊必要かしら。

  • 2023/3/9購入

  • ダドリーが輝いてるな~。
    他シリーズの関係で死人が予測できるんがちょっと残念やった。

  • 4人ともまずは着地できた。なんだか爽やかな読後感。次巻以降彼等がどう変質するのか、行く末を見守りたい。

  • 下巻です。1冊400p超え、しかも二段組みというボリュームだし、話はややこしいし、なかなか読むのが大変でした。
    後半はだんだん謎がわかってきてそそられるのですが(どんでん返し?もあるし)下巻の中盤あたりはちょっとしんどかった。しかし、そこを乗り越えれば結末が気になってどんどん読めました。
    実在の人物を多く織り込むのはエルロイの作風だと思うのですが、俳優から警察まで、こんなに実在の人物がでてるのか、と巻末の人物紹介見てびっくりしました。
    バーンスタインとかケネディとか明らかにわかるのはいいのですが、へ〜この人も実在だったか、と思ったり。アメリカでは子孫から文句がこないのでしょうか…?
    あと、ロサンゼルスに日本軍が〜のくだり、私は知らなかったのですが、「ロサンゼルスの戦い」というwikiの項目をみると、実際にあったことみたいです。(作中のようなことはなかったとは思いますが)
    それと、日本人特有のある方法についても、うーんどうかなあ?とは思いますが、そこはご愛嬌ということでいいかなとw
    真珠湾攻撃のあとのLAなので、とにかくジャップジャップと人々は口にするし、実際にそんな言葉で罵られたことはありませんが、あんまりいい気持ちはしません。しかし、日本人二世ヒデオ・アシダに対する描写は悪くないと思います。というか扱いいいかもしれませんw
    日本人だけでなく、ユダヤ人やアイルランド人、中国人などあらゆる差別、蔑称がでてくるし、みんなそれぞれ悪人というか腹に一物あったりするので、そこはエルロイらしい世界です。
    キャラクター的には、一番の人気キャラ?ダドリー・スミスが活躍するのは嬉しかったですが、バズ・ミークスがあんまりでてこなかったなあ、とか、「LA」や「ビッグノーウェア」にでてきたあの人この人は…みたいな楽しみもありました。この「背信」から読む方は、ぜひ登場人物を覚えていただいて、他作品を読んでほしいなあと思います。

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